風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第111回  指宿枕崎線・開聞駅

路線の思い出   第111回  指宿枕崎線・開聞駅  〔鹿児島県〕


人目に着かない駅は淘汰される定めにあるのか・・
駅舎在りし時の開聞駅

《路線データ》
     営業区間と営業キロ                   輸送密度 / 営業係数(’15)       
   鹿児島中央~枕崎 87.9km            3534  /  232
開聞駅発着列車
             下り 枕崎行 6本、西頴娃行 1本
             上り 山川方面行 8本

開聞駅(かいもんえき)は、鹿児島県指宿市開聞十町にあるJR九州・指宿枕崎線の駅である。駅名標は独自デザインのものに更新されており、菜の花と池田湖の怪獣イッシーがあしらわれている。

単式ホーム1面1線を有する駅で、開業当初は駅舎があり駅員も配置されていたが、すぐに無人駅となって駅舎は平成になってから撤去された。 開業時は1面2線だったが、その名残が線路の配線に見られる。 また駅構内の枕崎方は資材置き場となっており、新旧のレールが置かれている。 2015年度の1日平均乗車人員は25人との事である。

駅前広場は無人駅には珍しく、砂利敷きながらもロータリーがある。 路線バスの転回・待機場として利用されている。 なおバス停は国道226号線に出た所にあり、駅前ロータリーではバスの転回場で乗降扱いをしない。




美しき裾野を魅せる開聞岳を望んで・・
長崎鼻にて

我が【名峰百選】に選びし名峰・開聞岳。 標高922mのこの山は、約2時間で登れる手頃な山だ。
だが、アプローチは車があれば何ら問題はないが、公共交通機関を利用して・・となるとかなりアプローチが不便な山であった。


開聞岳山頂にて

そう・・ワテは、もはや希少価値で探してもいないであろう・・、鉄道を利用してこの山に登ったのである。 その鉄道・・指宿枕崎線は、指宿市郊外の山川(旧 山川町・・指宿市に編入)までは毎時1本以上の列車が運行されているが、山川以遠は終点の枕崎までの6本と西頴娃までの区間運行が2本のみの超閑散線となるのだ。


開聞岳より麓を見下ろす

また、開聞岳の登山口の最寄りとなる開聞駅からは約3kmと歩けない事はないが、登山口を経由するバス路線は現在は廃止となって存在しない。 その『以前あったバス』のバス停は登山口と500m程離れていて、登山口で手を挙げても乗車拒否されたのである。

要するに、「登山関連の者は、ほぼ全てがマイカーで来るので乗客として見込めない」と始めから客扱いしていないのであった。 そんなゾンザイな運行仕様の路線バスが通るような駅だから、当然の如く駅も陳腐化していた。 でも、この駅は旧 開聞町(指宿市に編入)の中心駅で、役場(現在は指宿市の開聞支所)も近くにあった町の市街地にあった駅である。 それが早々に無人駅となり、今や駅舎さえも取っ払われた『坊主駅』にまで落とされているのである。 


久しぶりに訪ねてみれば哀れ・・
小さな駅の思い出は跡形もなく消えていた

・・JR九州って、肥薩線の嘉例川や大隅横川、大畑のループ・スイッチバックなど人目に着いて人気を博した路線や駅には投資するが、他の路線は管理費用を惜しむが如くスッパリと駅舎を潰して『坊主駅化』にしてしまう傾向があるようですねぇ。 まぁ、鉄道会社としては、儲からない所はそのような対処を施すのは常套事なのだろうが、あまりにも世知辛い対応ですね。


開聞岳と鉄道の風景って
人を集めるに足る情景だと思うのだが

そう、その弊害として、同路線の歴史的価値のある枕崎駅の駅舎も、売却されてスーパーマーケットになってしまったし・・。 まぁ、枕崎駅の所有者は廃止となった鹿児島交通だけど、築70年を経た歴史的価値のある旧駅舎が、いとも簡単に解体されてしまったのだから・・。


歴史的価値のある建物がまた・・


消えてしまった・
これを目にして
しばし呆然となったよ

   ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『指宿枕崎線』を御覧下さい。
     撮影記を記していますので、宜しければどうぞ。












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No title * by roba
駅ってなんだか「帰って来たよ~」って思わせる風景がいいのに
枕崎駅は残念ですね。
鉄道を使う機会のない自分が文句を言えた義理ではないんですが…。

寂れていようが、
バス停から500メートル離れていようが乗る意思がある人は乗せるくらいの融通が利くのがこういう田舎の良いところでしょうに。

No title * by 風来梨
robaさん、こんにちは。

「駅降りて 果てなく広がる 旅景色・・」
駅って、旅の始まる所でもあるんですよね。

時の移り変わりは無情で、鉄道から旅の味が薄れつつありますね。 利便性・収益性という名の元に、シンカンセンとか旅の風味の無いモノが幅を利かせてきています。

でも、今まで体験してきた鉄道の旅を忘れたくない・・。
そんな思いが昂じて、こんな書庫を展開しています。

No title * by 風来茄子
駅舎の建替えは主要駅でも進んでいて、弘前駅など
♪ベベンベンベンベン~と津軽三味線が響きそうな古錆びた
重厚な駅舎だったのが変哲のない橋上駅舎に変わって
しまいました。改札業務の効率化と線路を跨ぐ通路としての
機能性は理解出来ますが、大都市の駅と変わらないですよね。

津軽中里駅も♪ベベンベンベン~を期待してたのにスーパーが
母屋を乗っ取り、大湊駅にはホテルが(泊まったけど)・・・

青森の話をしたい訳じゃないのですが最早鉄道に旅情を求める
時代でもないのかも知れませんね。車両のほうもロングシートの
銀箱ばっかりだし。

No title * by 風来梨
殿下・・、御成り頂き感動の涙に打ち震えまする。

>弘前駅など♪ベベンベンベンベン~と津軽三味線が響きそうな・・

確か山形の天童駅は「♪とうりゃんせ」が不気味に鳴り響いて、夜遅くに跨線橋を単独で荷物を抱えて渡り歩くと「そそるモノ」があるそうでございます。

>大湊駅にホテル

そうなってしまいましたか・・。 興浜南線の日ノ出岬に出現した巨大温泉ホテルを見た心地に似ておりまする。

>車両のほうもロングシート

近鉄の伊勢方面の急行・快速急行もロンシーになっちまいました(嘆)
キハ40の「30人掛けロンシー&航空機窓を思わせる便所窓跡」をかいま見た衝撃を受けておりまする。

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No title

駅ってなんだか「帰って来たよ~」って思わせる風景がいいのに
枕崎駅は残念ですね。
鉄道を使う機会のない自分が文句を言えた義理ではないんですが…。

寂れていようが、
バス停から500メートル離れていようが乗る意思がある人は乗せるくらいの融通が利くのがこういう田舎の良いところでしょうに。
2015-09-14 * roba [ 編集 ]

No title

robaさん、こんにちは。

「駅降りて 果てなく広がる 旅景色・・」
駅って、旅の始まる所でもあるんですよね。

時の移り変わりは無情で、鉄道から旅の味が薄れつつありますね。 利便性・収益性という名の元に、シンカンセンとか旅の風味の無いモノが幅を利かせてきています。

でも、今まで体験してきた鉄道の旅を忘れたくない・・。
そんな思いが昂じて、こんな書庫を展開しています。
2015-09-14 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

駅舎の建替えは主要駅でも進んでいて、弘前駅など
♪ベベンベンベンベン~と津軽三味線が響きそうな古錆びた
重厚な駅舎だったのが変哲のない橋上駅舎に変わって
しまいました。改札業務の効率化と線路を跨ぐ通路としての
機能性は理解出来ますが、大都市の駅と変わらないですよね。

津軽中里駅も♪ベベンベンベン~を期待してたのにスーパーが
母屋を乗っ取り、大湊駅にはホテルが(泊まったけど)・・・

青森の話をしたい訳じゃないのですが最早鉄道に旅情を求める
時代でもないのかも知れませんね。車両のほうもロングシートの
銀箱ばっかりだし。
2015-09-14 * 風来茄子 [ 編集 ]

No title

殿下・・、御成り頂き感動の涙に打ち震えまする。

>弘前駅など♪ベベンベンベンベン~と津軽三味線が響きそうな・・

確か山形の天童駅は「♪とうりゃんせ」が不気味に鳴り響いて、夜遅くに跨線橋を単独で荷物を抱えて渡り歩くと「そそるモノ」があるそうでございます。

>大湊駅にホテル

そうなってしまいましたか・・。 興浜南線の日ノ出岬に出現した巨大温泉ホテルを見た心地に似ておりまする。

>車両のほうもロングシート

近鉄の伊勢方面の急行・快速急行もロンシーになっちまいました(嘆)
キハ40の「30人掛けロンシー&航空機窓を思わせる便所窓跡」をかいま見た衝撃を受けておりまする。
2015-09-14 * 風来梨 [ 編集 ]

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2022-09-02 * - [ 編集 ]