2014-09-14 (Sun)✎
『日本百景』 晩夏 第133回 中央アルプス・夏 〔長野県〕
空木岳稜線より南駒ヶ岳を望む
三ノ沢岳・南駒ヶ岳 さんのさわたけ・みなみこまがたけ (中央アルプス県立自然公園)
木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳を擁する中央アルプスの“いぶし銀”的な存在の山を挙げるとするならば、この三ノ沢岳 2847メートル と南駒ヶ岳 2841メートル であろう。 三ノ沢岳は懐に《三ノ沢カール》を擁する魅力的な山だが、縦走線から外れている事もあって人の行き交いは少ない。
木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳を擁する中央アルプスの“いぶし銀”的な存在の山を挙げるとするならば、この三ノ沢岳 2847メートル と南駒ヶ岳 2841メートル であろう。 三ノ沢岳は懐に《三ノ沢カール》を擁する魅力的な山だが、縦走線から外れている事もあって人の行き交いは少ない。
だが、縦走線から離れた所から望む展望は、また格別なものがある。
一方、南駒ヶ岳は名峰・空木岳の先にそびえ、鋭角的な姿を魅せている山だ。 その間にも《摺鉢窪》というカール地形が存在し、お花畑の器となっている。 お花畑の宝庫・カールを抱く2つの名峰にチャレンジしてみよう。
一方、南駒ヶ岳は名峰・空木岳の先にそびえ、鋭角的な姿を魅せている山だ。 その間にも《摺鉢窪》というカール地形が存在し、お花畑の器となっている。 お花畑の宝庫・カールを抱く2つの名峰にチャレンジしてみよう。
中央アルプス主稜線縦走路・行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR駒ヶ岳駅よりバス(0:50)→しらび平よりロープウェイ(0:10)→千畳敷
(0:30)→極楽平より三ノ沢岳まで往復3時間
極楽平(2:20)→桧尾岳(0:10)→桧尾避難小屋
《2日目》 桧尾避難小屋(1:30)→熊沢岳(2:00)→木曽殿越(1:30)→空木岳
《2日目》 桧尾避難小屋(1:30)→熊沢岳(2:00)→木曽殿越(1:30)→空木岳
(1:30)→摺鉢窪避難小屋 摺鉢窪避難小屋分岐より南駒ヶ岳まで上り40分・下り30分
(0:20)→摺鉢窪避難小屋
《3日目》 摺鉢窪避難小屋(0:25)→摺鉢窪避難小屋分岐(1:20)→空木岳
《3日目》 摺鉢窪避難小屋(0:25)→摺鉢窪避難小屋分岐(1:20)→空木岳
(2:20)→小地獄・大地獄(1:20)→池山小屋(1:30)→駒ヶ根高原登山口
(0:20)→菅ノ台バス停よりバス(0:15)→JR駒ヶ根駅
《1日目》 千畳敷カールより三ノ沢岳を経て桧尾岳へ
さて今回は、中央アルプスの“いぶし銀”2峰を結ぶ山旅を御紹介しよう。 この2つの峰は中央アルプスのメインルートから離れた位置にそびえているので、“安易な小屋泊スタイルでは登頂が難しい・・”という事を御認識頂きたい。 それでは、ガイドを始めよう。
シーズン中は、朝5時にバスが出発する。 だが、込んでいるであろうから、始発のバスに乗車するのは難しいかもしれない。 だが、バスはピストン輸送のフル回転で運行しているので、心配は無用である。
《1日目》 千畳敷カールより三ノ沢岳を経て桧尾岳へ
さて今回は、中央アルプスの“いぶし銀”2峰を結ぶ山旅を御紹介しよう。 この2つの峰は中央アルプスのメインルートから離れた位置にそびえているので、“安易な小屋泊スタイルでは登頂が難しい・・”という事を御認識頂きたい。 それでは、ガイドを始めよう。
シーズン中は、朝5時にバスが出発する。 だが、込んでいるであろうから、始発のバスに乗車するのは難しいかもしれない。 だが、バスはピストン輸送のフル回転で運行しているので、心配は無用である。
それよりも心配なのは、ロープウェイの待時間である。 下手すると、《しらび平》で1時間近く待たされる事もあるのだ。
宝剣岳より望む千畳敷カール全景
私の場合は30分程の待ち時間で上に上がれたが、それでも《千畳敷》に着いたのは7時前であった。
遅く着けば着く程に出発が遅くなり、不利となるのは山行の常である。 また、朝の素晴らしい景色も逃してしまうので、できる事なら山中で1泊して余裕のある山旅をしたいものである(但し、これを実行すると、お金と日数がかかる)。
千畳敷より宝剣岳を見上げる
さて、《千畳敷》に着いたなら、水を確保して出発だ。 今回の行程では三ノ沢岳の往復で時間がかかるので、木曽駒ヶ岳や宝剣岳に寄道するのは難しいだろう。 そこで、前述の言葉が生きてくるのである。なお、木曽駒ヶ岳と宝剣岳については、本編の『47 中央アルプス』で述べているので、そちらを御参照頂きたい。
宝剣岳岩稜と中央アルプス主稜線
この嶮峰越えはまた別の機会に
なお、宝剣岳の岩稜ルートについてはかなり通過が困難なルートであり、1日で三ノ沢岳とともめぐるのはかなり厳しいので、また別の機会に宝剣岳を単独で登った時の記録を御紹介しようと思う。
中アの盟主・木曽駒ヶ岳
《千畳敷》より、しっかり整備された道でカール壁をジグザグに登っていく。 丸太の階段、真新しい桟橋、これらを見ると毎年のように整備されているようである。 お陰で幸か不幸か、全く山のスタイルでない人でもあっさりと登れるようになってしまっている。
カール壁を30分程つめると、稜線に飛び出る。 ここが《極楽平》だ。 三ノ沢岳が真正面にそびえ立っていて、登高意欲をそそられる。 これよりその三ノ沢岳を往復するのだが、三ノ沢岳へと続く尾根は宝剣岳寄りにあるので、荷物はここにデポッて空身でいこう。
三ノ沢岳へ
《極楽平》より宝剣岳側に10分程戻ると宝剣岳の遭難碑があり、三ノ沢岳へのルートはここより延びている。 宝剣岳の岩峰が逆光に黒光りして、更に迫力を増している。 稜線より離れ、左手を急下降していく。 砂礫の斜面で、所々露岩が突き出した雰囲気の良い情景の中を下っていく。
そうこうしている内に、250mも下る事になる。 やがて、《三ノ沢カール》の縁まで下り、カールバンドの細い尾根上で最低点を踏む。 ここは、カール壁特有のギザギサの尾根筋で難所という程ではないが、通過にはそれなりに苦労する。 最低点を通過すると、2段の急登で三ノ沢岳の頂までイッキに駆け上がっていく。
均整の取れた三角錐を示す三ノ沢岳
大きく窪んだカールも見渡せる
三ノ沢岳 2847メートル の頂上は、大きな露岩が積み重なった不安定な所だ。 だが、その不安定な露岩の上に立つと、対峙する宝剣岳が黒光りした荒々しい峰を魅せている。 これより進む空木岳も雲間から望まれる。 また北アルプスの山々が、剱・立山・後立山・槍・穂高がズラッと並んでいる。
そして、御岳山も孤立高峰としてそびえ立っている。
三ノ沢岳より望む宝剣岳と木曽中岳
岩の上で素晴らしい風景と爽やかな涼風を堪能したなら、往路を戻る。
稜線に戻って《極楽平》にデポってある荷物を回収したなら、縦走路を空木岳へ向かって進んでいこう。 ここから空木岳までは『中央アルプス縦走』の<2>項目で記しているので、そちらを参照して頂くとして簡単にとどめたいと思う。 今日の宿泊場所である《桧尾岳避難小屋》へは、これより2:20位の所要だ。
濁沢大峰 2724メートル と桧尾岳 2728メートル の2つの峰を越える。 途中、濁沢大峰の上下でアングルと鎖の設置されている岩場の通過があるが、足場がしっかりと確保されているので“難所”という程でもない。
ウサギギク
桧尾岳の避難小屋は、桧尾岳より10分程下った所にある。 この下りは結構急なので、“最後にズデン”という事のないように。 小屋はしっかりとした造りで快適だ。 水場も5分程であり、ロケーションもなかなかのものである。 但し、トイレがないのが“玉にキズ”であるが。
今日はちょっと早めではあるが、ここでストップとしよう。
中央アルプスの稜線上には、午後にひと雨くる事が多々ある。 ワテの時も、前回と同じく3時位から雷雨が降り出したのである。 歩いている時に雨に打たれていては楽しい山旅も台無しになるだろうから、早めに避難小屋に着いておきたいものである。
夕立直後の空木岳を望む
本日歩く中アの主稜線を望む
《2日目》 稜線縦走路を伝って空木岳・南駒ヶ岳へ
本日の行程は8時間と少々キツい。 従って、早出を心掛けよう。 小屋を出て桧尾岳の頂に戻り、進路を左手に取る。 途中、《船窪》より熊沢岳までは、少々足場が悪い岩場となるので注意が必要だ。
本日の行程は8時間と少々キツい。 従って、早出を心掛けよう。 小屋を出て桧尾岳の頂に戻り、進路を左手に取る。 途中、《船窪》より熊沢岳までは、少々足場が悪い岩場となるので注意が必要だ。
一枚岩のトラバースやアングル付の岩場の下降など、重い荷物を担いでいては少々厄介である。
やがて、前方にそそり立っていた熊沢岳へと取りかかる。 この登りは、見た目程キツくはないが朝一番のアルバイトで、今日の体調の良し悪しを測るにはいいかもしれない。
熊沢岳頂上の大岩
これを乗りきると、巨大な露岩が突き出た熊沢岳 2778メートル の頂上だ。 頂上は広い丘状で、ウスユキソウの群落が咲き乱れる所。 展望も、北アルプスの山なみが頃合のいい位置に浮かび立ち、剱や後立山が雄々しい姿で望める。 また、御岳山も堂々とそびえ立ち壮観だ。 思う存分に花と景色を楽しんだなら、空木岳に向かって進んでいこう。
これを乗りきると、巨大な露岩が突き出た熊沢岳 2778メートル の頂上だ。 頂上は広い丘状で、ウスユキソウの群落が咲き乱れる所。 展望も、北アルプスの山なみが頃合のいい位置に浮かび立ち、剱や後立山が雄々しい姿で望める。 また、御岳山も堂々とそびえ立ち壮観だ。 思う存分に花と景色を楽しんだなら、空木岳に向かって進んでいこう。
トウヤクリンドウ
熊沢岳よりは下り基調となり、左手に《池ノ平カール》が望めるはず・・だが、カールの規模が小さい上に《大田切本谷》のスケールが大きいが為に目立たない。 やがて、空木岳が対峙して望めるようになると、東川岳 2671メートル の頂上だ。 これより、200mの急下降で《木曽殿越》の峠へ下っていく。
この下りはかなり急で、滑りやすいザラ場なので足元には注意が必要だ。 下る最中に見上げると、東川岳が崖状にそびえていているのが見えるだろう。 また、両側も切れ落ちていて、“木曽殿越の伝説”が事実だとするとすごい事であるが、史実では疑問が残る事柄だ・・とある。
熊沢岳よりは下り基調となり、左手に《池ノ平カール》が望めるはず・・だが、カールの規模が小さい上に《大田切本谷》のスケールが大きいが為に目立たない。 やがて、空木岳が対峙して望めるようになると、東川岳 2671メートル の頂上だ。 これより、200mの急下降で《木曽殿越》の峠へ下っていく。
この下りはかなり急で、滑りやすいザラ場なので足元には注意が必要だ。 下る最中に見上げると、東川岳が崖状にそびえていているのが見えるだろう。 また、両側も切れ落ちていて、“木曽殿越の伝説”が事実だとするとすごい事であるが、史実では疑問が残る事柄だ・・とある。
さて、《木曽殿越》の鞍部に下り立つと、必ず実行しなければならない事がある。 それは、《木曽殿の力水》と呼ばれる岩清水へ水を汲みに行く事である。 なぜなら、今日の宿泊地である《摺鉢窪》の避難小屋は水がなく、ここで補給した水が“本日の生活水”となるからである。 この岩清水までは、鞍部に建つ山荘の裏手から『倉本登山道』を下る事約8分である。 行動水と1日をやり過ごす為の水で、約3㍑は必要となろう。
水の補給を終えたなら、これより+3㎏(水の重さ)を担いで空木岳に向かって標高差400mをイッキ登りせねばならない。 この登りは前半がザラ場の急登で、後半が鎖もある岩場のよじ登りである。
キツい事はキツいのだが、的確に登っていけるので時間は思った程にかからない。 コースタイムは1:30だが、荷物を担いでの私でも1:15であったので、たぶんほとんどの人が1:30未満で登りきれるだろう。
空木岳にて
今のヘタレと
全くの別人のようだ(涙)
登りきった空木岳 2864メートル からは、360°の大展望が広がる。 北アルプスと、南アルプスに挟まれた位置に立つ高峰ゆえの眺望が展開する。 そして前方に目を向けると、目指す南駒ヶ岳が中ア南部の盟主の如く重厚感のある山岳美を魅せてくれるだろう。
南駒ヶ岳を望む
さて、頂上で素晴らしい展望をたっぷりと味わったなら、前方にそびえる南駒ヶ岳に向かっていこう。
ルートは、空木岳の下りから始まる。 空木岳を成している白いザラ場を急下降していくのだが、途中にはタカネツメクサなどの花が咲き乱れて心地良い。 これを十分に下りきると、今度は赤榔岳 2798メートル への登り返しとなる。 ガレ場をつめていくと頂上だが、それを示すものは木の棒1本と貧相なものであった。
南駒ヶ岳方面より望む空木岳は
端正な三角錐を示している
赤榔岳からは、目指す南駒ヶ岳が山体を斜めにした勇姿を魅せてくれる。
赤榔岳の頂上に乗っかる大岩を巻いて、南駒ヶ岳との鞍部へ向かって急下降していく。
前方には、今日の宿泊場所である《摺鉢窪》の避難小屋とそのカール地形が望まれる。
鞍部まで下ると、《摺鉢窪》への下降路が分かれている。
ここに荷物をデポって、前面にそびえ立つ南駒ヶ岳へアタックしよう。 ガレにガレた傾斜をイッキ登りで200m程つめると、祠の立つ南駒ヶ岳 2841メートル の頂上だ。 私の登った時は残念ながらガスで何も望めなかったが、晴れていれば今までに歩いてきた道程がダイナミックに望める事だろう。
南駒ヶ岳頂上にて
頂上にある露岩には、ペンキで『コスモ→』と描かれてある。 有人小屋は、次の越百山の小屋までないのだ。 ここから3時間の道程である。 《桧尾岳避難小屋》からでは、所要10時間超とかなりキツ過ぎるオーダーである。 頂上でひと息着いたなら、荷物をデポッてある《摺鉢窪》へ戻ろう。
《摺鉢窪》の避難小屋は、カール地形の底にポツンと立っている。 カール壁の傾斜はキツく、疲れた足腰には少々コタえる。
カール地形の底にポツンと立つ
摺鉢窪避難小屋
カール特有のガレにガレた砕石の下りを乗りきると右背後に南駒ヶ岳の大岩壁がそびえ立ち、コバイケイソウやイブキトラノオのお花畑が広がる楽園に立つ事ができる。 お花畑の中、自然が創造した庭園状に敷きつめられた砕石の道を伝っていくと、潅木に隠されて見えなくなっていた避難小屋がひょっこりと現れる。
摺鉢窪より南駒ヶ岳を仰ぎ見る
小屋内は中央が土間で、つめれば50人は収容できるスペースがあるが、水もトイレも電気もない暗い小屋が“満員御礼”となる事はまずないであろう(2003年にトイレは新設された・・との事)。
小屋の脇に天水を溜めたタンクは存在するが、水質の事を考えるとあまり使う気はしない。
従って、《木曽殿越》より水を担ぎ上げるのが必要となるのだ。
こんなに不便な小屋なれど、小屋の周りに広がる豊かな自然とカール底から望む里の展望を独り占め(たぶん、宿泊者1人きりであろう)にできる高揚感がある。 “山の民”には、これさえあれば十分だ。
こんなに不便な小屋なれど、小屋の周りに広がる豊かな自然とカール底から望む里の展望を独り占め(たぶん、宿泊者1人きりであろう)にできる高揚感がある。 “山の民”には、これさえあれば十分だ。
孤独だが、“山の民”としての贅沢な一夜を結ぼう。
摺鉢窪より下界を俯瞰する
《3日目》 池山尾根を下山
今日の行程は、空木岳への往路を戻り、本編と同じく《池山尾根》を下って《駒ヶ根》に戻るルートである。 1度通っている所なので、詳しくは前日と本編の項目に譲る事にして、ここでは展望を中心に述べたいと思う。 空木岳までのルートは右手に南アルプス、左手には北アルプスむと御岳山。
そして、背後には美しい三角錐を魅せる南駒ヶ岳、正面には白亜の頂を魅せる空木岳と展望には事欠かない。
今日の行程は、空木岳への往路を戻り、本編と同じく《池山尾根》を下って《駒ヶ根》に戻るルートである。 1度通っている所なので、詳しくは前日と本編の項目に譲る事にして、ここでは展望を中心に述べたいと思う。 空木岳までのルートは右手に南アルプス、左手には北アルプスむと御岳山。
そして、背後には美しい三角錐を魅せる南駒ヶ岳、正面には白亜の頂を魅せる空木岳と展望には事欠かない。
対峙してそびえる御岳山
宝剣岳方向を望む
花も、私の通った夏の終わりでも、トウヤクリンドウやイワツメクサなどが咲き競っていて目を楽しませてくれる。 だが、山歩きを堪能できるのは空木岳の頂上までだ。 空木岳の頂上では《木曽殿越》の山荘からの登山客がゾロゾロとたむろしていて、現実に引き戻されたような感じを受ける事だろう。
後は、この登山客達と同じルートを下っていくのだが、特に団体登山客はマナーがなっていない(狭い道で団体で立ち止まったり、下山歩行中で傘を差したり・・と、難所を通過する事よりこれらを抜き去る方が困難である)ので、少々厄介である。
イブキトラノオ ウサギギク
下山道となる《池山尾根》には《大地獄・小地獄》という鎖場があるのだが、こういう所ではマナーの悪い団体登山客とは遭遇したくないものである。 慌てて傘をしまったり、桟橋の上で立ち止まったり・・と、迷惑この上ない。 また、落石も落とし放題の御仁もいるので、巻き添えを食うと痛い目に遭う。
《池山尾根》の道は長い道程ではあるが、数年前より整備が成されているらしく道標も新しくなり、池山の避難小屋も新しく建替えられたようだ。 前回通った池山の水場も荒廃して全く使えなかったものが、水槽が新設されて豊富な水がポンプアップされている。
山の花はもう秋の気配を漂わせていた
トウヤクリンドウ ウメバチソウ
《池山小屋》の旧小屋は木造の古びたものが沢のそばに建っているのだが、使い勝手はともかく雰囲気は断然こちらが上だろう。 近々取り壊されるらしく、立入禁止となっていた。 山の中でも、“古き良き”ものが失われつつあるように思う。 《池山小屋》を越えると、遊歩道化された道が林道終点まで続く。
林道終点は整備されていて、トイレも設置されていた。
後は、砂利道を絡めながら下山歩道を下っていく。 しかし、下れば下る程に、下界の気だるさを感じるようになる。 大きな音響を発てて催しが行なわれていたり(ジャズフェスティバルをしていたようで、とても喧しい)、山の破壊魔・スキー場の施設が見えたり、ヒール履きの観光客がぞろぞろいたり・・と。
そうして、これらの者を吐き出す観光バスの停留所が、今回の行程の終点となるのだ。 最後は幻滅感が漂うが、とにかく中央アルプスの“いぶし銀”たる2峰の登頂を終えることができた。 後は、ひと風呂浴びて、山の汗を洗い流そう。
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No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。
見て頂いて有難うございます。
極楽平から逆に宝剣岳はスゴイですね。
逆は確か、懸垂下降の下りの岩場(宝剣岳からなら上り)があったような・・。
宝剣岳は夏と冬に行ってますので、またの機会に。
冬は手の指が凍傷になって、帰ってからボロボロと皮が剥けたのを覚えています。
見て頂いて有難うございます。
極楽平から逆に宝剣岳はスゴイですね。
逆は確か、懸垂下降の下りの岩場(宝剣岳からなら上り)があったような・・。
宝剣岳は夏と冬に行ってますので、またの機会に。
冬は手の指が凍傷になって、帰ってからボロボロと皮が剥けたのを覚えています。
私はしらび平から極楽平へ登り、宝剣岳から宝剣山荘に泊まり翌日木曽駒へ。
雨男の私め、やはりカッパを着ての山行になりました。
極楽平の稜線は強風で体温を奪われ、低体温症の一歩手前までいってしまいました。
ナイス!