2011-03-09 (Wed)✎
『オホーツク縦貫鉄道の夢』の第8回目は、前回予告の通りに季節は変って『躍動感溢れる北の夏』となる。 なぜならば、架空・空想旅行と言う事で、話の展開上では筆者の都合が最優先されるからである。
・・と言う訳で(どんな訳?)、夏の花咲き乱れる海沿いの湿原・霧多布をめぐってみよう。
そして、その地が魅せる穏やかな情景を堪能しよう。 それでは、筆者が魅せられた道東・霧多布の魅力的な夏をひとつまみ・・。
厚岸からは、レンタカーでも利用して霧多布湿原めぐりをしてみよう。 霧多布湿原は海辺に広がる大湿原で、内陸の鉄道路線からかなり離れた所に位置する。 従って、車は必要不可欠だろう。
ツリガネシャジンが水滴を浴びて美しく・・
アヤメヶ原にて・・
最初の見どころとしては、最も海に突き出た《チンベノ鼻》にある《アヤメヶ原》の原生花園とそこに放牧された野馬の群れだろう。 海霧で瞑想的となった風景に悠然と草を食む野馬の情景を目にすると、最果てを旅する情感が一層高まる事だろう。
海霧は瞑想的な情景を魅せて
そこで育まれた野馬たちは
限りなく穏やかな表情を魅せる
年中と言っていいほどに海霧に包まれるこの地は、その全ての情景が海霧によって幻想的にドレスアップされる。 その海霧の雫は、植物達の生命の躍動を見る者に伝えてくれる。
何気ない野の草やネコジャラシが厳しい風土に耐えて精一杯生きている様を目にした時、生きているという事の力強さに感嘆と感動の思いを受ける事だろう。
名も無き穂草が精一杯生きる意志を魅せているような・・
そして、海霧の神秘のベールに包まれた空間では、時間が止まったかのようなのんびりとした情景が広がっている。 自然に遊び、自然に抱かれた野馬達が、この空間に誘われた我々に無言の語りかけをしてくれる・・。 「何を焦っているのか?」、「何を慌てているのか?」、「何を急いているのか?」と・・。
くつろぐ野馬達は落ち着きのない人間を
どのように見ているのだろうか
沿いの高台に設けられた道道を伝うと、《火散布沼》から始まる霧多布湿原に出る。
こちらの方は観光地として有名となっているので、途中にコンビニはあるわ・・、喫茶店はあるわ・・で少し興醒めかもしれない。 でも、ヒオウギアヤメの群落や草原の中を蛇行した川の流れは、この場所でしか見ることのできない貴重な湿原の原風景なのである。
遊歩道沿いに咲くヒオウギアヤメ
名も知らぬ花たちが
短い北の夏を謳歌して
最後に、《霧多布岬》にも立ち寄ってみよう。 海辺の高台とそこに広がる原生花園、そして岬の突端に立つ奇岩群となかなかに魅せてくれる情景が広がっている。 厚岸から海沿いをぐるりと一周めぐってきた疲れは、岬の高台に湧く温泉で癒そう。 この地域に温泉とは不思議に思うかもしれないが、この付近は千島海溝の火山帯に位置するのである。 温泉のクアハウスもあり、疲れたら温泉にかこつけての昼寝休憩も可能である。
海辺の高台を飾るお花畑 ウミネコのツガイが
荒波を望みながらしばしの羽根休め
霧多布湿原をひと通りめぐったなら厚岸に戻り、厚岸より厚床まで列車で戻って、『オホーツク縦貫鉄道』の最初の路線である標津線にチェンジしよう。
岬の奇岩に祈るかのように 荒れる海を見ながら悠然と・・
シャジンの花が咲いていた
次回はまたもや春先にジャンプして、標津線の通称・厚床線をめぐってみよう。
こんな季節が飛び飛びのふざけた旅紀行記が書けるのも、架空旅行における筆者特権のお陰である。 でも、この特権の乱用は、閲覧者を減らすかもしんないね。 元から人気ないから、まぁいいか・・。
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No title * by 風来梨
ed75さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
霧多布は、その名の通り霧の多い所です。 それだけに、野馬や霧の露に濡れた湿生植物が雰囲気を盛り上げてくれます。
また、快晴時に湿原を見下ろす高台から前景を望むのもいいですね。
私の時はアヤメヶ原と岬の時は霧風景となり、湿原を見下ろせる火散布沼前の丘陵地や霧多布の湿原では晴れ間が広がる絶好のコンディションでした。
後、この先の春国岱も凄くいいですよ。
コメントありがとうございます。
霧多布は、その名の通り霧の多い所です。 それだけに、野馬や霧の露に濡れた湿生植物が雰囲気を盛り上げてくれます。
また、快晴時に湿原を見下ろす高台から前景を望むのもいいですね。
私の時はアヤメヶ原と岬の時は霧風景となり、湿原を見下ろせる火散布沼前の丘陵地や霧多布の湿原では晴れ間が広がる絶好のコンディションでした。
後、この先の春国岱も凄くいいですよ。
霧多布は2度訪れました。
1回目は文字通り霧の中。
2回目は初夏快晴でした(滅多にないそうです)。
快晴時の霧多布は美しいの一言です。