2015-06-10 (Wed)✎
路線の思い出 第103回 只見線・会津蒲生駅 〔福島県〕
会津蒲生駅
典型的な無人駅増産タイプの造りだ
※ グーグル画像より拝借
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83)
会津若松~小出 135.2km 742 / 898
運行本数(’11)
会津若松~小出 3往復 ,会津若松~会津川口 3往復 ,会津若松~会津坂下 1往復
小出~只見 1往復(冬季 大白川~只見 運休) ,小出~大白川 1往復(土・休日運休)
※ ’11年7月の豪雨災害により会津川口~只見の区間が不通となり、
この区間は現在バス代行輸送となっています
会津蒲生駅(あいづがもうえき)は、福島県南会津郡只見町大字蒲生字久保にあるJR東日本・只見線の駅である。 国鉄会津線の会津川口駅から只見駅までの延伸開通と共に開業した。 開業当時の会津川口と只見の間には、当駅と会津横田駅しか設けられていなかった。
単式ホーム1面1線を有する駅である。 ホームは列車1両分の長さしかない為、2両以上の列車では、進行方向前側の車両の扉を使っての乗降となる。 線路はカーブしながらほぼ東西に走り、その南側に短いホームが添えられている。 ホームの只見方の端に階段があり、駅へはこれを使って出入りする駅構造となっている。
会津坂下駅管理の無人駅で、駅舎はないがホームに接して開業当初からの小さな待合所が設けられている。 待合所の内部には作りつけの長いすがあり、座布団などが置かれているほか、1967年12月の豪雪の際、蒲生の住民が除雪作業に協力した事に対する国鉄仙台鉄道管理局からの感謝状が飾られている。 2004年度の乗車人員は、1日平均0人との事。
駅周辺には、久保の集落にある。 駅の北東にそびえる蒲生岳は標高800メートルほどながらせり立つような山容が特徴的であり、「東北のマッターホルン」などと呼ばれている。 蒲生岳の登山口は久保と宮原の二つがあり、うち久保の登山口は当駅の北東にある二荒山神社のすぐそばにあって、当駅からは西側にある踏切から北に行くとすぐ近くである。 また「カタクリ」の群生地がほど近いところにあり、花の盛りには只見線の車内からも花畑のように見る事ができる。
駅は北西から来た蒲生川が只見川に注ぐ地点に近く、久保のほか駅とは蒲生川の対岸に当たる蒲生の集落や駅の東側にあり、宮原登山口がある宮原の集落の最寄り駅となる。 国道252号はほぼ只見線や只見川に沿う形で東西に走り、蒲生・久保・宮原の各集落を結んでいる。
その他、駅の北すぐのところから小さな坂道を下って蒲生川沿いの低地に出ると、上原清水(かんぱらしみず)と呼ばれる小さな泉がある。
夏は鉄道より山・・なので、ネタないんだよね~。 だから、この書庫が夏の季節を乗り越えるには、山の出来事とコラボするしかないんだよね~。 だから、今回も鉄関係の写真は一切ないし、貴重な車内補充券も無くしちゃったので、鉄道記事とは成り得ないだろうね。
人の通らないコースを歩くと
スタンプのような笑顔を
維持するのが難しくなります
今回取り上げる只見線の会津蒲生駅であるが、この駅を利用した時は既に心が鉄道から離れて山に逝っていたので、先程に「無くした」と述べた貴重な車内補充券もこの時は「タダの切符」でしかなかったのだ。
考えてみると、惜しい事したよ。 それは、この会津蒲生駅が災害により’11年7月以降不通となっている事、そしてもう一方の駅が廃駅になってしまった事である。 それはもうお解りであろう。
その車内補充券の券面には、『会津蒲生から田子倉』と書いてあったのである。
でも、こんな区間を乗った奴って、古今東西ワテだけなのでは?と思える珍切符なのである。
そして、もう発行が不可能な状況を考えると、廃止路線の切符に相当する貴重さなのである。
それでは、何故にこんな珍区間の乗車をしたのか・・を語ろうと思う。
それは、会越国境の名峰・浅草岳に登るべく、マイカーてこの地にやってきたのが事のあらましだ。
山に登るべく前日の夜にやってきて車寝をしたのだが、何故かよく眠る事ができずに寝不足の状態で朝を迎えたのだった。 この日の登山の予定は、田子倉口より空身の日帰りで浅草岳の往復であったが、とにかく眠かった。
浅草岳稜線より望む鬼ヶ面山
この時はピーカンだった
空を駆け抜ける雲と奥只見湖
天気は朝からピーカンの好天だった事もあり、途中の田子倉湖を望む展望台の剣ヶ峰で昼寝をかましてしまったのである。 で、目覚めると、あの青空はどっかにいって、灰色の雲が全天を覆っていたのである。 取り敢えず頂上を踏みに登高を再開するが、頂上に着いた途端に雨が降り出してきたのである。
取り敢えず雨から逃れる方法は・・と考える。 でも、考えるまでもなく、合羽着て来た道を下っていけばいいだけの事であるが、この時のタワケは剣ヶ峰に着いた時に見た登山地図に載ってあった《沼ノ平》が気になって、頂上にあった道標にあった避難小屋の方向・・、つまり来た道と逆の方向へ下って行ったのである。 書いてて思うが、このタワケは本当に何も考えていないのであった。
浅草岳直下の大草原
これに釣られて
行ってはいけない方向へ
で、来た道とアサッテの方向に30分位(たぶん)下ると避難小屋があった。 着いたのは、たぶん午後の昼下がりだろう。 この時のタワケの所持品であるが、菓子パンは3つあったが頂上で2つ食ったので残り1つ。 水は小屋の近くに流水があるので心配なし。 後はカメラと合羽とバビ紙(万用の魔法の紙=トイレットペーパー)だけである。
これだけの装備で、「雨宿り」と称してこの避難小屋の中で再び昼寝。 目覚めると、真っ暗闇だった。 これで、パン一切れと水だけの避難小屋泊まりが確定したのである。 書いてて思うのは、ここまでオチャメだと『アッパレ』と言ってもいいだろう。 もちろん、ライトもないしシュラフもない。
置かれた状況はソー○ンと変わりない状況である。
でも、ラッキーな事に小屋に残置ローソクとマッチがあって、光は確保できたのである。
そしてこれまたラッキーな事に、星新一の「ショートショート」ノベルが一冊転がっていたのである。
剣ヶ峰の平たい岩の上で昼寝して、この避難小屋でも昼寝したので、この先は食糧菓子パン1ケだけの長い避難小屋ライフが待っていたのである。 まぁ、これだけ寝りゃぁ、夜は晩くまで寝つけないだろうし。
・・で、眠くなるまで、このライトノベルを読みふける。 ぢ・つ・わ・・、このタワケの生涯において、小説を一冊最後まで読み切ったのは、後にも先にもこれだけなのである。 まぁ、ワテは活字嫌いだしィ。 漫画以外の本は、写真集・地図・趣味雑誌・時刻表しか読まないし。
で・・、小説を読みふけって、疲れて寝入って目覚めた翌朝。 空はポツポツの雨だった。
ちなみに、この時は時計も持ってなかったりして。 朝の雨を見て小屋の中でボーっとしてると雨が上がったので、「いい機会」と小屋を出発。 ちなみに、まだ残りのパンはキープ中である。
道標だけは
しっかりしていた
剣ヶ峰で広げた地図にあった《沼ノ平》に立ち寄って帰る。 《沼ノ平》へは道は明瞭についていて道標も整備されていたが、訪れる者は皆無なようで元々湿地帯の道はヌタ場と化していた。
でも、コウホネを浮かばせる沼とか風穴とか神秘的な所であったよ。
“神秘の沼”・沼ノ平
コウホネ浮かぶ曲沼
・・で、《沼ノ平》から三本木沢の崩壊地を渡って下っていくと、只見線の会津蒲生駅が最寄り駅の《入叶津》の登山口に降り着く。 この《入叶津》登山口は国道289号線に面しているが、この国道289号線の会越国境側は、道路マニア必須の『登山道国道』《八十里越え》のダート道の入口となっている。
そして、駅の方向は右に下っていくのだが、登山口にあった道標を見ると、駅まで6.7kmもあるでやんの・・。
これを目にして、昨日からの自爆のツケの疲れがドッと押し寄せてヘタり込む。
ここで、唯一の食糧の残りのパンを食する。 この時は、「あと3~4km下って集落に出ると店屋の一つも・・」と考えていたが甘かった。 店屋はおろか自動販売機も見当たらないでやんの。
食糧ないし、時間は判らんし、フイルムは撮りきってカメラは鉄とガラスとプラッチックの塊だしィ・・と、途方にくれる状況の中歩いていく。 この状況での救いは道が舗装されていた事と、このタワケが能天気な事だけである。
・・で、6.7kmを歩くが、店屋もなく、誰一人と合わず、集落はあったけど大きな庄屋みたいな家ばかりで、時計を覗き込む事も適わない。 おまけに自動販売機もあるにはあったが、古いファンタのロゴの描かれた壊れたモノだった。
会津蒲生駅前風景
ほんと山村である
自動販売機もタイムスリップしてたしィ
※ グーグル画像より拝借
そうこうして、何とか6.7km歩ききって会津蒲生駅へ。 駅の時刻表を見ると1日4往復あった。
朝の時間帯に1本、正午の時間帯に1本、15時台に1本で最終は19時台であった。
でも・・、今の時刻判らんのよね~。 雰囲気的に正午の列車は乗りそびれたようだ。
水だけはあるようだ
銘水の湧き水(長寿の泉)アリ
※ グーグル画像より拝借
これで最大3時間待ちとなる訳だが、ここでもラッキーな暇つぶしアイテム『駅の思い出ノート』があり、そしてこの時に流行っていたのか、物凄く絵の上手い絵師のような奴の書き込みがあり、デカい蛾を『デコッパチ』しながら読んでいると退屈しなかったよ。
そして、列車がやってくる事で漸く現在時刻を把握し、それに乗ってマイカーを回収する長い日帰り予定山行は終わりを告げた。 この時に発行してもらった車内補充券が、例の貴重な『会津蒲生~田子倉』の補充券である。
田子倉駅
このシリーズの第86回で語ったアノ廃駅です
でも、この列車、只見で40分も停車するでやんの。 お陰で、《入叶津》の登山口以来の空腹が解消されるのが、田子倉で車を回収して大白川に抜ける18時過ぎまでお預けとなったよ。
写真の質などは、後で書いた『奥会津・大白川の四季・夏』のこの項目の方がいいかも。
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No title * by 風来梨
風旅記さん、こんばんは。
災害路線の復旧度合いは、見積もられた復旧工事総額による・・と、何かのサイトで見た事があります。 総額10億位がその基準のようで、名松線や越美北線は、総工費の半分を県や沿線市町村の負担で復旧の運びとなったようです。 でも、復旧を見送られ廃止となった岩泉線は80億、只見線は30億とかなりオーバーしてますので、なかなか交渉がまとまらないようです。
リンクのお申し出頂き、有難うございます。
リンクの件ですが、ヤフーは他社のブログに対して排他的で自社ブログのみしか相互リンクを結べないようです。←困ったもんだ・・我がHP「日本百景」も相互リンクできないので、一記事毎にリンク入れてるし・・
なので、何かよい方法を模索中です。 しばらく御猶予下さいね。
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No title * by 風旅記
おはようございます。
10億円ですか…
民間企業になった以上は、一般株主のいる本州3社は、大義名分のない、収益性を低下させるようはコストは使えない、ということなのでしょうが、一方でだいぶざっくりとした基準にも思えます。
いずれにしましても、岩泉線に80億円はかけることはできなかったでしょうね。
残念ではありますが、再訪を諦めることにした路線です。
リンクの件、ご検討頂きありがとうございます。無理をお願いするものではありませんので、機会がありましたらお願い致します。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc
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民間企業になった以上は、一般株主のいる本州3社は、大義名分のない、収益性を低下させるようはコストは使えない、ということなのでしょうが、一方でだいぶざっくりとした基準にも思えます。
いずれにしましても、岩泉線に80億円はかけることはできなかったでしょうね。
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No title * by 風来梨
風旅記さん、おはようございます。
只見線は元より、もっとしんどいのが、北海道の日高本線ですね。
なぜなら、JR北海道は財務的にズタボロ状態で、日高本線の復旧に際して「一銭も出せない」と宣言したそうです。
裏を返せば、「復旧させたいなら、道と地方自治体が全額出せ!」という事です。
どうやら北海道は、民営化では経営が成り立たないようですね。 救う手立ては唯一、再度の国有化以外ないでしょうね。
国有化でもされない限り、今後は札幌近郊路線と、千歳・室蘭周りの函館本線、根室・石勝線、貨物の需要がある石北本線以外は、路線災害があったらヤバい気がします。 宗谷は貨物が余りないので微妙ですね。
それと、相互リンクのいい方法を思い付きましたので、戻ってから試したいと思いますので、明日までお待ち下さいね。
試した結果は、風旅記さんのブログにコメント致します。
只見線は元より、もっとしんどいのが、北海道の日高本線ですね。
なぜなら、JR北海道は財務的にズタボロ状態で、日高本線の復旧に際して「一銭も出せない」と宣言したそうです。
裏を返せば、「復旧させたいなら、道と地方自治体が全額出せ!」という事です。
どうやら北海道は、民営化では経営が成り立たないようですね。 救う手立ては唯一、再度の国有化以外ないでしょうね。
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風旅記です。先日はコメントをお寄せ頂きありがとうございました。
こちらの記事、笑いながら読ませて頂きました。眠かったのですね。確かにオチャメです。。。
只見線の不通区間の復旧がなされるのか、この先、会津蒲生駅のような小さな駅に再び列車が来ることがあるのか、考えていると寂しくなってきます。
私の今の体力では、なかなかカムエクさんのように険しい山に登ることはできないですが、列車の車窓に美しい山並みを眺めるのも素敵な時間です。再び只見線全線の車窓を楽しみたいものだと願うような気持ちです。
もしよろしければ、こちらのブログ版も相互リンクさせて頂けませんでしょうか。
記事を読み、お写真を拝見すると、簡単にでも感想をお送りしたくなるのですが、ブログには、簡単にコメントさせて頂ける簡便さがありますね。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc