風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第117回  肥薩線・矢岳駅、真幸駅

路線の思い出   第117回  肥薩線・矢岳駅、真幸駅  〔熊本県・宮崎県〕


その駅名板は時代を見続けてきた

《路線データ》
   営業区間と営業キロ               輸送密度 / 営業係数(’15)
  八代~隼人 124.2km                      552  /  379
運行本数
  八代~人吉 特急【かわせみ・やませみ】、【いさぶろう・しんぺい】下り3本・上り4本
        普通 8往復
  人吉~吉松 普通 3往復(内 2往復 八代より特急の【いさぶろう・しんぺい】
  吉松~隼人 特急【はやとの風】2往復、普通 下り11本・上り12本

真幸駅(まさきえき)は、宮崎県えびの市大字内竪にあるJR九州・肥薩線の駅である。
2000年3月のダイヤ改正で急行【えびの】が廃止となるまで、急行停車駅であった。
2015年度の1日の平均乗車人員は2人との事。 

島式ホーム1面2線を有する駅で、駅舎は開設当初のものである。 肥薩線の山線と呼ばれる険しい区間にあり、通過不可能な逆Z字型のスイッチバック構造で、かつて運転されていた優等列車も必ず停車しなければならず、急行列車は客扱いを行っていたが特急は運転停車であった。

宮崎県で最初にできた駅であり、肥薩線唯一の宮崎県内の駅である。 矢岳駅は熊本県、吉松駅は鹿児島県にあり、3駅連続して所属県が変わる。 「真の幸せに入る」に通じるとして、入場券などで人気がある。 すぐそばを国道447号が通っているが、駅周辺は林に隣接していて閑散としている。 以前は駅周辺には集落があったが、度重なる土石流災害で住民が移転し、現在は周辺の建物もまばらである。 

ホームの中程に「幸福の鐘」が置かれている。幸せと感じる度合いに応じて鳴らすのが良いとされている。 地域のボランティアが駅ノートを設置し、特産品やお茶のサービスなどを行っている。
また、ボランティアがいる時間帯では記念入場券を購入する事ができる。

矢岳駅(やたけえき)は、熊本県人吉市矢岳町にあるJR九州・肥薩線の駅である。
肥薩線の山線と呼ばれる険しい区間にある駅の一つで、肥薩線で最も高く標高約536.9メートルの地点に位置する。 2000年3月のダイヤ改正で急行【えびの】が廃止となるまで、急行停車駅であった。

単式ホーム1面1線のみの駅で、駅の最盛期には単式ホームの向かいに島式ホームがあって、線路も上下線合計3線に加え、貨物の積み下ろし用の線路も3本存在していた。

無人駅だが日本三大車窓に数えられる観光区間に位置するため、駅舎の待合室には駅ノートが設置されている。 また汲み取り式便所が設置されている。 駅構内には蒸気機関車(SL)の展示館があり、D51 170が展示されている。 並べて展示されていた58654(8620形)は、1988年に現役復帰したとの事。

駅建設時は藍田村大字大畑という地名であったが、矢岳山を貫く矢岳第一トンネルが近くにあることから矢岳駅と称する事となり、そこから後に町名も矢岳町となった。 駅開設当時は僻地で利用が少ないと心配されていたが、やがて運送業者や木材業者が集まるようになり、木炭や木材の積み出しで賑わうようになった。 第二次世界大戦後は開拓者の入植もあり、昭和30年代には約160戸780人が矢岳町に住んでいた。



・・撮影旅行記・『滝と鉄道の旅 九州』より
さぁ、これよりは、『滝・鉄旅』の『鉄道』編への突入だ。 コンビニ飯を買い込んで、例のオタ観光列車に乗り込むとしよう。  しかし、人吉駅前ってコンビニがないのね。 列車の発車時間まで何分もないし、大畑・矢岳・真幸と行った駅には何もなさそうだから買出しは必須だし・・で焦ったよ。


アラアラ改造しまくってますネェ
JR九州・「いさぶろう・しんぺい」のウェブより

で、オタ列車の中は・・というと、アラアラ改造しまくってますネェって感じ。 
中は観光ツアーの一団でほぼ満席状態だ。 当然の如く全て指定席だが、ただのボックス席でリクライニングなどはなく『ありがたみ』は皆無だ。


車内は「古き良き時代の鉄道」を
イメージした木目調の『直角イス』!
JR九州・「いさぶろう・しんぺい」のウェブより

そして、指定席券を買わぬ不届き者(筆者)は、二両目端の『シルバーシート席』以外の着席を禁じられる。 その上に筆者は、今日のこの日の為に20㎏超のデカザックを担いでいるのだ。 従って、同義的に『シルバーシート席』の着席も禁じられているようなものであった。

このような状況で仕方なくデカザックを立て掛けて、その上にジャンバーを被せて『簡易テーブル』をこしらえて、その上にコンビニ弁当を広げて、観光案内の車内アナウンスを聴きながら飯をがっついていた。 大畑ループ下のトンネルに差しかかる時、真に飯を食い終えてデザートのヨーグルトに食指を伸ばそうとする“クライマックス”であったのは藪の中に。


古き良き日の面影を残す大畑駅舎

トンネルを越えると、スイッチバックの線形を見ながら大畑駅に到着する。 大畑では5分程停車し、ツアー観光客はワラワラと降りて、駅や列車を前にして『ピースサインの記念撮影』に興じていた。
何でも、記念撮影用のサインボードも用意されているみたいだ。 大畑駅の様子は明日にここを撮影地とする予定なので、その時に語る事にしよう。


スイッチバックを経て大畑駅に入線する
観光列車【しんぺい】号

さて、『ピースサインの記念撮影』は白熱化し、5分の停車が8分となるハプニングがあったが、たぶんそれは想定済みの事なのだろう。 運転士は悠然とスイッチバック越えをするべく、後部車輌の運転席に陣取る。 それを車内TVモニターで映しながら、車内アテンダントの女性乗務員が団体ツアー客にスイッチバックの説明を行なっている。 スイッチバック線に入線し、運転士は再び前の運転席に戻っていく。


スイッチバックを行き交う列車は
正面から撮ると今イチだね

運転士が前の運転席に入るとほどなく列車は発進し、ループ線へと入っていく。 大畑駅展望場所(大きな看板が立ってたよ)などのループ線の名所毎に列車を止め、アテンダントさんが団体ツアー客に「右をご覧下さい」「左をご覧下さい」と説明に忙しい。 この列車の従業員にとっては、ループ線の通過までが最も忙しい時間帯だろう。

列車は大畑から300mも標高を稼いで、路線上でのサミットとなる矢岳に入る。 この駅でも5分の停車があり、ここでも指定席客(団体ツアー客)は駅構内に展示された蒸気機関車(私自身は蒸気機関車に全く興味がないので、立ち寄る事はなかった)の前での『ピースサインの記念撮影』に勤しんでいた。
まぁ、駅の雰囲気は、古き良き時代を残していて良かったけれど。


100年間峠を行く
列車を見てきた駅
矢岳駅


皆が汽車を見に行って
いっとき喧噪が去った
チャンスだ

矢岳も停車5分の所を7~8分使って発車。 県境とトンネルを越えて、『日本三大車窓』を眺めつつ真幸へ下っていく。 そして、最後の見せ場である真幸のスイッチバックでワタワタとした後に真幸駅に進入する。

私はこの駅で下車するのだが、駅に着くと同時に指定席客達及び『シルバーシート席』の『本鉄』達はホームに飛び出して、『真幸駅の幸せの鐘』を代わる代わる乱打する。 これが結構やかましい。
『(ボクサーが)KOされて、10カウントゴングが乱打されてるが如し』である。


獰猛!?な観光客を前にして
「鐘は一人一回」をお願いしてもムダだよ
※ グーグル画像より拝借

鐘の乱打を終えた指定席客は、この列車の到着時だけ営業される行商のおばちゃんの誘いにのって宮崎の名産品を買い漁っていた。 一方、『シルバーシート席』の『本鉄』は、スイッチバック線形や駅の撮影に勤しんでいた。 で・・、『○鉄』の私は、ただこの喧噪が早く去ってくれるのを願い、列車が発車するのを心待ちにしていた。


観光列車の扉が閉まった瞬間が
シャッターチャンスだ

さて、列車の発車で喧噪が去った真幸駅は、いつもの静けさを取り戻す。 だが、今の列車が名称を〔しんぺい〕と変えて折り返してくる頃に、再び10分間の喧噪がやってくる。 この駅に降りた目的は列車がスイッチバックに入った後の『カット狙い』なので、列車が去るまでは駅舎の陰に隠れて(隠れる必要はないのだが)じっとやり過ごす。


後で見つけた撮影地で
撮れば良かった
今イチですな

その時の・・がコレ。 今イチですな。 もうちょっと下見の時間があれば良かったかも。
さて、本日の最終列車(観光列車の・・ですよ)が発車すると、行商のおばちゃん達はそそくさと店じまいを始めて、列車発車後30分でいなくなった。


観光列車が去った後は
長閑な山の駅に立ち戻る

この後、18:37まで3時間のヒマだ。 この真幸駅からはえびの盆地の町が一望できるのだが、『ただそれだけ』で店屋の一軒もなく、自動販売機なども一切ない。 そして、行商のおばちゃん達の店も、漬物や干し柿などの名産品はあっても飲料は全く売っていなかった。 そのおばちゃん達も列車が去ると、即効車で去っていった。 ・・で、干上がってきたのである。


真幸駅のある高台から望む
日本三大車窓『矢岳越え』
撮ったのは車で訪れた別の時だけど

仕方がないので、自動販売機を求めて京極温泉側を1km、吉松側を2kmほど歩く。 吉松側には『西内竪棚田一〇〇選 ⇒』なる案内板があり、「何かあるかな」と自動販売機探しのついでにめぐってみる。 矢印の通り行くと、グルリと大回りして駅裏の小学校跡に出る。 
その小学校跡の背後に広がるのがこの棚田であるが、案内は悪く大回りさせられた上に棚田もショボかった。 だが、駅の裏手に出たので、いい撮影地は発見できた。


訪れたもののショボかった
『西内竪棚田一〇〇選』
あっ、原チャリ入っちゃった

・・で、歩き周って『自動販売機』なし・・のダメ出しを食らい、空も夕方から陽が落ちて暗くなった。
一応、先程の『棚田めぐり』で見つけた撮影地に陣取り、レリーズなしで18:00発のスイッチバック通過列車を撮ってみる。


夜の部で辛うじて見れるのがコレ

やはり、レリーズなしではアカンかったね。 なお画像はお見せできない物体になっていたので、『掲載見合わせ』という事で。 撮影を終えて駅に戻り、さっき撮影した列車の折り返しである18:37発の人吉行に乗り込む。

車内は、行きの観光列車での喧噪がウソだったかのようだ。 私を含めて乗客2人を乗せた一般の気動車は、黙々とサミットを越える。 やがて、列車は大畑着。 途中駅から途中駅、しかも夜汽車で無人地帯の大畑で降りる奴など鉄道目当ての『本鉄』でもおらず、運転士氏も真幸~大畑の運賃が判らずに、運転席に戻ってワンマン運賃表を点灯させて確認していた。

こうして下車した大畑駅は、駅舎が名刺で埋もれていた。 旅の記念に・・はいいが、美的感覚は問われるわなぁ。 で、こんな中でテントを張るのも嫌だったので、駅舎の外にテントを張る。


大畑駅舎内の『名刺』ツリー
こんな中で泊まるのはちょっと・・ネ
JR九州・「いさぶろう・しんぺい」のウェブより

後はいつもの如く、持参した漫画見ながら飯を作って、飯食って、漫画を枕にシュラフに潜り込んで寝るだけだ。 まぁ、山の中といっても九州なので、テント内は3℃位までしか下がらなかったよ。
ランタンもあって、暖かいテントの一夜だった。

  ・・翌日の大畑駅での出来事は、次回の『第118回 肥薩線・大畑駅』にて

     ※ 詳細は『撮影旅行記集』の『滝と鉄道の旅・九州』の
          『肥薩線・ループ&スイッチバック』を御覧下さい。












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