2015-11-13 (Fri)✎
路線の思い出 第119回 津軽線・三厩駅 〔青森県〕
この駅に立ち寄ったのは
駅名が「みうまや」と呼ばれた頃の事
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83)
青森~三厩 55.8km 2538 / 421
運行本数(’15)
青森から津軽海峡線方面の特急 10往復(蟹田のみ停車)
急行 1往復(夜行列車の為、線内無停車)
青森~三厩 1往復
青森~蟹田 8往復
蟹田~三厩 4往復
青森~蟹田 8往復
蟹田~三厩 4往復
三厩駅(みんまやえき)は、青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩東町にあるJR東日本・津軽線の駅で、津軽線の終着駅である。 島式ホーム1面2線を有する駅であるが、CTC化による合理化で駅舎側の線路は使用停止されて柵が設けられ、実質的に1面1線となっている。 2018年度の1日平均乗車人員は25人との事。
駅舎は開業当時のものを使用している。 現在は青森駅が管理する無人駅である。 入口扉の上には絵画があり、その中には太宰治の小説『津軽』より三厩地区を描いた部分が抜粋されて載せられている。
以前は夜間滞泊があり、ホームの奥にある気動車を収容する車庫を使用していたが、現在は使用せずに当駅最終列車は到着後に蟹田駅まで回送している。 なお、2020年1月の目視確認によると、この車庫は撤去された模様である。 駅舎内に青森運輸区三厩乗務員休養室がある。
津軽線では新中小国信号場から当駅までの間は長らくCTCが導入されておらず、その導入前日の2019年4月28日まで運転取扱業務を行っていた為に、長らく直営駅となっていた。 出札窓口にマルス端末の設置はなく、POS端末のみが設置されていた。 また、管理駅として今別駅・津軽浜名駅を管理していた。
この駅での鉄道は、「確か、乗ったよな?」程度のモノでしかない。 そして、以降は津軽海峡線で海峡トンネルに入る特急や急行にしか乗った事がない。 そう・・、北海道へ行く為の『経路』として利用したに過ぎないのである。 あぁ・・そういえば、津軽海峡線が開通した創生期時代に、料金不要の快速〔海峡〕に乗った事もあるなぁ。 でも、昔の快速〔海峡〕の方が、今よりずっと乗りやすかったよ。
周遊券に急行列車に夜行列車・・
この頃は鉄道旅がしやすくて良かったよ
※ グーグル画像より拝借
その「確か、乗ったよな?」程度の記憶しかない路線に何故に乗ったか・・というと、終点の三厩からバスを乗り継いで竜飛崎を訪ねる為であった。
以前は殺風景なローカル線たる駅だった
三厩駅
この頃はそろそろに旧国鉄の二次廃止対象路線が、その呼称通りに廃止バス転換で帰結し、鉄道に対しての情熱が冷め始めてきた頃で、列車にカメラを向ける事はなかったよ。
数少なくなった
ローカル線の終着駅の情景
※ グーグル画像より拝借
そして、その時のローカル線に代わる『マイ・ブーム』は、岬めぐりと灯台だったのである。
この時から山に目覚めるまでの数年間は、沖縄の辺戸岬や喜屋武岬から、北海道の襟裳岬や納沙布岬まで、有名処の岬の大概は踏破していった。
この筆者(タワケ)・・、一旦火が着いて『マイ・ブーム』となったら、結構トコトンまで追い求める性質がある。 まぁ、これはいい事でもあり、その為に全てを放り出すので、人生設計としては愚か極まる事でもあるのだが。 その岬めぐりの究極がコレですね。
その竜飛崎への道程であるが、JR津軽線の《三厩》まで行く列車は日に5本しかない。
朝の1本を逃すと、昼まで列車はないのだ。 そして、この朝の列車に乗る為には、青森駅6時始発の列車に乗らねばならない。 余裕を持って散策するには、《三厩》か《竜飛》で宿泊する方がいいかもしれない。
まぁ、車全盛時代の今時に列車で岬めぐりなどする奇特な御仁はいないと思うが、当時の車を持たない鉄旅小僧には、竜飛崎に行くにはこの手しかなかったのである。 なお、この時は、先に「《三厩》か《竜飛》で宿泊する方がいいかもしれない」と記したように、北海道冬の駅寝旅をしていた全盛期ではあったが、泊まる駅が無かったので民宿に泊まって、普段では年に片手にさえ余る回数しかない『一汁三菜』以上の豪華な朝飯を食したよ。
“本州の袋小路” 竜飛崎の入口
《竜飛》のバス停は、岬の高台と海岸の堤防に挟まれた小狭い集落の前にある。 ここから堤防に沿って歩いていくと、やがて舗装道路は途切れ、崖壁の下部の“へつり”につけられた遊歩道を歩いていく。
“へつり”の遊歩道からは、打ち寄せる波がまるで立体映像の如く押し迫ってくる。 また、波しぶきを浴びるごとに、本物の迫力を感じる事ができる。
立体3Dのごとく
迫力満点で迫りくる波しぶき
岩礁にぶち当たって砕け散る波
この“へつり”遊歩道を歩いていくと、岩コロが転がる荒々しい情景の海岸に出る。 ここから、真上にそびえる岸壁をジグザグに登っていく。 この岸壁を登っていくにつれ、沖合い遠くが見渡せるようになる。 岸壁の中腹辺りまで登ると、遠く北海道の街並みも見渡せるようになってくる。 この岸壁を景観を楽しみながら上まで登りつめると、太宰治の詩碑のある《竜飛崎》に着く。
“ここは本州の袋小路だ”
太宰治の名句が刻まれてある
太宰治の名句が刻まれてある
“ここは本州の袋小路だ!”。 太宰治がつぶやいた言葉をかみしめるように思い返す。
そして、“さいはて”の哀愁をより強く感じるには、強風の吹きすさぶ状況がよさそうだ。
岬の高台に立ち、遠く北海道を眺めて“さいはて”を満喫したなら、すぐ近くにある岬の灯台に向かおう。
波しぶきがぶち当たる断崖の上に立つ
竜飛崎灯台
そして帰りは、日本でも唯一の“階段の国道”である国道339号線を“下って”みよう。
“さいはて”の旅をしめくくるにふさわしいシチュエーションを味わうべく。
“さいはて”の旅をしめくくるにふさわしいシチュエーションを味わうべく。
国道339号線の岬の突端は
階段の『階段国道』だ
※ グーグル画像より拝借
荒々しくも何か哀愁が漂う
人の抱く“さいはて”の情景ここにあり
人の抱く“さいはて”の情景ここにあり
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No title * by 風来梨
きゃみさん、こんばんは。 お返事が抜けておりました。 すみません。
竜飛崎は最果て感の漂う景勝地ですね。 波打際の遊歩道を歩いて波しぶきを浴びるだけでも感慨深いですよ。
そして、最後は岬灯台の建つ高台から、階段国道をゆっくり下りていくのも乙だと思います。
竜飛崎は最果て感の漂う景勝地ですね。 波打際の遊歩道を歩いて波しぶきを浴びるだけでも感慨深いですよ。
そして、最後は岬灯台の建つ高台から、階段国道をゆっくり下りていくのも乙だと思います。
今年の夏に三厩行ってきました。トラバしますね。
岬までは行かなかったのですが、階段国道があったりとわたしも楽しめそうなところがあるんですね。