2015-07-09 (Thu)✎
『日本百景』 夏 第188回 暑寒別岳 〔北海道〕
雨竜沼湿原より眺め
る暑寒別岳
暑寒別岳 しょかんべつたけ (暑寒別天売焼尻国定公園)
雨竜沼湿原と共に、最近脚光を浴びているのが、“原始の山”暑寒別岳 1491メートル だ。
雨竜沼湿原と共に、最近脚光を浴びているのが、“原始の山”暑寒別岳 1491メートル だ。
この山の魅力は、何といっても高山植物だろう。 広大な丘状の山頂台地に、色とりどりの花々が咲き乱れるのである。
・・チシマギキョウ・エゾノハクサンイチゲ・チシマリンドウ・チシマゲンゲ・ミヤマキンバイ・オヤマノエンドウ・カラフトハナシノブ・チシマフウロなど、色とりどりの花々が大地を飾るのである。
・・チシマギキョウ・エゾノハクサンイチゲ・チシマリンドウ・チシマゲンゲ・ミヤマキンバイ・オヤマノエンドウ・カラフトハナシノブ・チシマフウロなど、色とりどりの花々が大地を飾るのである。
また、豊富な残雪をまとい、見事な縞模様を魅せるのも圧巻だ。
この山上の“楽園”に行くには、3つのコースがある。 日本海側からは、増毛と箸別からの2つの登山コースがある。 また反対側からも、雨竜沼湿原を突っ切る長大コースがある。 どれをとってもかなりキツいコースだが、あの大地を彩りつくす花々を目にしたなら、きっと誰しも“登って良かった”と思うに違いない。
この山上の“楽園”に行くには、3つのコースがある。 日本海側からは、増毛と箸別からの2つの登山コースがある。 また反対側からも、雨竜沼湿原を突っ切る長大コースがある。 どれをとってもかなりキツいコースだが、あの大地を彩りつくす花々を目にしたなら、きっと誰しも“登って良かった”と思うに違いない。
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
増毛町市街より車(0:50)→暑寒荘(1:50)→五合目(2:10)→暑寒別岳(1:30)→五合目
増毛町市街より車(0:50)→暑寒荘(1:50)→五合目(2:10)→暑寒別岳(1:30)→五合目
(1:30)→暑寒荘より車(0:50)→増毛町市街
増毛町市街より25km・車で約50分で暑寒荘に着く。 後半の11kmの林道は道があまり良くなく、車高の低い車は床下を擦るのを覚悟せねばなるまい(現在は95%舗装されているようである)。
増毛町市街より25km・車で約50分で暑寒荘に着く。 後半の11kmの林道は道があまり良くなく、車高の低い車は床下を擦るのを覚悟せねばなるまい(現在は95%舗装されているようである)。
さて、暑寒荘だが、建付も良く、布団もついて“タダ”なのだから、これを利用しない手はあるまい。
この山に登るには、前日に車でここまで入り、朝早く出発するのがベストだろう。
さぁ・・ 花の咲き乱れる
「花の名峰」へ
・・暑寒荘の裏手にある登山口から、小道を登っていく。 途中、合目毎に立派過ぎる道標が立てられ、“町興し”の意志が感じられる。 二合目の《佐上台》まで丸太の階段で汗を搾られるが、これを乗り越えると道は平坦な広い林道となり、格段に楽となる。 しばらく、この広い林道を歩いていく。
単調な林道歩きは三合目・四合目と過ぎて、五合目にある広場まで続く。
この五合目の広場は、ひと息着くにはすごぶるいいが、水場はないので留意する事。 ガイドの地図上では“水場”を示してあるのだが、ここの水は“溜め置き”の水で、その上をブヨが飛び回っており、とてもじゃないが使えたものではない。 この広場でひと息着いたなら、出発しよう。 五合目からは、道は一変して急登に次ぐ急登となる。 特に六合目からの《ハイマツ坂》は、ロープをたぐって登っていかねばならないとんでもない急坂だ。
この五合目の広場は、ひと息着くにはすごぶるいいが、水場はないので留意する事。 ガイドの地図上では“水場”を示してあるのだが、ここの水は“溜め置き”の水で、その上をブヨが飛び回っており、とてもじゃないが使えたものではない。 この広場でひと息着いたなら、出発しよう。 五合目からは、道は一変して急登に次ぐ急登となる。 特に六合目からの《ハイマツ坂》は、ロープをたぐって登っていかねばならないとんでもない急坂だ。
この《ハイマツ坂》越えで汗を搾り取られて、たいがいは息が上がっている事だろう。
しかし、この急坂を乗り越えても、まだ稜線に出たに過ぎず、これから尾根上の急登が待っているのである。 だが、稜線に出た事で、眺めはすごぶる良くなる。
西暑寒別の無名滝
雪渓の滝壺に白布を掛ける
神秘的な滝だった
稜線の岩が立ち並ぶ七合目は、西暑寒別岳の中腹に掛かる“無名滝”を遠望できるので、『滝見台』と呼ばれている。 この“無名滝”、落差70~80mはありそうだ。 こういう“無名滝”が現れると、原始の香りを肌で感じる事ができる。
“無名滝”や雪をまとう暑寒別岳を見ながら稜線の岩ガレ場を歩いていくと、より一層、展望が開ける八合目の岩塊『扇風岩』にたどり着く。 『扇風岩』の名の如く、そよ風が吹き抜けるとっておきの“休み処”である。 辺りの展望も、雪をまとった暑寒別岳が間近に迫り、“いよいよ”の感で胸が高まる。
“無名滝”や雪をまとう暑寒別岳を見ながら稜線の岩ガレ場を歩いていくと、より一層、展望が開ける八合目の岩塊『扇風岩』にたどり着く。 『扇風岩』の名の如く、そよ風が吹き抜けるとっておきの“休み処”である。 辺りの展望も、雪をまとった暑寒別岳が間近に迫り、“いよいよ”の感で胸が高まる。
『扇風岩』からの眺め
『扇風岩』から少し登ると山腹の樹林帯に入って視界が消され、九合目からのロープを手繰ってガレ場をよじ登る“お定まり”の試練を乗り越えると、だだっ広い頂上大地に一面に広がる“花の楽園”が待っている。
さぁ・・ これより花の宴が始まる
ハクサンイチゲ・カラフトハナシノブ・チシマフウロ・リシリリンドウ・マシケゲンゲなど、七色の花が大地を覆う。 これを見ると、今までの疲れが吹っ飛んでしまう事だろう。 大地に広がるお花畑の中の一筋の道をいろんな花を眺めながら歩いていくと、ウコンウツギの花に囲まれた小高い岩の突起に登り立つ。 ここが、“花の峰”暑寒別岳 1491メートル の頂上である。
暑寒別岳発 花の宴
淡いワイン色の調べ
チシマギキョウ
ルージュの濃く甘く
味わい深い香り
エゾノハクサンチドリ
ブランデーのような
意味深な味わいを堪能して
カラフトハナシノブ
白く清楚な白酒の気品を漂わせ
エゾノハクサンイチゲ
熟成を重ねた千年ワインが
織りなす如くの濃紺の神秘
リシリリンドウ
頂上よりの眺めは、1500mに満たない山とは思えぬほど雄大で、雪縞模様を描く増毛の山なみや、日本海に浮かぶ天売・焼尻の離島群、頂上大地に広がるお花畑など、一度立つと去り難いものがある。
頂上より望む
果てしなく広い情景
“項目紹介”でも述べたが、この“花の楽園”と雄大な景色を魅せられたならば、きっと誰しも“登って良かった”と思うに違いないだろう。 帰路は、往路を花を見ながらゆっくり下ろう。 帰りも、ロープを手繰る急な下りが待っている。 疲れていても慎重にいこう。
少しづつ森の中に
溶け込んでいくような・・
そんな感覚の下り道だった
なお、増毛・箸別の日本海側からのコースは、いずれも登山口以外に水場が無く、水の補給は難しい。
重くても、登山口で十分に水を汲んでいこう。
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