2014-12-26 (Fri)✎
『日本百景』 冬 第153回 秋田内陸・冬景 〔秋田県〕
こういう山里を走る鉄道は
数少なくなってきている
旧国鉄の路線がほとんど廃止となり、何気ない山里の雪景色を背景とした『風景鉄道』を撮れる所が少なくなってきている。 それは、貨客を運ぶ事を目的として敷設される『鉄道』において、人口希薄な『山里』に路線を通す事は鉄道の目的に相反するからである。
陸橋の上から見上げてみる
枝に雪が載っていたらなぁ
では、何でそんな「鉄道の目的に相反する」地域に鉄道を通したのだろうか? それは、鉄道創世記の事情として、地域開拓や資源輸送という別の事情があったからである。 だが、『地域開拓』や『資源輸送』という目的は、都会への人口流出や鉱山の閉山や資源の枯渇で終わりを迎える運命にあるのだ。
鉄道を敷設された地域が抱くこのような目的を終えると、残るは旧国鉄の廃止路線のような「元々鉄道を敷設する必要の乏しい所に鉄道を敷設した」弊害だけが全面に出てくるのである。 こうして旧国鉄廃止線は、ひっくるめても国鉄全体の赤字額の数%にも拘わらず、赤字の大権化の如く報じられて路線廃止に追い込まれたのである。
今回訪れた秋田内陸縦貫鉄道は、その数少なくなった『風景鉄道』の情景を魅せる路線である。
まぁ、この秋田内陸線も、元はと言えば旧国鉄・阿仁合線という国鉄の廃止対象路線だったのだが、地元自治体の挙手により第三セクター路線として生き残った路線である。 でも、悲しいかな・・、この路線の敷設目的だった銅鉱山は遠の昔に閉山となり、地域産業!?が『マタギ』という山奥の里がゆえに、いつも廃止素案が浮上している・・との事である。
だが、この地は大自然の宝庫で、四季問わず素晴らしい情景を魅せてくれる所だ。 雪のない夏や燃える秋は、この地域にそびえる名峰・森吉山や山麓にひそむ滝を訪ねたい。 そして、白く雪に染まる冬や春先は麓の山里に繰り出して、山里の風景や『風景鉄道』を狙ってみたい。 それでは、雪景色に魅せられた筆者が撮った『風景鉄道』をごろうじろ。
雪深い山里を
孤独なランナーが伝う
里の無人駅の朝
樹に雪が載っていれば
もっと美味しかったのに
※ この路線を訪れた旅行記『冬の東北・房総 鉄道旅』も宜しければどうぞ。
秋田内陸線は《5日目》に載っております。←宣伝・・クドイ
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