風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第200回  白川郷

『日本百景』 秋  第200回  白川郷 〔岐阜県〕


人が失って久しい
“原点に立ち返った暮らし”がここにあった

   白川郷 しらかわごう
白山連峰の東麓、庄川の峡谷に沿って茅葺きの合掌造の集落がより集まっている。 この茅葺きの合掌造屋根は、名にしおう豪雪地帯での自然との共存を端的に物語っている。 

そして、その庵の中を覗くと、素朴で暖かみのある里の暮らしが瞼に浮かんでくる。 しんしんと降る雪の中、暖かい庵を囲む家族の団欒。 “働きバチ”と呼ばれて久しい日本人が心の奥に閉じ込めている、“人の原点に立ち戻った暮らし”がそこにあったのだ。




白川郷集落周辺地図

   行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
JR美濃太田駅より鉄道(1:55)→美濃白鳥駅よりバス(1:50)→白川郷・荻町バス停 
白川郷〔合掌の里・荻町集落・荻町城址など〕めぐり
※ 荻町バス停を16時までに出発すれば、中京圏からの日帰り可能


JR美濃太田駅から鉄道とバスを乗り継いで約4時間で、合掌造の民宿や民芸屋が道の両脇に建ち並ぶ《荻町》のバス停に着く。 まずは、《荻町》の集落を大周りしてみよう。 
集落の外側をめぐると、民宿や茶屋を兼ねている合掌造民家とは違った素朴な普通の民家の合掌造が望めるだろう。


庄屋の末裔
重文和田家の合掌造

撮影スポットとしては、重要文化財の『和田家』や境内の釣鐘さえも合掌造の《明善寺》などが挙げられる。 やはり、生活の匂いの漂った集落の方が“絵”になる。 《荻町》自体がそんなに大きな集落ではないので、小1時間もあれば一周する事ができるだろう。 


鐘までも“茅葺き”の明善寺

《荻町集落》をひと通り散策したなら、次に思うのは「上から全体を俯瞰したい」であろう。 
この思いを叶えるべく、《荻町集落》を俯瞰できる展望地を御紹介しよう。 それは、《荻町集落》の北の外れに位置する《荻町城址》の高台である。 


城址の石垣より
白川郷集落全体が俯瞰できる

ここからは《荻町集落》の隅々が俯瞰でき、しかもその上には頂上に白銀をまとう名峰・白山がそびえ立っている。 このスポットは、よくカメラ雑誌などでも使われている所である。 


この情景が使われるのは
やはり冠雪の季節ですね

また、付近にある《荻町城址》は、“いわく付”の歴史があり興味深い。 その“いわく付”の歴史とは、この城が滅んだ理由の事である。 攻め落とされての落城や、『一国一城令』による廃城取り壊しなどが普通の理由なのだが、この城の最後は、何と地すべりによって潰された・・という事である。


何気ないネコジャラシが
“黄金の穂”となる
城跡は自然に還っていた

戦で敗れたのではなく、寝ている間に地すべりによって潰されたのだから、城主にしてみれば憤懣やる方ないであろう。 だが、“外野”である私には、実に滑稽な事に感じてしまう。


永い歴史においての
この『出来事』の一コマは
「収穫前の稲穂にトンボがひと休み」
程度の事なのだろう

さて、昼食を《荻町》バス停前のメインストリートに並ぶ合掌造の茶屋で取ろう。 この《白川郷》の食べ物自慢は、『飛騨そば』である。 白山から生まれた清らかな水が、腰のあるそばの秘訣なのだろう。 


茅葺き屋根とコスモスの花

最後は、民芸品などを展示している合掌造が建ち並ぶ《合掌の里》を訪ねてみよう。 中は、昔の庵を再現した棟や工芸品の製作を実演するイベント棟、そしてこの《白川郷》に惚れ込んで移住し、絵や写真の創作活動をする芸術家の作品展示棟など見どころは多種に渡る。

また、園内は芝生が植えられ、御座を敷いて日向ぼっこでもしながらひと休みできるのもいい。
その他、コスモスや菖蒲の花園など、カメラ片手に十分楽しめる所である。 バス停からも近いので、時間一杯まで楽しもう。 


コスモスの花に囲まれての
日向ぼっこも乙なもの

日帰りでも帰れる所だが、1日ここで滞在するのも“また楽し”である。 合掌造の民宿に泊って、翌日に《御母衣ダム》や《五箇山》などに足を延ばし、より実りのある旅にするのもいいだろう。

    ※ 詳しくは、メインサイトより『白川郷』を御覧下さい。












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