2014-11-22 (Sat)✎
日本の滝を訪ねて 第115回 八戸観音滝 〔宮崎県〕
『神話の里』の入口には
虹の滝が掛かっていた
八戸観音滝 やとかんのんたき 落差 40m 宮崎県・日之影町
アプローチ 災害で廃止となった旧高千穂鉄道・日向八戸駅跡の東1.5km
『神話の里』に潜む滝《八戸観音滝》は、行政区分でいうと日之影町となる。 この地域の代表的な滝で、『百名滝』にも選定されている《行縢ノ滝》よりこの滝へは、距離にして30kmほどある。
所要でいうと、これより通る国道が空いている状態で45分という所だろうか。 アプローチは、延岡から高千穂への国道218号線を《高千穂》方向へ向けて北上する。
《延岡市》(平成の行政区大合併で北方町は延岡市に編入された)と《日之影町》の境を示す看板標識を見て程なく、朽ちかけた『← 日向八戸駅』と標識のある交差点(信号無し)に出る。 これを左折して、五ヶ瀬川へ向けて急坂を下っていく。
下りきった川岸の高台に、廃線となった高千穂鉄道の《日向八戸 ひゅうがやと 駅》跡と《八戸》の小集落がある。 この集落より更に下って川岸まで出て、延岡方向へ500mほど進むと落差40m程の1条のストレート滝が見えてくる。この滝が《八戸観音滝》だ。
清らかな滝釜のある
落差40m・ストレートの美瀑
いわゆる“正統派”の滝
いわゆる“正統派”の滝
八戸観音滝
集落の中の狭い生活道路を通るので、滝の所在地が少し判りにくいかもしれない。 その時は、気軽に里の人に滝の位置を訪ねるといいだろう。
さて、《八戸観音滝》であるが、道路より150m程奥に入った所に白布を掛けていて、道路わきを通る廃線となった高千穂鉄道の線路からも滝が拝観できたようだ。 何でも、列車はこの場所を通過する際は滝見をすべく徐行運転し、車内アナウンスで滝の所在を案内していたとの事である。
清らかな釜と落水のさざなみを
クローズアップしてみた
滝は名の如く“観音様”の御神体滝として奉じられており、滝入口には三体の観音様が祀られている。
観音様の前には多くのお供え物が添えられて、地元の方の厚い滝信仰が伺える。 何でも、女性と母体の守護菩薩となっているそうである。 滝は先程延べた通り、この入口より草道を150m程奥に入った所にある。
水量豊富な1条のストレート滝で美しい釜淵もあり、滝の下部は日の光を受けて虹が架かっていた。
黒い滝の岩盤と清らかな釜淵の蒼、そして滔々と落水を落とす白布と相俟って、美しい虹の七色の妙が美しい。 こんな素晴らしい滝が人知れずある事に、“神話の里”の荘厳な様を垣間見るのである。
しばらく、この美しい“正統派”の滝に魅せられたなら、神話の里へ向かうとしよう。
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