風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第159回  屏風ヶ浦

『日本百景』  冬  第159回  屏風ヶ浦  〔千葉県〕
 

朝日に染まる屏風ヶ浦
そして月・・
 
  屏風ヶ浦 びょうぶがうら (水郷筑波国定公園)
高さ40~60mの海食崖が延々9kmにも渡って続く屏風ヶ浦は、単調な景色の続く関東の太平洋沿岸の中でキラリと輝く景勝である。 

この延々と続く断崖は、軟弱な砂石や関東ローム層から形成されている為に波による浸食を受けやすく、現在でも年に数十cmづつ後退しているとの事である。 屏風ヶ浦が魅せるこの偉大な“自然の営み”こそ、『日本百景』の選出に値すると思うのである。
 

 

屏風ヶ浦 周辺位置図
 
   行程表       駐車場・トイレ・山小屋情報
JR銚子駅よりバス利用(0:20)→千葉科学大学前バス停下車 
※ 千葉科学大学前の向側に銚子マリーナがあり、海水浴場を挟んで西方に屏風ヶ浦海岸が続く
 
この『日本百景』において、未だ未訪の離島を除いて一番最後に訪れた景勝地がこの《屏風ヶ浦》だ。 
探訪する事自体が“生涯モノ”の離島はともかく、訪れる事が容易そうでなかなかその機会がめぐってこなかったのである。 周囲に目ぼしい景勝地がなかったからかもしれない。 
それでは、この《屏風ヶ浦》の探訪を『日本百景』の最後の訪問地として相応の“最高の情景”をもって迎える事としよう。
 

潮風の恵みを最大限に活かす

“最高の情景”は、やはり夜明けの情景だろう。 夕日も捨て難いが、誰もおらずその情景を独り占めできる夜明け時こそが“最高の情景”ではないだろうかと思う。 だが、この夜明け時をこの地で迎えるなら、夜が明けるまでの長い時を耐えねばならないのだ。
 

空が濃紺から蒼
そしてかぎろい色へ変わっていく
 

屏風ヶ浦“大陸”の上は
まだ眠りから覚めぬ
“まどろみの時”だった
 
夜を明かす方法論に関しては各自の手法に任せるとするが、この苦労は“最高の情景”を目にする事で大いに癒される事だろう。 それでは、私が目にした夜明け時の“最高の情景”を御披露したい。
 

ほのかに染まる屏風ヶ浦より
2羽の海鳥が飛び立った
 

かぎろいに染まる空の下
蒼き穏やかな海に浮かぶ
“屏風ヶ浦”大陸
 

これほどの色彩を魅せてくれた
朝のひとときに感謝
 

もう少しカモメを
センターにした方が良かったね
 
朝の“最も贅沢なひととき”を心ゆくまで堪能したなら、《屏風ヶ浦》がおりなす波と風の雄大な造形を間近に見てみよう。 《銚子マリーナ》の海水浴場を端まで伝うと、立ち屏風が連なるが如く《屏風ヶ浦》の関東ローム層が西に向かって連なっているのが見えるだろう。 その袂に立ち、じっくりとこの潮風がおりなす雄大な立て屏風を観察してみよう。
 

幾重に層を成す幾何学模様は
そこに存在する歴史の証

巣繕いしていた海鳥が
一瞬の内に飛び立って
 
眺めていると、西洋の城郭のように凛とそびえ立った断層の生い立ちや歴史、そしてどのような月日を経てきたのかが、おぼろげに解ってくるだろう。 草に帯のように連なる断層は幾何学な美を魅せるだけでなく、その歴史や“なせそのようになったのか”という知識をも目にした者に授けてくれる。
そして、その断層に営巣する海鳥達が、巣繕いや羽休めをすべくやってくる。
 
これを望遠鏡などで覗くのも面白い。 海鳥達の生態がハイビジョンのような感覚で望めるのだ。
羽休めをしつつも警戒を怠らない厳しい表情、海鳥のしぐさや飛び立つ瞬間の勇ましさ、海鳥の生活の様子・・等々。
 
これらを目にすると、“野生を生きる”という事の雄大さを感じ取る事ができるのである。
動物園や鳥かごの中の鳥では、決して見ることができない『鳥』という生き物の本来の姿を目がそこにあるのだ。 これこそ、『目にする感動』であると思うのだ。
 

海鳥の飛来
鋭角的な動きに
野生を生き抜く本質を見た
 
このように素晴らしい情景を魅せる《屏風ヶ浦》なのだが、一つだけ残念な事があった。
それは、潮風による関東ローム層の侵食を防ぐべく作られた防波堤である。
 
これは、この脆い地層を守る為には致し方ない事なのかもしれないが、自然の造形である《屏風ヶ浦》に人工物の防波堤はどうしても浮き立ってしまうのだ。 極力岩を積み重ねる形でコンクリートが目立たぬように造ってはいるようだが、侵食という歴史を示してその美を魅せる《屏風ヶ浦》と、造成されたばかりで歴史が皆無の防波堤のミスマッチである。
 

屏風ヶ浦》の地層と景観を
守るべく造られた防波堤

だが、その脆い地質でできた陸の上には、既に動かし難い“人の生活”があるのだから止むを得ないのである。 これを否定すると、人間の生活を否定する事になるのだから。 
自然を守る努力と方策、それに相反する人による利用の為の陸地の開拓。 決して交わる事のないベクトルを抱えた人の苦悩が、できるだけ自然造形の形を模写したこのような防波堤に表れているのだ・・と思う。 

我々にできる事は、「この相反するベクトルを如何にして両立させる手立てはないものか」と模索する事である。 『考える葦である』人間が知恵を絞って、最良と思われる方法を取り決めてそれを遵守しようと啓蒙していく事は、一部の下らぬ人間が声高に叫ぶ“自然に対しての人の奢り”などではない。
 

脆い陸の上には
守るべき“人の生活”があるのだから
 
むしろ、「取り決めに従えぬから」といって、「利便の為に自然を破壊してきた人類が『自然を守ろう・・』とは笑止」などと屁理屈を捏ねたり、「自然保護を唱えるのは人の奢り」と難癖をつける輩こそ、この場(自然環境)から立ち去るべきだと強く思う。
 
このような事を口にする輩は、そのほとんどが物事の本質を見極める事ができないようなので、何をいってもムダなのだ・・と理解しつつ。 そして、このような事を口にする輩は、「自らの欲求を満たしたいが為に、己の欲求と相反する取り決めを否定しているのだ」という事実も把握しつつ。
 
最後は思想・思考論じみてしまったが、「今は思想・思考論を論じてるのではなく、素晴らしい自然情景を味わっているのだ」と我に返って、この自然が想像した奇跡の情景を味わう事にしよう。

    ※ 詳しくはメインサイトより、『屏風ヶ浦』を御覧下さい。





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No title * by たけし
我が家から1時間の距離でありながら間近で見たことのない屏風ケ浦。
崖の上に道路(最近まで有料でした)には駐車帯がなく、見ることができませんでした。
画像を拝見して、あらためて凄いところだな!と感じました。

No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。

私もこの屏風ヶ浦は、「山と違って、簡単に行ける」と後回しにしていましたね。

ここを訪れたのも、小湊鉄道といすみ鉄道というローカル鉄道の撮り鉄のついででしたが、浜にテントを張って夜明けの情景を見てハマりました。

自然の力は、様々な素晴らしい情景を魅せてくれますね。

No title * by 風来梨
>キショイストーカーやで

ストーカーはウンコのオマエだろ?(笑)

>お前の職場にウンコウンコ書いてるお前のコメントで困っていますと送ってやったら満足なんやろ?

またまた脳ミソウンコ満開! 荒らし先の勤め先なんてどうして知ってるんだ? またもやファビョって、在日チョンのウンコだって事を証明してるよ・・このウンコは。

ウンコパージ中畑よ。強制送還楽しみだな(笑)。

No title * by 風来梨
内緒さん、こんにちは。 携帯リコメの悲しい性で、バソコンに戻るまで記録を残しておかねばならない訳で。 パソコンに戻ると消したいと思います。

お気遣い有り難うございます。

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No title

我が家から1時間の距離でありながら間近で見たことのない屏風ケ浦。
崖の上に道路(最近まで有料でした)には駐車帯がなく、見ることができませんでした。
画像を拝見して、あらためて凄いところだな!と感じました。
2015-01-26 * たけし [ 編集 ]

No title

たけしさん、こんばんは。

私もこの屏風ヶ浦は、「山と違って、簡単に行ける」と後回しにしていましたね。

ここを訪れたのも、小湊鉄道といすみ鉄道というローカル鉄道の撮り鉄のついででしたが、浜にテントを張って夜明けの情景を見てハマりました。

自然の力は、様々な素晴らしい情景を魅せてくれますね。
2015-01-27 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

>キショイストーカーやで

ストーカーはウンコのオマエだろ?(笑)

>お前の職場にウンコウンコ書いてるお前のコメントで困っていますと送ってやったら満足なんやろ?

またまた脳ミソウンコ満開! 荒らし先の勤め先なんてどうして知ってるんだ? またもやファビョって、在日チョンのウンコだって事を証明してるよ・・このウンコは。

ウンコパージ中畑よ。強制送還楽しみだな(笑)。
2015-05-21 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

内緒さん、こんにちは。 携帯リコメの悲しい性で、バソコンに戻るまで記録を残しておかねばならない訳で。 パソコンに戻ると消したいと思います。

お気遣い有り難うございます。
2015-05-22 * 風来梨 [ 編集 ]