2015-11-08 (Sun)✎
『日本百景』 秋 第208回 法体ノ滝 〔秋田県〕
晩秋の濃い紅につつまれた
法体ノ滝
法体ノ滝 ほったいのたき 落差 57m 秋田県・由利本荘市(旧 鳥海町)
アプローチ JR羽後本荘駅より車 (1:05)→法体ノ滝・レストハウス駐車場
行程表 レストハウスのすぐ下が滝見公園 滝までは約200m
滝めぐりの遊歩道は法体ノ滝の一ノ滝まで続いている
往復・所要約1時間
法体ノ滝 位置図
この滝は、名峰・鳥海山からの水系である子吉川支流の赤沢川にかかる『日本の滝100選』に指定された滝である。 滝は3段の段爆で、上部の段は小さな渓流を成している。 3段目の本瀑はこの渓流で勢いのついた流れを一気に落とし、その激しい水流からか、落水は末広がりに広がっている。
滝名は、「その滝の姿が法師の法衣姿に似ているから」という事で『法体ノ滝』と名づけられたという説と、法体の空海(弘法大師)がこの地を訪れた際に不動明王が現れ、空海が不動明王を奉るこの滝を御神体として拝礼した時事からきているという説がある。 まぁ、ワテとしては宗教的な歴史云々よりも、感性からの命名である前者を支持したいと思うのだが。
滝前広場から河原を伝って滝前へ
滝前には駐車場が完備され、ログハウス調のレストハウスもあり、ただ単に滝を見るだけなら、レストハウスから滝見公園として観光整備された芝生の広場を200mほど横切るだけでいい。
展望台から観た法体ノ滝の全容
前述の通り、滝見公園の芝生広場より少々場違いな赤い鉄の吊橋を渡ると、3段に分かれた滝全体と滝上流の玉田渓谷を探勝する遊歩道が続いている。 この遊歩道から鳥海山の裏登山口である《百宅 ももやけ 登山口》に出る事ができるが、アプローチ的な不利があって、あまり使われていないみたいである。
何でも、最高峰の鳥海山・新山 2236メートル へ行くには最短ルートなのだそうである。
橋を渡ると、滝の右岸(進行方向左側)の崖をジグザグに切った階段道で昇っていく。 これを登ってひと汗をかく頃には、滝の展望台に登り着く事ができるだろう。 滝全体を望むなら、この場所が最もいいみたいだ。 現に、ほとんどの人がここで折り返していく。
だが、本瀑の上の《一ノ滝》、《二ノ滝》といった渓流瀑や、本瀑の落ち口など“違った角度”から滝を眺めたいのなら、この先へ繰り出すべきだろう。 距離的には大した事はないのだが、展望台より先は人の往来が少ないと踏んだのか、遊歩道の安全対策が途端に疎かになっていく。
法体ノ滝の上部は渓流瀑となっていて
それぞれ《一ノ滝》《二ノ滝》と呼ばれています
それぞれ《一ノ滝》《二ノ滝》と呼ばれています
展望台までは石をコンクリートで固めた人工的な階段が設けられ、転落防止の柵が全区間に渡って設置されていたが、展望台を過ぎると柵はなくなり、「土砂崩れがあった」と思しき区間にネットが張られているだけであった。 また、《ニノ滝》への降り口はゼブラロープが垂らしてあるだけで、《ニノ滝》の渓流瀑にアプローチするなら、滝を成す一枚岩をゼブラロープを頼りに下っていかねばならない。
紅葉に染まる樹木の間から
法体の《二ノ滝》を望む
だが、このゼブラロープを頼りに本瀑の落ち口の前に立つと、陽の光をキラキラと浴びて飛沫が飛び跳ねる様や、《二ノ滝》の渓流瀑の艶やかさなどを味わう事ができるだろう。
何でもない駄写真の様ですが
実は崖っぷちで木に跨って撮っているのです
実は崖っぷちで木に跨って撮っているのです
しかし、滝傍の一枚岩の岩盤で滑りやすく、沢に滑り落ちれば最後、すぐさま本瀑の落ち口より転落の憂き目を見るだろう。 そうなれば、死亡事故ものだ。 これだけの危険が孕むのにも拘らずこの放置状態とは、察するに「立入禁止の処置を怠けているだけ」の節がうかがえるのである。 従って《二ノ滝》の探勝は、自己責任を持って事に当たって頂きたい。
本瀑の落ち口まで行けば
迫力はありますが
足を滑らすと滝飛沫と共に
滝つぼへ落っこちます
全ては『自己責任』って事で
後はこれといったものもなく、《一ノ滝》はまだ流れに勢いがついていない瀬滝の状態で少々迫力不足だ。 また、その上流の玉田渓谷も、これといって目に引くような渓流でもなかったので、敢て時間を取る必要はないと判断したのだが。
前述の如く遊歩道は、玉田渓谷を伝って裏鳥海の登山口まで続く砂利道に合流する。
この砂利道を反対方向に行くと、車道を経て百宅の集落へ下っていく事ができる。
他にもめぐりたい滝がたくさんある事であるから、この滝の探勝はこの辺で切り上げるとしよう。
河原の転石を前景に
してもいいみたい
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No title * by 風来梨
gre*n*hub*32さん、こんばんは。
日本は自然の宝庫・・美味し国ですね。 それは、四季折々の情景と、豊富な雪から湧く清水ですね。
特に四季の移り変わりがハッキリしている東北の山裾は素晴らしい滝が数多く潜んでいます。
この密かな滝達を、一つでも多く訪ね魅たいと思う私です。
日本は自然の宝庫・・美味し国ですね。 それは、四季折々の情景と、豊富な雪から湧く清水ですね。
特に四季の移り変わりがハッキリしている東北の山裾は素晴らしい滝が数多く潜んでいます。
この密かな滝達を、一つでも多く訪ね魅たいと思う私です。
No title * by 隆三
お早うございます。
初めまして滝と渓流検索でやって来ました。
素敵な滝ですね。
有難う御在ました。
初めまして滝と渓流検索でやって来ました。
素敵な滝ですね。
有難う御在ました。
No title * by 風来梨
隆三さん、こんにちは。
見て頂いて、有難うございます。
この国にはいろんな滝風景がありますね。
まだまだ私の知らない滝がいっぱいあるので、一つづつ訪ねていきたいな・・と。
見て頂いて、有難うございます。
この国にはいろんな滝風景がありますね。
まだまだ私の知らない滝がいっぱいあるので、一つづつ訪ねていきたいな・・と。
日本にはこんなに名爆があるのか!?と感動します。
国内旅行だけでも回りきれない名勝の地が満載で、・・・何も海外観光旅行などをする必要がないと思います。
☆ナイス!〜