2014-09-21 (Sun)✎
名峰次選の山々 第111回 『136 女峰山』 栃木県
《1日目》 霧降高原より女峰山へ
2度の道ロストで『フォーエバー』になりかけていた和名倉山を3度目のチャレンジで漸く登頂して、〔名峰次選〕の完全登頂の実現が少し見えてきた6月中旬に、この夏の『〔名峰次選〕制覇プロジェクト!?』の第2弾として女峰山を攻めに行ったのである。 でも、日光は遠いよ。 関東の北端に位置するのだから。
バスを降りて周囲を見渡すが、あるはずのリフトがなく綺麗に整備された階段が草原に続くのみであった。 この情景に「もしかして下車する所を間違えた!?」と思ったタワケ(筆者)は、ゲストハウスの案内係に「リフトの乗場はどこですか?」とアホ丸出しの問いかけをする。
案内係氏は「リフトで楽をしたい」という『下心オーラ』を全身から放つこのタワケ(筆者)の心の中を見通したようで、苦笑いを浮かべながら「リフトは4年前に廃止となったので、今は階段を登らねばなりませんよ」と教えてくれた。 恐らくその時のタワケ(筆者)は、その『実刑判決』に心底『ガッカリ』と肩を落としていた事であろう。
だが、この綺麗な階段は一般観光客の昇降を想定した造りで1段あたりの昇り高も抑えられ、なおかつ70~80段毎に小休憩用の踊場も設けられて、足が短く最近はメタボって思うように足の上がらない(それだから、よく何でもない所で躓いてド派手なトライ〔転倒〕をカマすんだね)筆者でも『申し分のない』状況の優良建設物であった。
しかも100段毎の指標付で、最後の方には指標に『応援メーセージ』が入る「至せり尽くせり」なこの建造施設は、避難小屋泊でテントは持ってきていないとはいえ17kgを担ぐメタボーマンにも優しい造りであったようで、筆者でさえ下で想定された1時間という所要時間を15分も短縮できたのである。
この人間の出来損ないは不服そうに謝ってはいたが、ワテが年端もいかない子供だったり反射能力の衰えた老齢だったりしたなら、こんな所で制御下にないノーリードの大型犬と遭遇したなら滑落する危険がかなり大きくなるのだ。 もし、ワテが子連れだったりしたなら、我が子が命の危険にさらされたのである。
云わば、車を運転する上で最大の違反である飲酒運転の車に出くわしたのと同じなのである。
もし、この人間の出来損ないが逆切れしてきたなら、遠慮なしに手を出すだろう。 これを『浅はか』というなら、飲酒運転の車から間一髪で事故を防いだシーンを想像してもらいたい。 これを『浅はか』というなら、そういう場面で自身を轢き殺しかけた飲酒運転の運転者を笑って許せるかって事なのだろう?と。 まぁ、この事は『エンドレス』となるので、先に進もう。
先程の怒りを抑えるべくイワカガミなどの高山植物を愛でながらゆくと、岩稜を下る前に対面にそびえていた2203mのピークである《奥社跡》に着く。 《奥社跡》といっても道標以外には何もなく展望も樹林に囲まれてスッキリしないが、木々で程よく日照りが遮られ、また小さな頂上スペースで座る事のできる草地もあって休憩場所としては最適だろう。 ここで荷を下ろして休憩して、またもや眼前にそびえる2209mピークまで70mのアップダウンに挑むのである。
このほぼ同じ高さのピーク間のたわみの上下であるが、底部は雨でも降るとヌタ状になりそうな粘土質の下地で、登り返しの道も木々の根がアチコチに乱れ這って道の判別がし辛い所だ。 道の目印としては、この地域固有の指標であるオリエンテーリング用の四角の板指標をたどって行くといいだろう。
小屋は思ったほど広くなく、そしてトイレもないなど住環境は今イチである。 でもここ以外に避難小屋はないので、今日はこの小屋で一夜を結ぶとしよう。 今日のあの下りからすると、女峰山への朝日への意欲が減退するなぁ。 何せ、近年はヘタリにヘタってますさかいに。
宿泊した唐沢避難小屋の前は男体山が良く見えるものの展望的には平凡で、頂上での朝日をパスったらする事は何もない。 そして小屋の中は割と混んでいて、朝日をパスした宿泊者が一斉に朝飯の支度をするので、朝飯を取るのは思ったより時間がかかる。 中には朝っぱらから鍋を取り出す御仁(このヒト・・少し空気が読めなさそう)もいて、テーブルは満杯となるからだ。 こういう何だカンだ・・で、朝飯を食って出発の支度が整ったのが7時過ぎとなってしまった。
地図には先程の分岐は《馬立》と記されていて、この《馬立》から志津林道方向は所要1時間ちょっとで志津林道の車止め(舗装終点)に出れるようである。 それに比べてこちらの方は、距離にして7kmで完璧に3:30はかかりそうだ。 比べりゃぁ「そりゃぁ、このルートは通らんわなぁ」、「志津林道は車だから、日帰りがほぼ全てだろうな」と、初めて『下山者がいない理由』を正しく理解できた。
でも、志津林道に出た所で足もないし、携帯が『柔らかい銀行』なので電波も届かずタクシーも呼べないし(タクシー乗る金も持ってなかったしィ)で、予定通りこの誰も通らない長い下山路を下っていく事にする。 だが、このルートは『人が寄りつかない』という現実の通り、かなり胡散臭いルートだったのである。 ルートはすぐにクマザサの密生によって隠され、数分も歩くと踏跡が途切れて踏跡を探さねばならないのである。
さしも広い《モッコ平》も終わりに近づくと、草原地帯を抜け出て道がハッキリとしてくる。
日光山系(日光国立公園) 2483m コース難度 ★★(モッコ平経由★1つ追加) 体力度 ★★
女峰山縦走ルート 行程図
行程記録 ※ 女峰山頂から避難小屋までかかり過ぎ←筆者の下りは異常に遅いしィ
《1日目》 JR日光駅よりバス(0:25)→霧降高原(0:45)→小丸山展望所(1:15)→赤薙山
《1日目》 JR日光駅よりバス(0:25)→霧降高原(0:45)→小丸山展望所(1:15)→赤薙山
(0:50)→奥社跡(0:50)→一里ヶ曽根(1:30)→女峰山(0:45)→唐沢避難小屋
※ 女峰山の冷水と呼ばれる水場へは唐沢避難小屋より往復35分
《2日目》 唐沢避難小屋(0:15)→女峰山の冷水(1:20)→馬立(1:20)→モッコ平
※ 女峰山の冷水と呼ばれる水場へは唐沢避難小屋より往復35分
《2日目》 唐沢避難小屋(0:15)→女峰山の冷水(1:20)→馬立(1:20)→モッコ平
(1:20)→裏見ノ滝(0:35)→裏見ノ滝入口バス停よりバス(0:15)→東武日光駅
《1日目》 霧降高原より女峰山へ
2度の道ロストで『フォーエバー』になりかけていた和名倉山を3度目のチャレンジで漸く登頂して、〔名峰次選〕の完全登頂の実現が少し見えてきた6月中旬に、この夏の『〔名峰次選〕制覇プロジェクト!?』の第2弾として女峰山を攻めに行ったのである。 でも、日光は遠いよ。 関東の北端に位置するのだから。
夜行バスは翌朝につつがなく宇都宮に到着し、JR日光線に乗り継いで日光に着いたのは7:13。
30分ほど待って47分発のバスに乗り、地図でリフト表記のある霧降高原ゲストハウス前の駐車場に着く。 もちろん、リフトに乗る気満々で・・である。
30分ほど待って47分発のバスに乗り、地図でリフト表記のある霧降高原ゲストハウス前の駐車場に着く。 もちろん、リフトに乗る気満々で・・である。
階段になってるよ
あるハズで乗る気満々だった
あるハズで乗る気満々だった
リフトがそこにない
バスを降りて周囲を見渡すが、あるはずのリフトがなく綺麗に整備された階段が草原に続くのみであった。 この情景に「もしかして下車する所を間違えた!?」と思ったタワケ(筆者)は、ゲストハウスの案内係に「リフトの乗場はどこですか?」とアホ丸出しの問いかけをする。
案内係氏は「リフトで楽をしたい」という『下心オーラ』を全身から放つこのタワケ(筆者)の心の中を見通したようで、苦笑いを浮かべながら「リフトは4年前に廃止となったので、今は階段を登らねばなりませんよ」と教えてくれた。 恐らくその時のタワケ(筆者)は、その『実刑判決』に心底『ガッカリ』と肩を落としていた事であろう。
こうして、女峰山に登る為には標高差にして300m近く、整備された階段を1500段近く昇る事が必須となったのである。 その必須事項を確認するのに20分という時間を無駄にして、なおもブツブツクジクジと不平を垂れながら出発する。
整備されて登り易く
登り標高差250mの苦はあまりない
さっすが著名観光地
登り標高差250mの苦はあまりない
さっすが著名観光地
だが、この綺麗な階段は一般観光客の昇降を想定した造りで1段あたりの昇り高も抑えられ、なおかつ70~80段毎に小休憩用の踊場も設けられて、足が短く最近はメタボって思うように足の上がらない(それだから、よく何でもない所で躓いてド派手なトライ〔転倒〕をカマすんだね)筆者でも『申し分のない』状況の優良建設物であった。
しかも100段毎の指標付で、最後の方には指標に『応援メーセージ』が入る「至せり尽くせり」なこの建造施設は、避難小屋泊でテントは持ってきていないとはいえ17kgを担ぐメタボーマンにも優しい造りであったようで、筆者でさえ下で想定された1時間という所要時間を15分も短縮できたのである。
スニーカーと初夏の軽装の一般観光客は最上段にある展望所で折り返していき、階段が途切れると登山者だけの領域となる。
展望所より先は土と砂利コロの転がる登山道に変わり、これをひと登りするとニホンジカの進入を防ぐ為に設置されたモノなのか、回転式の鉄柵門をくぐって小丸山の頂上丘に出る。 小丸山よりは全体的に見たらなだらかではあるが、階段であった先程の人工草原よりキツい山の尾根筋に連なる傾斜に変わっていく。
展望所より先は土と砂利コロの転がる登山道に変わり、これをひと登りするとニホンジカの進入を防ぐ為に設置されたモノなのか、回転式の鉄柵門をくぐって小丸山の頂上丘に出る。 小丸山よりは全体的に見たらなだらかではあるが、階段であった先程の人工草原よりキツい山の尾根筋に連なる傾斜に変わっていく。
前方を望むと、これから伝っていく道筋が尾根上に一筋に刻まれて心地良い。 この刻まれた道筋を一歩づづ進んでいくのである。 足元は粘土質の土砂が掘られた溝状の道で、深く掘られた所は上の土手を通っていく。
赤薙山への登り道で望む女峰山
振り返ると登山口に建つゲストハウスが小さく見えて、いつの間にかかなり登って来たのが実感できていい。 登り進んで赤薙山の頂上域に入るとササ原から樹林帯に変わり、開けていた展望は雑木林に隠されて見えなくなる。 雑木林の中を少し行くと頂上を通るルートとトラバースする巻き道との分岐があり、ちょっとでも楽したい≒巻き道の方が楽(一般的には)と直感的に考えるタワケ(筆者)は、迷わず巻き道を取る。
巻き道はほぼ『トラバース道』で、道自体が大いにナナメっていた感があって少し歩き辛い。
巻き道はほぼ『トラバース道』で、道自体が大いにナナメっていた感があって少し歩き辛い。
だが、ほんの12~13分ほどで本ルートと合流する。 しかも、赤薙山の頂上の右手50m程の所に。
で、50mで所要1分の赤薙山 2010メートル 頂上に立ち寄ってみる(もちろん、荷物17kgは分岐にデポりました・・ 僅か1分でも担ぐの拒否る心底ヘタレの筆者)。
すると、雑木に覆われて見通しのあまり良くない頂上には、弁当を広げる者もいるなど結構な人だかり。 この人だかりを目にして、頂上より50mの肩に出る好条件で巻き道を通る人が案外少ないのは、「もしかして巻き道を通るより頂上を越えた方が楽?」と下世話な胸算用を思い描く筆者であった。
登山者・行楽客が各自弁当を広げて憩の山頂にはなっているが眺望は今イチなので、何もせずに荷物をデポした巻き道との分岐へと足早に戻る。 分岐からは少し痩せた岩稜を上下する。
登山者・行楽客が各自弁当を広げて憩の山頂にはなっているが眺望は今イチなので、何もせずに荷物をデポした巻き道との分岐へと足早に戻る。 分岐からは少し痩せた岩稜を上下する。
一瞬の晴れ間
男と女の峰 揃い踏み
男と女の峰 揃い踏み
展望はこの岩稜の底部が開けていて目指す女峰山の姿も拝め、登り返すにつれて樹林帯に入っていき展望がなくなる案配だ。 岩稜底部へ下った分をそのまま登り返すと緩やかな起伏の続く樹林帯の中の道となり、イワカガミなどの高山植物もチラホラとお目見えする。
岩影にひっそりと
イワカガミ
だが、ここでも、そんな広潤な気分を台無しにするようなチョーセンな人間の出来損ないのダニもどきが一匹いた。 その人間の出来損ないは事もあろうに、この補助ロープさえ設置されている痩せた岩稜にノーリードで黒い大型犬を這わせていたのである。
もし、離合困難な所でこんなのがやってきたら、コチラの身にも危険が及ぶのである。 まぁ、本当に危険と感じたならピッケルを持っていた事だし、遠慮なしに犬を崖から突き落とすけどね。 もちろん、自身の命を守る為に。 けれど、これにはさすがに腹が立って、「コラッ、こんな所に犬連れてくるな! このキチガイが!」と叫んでしまった。
この人間の出来損ないは不服そうに謝ってはいたが、ワテが年端もいかない子供だったり反射能力の衰えた老齢だったりしたなら、こんな所で制御下にないノーリードの大型犬と遭遇したなら滑落する危険がかなり大きくなるのだ。 もし、ワテが子連れだったりしたなら、我が子が命の危険にさらされたのである。
云わば、車を運転する上で最大の違反である飲酒運転の車に出くわしたのと同じなのである。
その結果は無事かもしれないが、事故に遭遇する可能性もバカ高くなるのである。
もし、この人間の出来損ないが逆切れしてきたなら、遠慮なしに手を出すだろう。 これを『浅はか』というなら、飲酒運転の車から間一髪で事故を防いだシーンを想像してもらいたい。 これを『浅はか』というなら、そういう場面で自身を轢き殺しかけた飲酒運転の運転者を笑って許せるかって事なのだろう?と。 まぁ、この事は『エンドレス』となるので、先に進もう。
6月の花・イワカガミが
山野を彩って
先程の怒りを抑えるべくイワカガミなどの高山植物を愛でながらゆくと、岩稜を下る前に対面にそびえていた2203mのピークである《奥社跡》に着く。 《奥社跡》といっても道標以外には何もなく展望も樹林に囲まれてスッキリしないが、木々で程よく日照りが遮られ、また小さな頂上スペースで座る事のできる草地もあって休憩場所としては最適だろう。 ここで荷を下ろして休憩して、またもや眼前にそびえる2209mピークまで70mのアップダウンに挑むのである。
このほぼ同じ高さのピーク間のたわみの上下であるが、底部は雨でも降るとヌタ状になりそうな粘土質の下地で、登り返しの道も木々の根がアチコチに乱れ這って道の判別がし辛い所だ。 道の目印としては、この地域固有の指標であるオリエンテーリング用の四角の板指標をたどって行くといいだろう。
このほぼ同じ標高ピーク間のたわみを越えると樹林帯の中に続く平坦な道となり、この樹林帯を抜けると岩の積み重なった《一里ヶ曽根》という好展望所に出る。 正面左手に女峰山がデンとそびえて壮観だ。
今はいずれの世でも
男より女の方がデンと居座ってる
男より女の方がデンと居座ってる
ここも風の吹き抜けて展望のいい良い休憩場所であるが、ここからは穏やかに見える女峰山の姿とは裏腹に予想より厳しい道となっていく。 まずは岩の積み重なった《一里ヶ曽根》から続くガレ場の急下降だ。 ガレ場としては大したレベルではないが、それでも浮石が存在するので転倒には要注意だ。
約60~70m下って、100mほど登り返して《一里ヶ曽根》の正面に対峙している岩屏風に登り返す。
この岩屏風の上はガチャガチャした灌木帯で、木の根が這い出して歩き辛い。 この尾根を越えると、いよいよ女峰山の本体に取り付く。
予想だにしなかった
岩場直登の難所
取り付き始めは女峰山という優しい山名から想定だにしなかった岩場の直登りだ。 ここは補助ロープもあり、岩自体のホールドも容易な初級の岩場レベルではあるが、このような場面を想定していなかった事と縦走である程度の重荷物を担いでいる事から鑑みると緊張する場面である。
この岩場を登る最中に振り返ると
幾何学模様の灌木が魅せてくれた
幾何学模様の灌木が魅せてくれた
この岩場を登りつめるとそろそろにハイマツが姿を現し出してきて、頂上近きを思わせる。
後はハイマツの間を縫うようにつけられた登山道を緩やかにつめていくと、三角点頂上を経てピラミット型に積まれた岩礫の上に頂上標が差しかけてある女峰山 2483メートル の頂上が見えてくるだろう。
その頂上の岩礫のピラミットのすぐ前に祠の建つ頂上広場があり、そこから岩礫の頂までは標高差にして3m・・ほんの20秒である。
頂上直下の
女峰山を奉る祠にて
その岩礫の積まれたピラミットの上からは、梅雨時期という事で雲は多めながらも男体山や奥白根山や太郎山、志津峠から続く猛烈なアップダウンの三兄弟の峰である大真名子・小真名子・帝釈山が見渡せる。
中でも『猛烈アップダウン三兄弟』の山なみにガスが吹き抜けていく様はそそるモノがあった。
鈍重な雲の下で
女峰山頂上標
女峰山頂上標
湧き立つ雲が峰を覆う
リフトが廃止になっている事を知らなかった事はあったが、休憩時間を含めてここまでの所要時間5時間半はまぁまぁだろう。 とはいえ、頂上で半時間程過ごしてもう15時前となっているので、そろそろ今夜の宿である唐沢避難小屋へ向かうとしよう。
その唐沢避難小屋への下りであるが、《一里ヶ曽根》のガレ場よりよっぽとキツい急なガレ下りである。 元来下りのヘボい私には厄介な下りだ。 道標では25分とあったが、到底45分はかかりそうである。
それに、途中で状態の良いイワカガミの花が岩影に咲いていて、更に下り時間が遅くなる。
下りの険しさ(但し、筆者クオリティのみ該当)に
めげて疲れた心身を
イワカガミ撮影で癒す
何とか40分で小屋に着いたが、これより地図上では10分だが、実際は往復で30分は裕にかかる《女峰の冷水》までの水汲みがある。 しかもこの水場へは思いっきり痩せた尾根の通過があり、今日の行程では最も危険マークが着く水汲みなのである。 こういう事もあるので、小屋には明るい内に余裕で着くようにしよう・・という教訓が活きるのである。
思ったより窮屈
それにトイレ無
唐沢避難小屋
唐沢避難小屋
小屋は思ったほど広くなく、そしてトイレもないなど住環境は今イチである。 でもここ以外に避難小屋はないので、今日はこの小屋で一夜を結ぶとしよう。 今日のあの下りからすると、女峰山への朝日への意欲が減退するなぁ。 何せ、近年はヘタリにヘタってますさかいに。
今日は男体山が
良く見えるいい天気だ
《2日目》 馬立から裏見ノ滝へ下山
朝・・、確信的に朝日にまでに起きれなかった。 まぁ、昨日の頂上からの下りで、25分の下りコースタイムを40分もかかった時点で「恐らく寝坊するだろうなぁ」と思っていたが、それがあっさりとその通りになるとは、もう取り返しが着かぬ程に『ヘタレ』が進行しているようである。
朝・・、確信的に朝日にまでに起きれなかった。 まぁ、昨日の頂上からの下りで、25分の下りコースタイムを40分もかかった時点で「恐らく寝坊するだろうなぁ」と思っていたが、それがあっさりとその通りになるとは、もう取り返しが着かぬ程に『ヘタレ』が進行しているようである。
・・で、もうとっくに夜が明けて明るくなった5時過ぎにモソモソと起き上がる。 でも、あの頂上への登りは他の登山者の多くも敬遠したみたいで、3時位から出張って頂上に行ったのはほんの数人だけであった。
宿泊した唐沢避難小屋の前は男体山が良く見えるものの展望的には平凡で、頂上での朝日をパスったらする事は何もない。 そして小屋の中は割と混んでいて、朝日をパスした宿泊者が一斉に朝飯の支度をするので、朝飯を取るのは思ったより時間がかかる。 中には朝っぱらから鍋を取り出す御仁(このヒト・・少し空気が読めなさそう)もいて、テーブルは満杯となるからだ。 こういう何だカンだ・・で、朝飯を食って出発の支度が整ったのが7時過ぎとなってしまった。
さて、下山後に日光の滝めぐりをすべく《裏見ノ滝ルート》を下山ルートに取る事にしたが、追随者が一人もいない。 40人はいた宿泊者の皆・・というかワテを除く全員が尾根筋を下る《二荒山神社ルート》を取るみたいだ。 「何で? 二大下山ルートでないの?」と不可思議に思ったが、他に下山者がいようがいまいがどうでもいい事なので気にせず下山を始める。 でも、他に下山者がいないのは、このルートを通った筆者が遭遇する『オチャメ』によって明らかにされるのであるが。
コース随一の危険個所
両側が切れ落ちた幅50cmの痩せ尾根で
両側が切れ落ちた幅50cmの痩せ尾根で
足場がグラグラにバウンドするしィ
まずは、昨日水場に行く時に通った痩せ尾根の通過がある。 水筒片手の完全空身でも通過が厄介な痩せ尾根は、16kgが背中に乗るとかなりおっかない。 元々バランスのない身の上(片足立ちは30秒持たないしィ、片足屈伸出来ないしィ←この身体能力でよく山に登れるよな)だから尚更である。
もう、形振り構わず『四つん這い』になって通過。 この状況で感じた事は、「他にこのルートを下る下山者がいなくて、本当に良かった」という卑屈な喜びである。 他の登山者に『四つん這い』を目撃されるのは、さすがに忍びないしィ。
さて、この痩せ尾根を越えると、水場へのつづら折りの下りとなる。 昨日も述べたが、これを片道10分で行ける奴は『カモシカの足』である。 空身でも下り15分、上りは15分以上かかるよ、絶対に。
さて、この痩せ尾根を越えると、水場へのつづら折りの下りとなる。 昨日も述べたが、これを片道10分で行ける奴は『カモシカの足』である。 空身でも下り15分、上りは15分以上かかるよ、絶対に。
この『女峰の冷水』より先は、初めて通るルートだ。 ルートは『女峰の冷水』の沢の流れの際を伝っていくが、結構滑りやすい。 まぁ、こんなのは『オチャメ』でも何でもないので、難なく通過する。
沢の流れの際を伝っていくと、大きなガレ沢に出る。 大きな沢筋の割には水量は乏しく、恐らく大半の流水は伏流水としてガレの下を流れているのだろう。
女峰山直下から
流れ出るガレ沢
このガレ沢を濡れる事なく渡って対岸に取り付き、沢の右岸に着けられた登山道を下っていく。
ここからは整備された登山道で傾斜も緩やかで、当初『予告』で述べた『オチャメ』とはかけ離れていってるようである。 その内に軽装の日帰り登山者と多数すれ違い、ますます『オチャメ』は有り得ない雰囲気となっている。
「こんな初心者ルートで何故に下山者が一人もいないんだろう?」と不可思議に思いながら下っていく。 途中で新緑に彩られた山肌などを撮りながらゆくと、並行していた流れのほとんどないガレ沢の縁の土手上に下り着く。
新緑の淡い緑が山野を彩って
この山での一番星写真でっす
この山での一番星写真でっす
写真を撮りながらダラダラ下っていたので疲れは無かったのだが、取り敢えず1時間半歩いたのでひと息着く事にする。 ひと息着いた後はこのガレ沢を渡って対岸に取り付いて、日光の街の方向へ向かうつもりだった。
そしてひと息を入れ終えて出発しようとした矢先、登山者の団体がガレ沢からではなく右手からゾロゾロとやってきた。 そして、私のひと息着いた所で90°向きを変えて私が下ってきた道を登り出したのである。 これを見て、何となく理解できた。 「このルートは登り専用ルートなのだ」と。
でも、一服場所から数歩歩くと道標があり、この『理解』が半分誤りだと気付いたのである。
でも、一服場所から数歩歩くと道標があり、この『理解』が半分誤りだと気付いたのである。
その道標には、団体登山者がやってきた土手上の直進方向と土手下のガレ沢の2方向を指し示していたが、土手上方向を指す指標には『→志津林道』と記され、『真新しく、判り易く、ハッキリ』と記されていた。 だが、土手下のガレ沢方向を指し示す指標は補修もなく朽ちかけていた。
そして、土手上に延びる『志津林道』方向には道標リボンが花咲き、林立する木々に木名が掲げられるなど、思いっきり『一般登山道』してたのである。 一方、ガレ沢を渡る方向は河原の岩に消えかけたペイントがあっただけで、渡った後の対岸には『裏見ノ滝 3:30』の道標が。 この3:30に『ゲッ』と思って、地図を取り出す。
そして、土手上に延びる『志津林道』方向には道標リボンが花咲き、林立する木々に木名が掲げられるなど、思いっきり『一般登山道』してたのである。 一方、ガレ沢を渡る方向は河原の岩に消えかけたペイントがあっただけで、渡った後の対岸には『裏見ノ滝 3:30』の道標が。 この3:30に『ゲッ』と思って、地図を取り出す。
地図には先程の分岐は《馬立》と記されていて、この《馬立》から志津林道方向は所要1時間ちょっとで志津林道の車止め(舗装終点)に出れるようである。 それに比べてこちらの方は、距離にして7kmで完璧に3:30はかかりそうだ。 比べりゃぁ「そりゃぁ、このルートは通らんわなぁ」、「志津林道は車だから、日帰りがほぼ全てだろうな」と、初めて『下山者がいない理由』を正しく理解できた。
でも、志津林道に出た所で足もないし、携帯が『柔らかい銀行』なので電波も届かずタクシーも呼べないし(タクシー乗る金も持ってなかったしィ)で、予定通りこの誰も通らない長い下山路を下っていく事にする。 だが、このルートは『人が寄りつかない』という現実の通り、かなり胡散臭いルートだったのである。 ルートはすぐにクマザサの密生によって隠され、数分も歩くと踏跡が途切れて踏跡を探さねばならないのである。
美しい森の広がるモッコ平
でも足元はクマザサで覆われていて
道が至って不明瞭
でも足元はクマザサで覆われていて
道が至って不明瞭
ルートを探しに四苦八苦しながら進むと、あっという間に1時間は過ぎてしまう。 土手上を通って志津林道終点に向かったなら、今頃は舗装道を踏んでいる事だろう。
でも、コチラは《モッコ平》という草原地帯で、周囲の景色は美しくも終わりの見えない果てしない草原で、足元はこれからスクスクと伸びようとするクマザサが足に絡んで道を隠しているのである。
救いは、この山域での道標である『オリエンテーリングの指標のような木片』が木々に打ち付けられている事である。 ここは下手にクマザサの中の踏跡を探って徒労するより、この指標を見つけてクマザサの中を突貫する方が確実なのである。
しかし、突貫すると足元を無視するので、とっても無防備となるのだ。 泥濘に足を突っ込んだり、木の根に引っ掛かったり・・は序の口で、1回であるか『踏んではならないモノ』を踏んでしまったのである。 それはウンコじゃないよ。 糞ではないけど、糞以上に感触というか後味の悪いモノである。
しかし、突貫すると足元を無視するので、とっても無防備となるのだ。 泥濘に足を突っ込んだり、木の根に引っ掛かったり・・は序の口で、1回であるか『踏んではならないモノ』を踏んでしまったのである。 それはウンコじゃないよ。 糞ではないけど、糞以上に感触というか後味の悪いモノである。
それは白骨である。 しかも一部肉付と思しき・・のである。
そうである。 ココは結構白骨が転がっているのである。 人が通らないから、野生動物のテリトリーと成りつつあるのだろう。 まぁ、クマはいなかったが、シカは前後を駆け巡っていたしィ。
このように、このルートは『廃道』に向かって一直線に進行しているようである。
まぁ、助かったのは今がクマザサの繁殖している夏でなかった事だろう。 もし、クマザサが背丈まで伸びていたなら、確実にクマザサの中に沈んで道をロストして彷徨っていた事だろう。 まぁ、彷徨ったままボツって人間の骨として転がるって事はないだろうけどね。 これが今回の『オチャメ』である。
まぁ、助かったのは今がクマザサの繁殖している夏でなかった事だろう。 もし、クマザサが背丈まで伸びていたなら、確実にクマザサの中に沈んで道をロストして彷徨っていた事だろう。 まぁ、彷徨ったままボツって人間の骨として転がるって事はないだろうけどね。 これが今回の『オチャメ』である。
さしも広い《モッコ平》も終わりに近づくと、草原地帯を抜け出て道がハッキリとしてくる。
道がハッキリし出すと、程なく道標がポツンと立つ分岐に出る。 分岐に立つ道標を見ると、直進する『道らしい道』の方向が《寂光滝》のルートで、またもやササヤブが密生して倒木の転がる不明瞭な踏跡の方向が《裏見ノ滝》へのルートである。
だが地図を見ると《寂光滝》方向が踏跡程度の灰色破線の表記であり、《裏見ノ滝》が正規のルートとある。 まぁ、地図は1998年度版なのだが。←この辺りに筆者の『クオリティ』が醸し出されているね
この踏跡程度のルートを、木に張り付けられた『オリエンテーリング指標』を頼りに進んでいくと林道に出る。 日光からの逆方向だと、林道からのこの《モッコ平》ルートの取り付きは絶対に解らんぞ。
この踏跡程度のルートを、木に張り付けられた『オリエンテーリング指標』を頼りに進んでいくと林道に出る。 日光からの逆方向だと、林道からのこの《モッコ平》ルートの取り付きは絶対に解らんぞ。
その後は車も通らず荒れ果てた林道(大木が転がっていて枝が進路を塞ぐように横たわり、その通過に2~3分かかるモノもあった)と、ササ原の踏跡を交えながら進んでいく。 歩いていく内にまた思い違いが判明したよ。 先程に、「逆方向からだと取り付きは解らないぞ!」と記したが訂正しよう。
「日光へ向かう下りでも、林道に出てからの登山路への進入口が解らん」と。
そんな状況に、「この道、普通の登山者が通ったら遭難もあるぞ」とブツブツ念じながら歩いていく。
事実、何度も林道からの進入路に迷い、林道を逆方向に進んで行き止まりとなって気付いた事もあった位だから。 道に迷うと、荷がどっと重くなり、疲れがどっと増していく。 道を間違えて元の位置に戻らねばならない事となったら尚更だ。
・・で、結構疲れとなかなか着かない焦りを感じ始めた頃、ようやく出合う林道は舗装道となり「裏見ノ滝近き」を思わせる。 でも、またもや道標が、登山道と思しき踏跡を指し示している。
・・で、結構疲れとなかなか着かない焦りを感じ始めた頃、ようやく出合う林道は舗装道となり「裏見ノ滝近き」を思わせる。 でも、またもや道標が、登山道と思しき踏跡を指し示している。
まぁ、ここまで下るとクマザサも無くなり、踏跡も明瞭となってくるが。 この割と明瞭な踏跡でさえも、倒木があって道を塞いでいた。 どうやら、通る人がいないので『放置プレイ』のようだ。
この調子では、恐らく数年後には『廃道』だね。
この明瞭な踏跡を辿っていくと、程なく滝大明神を奉る横断幕がマラソン大会の『ゴール』のように掲げられている登山口をくぐる。 この横断幕が『自然のフィルード』と人間の巣喰う『俗界』の境のようで、この横断幕の外は舗装されたロータリーに滝見観光客の車が何十台と駐車していて、タクシーも客待ちをして、水洗の障害者ウォシュレットトイレ付の公衆便所がある『観光地』となっていた。
この明瞭な踏跡を辿っていくと、程なく滝大明神を奉る横断幕がマラソン大会の『ゴール』のように掲げられている登山口をくぐる。 この横断幕が『自然のフィルード』と人間の巣喰う『俗界』の境のようで、この横断幕の外は舗装されたロータリーに滝見観光客の車が何十台と駐車していて、タクシーも客待ちをして、水洗の障害者ウォシュレットトイレ付の公衆便所がある『観光地』となっていた。
後はこのロータリーから、デカデカと『裏見ノ滝 0.5km 10分』と掲げられてよもや間違う事もない渓谷探勝路を伝って《裏見ノ滝》へ。 滝に着くと微妙に日差しが差したり陰ったり・・で、滝を輝かすべくの日差し待ちで1時間近く粘って、《裏見ノ滝》から続く2kmの舗装道を歩いてゆく。
名瀑・裏見ノ滝
でも裏見のできる滝裏は通行止
でも裏見のできる滝裏は通行止
支瀑に光が当たって飛沫が輝いて
コチラの方が写欲をそそったよ
コチラの方が写欲をそそったよ
疲れた足での舗装道歩きは足裏が熱くなってキツい。 『オチャメ』なルートを歩いてヘトヘトになって、12時前に《裏見ノ滝入口》バス停に着く。 バスは20分に1本あるようなので、日光駅までの足は心配ないだろう。
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No title * by 風来梨
たけしさん、こんにちは。
私も、男体山から女峰山のスカイラインを眺めて、この山に登りたいと思いました。
でも、近年の勢力図式と同じく、男(男体山)より数段手強い山でした。
今回下山で通った裏見ノ滝ルートは、クマザサの密生により通路が不明瞭となって通らない方が無難な道で、山紹介記事としてはほとんど参考になってませんね。
私も、男体山から女峰山のスカイラインを眺めて、この山に登りたいと思いました。
でも、近年の勢力図式と同じく、男(男体山)より数段手強い山でした。
今回下山で通った裏見ノ滝ルートは、クマザサの密生により通路が不明瞭となって通らない方が無難な道で、山紹介記事としてはほとんど参考になってませんね。
No title * by tsubasa
横レス、すみません。
re**u*g*2*0lさん、もうつまらない嫌がらせはやめなよ。
他人のブログに嫌がらせしておいて、罵倒されたから更にしつこく嫌がらせするなんて、本末転倒じゃん。
馬鹿馬鹿しい。
貴方は自分のブログのコメント欄を開いてないんだから、何一つ文句を言う資格は無いんだよ。
そうじゃなくても貴方のゴミみたいなコメントで、ブログを一杯にする気は無いんだから。
削除が気に入らないんだったら、貴方の『虱』ブログのコメント欄を解放しなさい。
その気が無い、議論もする気が無いんなら
貴方。
ネットから消えなさい。
re**u*g*2*0lさん、もうつまらない嫌がらせはやめなよ。
他人のブログに嫌がらせしておいて、罵倒されたから更にしつこく嫌がらせするなんて、本末転倒じゃん。
馬鹿馬鹿しい。
貴方は自分のブログのコメント欄を開いてないんだから、何一つ文句を言う資格は無いんだよ。
そうじゃなくても貴方のゴミみたいなコメントで、ブログを一杯にする気は無いんだから。
削除が気に入らないんだったら、貴方の『虱』ブログのコメント欄を解放しなさい。
その気が無い、議論もする気が無いんなら
貴方。
ネットから消えなさい。
No title * by 風来梨
tsubasaさん、援護有難うございます。 ほんと、しつこくてしつこくて。
それも頭に脳ミソがないから、いつも同じコピペですね。
ヤフーも、特定の奴からのコメを拒否できる機能つけてよ。 今のプロフィール拒否モード、全く意味ないじゃん!
それも頭に脳ミソがないから、いつも同じコピペですね。
ヤフーも、特定の奴からのコメを拒否できる機能つけてよ。 今のプロフィール拒否モード、全く意味ないじゃん!
丹沢のバカ尾根の長い階段に凹まされた私め、階段は怪談に通じるほどの恐怖です。
男体山の頂上から眺めた女蜂山、登頂欲に駆られましたが、その後の体調不良にて断念。
風来梨さんの丁寧な山行記録で満たされました。ありがとうございます!