風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第205回  御来光ノ滝・秋景

『日本百景』 秋  第205回  御来光ノ滝・秋景 〔愛媛県〕


秋色に染まった柱状摂理の岩に
美しい白布を掛ける御来光ノ滝

   御来光ノ滝 ごらいこうのたき 落差 102m
愛媛県・久万高原町(旧 面河村) 石鎚山渓・面河川最奥に掛かる滝
石鎚スカイライン・長尾根駐車場より沢へ下り遡行4km


『フォーエバー』・御来光ノ滝 遡行行程図

この『道の駅・木の香』は、今日で6回目の車寝となる。 それは、今回ゆく《御来光ノ滝》が4回のチャレンジにして漸く本願成就となった『フォーエバー』の滝(この経緯はこのリンク先を見て下さい)だからだ。 過去3回の失敗と4度目、そして1回は雨で入渓自体を中止してトンボ帰りしたので、今回を含めると6回目となる訳だ。 だから、どこに何があるかは、“勝手知ったる”道の駅なのである。

そして、ここが山間部で非常に寒い事も・・。 昨日の《阿波PS》では出さなかったシュラフを出し、完全防備で寝る。 案の定、夜半過ぎには氷点下になっていたみたいで、車の屋根や窓ガラスが白く凍っていた。

昨日は18時過ぎに到着して19時過ぎには寝たので、朝5時に起きても10時間近く寝る事ができた。
昨日は4時間だったからちょうどいいだろう。 取り敢えず車のヒーターをかけてフロントガラスの霜を取り除き、メシを食って用を足すと、瞬く間に6時を過ぎていた。


今日は石鎚山が
美しくそびえるのが見える
最高の天気だ

やや出発は遅れたが、6:20に出発。 土小屋まで約1時間・・、朝の光を浴びて輝く紅葉を見ながらのドライブだ。 不安面であった路面凍結は大した事ないレベルが一ヶ所だけだったので、何事もなく土小屋へ。

土小屋で最終トイレをして、もう開放している石鎚スカイラインに入って、5km先の長尾根駐車場へ。
徒渉靴に履き替え、ザックにカメラ・レンズ・ポリタン・行動食などの『日帰りパッキング』を施して、出発は8:07。 さぁ、目指すは、紅葉に彩られた『フォーエバー・御来光』である。

発見するまで3回の時を要した御来光ノ滝の沢への降り口だが、今回も急だった。 3回尻餅着いたよ。 まぁ、徒渉靴は粘土質の道床には滅法弱いので、「転ぶのは仕方ない事」と自ら慰める事ができるけど。 尻餅を着くのを恐れて恐る恐る降りるので、下りに滅法時間がかかる。 沢に降り着くまで35分もかかっちまった。


透き通った清らかな水が
自然を創造する源だ

沢を渡って、渡渉点を示すブルーシートの所から急登(という程でもないが)で右岸(進行方向左側)の土手に上がっていく。 しかし、前にあった土砂崩れには桟道が架けられ、道標リボンも前回比150%位に増え、確実に人気遡行コースとして手が加えられているようだ。


暖かい日差しを浴びて
秋爛漫の彩りと輝きを魅せる沢をゆく

一度沢に降りて左岸に渡り、蛇行して流れる七釜を過ぎて再び右岸に渡り返し、また土手に上がっていく。 土手に上がってしばらくすると、3度目で“オチャメ”った《犬吠ノ滝》や《魚止ノ滝》が見えてくる。 だが対岸の土手からヤブ木越しにみるので、あまり情感は湧かない眺めだ。 ここで“オチャメ”った筆者(タワケ)でさえ感情が湧かないのだから、それなりのモノなのである。

やがて、徐々に沢に近づいてきたか・・と思うと、いつの間にか沢筋に降り立っていた。
以前は、この土手からロープで20mほどの土砂崖を懸垂下降に近い角度で降りていたが、それも回避されたようである。 この踏跡整備の進み具合は、「ひょっとして5年後には簡易の桟橋が徒渉地点全てに架けられるじゃないか?」との邪推も抱いてしまう。 でも、「沢筋に手を加える前に、沢に降りるあの急下降を何とかしろよ」と言いたくなるけど。


過去3回しくじったのがウソの様
快適に沢を遡っていけたよ

しばらく沢中を行くと運命のあの分岐が出てくるが、ここも最早間違えようがない位にケルンが山積みされ、リボン2ヶ所と横たわる倒木に赤テープが駄目押しの如く巻きつけられてていた。
これに逆らったらこうなるのは身をもって体験しているし、敢えて逆らって自分の身体能力の証明をする気もないので、素直にジグザクに土手を登っていく。


薄暗い高巻き道を
伝っていくと


日の光を浴びて
その「御来光」の名の通り
眩い白布が現れる

土手を登って例の函を高巻いてから2つ程一枚岩に流れる枝沢をロープ伝いに渡って、滝の高みに向かって高度を上げていくと、秋爛漫の御来光がお出ましになる。 今回の紅葉は目を見張る程に素晴らしく、焦ってしまって剱の長次郎雪渓以来のカブリ(フイルムを巻き取らずに裏蓋を開けてしまう、究極の『嬉し恥ずかし』)をしてしまったぜ。 まぁ、すぐに蓋を閉めたので、2~3枚のボツで済んだが。


この滝の魅力は飛沫の妙にある

それでは、写真歴が30年にも及ぶのに、ウデも・・心も・・気構えも・・一向に進歩しない写真床(写真界を渡り歩くのが写真『家』なら、ワテみたいに底辺を這いずり周るのは写真『床』だあね)がカブリを犯してしまう程の素晴らしき情景を、とくとごろうじろ。


滝の左岸(右側)から
見上げると迫力満点だ


『過去3度のしくじり』と
思い入れが大きい滝だけに


この滝の撮影に夢中となったよ


秋色は滝だけでなく
周囲も美しく彩って


光に共鳴して
虹の架け橋を魅せてくれた


滝飛沫がおりなす
虹の架け橋を狙おうか


それとも周囲の彩りを
散りばめようか

滝飛沫四景

滝の最上部の落ち口を見上げると


狼煙のような水煙が上っていた


その素晴らしき情景を
何とかフイルムに収めたくて


岩に弾けた落水のおりなす水狼煙を
無我夢中で撮りまくる


名残惜しいが
そろそろ立ち去る時がやってきた

帰りも秋の情景を撮りながら戻るが、今年は体がかつての状態に少し戻ったように思う。
なぜなら、最後の石鎚スカイラインへの300mの登りだが、往路の下り35分の所要に対して、帰りの登りは33分で登ってしまったからだ。 「登りの方が2分早い」という、ペースブローカーぶりが復活したので、かつての最盛期をちょっと思い返して嬉しくなった。 帰着は14:30。 行きも帰りも、所要は2時間半をちょっと割る位だった。


『フォーエバー』の秋を
目一杯堪能したよ


周囲は絢爛たる
錦絵巻が広がっていた

後は、土小屋から『道の駅・木の香』に戻るがてら、フイルムの残りで石鎚山系の秋風景を収め、『道の駅・木の香』の温泉で風呂に入って伊予西条の街に出ると、もう17時半。 旅の終わりにさしかかると、時間の経過が早くなる。 余韻に浸る事を許さぬが如くに。 そして、長いといえば長いし、短いといえば短い日常生活に戻っていく。


この素晴らしき情景を活力に
日常生活に戻っていこう

   ※ 詳細は、メインサイトの『撮影旅行記』より『滝と鉄道の旅・滝めぐり編』を御覧下さい。





















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No title * by リカさん
スカイラインから双眼鏡で見ていました。滝のそばまではとても無理です。スカイラインから林道を通り西条まで行くルートをドライブしていました。

No title * by 風来梨
リカさん、こんばんは。

石鎚スカイラインは、石鎚山や面河渓谷を展望できるいいドライブルートですね。 ただ、解放時間が短いので、朝日や夕日の情景は望めませんね。

また、こういう滝めぐりも、時間に縛られるので、少し厄介です。 こういう秘境の滝めぐり・・、身体がついていける限りやって行きたいですね。

No title * by 鳳山
絶景ですね。行ってみたいけど四国はちと遠い(笑)。

ナイス

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

「絶景は・・遠くにありて思うモノ」ですね。 なかなか訪れるのに苦労しますね。 でも、探訪が叶った時の高揚感と目に入ってくる絶景があるから、次々と絶景の地へ行きたくなります。

日本の国はこんな豊かな自然に囲まれた『奇跡の国』ですね。
でも、何が不満なのか・・、満たされ過ぎて解んないのか・・、国を堕としこむ共産党などの不埒な輩と、その甘い声に釣られる一部の不埒者がいるのが残念です。

コメント






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No title

スカイラインから双眼鏡で見ていました。滝のそばまではとても無理です。スカイラインから林道を通り西条まで行くルートをドライブしていました。
2015-10-22 * リカさん [ 編集 ]

No title

リカさん、こんばんは。

石鎚スカイラインは、石鎚山や面河渓谷を展望できるいいドライブルートですね。 ただ、解放時間が短いので、朝日や夕日の情景は望めませんね。

また、こういう滝めぐりも、時間に縛られるので、少し厄介です。 こういう秘境の滝めぐり・・、身体がついていける限りやって行きたいですね。
2015-10-23 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

絶景ですね。行ってみたいけど四国はちと遠い(笑)。

ナイス
2015-10-26 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

「絶景は・・遠くにありて思うモノ」ですね。 なかなか訪れるのに苦労しますね。 でも、探訪が叶った時の高揚感と目に入ってくる絶景があるから、次々と絶景の地へ行きたくなります。

日本の国はこんな豊かな自然に囲まれた『奇跡の国』ですね。
でも、何が不満なのか・・、満たされ過ぎて解んないのか・・、国を堕としこむ共産党などの不埒な輩と、その甘い声に釣られる一部の不埒者がいるのが残念です。
2015-10-27 * 風来梨 [ 編集 ]