2011-03-05 (Sat)✎
名峰次選の山々 第15回 『181 大沢岳 ・ 182 中盛丸山 ・ 183 兎岳』
静岡県・荒川山系(南アルプス国立公園) 大沢岳 2819m 、中盛丸山 2807m 、兎岳 2818m
コース難度 ★★ 体力度 ★★★★
聖岳を目指して・・
愛の六連発の最中にて
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 静岡市街より車(2:30)→畑薙第一ダム(4:40)→椹島
《2日目》 椹島(3:20)→蕨段(2:00)→千枚小屋、千枚岳へは往復1時間20分
《3日目》 千枚小屋(0:45)→千枚岳(1:30)→悪沢岳(1:30)→荒川中岳(0:25)→荒川前岳
(1:10)→荒川小屋
《4日目》 荒川小屋(0:40)→大聖寺平(1:45)→赤石岳(2:00)→百間平
《1日目》 静岡市街より車(2:30)→畑薙第一ダム(4:40)→椹島
《2日目》 椹島(3:20)→蕨段(2:00)→千枚小屋、千枚岳へは往復1時間20分
《3日目》 千枚小屋(0:45)→千枚岳(1:30)→悪沢岳(1:30)→荒川中岳(0:25)→荒川前岳
(1:10)→荒川小屋
《4日目》 荒川小屋(0:40)→大聖寺平(1:45)→赤石岳(2:00)→百間平
(0:50)→百間洞露営地
《5日目》 百間洞露営地(1:30)→大沢岳(2:00)→兎岳(2:30)→聖岳、奥聖岳へは片道20分
(1:50)→聖平
《6日目》 聖平(2:20)→上河内岳(1:30)→茶臼小屋(1:45)→柿窪沢小屋
《5日目》 百間洞露営地(1:30)→大沢岳(2:00)→兎岳(2:30)→聖岳、奥聖岳へは片道20分
(1:50)→聖平
《6日目》 聖平(2:20)→上河内岳(1:30)→茶臼小屋(1:45)→柿窪沢小屋
(1:00)→ウソッコ沢小屋(1:30)→畑薙大吊橋(0:50)→畑薙第一ダムより車
(2:30)→静岡市街
※ 《4日目》は、『名峰百選 第15回 赤石岳』を御覧下さい
《5日目》 聖岳を越えて聖平へ
今日は、南アルプスの名物・『愛の六連発』に挑んでみよう。 大沢岳から聖岳までの区間には、巻道などといった妥協を一切許さない南アルプスらしい強烈なアップダウンが待ち受けている。
今日は、南アルプスの名物・『愛の六連発』に挑んでみよう。 大沢岳から聖岳までの区間には、巻道などといった妥協を一切許さない南アルプスらしい強烈なアップダウンが待ち受けている。
この強烈な急登は、露営地の脇にある登り口からいきなり始まる。 まずは、大沢岳Ⅱ峰への350mの直登である。
朝日を浴びて輝く タカネツメクサの群落
キンポウゲ
最初は、シラベ林の中を登っていく。 やがてこの密林を抜けて、岩礫が敷きつめられて急斜面となった山肌を張り付くように登っていく。 この登りはろくにジグザグも切っておらず、文字通り岩角に手掛け足掛けの直登である。 約1時間、岩にへばりついて登っていくとハイマツの茂みに突入し、傾斜も幾分穏やかになってくると大沢岳Ⅱ峰は近い。
キンポウゲ
最初は、シラベ林の中を登っていく。 やがてこの密林を抜けて、岩礫が敷きつめられて急斜面となった山肌を張り付くように登っていく。 この登りはろくにジグザグも切っておらず、文字通り岩角に手掛け足掛けの直登である。 約1時間、岩にへばりついて登っていくとハイマツの茂みに突入し、傾斜も幾分穏やかになってくると大沢岳Ⅱ峰は近い。
赤石岳より御来光が昇った
振り返ると、朝日に染まる黄金色の空の中にアルペン的な切り立った稜線のシルエットを魅せる荒川三山、逆光に映えて巨大なシルエットを魅せる赤石岳、黄金色に輝く雲海に浮かぶ富士山、濃緑の山肌に朝の光を受けて深みのある色調を魅せる聖岳など、素晴らしき情景が大パノラマで広がる。 中でも、将棋の駒のように端正な五角形を示し、その深い緑の色調とあいまって重量感あふれる姿を示す聖岳に目を奪われる。
朝の聖岳
頂上に何もない大沢岳Ⅱ峰を越えて50m程の上下をこなすと、三角点のある大沢岳 2819メートル 本峰に登り着く。 頂上からの眺めは雄大で、より大きく存在感を示す聖岳に魅せられる。
素晴らしい山風景を眺めて、朝からいきなりの急登で乱れた息を整えよう。 まだ『愛の六連発』は、序曲を終えたに過ぎない。 気合を入れて次に進もう。
『愛の六連発』は全ての峰を直登する
手前の山が中盛丸山・背後の山は聖岳
大沢岳の次は、美しいハイマツの円頂峰である中盛丸山への登りだ。 大沢岳から150mを下って、中盛丸山との鞍部に出る。 ここから尾根上を通って中盛丸山の右側に取り付いて、山肌を巻くように登っていく。 この辺りは信州側が大きく崩壊していて、足元が細く高度感満点だ。
信州側は今でも崩壊が進行しているので、注意して登っていこう。 登っていくうちにハイマツが腰まで深く迫ってきて、これを漕いで上に飛び出ると中盛丸山 2807メートル の頂上だ。
この山の頂は、狭いながらもハイマツと高山植物がおりなす小庭園を形成しており、広潤な気分満点だ。 山頂からの眺めも、赤石岳・聖岳などの先程までのラインナップに、山らしい山容の大沢岳が加わってより魅力的となる。 聖岳と同じく、底辺をドンと据えた五角形の姿を魅せる大沢岳と、空を舞うが如くたなびく銀杏雲との取り合わせが印象深い。
銀杏雲たなびく大沢岳
さて、『愛の六連発』の3つめに至ると、そろそろ全身にジワジワと効いてくるだろう。 ゆっくり休憩をして次に進もう。 次は『六連発』の中で唯一、気を許せる小兎岳 2738メートル の頂上越えである。 今まで通った道とガラリと変わって、広い砂礫帯の中央につけられた道が緩やかな起伏を経て兎岳の取付まで続いている。
さて、『愛の六連発』の3つめに至ると、そろそろ全身にジワジワと効いてくるだろう。 ゆっくり休憩をして次に進もう。 次は『六連発』の中で唯一、気を許せる小兎岳 2738メートル の頂上越えである。 今まで通った道とガラリと変わって、広い砂礫帯の中央につけられた道が緩やかな起伏を経て兎岳の取付まで続いている。
この峰の登頂は特段に辛くはないが、お約束通り峰に登頂するごとに休憩を入れていこう。
こういうことをはしょると後々辛くなるハメ!?となるので、しっかり休憩していこう。
小兎岳を越えて兎岳との鞍部に下り、その取付から兎岳を見上げると、思わず声を上げたくなるだろう。
兎岳の頂上まで延々と続く砂利ガレのジグザグ登り。 標高差200m。 遮るものもなく、直射日光が照りつけて陽炎で歪む中を・・である。 登り始めると想像した通り、みるみる内に水分は搾り取られて体は日干し状態に・・、また足元はズルズルと砂利にめり込んで踏ん張りが効かず、行程差以上に辛い登りである。 これが5発目に来るのだから、ボディーブロを食らったように積み重なって効いてくるのである。
中盛丸山より
今まで越えた峰々を望む
取り付いてから50分、やっとのことで兎岳 2818メートル の頂上へ登り着く。 兎岳の頂上には赤石岳の雄大な展望が待ち受けているが、もはや疲れてそれ所ではないだろう。 たぶん、火照った自分の体を仰ぎ、水筒の水をむさぼるように飲みながらヘタリ込んでいる事であろう。 でも、まだ終わりではない。 これより、聖岳へ向けての最大のアップダウンが待ち受けているのだ。
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No title * by オータ
大沢岳、立派です。続き楽しみにしています。
No title * by 風来梨
オータ様、こんばんは。
この区間の名物である『愛の6連発』はとてもキツいです。
これをテント一式担いで踏破したのだから、10数年前の私は結構馬力があったようです。 今は、悲しいかな筋肉が脂身に変っちゃって、登山も「ナンチャッテ」になってしまいましたが・・。
次は、この縦走の最終回である聖岳と上河内岳です。
乞う、御期待。
この区間の名物である『愛の6連発』はとてもキツいです。
これをテント一式担いで踏破したのだから、10数年前の私は結構馬力があったようです。 今は、悲しいかな筋肉が脂身に変っちゃって、登山も「ナンチャッテ」になってしまいましたが・・。
次は、この縦走の最終回である聖岳と上河内岳です。
乞う、御期待。