風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第150回  江差

『日本百景』  冬  第150回  江差  〔北海道〕
 

慌しかったわりにはよく撮れたな
 
江差線は、この時に訪れるまで未乗線区だった。 でも、閑散線区である非電化区間の路線廃止が噂になり始めて、ナンチャッテ『○鉄』の私としても「やはり行って撮りに行かねばならんな」と、この路線を目的に旅に出たのである。 まぁ、江差線だけで北海道まで行くのも何なので、前日にちょっとキッツイ所にも立ち寄ったのだが。 その『キッツイ所』に興味のある人はリンクを見てね。
 
前日のアプローチでは多少のアクシデント(江差線の上ノ国駅で締め出しを食らって、バス停で野宿。
コチラの方が居住性が良かったりして)はあったものの、廃線が間近に迫った江差線の撮影と《江差》の街をめぐる事ができた。 それでは、その顛末記を語っていこう。
 

この駅で駅寝を敢行するも
締め出しを食らったよ

朝、5時過ぎに目覚める。 上ノ国駅は上ノ国町の中心で駅前にコンビニはあるし、駅のトイレもヒーター付の水洗トイレだ。 “今宵の宿”のバス停も、大阪のワンルームマンション真っ青の広々とした六角形のお洒落な建物だった。 だが、江差行の始発列車は7:41と、途轍もなく遅いのである。
コンビニで雑誌を購入して、時間を潰す他に手はない。
 

7:41と途轍もなく遅い始発列車
 
なぜにこの“途轍もなく遅い”始発列車に乗らねばならないか・・というと、昨日に海の寄り添う所を撮影地としてピックアップすべく終点の《江差》まで偵察した結果からである。
 
江差線のこの区間は線路の外側を国道が走る線形で、国道が線路の下に隠れてくれる“使える区間”は、江差駅から1.5kmに位置する200m余りだけだったからだ。 この場所は上ノ国駅からだと4.5kmもあるし、上ノ国駅周辺も市街地が線路際に出張っていて『撮り鉄』としては“使えない”のである。

この遅い始発列車に乗り込み、江差駅に着いたのは8時前。 この折り返しの列車はちょっと無理そうだ。 従って、ターゲットは9時~10時の折り返しの2本のみとなりそうだ。 
荷物を駅の隅に置いて(この荷物に関しては、「盗れるもんなら盗ってみろ!」って強気になれる。 何せ、テントやアイゼン、シュラフなど、18㎏の金とは全く縁のない代物だ)行動開始。

線路は道路と微妙に離れた位置にあり、目的地までの位置取りの確認が取り辛い。 
線路を伝っていくのが最も近道なのだが、終着駅近くでさすがに線路を伝うのは反則だろう。 歩いている内に目的地を大きく通り過ぎ、気がつけば江差駅より3.4kmも出張っていた。 仕方がないので線路際の湿地を横断し、国道に出てそれを伝って戻る事にする。 かなりの時間を費やして1.5キロ地点と思しき所まで戻る。

そして、葦が密生する土手をよじ登って(撮り鉄は結構なスポーツなのだよ)線路を跨いで、更に上の土手に登る。 この土手の上で俯瞰のいい場所を探していると、“タタン、タタン”と一瞬の内に9時台の江差行が通り過ぎた。 これは何を意味するかというと、とどのつまり“撮り損ねた”のである。
 

鉄道撮影に来て『撮り逃し』をするのが
ナンチャッテ『○鉄』たる所以

列車が通り過ぎた後にキツネに抓まれた気分で時刻表(道内で買った)を見てみると、9:19江差着だった。 折り返しが10時過ぎなので到着は10時前だとタカを括っていたが、終着駅で1時間近く止まりやがんの、この列車。
 

“撮り損ね”の失態を犯し
「失敗は許されぬ」ハズなのだが
鉄道写真は奥が深い
 
気を取り直して、時刻表でキッチリと通過時刻確認して10時の折り返し列車を狙う。 でも、吹きっさらしの中での1時間は微妙に長い。 それでは、“失敗の許されない立場”に追い込まれた一品をごろうじろ。
 

・・で、一番小マシなのがこれですかね
粉雪と季節風が吹き荒れる中で
1時間踏ん張ってもこの程度デス、ハイ
 
これを撮り終えると、途端にヒマとなる。 この旅の終わりとなる帰りの列車の発車時刻は13:13。
3時間以上ある。 さすがに駅でボーっとするのは嫌なので、江差の町めぐりに繰り出そう。
取り敢えず駅に戻るが、国道経由で駅まで歩くと、20分足らずであった。 線路は丘を少し迂回しているようだ。
 
これで、ある目論みが成り立つ事となる。 それは、13:13発の列車の江差駅到着時間が12:34。
・・という事は、もう一本列車の撮影が可能だって事である。 それを念頭において、駅の観光案内版で「江差の観光地である《かもめ島》まで徒歩25分」という事を確認して、この地へ向かう。
 

かもめ島で望んだ江差の海
 

それは蝦夷国を夢見た志士達が
臨んだ海だった
 
駅を10:45に出ると、40分ほど《カモメ島》で遊ぶ事ができる。 《かもめ島》には維新の遺構である旧幕軍の軍艦『開陽丸』が静態保存されているし、季節風に乗った荒波や灯台など見どころ満載で、行程的には少々慌しいが行ってみる価値は十二分にある。 それでは、シーズンオフで誰もいない観光地の素顔をごろうじろ。
 

維新を生きた漢たちの夢を乗せて
幕軍旗艦『開陽丸』
 

かもめ島より望む江差の港
この港より奥尻への船が出港する
 

海を護る光の塔
鴎島灯台
 
後はやや早歩きで例の撮影地に向かい、少し嗜好を変えて橋の上から狙ってみる。 まぁ、先程の撮影地より2分ほど手前だし。
 

北の海の雰囲気が少し出たかな?
コレが江差線撮り鉄の一番星
 

この列車にて今回の旅
は終わりとなりまする

江差駅13:13発に乗り遅れると、それこそ目も当てられないし。 一度『列車逃し』という失態を犯しているので、念蜜な計画!?の下に撮り終え、全ての旅の行程を終える。

   ※ 詳しくはメインサイトの『撮影旅行記』より『冬の北海道旅・江差』を御覧下さい。
 
 
 
 
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No title * by 散位 アナリスト杢兵衛
雲の分厚さと寒さが重なりますね。ナイス

No title * by 風来梨
アナリスト杢兵衛さん、こんにちは。

ここは北海道の中では比較的暖かい道南地方なんですけど、
それでも寒かったですね。 一番手足が痺れる氷点下2~3度だったですし。 そして、霙混じりの天候も、維新を駆けた幕軍志士達の想いを表現していましたね。

鉄道撮影目的でいったのですけど、歴史にも触れる事ができてまずまずの旅でした。 慌ただしいバタバタ旅だったですけど。(汗)

No title * by ちょろくん
こんばんは。
ランダムブログより勝手ながら訪問させて頂きました。
突然で大変失礼ですが、私が描いた四コマ漫画「フツーの田中クン」を是非ご覧になって下さい。
きっとストレス解消になることと思います。
何卒よろしくお願い致します。

No title * by テンちゃん
こんばんは。「江差」波が、激しいのですね。
初めて地名知りました。すみません。

No title * by 風来茄子
道南の江差とはいえ荒れた日本海はまさに北国の風情ですね。
私が訪れたのは陽光溢れる夏の終わりで穏やかな紺碧の海が印象に残っていますから。それにしても落石岬といい能登の禄剛崎といい閣下は灯台の写真が上手いですな。最果て感がよく出ていますよ。

No title * by 風来梨
ちょろくん さん、こんばんは。

>私が描いた四コマ漫画「フツーの田中クン」を是非ご覧になって下さい。

スンマセン。 土日以外はガラケ-対応なので、漫画の拡大が不能で見れません。 でも、こんな人気のないブログに宣伝しても意味ないと思いますよ。

No title * by 風来梨
ten*un1**5さん、こんばんは。

たぶん、江差がどこなのかをすぐに言えるのは「鉄オタ」だけですので御心配なく!(笑)

冬の北海道の日本海側は発達した低気圧の通り道となりますので、季節風が吹き荒れますね。
これが北の冬の情感を大いに引き立ててくれます。

No title * by 風来梨
殿下の御尊(言)を拝し、恐悦至極にございまする。

そして、殿下にお褒めのお言葉を頂き、我に100万の軍勢を得た心地でございまする。

この喜びをかみ締めて、更なる写真床の底辺を這いずる所存にございまする。

No title * by sekiya
こんばんわー

お見事な写真ですね
それも
文章読みと
なおさら迫力が増します
駅舎追い出されたり・・

江差
未踏の地です

こまどり姉妹の
歌謡曲「江差」そらんじています

No title * by 風来梨
sekiyaさん、こんばんは。
見て頂いて有難うございます。

江差に行く目的を持つのは、廃線となった江差線の追っかけか、幕末歴史ファン以外にいないと思います。 まぁ、99.9%の人は未踏の地かと・・(笑)。

江差の謡曲として、『江差追分』が有名なようです。
あまり音楽に興味ないのでよく知りません・・、悪しからず。

コメント






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No title

雲の分厚さと寒さが重なりますね。ナイス
2014-12-14 * 散位 アナリスト杢兵衛 [ 編集 ]

No title

アナリスト杢兵衛さん、こんにちは。

ここは北海道の中では比較的暖かい道南地方なんですけど、
それでも寒かったですね。 一番手足が痺れる氷点下2~3度だったですし。 そして、霙混じりの天候も、維新を駆けた幕軍志士達の想いを表現していましたね。

鉄道撮影目的でいったのですけど、歴史にも触れる事ができてまずまずの旅でした。 慌ただしいバタバタ旅だったですけど。(汗)
2014-12-14 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

こんばんは。
ランダムブログより勝手ながら訪問させて頂きました。
突然で大変失礼ですが、私が描いた四コマ漫画「フツーの田中クン」を是非ご覧になって下さい。
きっとストレス解消になることと思います。
何卒よろしくお願い致します。
2014-12-14 * ちょろくん [ 編集 ]

No title

こんばんは。「江差」波が、激しいのですね。
初めて地名知りました。すみません。
2014-12-14 * テンちゃん [ 編集 ]

No title

道南の江差とはいえ荒れた日本海はまさに北国の風情ですね。
私が訪れたのは陽光溢れる夏の終わりで穏やかな紺碧の海が印象に残っていますから。それにしても落石岬といい能登の禄剛崎といい閣下は灯台の写真が上手いですな。最果て感がよく出ていますよ。
2014-12-15 * 風来茄子 [ 編集 ]

No title

ちょろくん さん、こんばんは。

>私が描いた四コマ漫画「フツーの田中クン」を是非ご覧になって下さい。

スンマセン。 土日以外はガラケ-対応なので、漫画の拡大が不能で見れません。 でも、こんな人気のないブログに宣伝しても意味ないと思いますよ。
2014-12-15 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

ten*un1**5さん、こんばんは。

たぶん、江差がどこなのかをすぐに言えるのは「鉄オタ」だけですので御心配なく!(笑)

冬の北海道の日本海側は発達した低気圧の通り道となりますので、季節風が吹き荒れますね。
これが北の冬の情感を大いに引き立ててくれます。
2014-12-15 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

殿下の御尊(言)を拝し、恐悦至極にございまする。

そして、殿下にお褒めのお言葉を頂き、我に100万の軍勢を得た心地でございまする。

この喜びをかみ締めて、更なる写真床の底辺を這いずる所存にございまする。
2014-12-15 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

こんばんわー

お見事な写真ですね
それも
文章読みと
なおさら迫力が増します
駅舎追い出されたり・・

江差
未踏の地です

こまどり姉妹の
歌謡曲「江差」そらんじています
2014-12-19 * sekiya [ 編集 ]

No title

sekiyaさん、こんばんは。
見て頂いて有難うございます。

江差に行く目的を持つのは、廃線となった江差線の追っかけか、幕末歴史ファン以外にいないと思います。 まぁ、99.9%の人は未踏の地かと・・(笑)。

江差の謡曲として、『江差追分』が有名なようです。
あまり音楽に興味ないのでよく知りません・・、悪しからず。
2014-12-19 * 風来梨 [ 編集 ]