2011-04-06 (Wed)✎
しばらく開いてしまったが、この開きは季節がジャンプするには丁度良い(何が?)。
それでは、オホーツク縦貫鉄道の夢の第9回目は、春か訪れる前のいっときに標津線の奥行臼を訪ねてみよう。
“春遠からじ”の別海原野をゆく
前回は、この『オホーツク縦貫鉄道の夢』の“さわり”の部分である根室~厚床を記してきた。
だが、この区間は肝心の“オホーツク”がほとんどなかった・・のである。
そして、この厚床~中標津~根室標津を結ぶ標津線の沿線も、残念ながら“オホーツク”は全くないのである。 オホーツクは、次の根北線まで御預けとなりそうだ。
それでは、『オホーツク縦貫鉄道の夢』の列車に乗り込もう。
以前の厚床駅木造駅舎には旅情があった
今は単線対応の洋風の駅舎に変ってしまったが、以前は標津線専用の2番線を含む小さなジャンクション駅だったのだ。 そして、1日4本の標津線列車が厚床のホームに停車している時が、この駅の一番賑やかなときだったのである。 それは、標津線列車に根室線の上下の列車が、何かしらの接続していたからである。
前述の如く以前の厚床駅は、母屋側に1番線、そして島式ホームに2・3番線とあった。
この区間をプロデュースする標津線は、真ん中の2番線を専用ホームとしている。 “専用ホーム”といっても、1日僅か4本の列車が発着するだけなのだが・・。 そして、1日4本の列車は全てが根室本線と何かしら接続しているので、標津線の列車の発着時は厚床駅が駅としての精気を取り戻す時でもある。
厚床駅の“2番線”は
1日4本の列車のための専用ホームだった
先程記したように、標津線の列車は1日僅かに4本。 朝の1番列車はこの地にでも泊らない限り、エトランゼである旅人の利用はまず無理だろう。 そして、3番列車は夕方近くの3時過ぎと、これも使えたものでない。 従って、消去法を使うまでもなく、使えるのは10時折り返しの2番列車のみとなる。
この日の列車は、キハ22とキハ40の2両編成であった。 冬の間は、2両編成が基本となる。
冬にここを訪れる観光客が増えるからではない・・。 ボロキハだと、雪があるとスリップして勾配を登りきれないからだ。
地平線の見れる駅
今はどう変っているのだろうか?
『地平線の見える駅』として有名・、即ち遮るものが何もない原野の中にある駅・厚床を発車した列車は、ようやく遅い春を迎えようとする何もない茫洋とした荒野の中へ身を投じていく。
同じような無人荒野の眺めが続く車窓に、牧場などの民家がポツリポツリと映りだしたなら、《奥行臼》に着く。
廃屋と見まがう奥行臼駅舎
列車撮影に繰り出すなら、この奥行臼が最も条件が整っているかな・・と思い、この駅で降りてみる。
なぜなら、廃屋と見まがう程なれど中は程よく清掃されており、戸締りもできるので風雪を凌ぐ事が可能だ。
なぜなら、廃屋と見まがう程なれど中は程よく清掃されており、戸締りもできるので風雪を凌ぐ事が可能だ。
そして無人駅なので、気兼ねなく荷物を駅にデポできる。 そして、駅周辺がほとんど“無人荒野”なので、簡単にイメージ通りの写真が撮れる・・と思ったからだ。 実際撮影したのはかなり前の事で、どれほど歩いて、どのように列車を撮ったのかは覚えてはいないのだが・・。
何もない荒野にも遅き春の訪れが・・
1日4本の運行なら、この駅で降りたとしても、撮影のチャンスは15時台の“3番列車”までの1本だけなのだが・・。 これらの写真を見ると、何回か訪れたのかな・・とも思う。 しかし、本当に撮影した時の事は覚えていないのだ。
かつて日本にはこのような所に
列車を走らせる“体力”があったのだ
覚えているのは、茫洋とした荒野に遅き春を感じた小春日和の日であった・・という事だけである。
このような訳で、現実では列車に乗ってこの先を語っていくのは無理なのだが、まぁ『架空』という事で列車の車窓を眺めゆくシーンに戻ろうと思う。
このような訳で、現実では列車に乗ってこの先を語っていくのは無理なのだが、まぁ『架空』という事で列車の車窓を眺めゆくシーンに戻ろうと思う。
なお、駅周辺には奥行臼駅逓所という駅厠跡の史跡資料館があり、現役時代の標津線駅よりも手入れが行き届いていて綺麗だった。 今は、その標津線の奥行臼駅も鉄道記念館として手入れが成されて綺麗になっているとの事だが・・。
厩時代の駅の歴史を学べるかも・・
奥行臼駅逓所
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No title * by 風来梨
オータ様、こんばんは。
秋の北海道・・、行ってみたいですね。
標津線のアップダウンと紅葉の並木・・
想像しただけでヨダレが・・
秋の北海道・・、行ってみたいですね。
標津線のアップダウンと紅葉の並木・・
想像しただけでヨダレが・・
台風が海上を通り過ぎていて、あまりの切なさに駅前の電話ボックスから100円玉がなくなるまで母と話した記憶があります。齢18、初めての北海道でした。