風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第88回  宗谷本線・勇知駅

路線の思い出  第88回  宗谷本線・勇知駅  〔北海道〕


天候は青天なれど
海側だけ分厚い雲がかかって
天照大神(利尻山)は現れず・・

《路線データ》
       営業区間と営業キロ            輸送密度 / 営業係数(’15)
      旭川~稚内 259.4km             746  /  489         
運行本数〔音威子府~稚内〕(’18)
           音威子府~稚内 特急 3往復、普通 3往復
           幌延~稚内   普通 上り1本

勇知駅(ゆうちえき)は、北海道稚内市抜海村字上勇知にあるJR北海道・宗谷本線の駅である。
単式ホーム1面1線を有する駅で、ホームは線路の東側(稚内方面に向かって右手側)に設けられている。

かつては相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能駅で、駅舎側(東側)が上りの2番線、対向ホームが下りの1番線となっていた。 この他にも、1番線側に稚内方から分岐した側線を1本有していた。
相対式ホームであった当時は、駅舎側ホーム中央と対向ホーム北側の間に構内踏切を渡した千鳥状のホーム配置であった。

現在は、稚内駅管理の無人駅。 開業時からの駅舎は取り壊され、ヨ3500形車掌車を改造した貨車駅舎となっている。 駅舎は構内の東側に位置し、ホームに接している。 貨車改造の駅舎内にトイレを有する。

駅名の由来は、当駅の所在する地域の字名からで、地域名は、アイヌ語の「イオッイ(イオチ)」〔それ(=蛇)・多くいる・ところ〕に由来する。 2018年の1日平均の乗車人員は3.8人との事。

かつて、当駅裏から勇知川河口の下勇知地区へ、簡易軌道勇知線が運行されていた。
勇知駅前~下勇知間の9.8kmで、動力は馬力だった。 路線敷設の目的は、農業開発であった。



今回取り上げる宗谷本線の勇知駅は、最近毎年足しげく通っている撮影地だ。
そして、この駅に通う目的は、ズバリ『利尻山をバックに○鉄したい』という事なのである。


利尻山バックで撮ったのは
四半世紀前のこのカットのみ

まぁ、この目的を達成させるだけならば、宗谷地方の天候が安定している夏の時期に訪れればいいのであるが、筆者の脳内では「夏に北海道に行くならば、大雪・日高・暑寒別・・etc の山旅」と固定されているので、夏は行く余地がないのである。

・・で、かつてのように放浪も利かぬ程に歳を喰ってしまったなら、秋や雪解けのノーマークな時期は無理となってしまっている。 まぁ、この歳でこの時期に行ったら最後、この先の人生設計が『ゲームオーバー』(無職・無収入)になっちまうし。

・・という訳で、行く余地があるのが、山が『入れない領域』となる季節である毎年冬の年末年始休みである。 だが、この時期の宗谷地方・・いわゆる道北地方は、『西高東低』の冬型の気圧配置における『低気圧』さんが次々に通り抜ける『通り道』となっていて、しかもその『低気圧』さん達は何が不満なのか来る度皆さん巨大化して、御丁寧に数日居座り続けて天候が荒れ狂うのである。


海岸線から見たこの日の利尻山
御丁寧に利尻山の上空だけ
雪雲を被ってるよ

そういう天候状況なので、利尻山はいつも分厚いドス雲に覆われて、御姿をお隠しになる『天岩戸』状態なのですね。 もう、ワテは藁をもすがる思いで「出てコイ!出てコイ!天照・・あっ違った『利尻山』!」と、祈願の踊りを踊ったよ←嘘・・ただ『ブツブツ念じ』してただけ

でも、ここに来る為に根室や釧路からオホーツク海沿いを2日がかりで北上して、氷点下数度から十数度の中を車寝してやってくる・・という努力をしたのに、そこはただの『雪深い撮影地』なのである。
そして、その帰りは、ホワイトアウトの恐怖を味わう事になるからねぇ。←帰りはいつも留萌辺りから、地吹雪による視界ゼロの中での移動となる。


帰りはこんなに雪が積もった中での
車の運転を強いられます
※ 写真は留萌本線でっす

でも、諦める事はワテの辞引(辞書)にはない。 成就するまで、何度でも通うとしよう。
そう・・、この季節では奇跡ともいえる『西の空(日本海側)が抜けるような雲一つない明けの空』をバックに、「宗谷本線の普通列車を撮る」という本願を成就するまで。


今回も本願は叶いませんでした
このままでは本願が叶う前に写真のウデが
『見るも無残な写真床(下手クソ)』に

次(来年!?←もう行く気でいる)は、もう少し考えようか。 根室で自然風景を撮った後は列車で移動して、残り数日は稚内で滞在して撮ろうか。 まぁ、以前のように勇知駅の貨車駅舎の中にテントを張って節約するのもいいし(←普通の人は節約方法に野宿や駅寝は考えませんな)、レンタカーを稚内限定で借りるのもいいかもしれない。


勇知駅の貨車駅舎内
十分テント張れるよ・・コレ
※ グーグル画像より拝借

それでは、過去2回のダメダメちゃん達を御披露する事にしようか。 1回目の遠征は、その時の行動記録も書添える事にしよう。

・・抜海駅の半分である駅務室は民家として払い下げられたようで、どうもこの駅前で車を止めて寝るのを躊躇って、次の貨車駅である勇知まで進む事にした。 これは大正解で、駅前の通りには自動販売機はあるし、駅だけポツネンとして人は寄り付きそうにないし、寒ささえ凌げば快適な駅前カプセルホテルinパッソ(レンタカーはパッソ)となる。
 
でも、4半世紀前は、この貨車駅よりも保温状態の悪い木造駅で駅寝してたんだよね。
溜息のダイヤモンドダストを顔面に浴びた体験が今蘇ってくる。 まぁ、起きながらの寝言は置いといて、この日からやや寒くなり、車内温度は氷点下7度まで落ちていた。 車内で氷点下7度と言う事は、外で氷点下10度前後だろう。

さて、そんな中でも8時間近く寝て、5時前目覚める。 今日は昨日までと違って、ウインドゥガラスの視界がクリアになるまで30分はかかる。 


東の空はいい天気だったが

でも、目的の『宗谷本線と利尻山』の撮影は、6時台ではまだ日の出前で光量不足だろうから、撮影可能な7時過ぎまで2時間もある。 寒い所ではどんなに怠惰な筆者でも、日常のいつもの行為でできない事がある。 それは『二度寝』である。 それをしてしまうと、またウィンドウの氷を解かす所から始めないといけないからだ。
 
まぁ、そんなヨタ話の如くの訳で、ダラダラと勇知駅から500mほど離れた利尻島の望める踏切の所にいく。 道は田舎道にしては広く、また勇知集落の生活道路となっているので、除雪もしっかりとされている。 また、車も時間で2~3台位で、撮ってる姿をあまり凝視されなくて済む。
実は、これが一番大きかったりして。
 
勇知6:48発の上りは前述の如く、まだ日の出前で薄暗い。 一応撮ったものの、シャッタースピードが稼げずに流れてしまった。 そんな事よりも、その流れた列車の背後は分厚い雲の灰色で覆われている。
つまりここまで来て、利尻山バックは限りなくダメっぽいのである。

となると、ここまで来て限りなく平凡な写真を完全に鈍ったウデで、更に今イチに仕上げてしまいかねないなぁ。 次の7:03の下りも、まだ陽が昇っていないのか薄暗くて今イチな上に、白樺で車両の前面が真剣白刃取り(完全に樹にカブった)となってボツ。


なぜか、どうでもいい特急が
それなりに良く撮れて

次の特急は想定してなかった(もちろん、時刻表は重いので持って来ず)ので、踏切が鳴ってから撮ったら、タマタマ特急だった・・というオチでした。 でも、この時が日の出時で、車両に朝日が当たって輝いてやんの。  利尻山が映し出される日本海側は厚い雲に覆われているが、陽の昇る東の空は晴れ間が広がっているようだ。 今日は、とりあえずいい天気となりそうだ。
 
次の、この撮影地最後の撮影予定列車である勇知8:40発まで、1時間ほど車の中で呆けるだけだ。
それで車に戻って暖を取ろうとした瞬間にもう一度踏切が鳴り、慌てて車から出てカメラを構えると、ラッセルが仕事をせずに回送していった。 これは今イチなので掲載せず。 「でもこの筆者、稚内まで何しに来たんだろ」って本人が強く感じるのである。
 
「さすがに同じ撮り方では芸がないな」と漸く気づいた筆者は、ラストは雪を蹴る姿を撮るべく正面撮影に切り換える。 これは好を奏したようで、何とか掲載に耐えるモノが撮れた様だ。
それでは、その分をごろうじろ。


あまり面白みのない写真となりましたが
何とか戦果は残せました

2度目となる今回は手記はないので、チョロっと感想をつけて写真の掲載おば・・。


本当だったらコレが
キメ写真になるハズだったのに

日の当たる時刻といい、光線状態といい、この朝7時台の上り普通列車が最も狙い目なのである。
だが、天照・・違った、利尻山は今回も現れず。 そして、歳を追う毎にウデの『写真床』化が顕著となり、御覧の通り『キメ写真』が正面で樹を『真剣白刃取り』してるよ。


今回コレが勇知での『一番星』に

・・で、「利尻山もダメっぽいし、別の場所へ行こうか」と移動する。 ちょうど良さげな雪原野が広がる所でボケ~っとしてると、ラッセル車が今回も仕事をせずに回送されてきた。 「この前にもラッセルの回送があったな」と思い出して、少し狙ってみたら今回の『一番星』に。

それでも利尻山を諦めきれず、未練がましく元の場所に戻る。 すると、利尻山の裾野の方が見えてるではないか! 後は列車を待つだけだが、日頃の行いが『ヘタレ満開のダメっ子』だからかもしれない。
待ちに待った普通列車の通過時刻になると、見る見るうちに裾野が雲に覆われて灰色のスクリーン状態に。


僅かに裾野のごく一部が写ってるよ(涙)

これはさすがに悔しく思い、時間を延長して次の通過列車を待つ。 次の通過列車は、約2時間後の「お目当て」ではない特急列車だ。 何か、どうも今のJR北海道の青の特急は写欲が湧かんのよねぇ~。
それに光線状態は時が経てば経つほどに逆光状態となり、灰色がかった色調となるので逆転ホームランはなさそう・・と知りつつ。


昼まで粘って特急列車の頃には
裾野だけ魅せてくれました

まぁ、裾野は視認できる位にまでは雲が切れたので、粘った事は「ヨシ!」とする事にしようか。

     ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『宗谷本線』を御覧下さい。
       《4日目》も宜しければどうぞ。




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