風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第137回  草津白根山

『日本百景』  秋  第137回  草津白根山  〔群馬県〕
 

草津白根山のシンボル
ミルクエメラルドに輝く湯釜
 
  草津白根山 くさつしらねさん (上信越高原国立公園)
我が国きっての温泉郷である《草津温泉》。 その《草津温泉》の温泉の源が、この草津白根山である。 頂上丘に大きな《湯釜》を抱き、山野フィールドの至る所から噴煙を上げるなど、活発な火山活動中である事が伺える。 その為か、最高峰の本白根山 2171メートル を始めとした多くの頂が『火山活動による有毒ガス発生の危険がある』との理由で一般公開されていない。

また、標高2050m地帯まで国道やロープウェイなどの路線が整備された観光地でもあるので、頂上が一般公開されない事も相俟って、登山道ではなく一般観光客向けのトレッキングルートになっている。
そのような訳で登山を目的としたなら、かなり物足りない内容となっている。

ここは、この山の抱く雰囲気に合わせて、手軽な身なりで《噴火口跡》や《湯釜》などの景観を楽しむ『1Dayハイク』を楽しむ事にしよう。
 

 

草津白根山トレッキングコース 行程図
 
    行程表                  駐車場・トイレ・山小屋情報
草津温泉(草津町市街)より車利用(0:40)→草津白根山・湯釜駐車場(0:15)→逢ノ峰
(0:15)→ロープウェイ山頂駅(1:00)→本白根山遊歩道・最標高地点
  ※ 本白根山の頂上は一般開放されていない
(1:00)→草津白根山・湯釜駐車場(0:15)→湯釜展望台(0:15)→草津白根山・湯釜駐車場より車
(1:20)→中野市街
 

この日の草津白根山は
美しい雲がたなびいていた

わが国で最も知れ渡っている温泉観光地・草津の温泉供給源の山が、この草津白根山である。
そして、その温泉観光地は、当然に我が国有数の観光地なのである。 そして、この山自体が、スニーカー履きの一般行楽客でも対応できる『ハイキング未満の高原散策ルート』なのである。 
この事から、日が上がるに連れて休日・平日問わず一般行楽客が詰め寄せるのである。 いや、休日などは駐車場が満杯になって、観光も不可能になるのではないかと思う。
 

休日の昼前ともなると
この道路に観光客の車の列が並ぶのだろうな

従って、この草津白根山を訪ね歩くとするなら、これらの一般行楽客が押し寄せる前に散策を済ませてしまう計画を立てる必要があるのだ。 それは、草津温泉の宿に宿泊するようではまず不可能だ。
なぜなら、朝早くの出発が困難だからだ。 なので、『草津の湯めぐり』はそれとして独自に機会を設けるとして、ここは《草津温泉》の湯治は完全に無視して行く事にしたい。 幸い筆者は以前に《草津温泉》めぐりをした事があるので、心残りなく《草津温泉》を通過する事ができたのだが。

前述の事を念頭に置くと、前日の夜は草津の『道の駅』が妥当・・という答えが出る。
まぁ、現地の駐車場まで出張っても良いが、今回訪れる季節である秋の現地は標高2000mを越えて寒いという事と、夜間の駐車場は閉鎖されていて入れないかもしれないという懸念があるので有利とは言えないだろう。 また、急激に冷え込む日などは道路凍結の心配もあるし。 それならば朝6時頃から出発して、道路凍結の有無を確認しながら行く方が安全であろう。
 

山上をめぐる道を眺めて
 
ちなみに、私で6時半に出発したなら、ゆっくり車を走らせても7時過ぎには到着できるのである。
そして、7時前はまだ一般観光客はほとんどおらず、ゆっくりと車を駐車場に入れて、余裕をもって高原トレッキングが開始できるのである。

さて、そのトレッキングであるが、やはり山の情景は日が高く上がるお昼前より朝方の方が断然“いい眺め”を魅せてくれるのである。 それでは朝の“いい眺め”を俯瞰するべく、ちょっと頑張って逢ノ峰の展望台まで続く木の階段を登っていこう。 まぁ、高低差で70~80m、所要で15~20分の階段の登りだ。
気をつける事は、朝の冷え込みで木の階段に霜が下りていて滑りやすくなっている事位だろうか。
 

湯釜の駐車場が
徐々に小さくなっていく
 
階段で70~80m登った逢ノ峰からは、谷川連峰や浅間山がスカイブルーの中に展開する絶景だ。
また、湯釜の駐車場もそろそろに観光客が上がり出してきたようで、動きが出てきているのが確認できる。 頂上の東屋で休憩して息を整えたなら、この峰を下っていこう。
 

登りついた逢ノ峰より
浅間山を望む

この峰からは、山上高原の裏側にある草津白根のスキー場へ向けて下っていく。
草津白根スキー場へは、冬にはスキー客の輸送手段となるロープウェイが、無雪期もトレッキング客相手に運行している。 この峰を下りきると、スキー場とロープウェイ駅前の舗装道路に出る。
高原トレッキングルートは、このスキー場の右脇を伝って登っていく。
 

深い原生林に覆われた草津白根の
山中に遊歩道はつけられている

下から見上げると、リフトの頂点までの標高差を登る事が宿命づけられるが、登ってみるとルートの至る所でジグザグに切った緩衝が挟んであるなど全く持って大した事はなく、やはり一般行楽客レベルのトレッキングルートだな・・と感じるのである。

後述となってしまったが、この《草津白根山》の最高峰である本白根山 2171メートル は頂上に至る通路が設けられておらず、一般行楽客には解放されていない。 従って、最高峰への到達は不可能であり、遊歩道にある『遊歩道最標高点』が頂上の代わりとして設置されている・・との事である。
今回は、この『遊歩道最標高点』で登頂した事に代えるとしよう。
 

遊歩道を伝っていくと
自然に回帰している噴火口跡にたどり着く
 
スキー場の入口より見上げたリフトの掛かっている高みを過ぎて少しゆくと、噴火口跡を周回するように歩くようになる。 噴火口跡は草原化しているようで、夏はお花畑の園となる・・との事である。
噴火口壁につけられたルートを半周近く回ってゆくと、本白根山の肩の緑地帯の上に出る。
 

噴火口を取り巻く大地は
庭園状を成している
 
ここは乾燥化が進んで最早湿原とは云い難いが、緑豊かなカール状を成しているので、夏はコマクサなどの花々が咲き乱れるとの事である。 なお、ここは木道が敷かれているので、踏み外さぬよう注意したい。
 

草津白根の山上庭園を俯瞰して

この緑地帯を縦断すると、道は180度折り返して尾根上の坂を伝っていく。
尾根上は妙高や戸隠、そしてその背後の北アルプス・後立山の一大オーケストラが広がる。
この大パノラマに、カメラを出さずにはいられないだろう。
 

本白根に続く稜線の西側の展望
 

戸隠・妙高から北アルプスの山々の
おりなす大オーケストラな眺め
 
カメラを手にしつつ、尾根の坂道を標高にして50mほど登っていくと、『本白根山』の道標が差し込まれた『遊歩道最標高点』に着く。 標高は、最高峰より21m低い2150mとの事である。
 

草津白根の最高峰は
一般公開されておらず眺めるだけ
 
そして最高峰は、その300mに緑の穏やかな膨らみを魅せている。 だが、足元には立入禁止のゼブラロープが張られ、この『遊歩道最標高点』の先でも、頂上への踏跡となる所は皆無であった。
 

何ともいえない
素晴らしき空のキャンパスに酔う
 
ちなみに、この『遊歩道最標高点』から先に進むと万座温泉への下山道となっている。
帰路は往路を戻るも良し、《鏡池》経由の大周りルートを行くもいいだろう。
いずれのルートを取っても、スキー場入口に戻り着く事ができる。
 

スキー場から国道への
短絡道も秋情景満開だ
 
さて、スキー場入口に戻ると、舗装道を伝っていく。 この舗装道は国道からスキー場を結ぶ道で、夏はロープウェーで上がってきた行楽客を湯釜方面へ送るロープウェイの乗客専用のバスが往復している。
でも、長さは1km位で、このバスを見るにつけ「それ位歩かせればどう?」と感じるのであるが。
 

弓池越しに白根山を望む
 
後は、日の光を浴びて乳白色に光る《湯釜》を眺めて帰る事にしよう。
《湯釜》へは、駐車場左脇のジグザグに切られたコンクリートの歩道を15分ほど登ればいい。
 

湯釜を囲う火口壁
活発な火山活動中故に
刻まれた踏跡は全て通行禁止である
 

白根山 2160m
こちらも登頂禁止だ
 
なお、駐車場の右側から直接《湯釜》の火口壁に至るルートは通行止となっている。
《湯釜》の乳白色に輝く情景は私の拙い写真で語る事にして、この項目の探勝を終えたいと思う。
 

やっはり引いて
周囲の絶景を添えた方がいいね
 
山の後の温泉温泉は《草津温泉》に戻るも良し、《志賀高原》の温泉めぐりをするのもいいだろう。
当然の事であるが、《志賀高原》の温泉の方が車も止めやすく、ゆっくりと温泉に浸かる事が叶うだろう。 ちなみに《志賀高原》の温泉には《熊ノ湯》、《石ノ湯》、《発哺温泉》、《湯田中温泉郷》などがある。
 
     ※ 詳しくはメインサイトより草津白根山』を御覧下さい。
 
 

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No title * by 散位 アナリスト杢兵衛
まさに素晴らしきキャンパスですね。
ナイス

No title * by 風来梨
アナリスト杢兵衛さん、こんばんは。

ふと見上げた空に魅せられました。
秋の空は、心を魅了する素晴らしきキャンパスですね。

コメント






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No title

まさに素晴らしきキャンパスですね。
ナイス
2014-10-18 * 散位 アナリスト杢兵衛 [ 編集 ]

No title

アナリスト杢兵衛さん、こんばんは。

ふと見上げた空に魅せられました。
秋の空は、心を魅了する素晴らしきキャンパスですね。
2014-10-18 * 風来梨 [ 編集 ]