風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰次選の山々 第115回  渡島駒ヶ岳 その2

名峰次選の山々 第115回  『120 渡島・駒ケ岳』 その2  〔北海道〕
独立峰(大沼国定公園) 1131m  コース難度 ★  体力度 ★


僅か1000mちょっとの標高とは思えぬ
迫力を魅せる渡島駒ヶ岳

〔名峰次選〕の記事があと6峰を残して止まっている。 それは、去年からの〔名峰次選〕踏破山行で『遭難フラグ』を立てまくって、記事を書く機会を逸したからである。 有り丁寧にいえば、登頂に失敗してのリベンジやオチャメの治癒に加えて台風にも邪魔されて、去年の秋に富士山で達成予定だった〔名峰次選〕の完全踏破が、未だ成し得ていないからである。 

その『連発オチャメ』の先駆けとなったのが、この渡島駒ヶ岳と日高・ペテガリ岳の踏破を目論んだ去年の『北海道〔名峰次選〕踏破山行』であった。 他の記事でも書いてある通り、この後のペテガリ岳で華麗なる「ロスタイム終了間際の大逆転トライ」で、同じ年に腹から火を噴いたJR北海道の特急型気動車183系と同じく、このタワケも『腹から火を噴いた』よ。 その顛末に興味ある方はコチラをどうぞ。


この尖った岩塔は
登るのは無理そうだ

でも、この〔名峰次選〕完踏計画を実行してから、行く先々で『遭難フラグ』を立てまくるオチャメかましてるよな。 和名倉山では2回も道迷いで、1回目は『遭難フラグ』モノ。 池口岳では暴風雨に遭い、北海道遠征では腹から火を噴いて、ついでに早戸大滝と常布ノ滝で『遭難フラグ』を乱立して、ついこの前の7/20~22もラストの広河内岳で『死亡フラグ』に昇華しかねない『遭難フラグ』を立てちまったよ。

こうもオチャメが続くと、記事を書く気が失せてくるのである。 そして、放置したまま気が付けば、山記事を書くのに不適当な冬に入ってしまったのである。 でも、そろそろ書き始めないと「2年越し」になっちまうので、書き記す事にしよう。 まぁ、この盆で、おそらく最後の広河内岳も踏破できると思うしね・・。←筆者(タワケ)のクオリティから考えると、少し怪しいが。


渡島駒ヶ岳・赤井川ルート 行程図

   行程表
JR大沼駅よりタクシー利用(0:40)→駒ヶ岳6合目登山口(0:30)→銚子口ルート分岐
(0:50)→馬ノ背 ※ 帰りは往路を戻る 駒ヶ岳6合目登山口まで約1時間
  ※ 駒ヶ岳6合目より最寄駅の赤井川駅まで約8km、所要3時間 車は所要20分


それでは、渡島駒ヶ岳を踏破してみよう。 この渡島駒ヶ岳は火山活動により今も噴煙を上げていて、頂上は立入禁止となっている山である。 一般登山者に解放されているのは肩に当たる標高900mの《馬ノ背》までで、それより先の頂上岩塔へは道も見当たらないのである。


コチラの砂原岳の方も立入禁止だ

その渡島駒ヶ岳には2つの登山ルートがある。 一つは銚子口からのルートで、もう一つは《駒ヶ岳6合目》からの最短ルートであるが、銚子口からのルートは下の居住区からの長いルートが登山者に敬遠されているのか、道が荒廃して閉鎖となっているようだ。 故に、現在はメインルートの《駒ヶ岳6合目》からのルートのみとなっている。

だが、この《駒ヶ岳6合目》は駒ヶ岳の山腹深くに位置して、車がなければアプローチが至極困難な事が難点である。 最寄駅のJR函館本線・赤井川駅より約8kmあり、徒歩で向かうなら3時間はかかるのである。 このように往復で6時間も取られるとなると、日帰り登山の山としてはタイムオーバーとなってしまうのである。


この山は登山道中より
登山口へのアプローチの方がキビしいな

この事情から、エトランゼの内地の者がこの山に登りにくるとするならば「レンタカーを借りて」となるだろうが、次のペテガリ岳の事を考えると「この山だけでレンタカーを借りる」のは、費用的にも手間の面(レンタカーを函館まで返しに行かねばならない)でも大きな無駄となるのである。 従って、泣く泣く3日分の食費に相当する5000円を叩いてタクシー利用としたのだが。 ちなみに、帰りは何も考えてなかったりして。←コレが筆者(タワケ)のクオリティ


イワブクロ
何も考えてない純粋無垢な
筆者のクオリティを
岩陰に咲く花で表しますた

タクシーで向かった《駒ヶ岳6合目》の駐車場は、やや傾斜のかかった荒地で、降り積もった火山灰土が前日からの雨でヌタ場と化す荒れた光景だった。 観光バスも通る舗装された登山道路を通ってきた目にはギャップの多い光景である。 また、トイレ以外に設備は無く、『あずま屋』もないので荷物をデポる場所がない。

荷物をデポるに適当な場所がない・・という状況に、この後に日高の山の登山を控えて装備一式を担いできたタワケが遭遇すると、自ずとからその解は「担いで登るしかない」となるのである。
でも、この無駄なスタイルが、後々『天からの蜘蛛の糸』となるのだけれど。


渡島駒ヶ岳の尖峰と
キャタピラ痕の残る登山道

道は、ブルトーザーで均したのか、キャタピラ跡が残る幅の広い砂礫道が延々と続く。 上方右手には、登る事の出来ない駒ヶ岳最高峰の剣ヶ峰と、肩を並べる《馬ノ背》の稜線がそびえ立っている。

あまり変わり映えのしない情景を30分ほど登っていくと、閉鎖された銚子口への降り口前に出る。 
銚子口へのルート降り口を示す看板は、テープでグルグル巻きにされて「亡きモノ」扱いとなっていた。

再び変わり映えしない広い砂礫道をつめていくと、やがて先程見えた剣ヶ峰から続く稜線の上に出る。
ここが一般登山客に開放された登山道の終点《馬ノ背》だ。 周囲には立入禁止を示すロープが張られ、そして眼前にそびえる剣ヶ峰は道が皆無の急峻な岩塔で、登攀道具を準備したその手のエキスパートでもなければ登頂不可能だろう。


一般登山客に開放された
終点の馬ノ背から剣ヶ峰の尖峰を望む
コリャぁ、登るのムリだわ

浅間山とか剱の北方稜線とか知床岬とか、数度となく立入禁止の所をお邪魔している『不届き至極』なロクデナシの筆者(タワケ)ではあるが、直感的に「コレは無理」と思ったよ。 なので、今回は大人しく、周囲の情景や花を撮って帰る事にする。 まぁ、ここはここで、程よい標高から見下ろす大沼などがいい感じだったし。


馬ノ背の程よい標高より
大沼を見下ろして

帰りも、『無駄担ぎ』となった装備一式20kgを担いで降りる。 でも、その一人だけ喘ぐ甲斐甲斐しさが目に留まったのか、他の登山者が声を掛けてくれた。 これが先程述べた『天からの蜘蛛の糸』である。

声を掛けてくれたお兄さんにこの荷物を担いでいる理由と同時に、ボソッと「赤井川の駅まで歩かないけないなぁ」と呟くと、スンマセン・・「釣れたよ」。 それも一本釣り! 「下までボクの車に乗っていきませんか?」という『天の声』が。 もちろん、担いだ荷物を投げ出す勢いで、喜んで行為に甘えたよ。


『天の声』が掛った幸運を
花で表現してみますた
馬ノ背の砂礫に咲くチシマギキョウ

しかも、このお兄さんは凄く「いいひと」で、重い荷物を担いで更に遅くなったワテが下りきるのを待ってくれたよ。 更に、このお兄さんはワテの今後の計画を考慮してくれて、次の日高に向かうのにベストな駅の特急停車駅の森まで送ってくれたよ。 アリガトウゴザイマスぅ~。

お陰で、長万部で風呂にも入れたし、この日は順風満帆だった。 でも、これからは坂を転がり落ちるように『オチャメ』が待ち受けているのである。 次のペテガリ岳に向かうのに森駅から乗った特急車両は『腹から火を噴いた』183系だったのは、この先に起り得る事の暗示だったのは藪の中に。





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