2014-08-03 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第126回 カムイミンタラ その3 〔北海道〕
行程記録 ※ 今回実際にかかった時間ですけど・・、何か?
《1日目》 JR上川駅よりバス(0:30)→層雲峡バス停よりロープウェイとリフト
(0:25)→黒岳7合目(1:10)→黒岳(0:15)→黒岳石室
《2日目》 黒岳石室(2:00)→北海岳(1:05)→白雲岳避難小屋(3:30)→忠別岳
《2日目》 黒岳石室(2:00)→北海岳(1:05)→白雲岳避難小屋(3:30)→忠別岳
(1:10)→忠別岳避難小屋 ※ 白雲岳は分岐より往復1時間
《3日目》 忠別岳避難小屋(1:05)→五色岳より五色ヶ原散策・所要1時間(1:00)→化雲岳
(1:00)→ヒサゴ沼
《4日目》 ヒサゴ沼(1:20)→トムラウシ・日本庭園(2:20)→トムラウシ山
《4日目》 ヒサゴ沼(1:20)→トムラウシ・日本庭園(2:20)→トムラウシ山
(2:50)→ヒサゴ沼分岐(0:50)→ヒサゴ沼
《5日目》 ヒサゴ沼(1:10)→化雲岳(1:30)→小化雲岳(4:00)→天人峡よりタクシー
《5日目》 ヒサゴ沼(1:10)→化雲岳(1:30)→小化雲岳(4:00)→天人峡よりタクシー
(0:50)→JR旭川駅
※ 『第125回 カムイミンタラ その2』からの続き
北沼とトムラウシ山
《4日目》 退化ゆえトムラウシは間に合わなかったね・・
朝、4時前に起きる。 テントはデポで、この頃夏はパン食で時間を取らないので、4:40には出発用意が整う。 でも、出発で言えば、真ん中位である。 早い人は4時前に出発しているし。
朝、4時前に起きる。 テントはデポで、この頃夏はパン食で時間を取らないので、4:40には出発用意が整う。 でも、出発で言えば、真ん中位である。 早い人は4時前に出発しているし。
さて、テント場から木道を伝うと、化雲平経由の大回りだか安全コースと、沼の畔の崩れた雪渓の上部を伝って、急な雪渓を通る短絡ルートがある。 どうやら自信のない人は、早出してこちらの大回りの安全ルートを歩いているみたいだ。
・・で、その「沼の畔の崩れた雪渓」のトラバースだが、結構急でしかも下部が崩壊して沼に落ち込んでいる。 つまり、滑落すると沼にドボンなのである。 沼にドボンすると、死にはしないだろうが、山行きは全てゲームオーバーとなるだろうし。
沼の畔の雪渓が崩壊していた
傾斜も見た目よりかなり急でデンジャラス
傾斜も見た目よりかなり急でデンジャラス
そして、アイゼンを持参しているにも拘らず、面倒臭いのと強がってアイゼンを装着せずに行ったものだから、すごく怖かったよ。 滑るのを拒絶して雪渓の上部へと登ると、今度は下りるのが困難となり、小さすぎるとクレバスが近づいておっかない。 また、朝という事で、解けた雪が夜の内に再び凍り、更に滑りやすくなっていた。
まだピッケルがあったので、深く刺して身体を支える事もできたので、何とか通過できた。
でも、のっけから、200mの雪渓の移動で30分近くかかっちまったよ。 そして、稜線に出るまでの急な雪渓は、以前はこちらが沼にドボンであったが、今は干からびて泥田となっている。
どっちにしても滑り落ちると、山行はゲームオーバだ。
そして、性質『小市民』の筆者は、先程の雪渓にビビって、この雪渓にアイゼンを装着する始末である。 アイゼンの装着にまた10分を無駄にし、見た目ほどキツくないこの雪渓(最盛期はアイゼンなしで登れたのだが)をアイゼンを踏みしめて登り、上部のゴーロ帯を越えて稜線上に出たのは、もう6時前だった。
たぶんこれなら、大回りの安全ルートを行った方が早かったりして。
ピーカン逆光に鈍く光る
ヒサゴ沼と石狩連峰
さて、とにかく稜線に出たので、ひと登りしてトムラウシ・日本庭園の丘に出よう。
これからは、お花畑撮影タイムのオンパレードだ。 まずは、ヒサゴ沼をショット。
でもヒサゴ沼は、以前に撮った雲の縞が水面に映ったコレの方がいいね。
これからは、お花畑撮影タイムのオンパレードだ。 まずは、ヒサゴ沼をショット。
でもヒサゴ沼は、以前に撮った雲の縞が水面に映ったコレの方がいいね。
この写真に限らず全般的に
前に撮った写真の方がいい
:4
体力だけでなく撮影技量も退化する
体力だけでなく撮影技量も退化する
救いようのない筆者
登り着いたトムラウシ・日本庭園は木道が完全に敷設され、かなり歩き良くなっている。
花のコロニーなら、天沼の池塘であろう。 形のいいチングルマのコロニーと、池の水とが庭園風景を形成している。 ただ残念なのは、池が干上がり気味で泥土の池の床が見えていた事だろうか。
花のコロニーなら、天沼の池塘であろう。 形のいいチングルマのコロニーと、池の水とが庭園風景を形成している。 ただ残念なのは、池が干上がり気味で泥土の池の床が見えていた事だろうか。
トムラウシ日本庭園にて
岩と花と草原と山が
天然の庭園風景を創造している
チングルマのコロニー
花々に囲まれた真に『神遊びの庭』
花々に囲まれた真に『神遊びの庭』
天沼の池塘と雪渓と岩屑と
日本庭園をめぐる木道を越えると、ロックガーデンの岩コロ地帯となる。 距離は短いのだが、大きな岩と岩の間に大きな隙間があり、飛び越えて跨いでよじ登って・・を繰り返すと、かなりの時間を食う。
下り気味にこの岩コロの丘を越えると、岩でできた外輪山のイッキ登りとなる。
『トムラウシ・日本庭園』を越えると
天然岩のロックガーデンが現れる
「かつては、コレを23㎏担いでイッキ登りしたんだなぁ」と過去の栄光が脳裏に過ぎったその夜は、カッパをグルグル巻きにした枕を涙で濡らすのだろうなぁ。 今、カメラと水だけの空身で、ここまで3時間近くかかってるし。 かつては、3時間後は頂上でプッチンプリンを食ってたよなぁ(一時期、頂上で食うプッチンプリンに執着していた)。
でも、何とか登れたよ。 そして、これがトムラウシへの最もキツい登りで、これを乗り越えると北沼を隔てる緩やかな丘を越えて、北沼を借景にトムラウシ本峰の岩屑の塊が見えてくる。 北沼の湧き水で喉を潤してから、トムラウシ本峰の岩屑に登っていく。
でも、何とか登れたよ。 そして、これがトムラウシへの最もキツい登りで、これを乗り越えると北沼を隔てる緩やかな丘を越えて、北沼を借景にトムラウシ本峰の岩屑の塊が見えてくる。 北沼の湧き水で喉を潤してから、トムラウシ本峰の岩屑に登っていく。
北沼越しに
表大雪の山々を望む
登っていく最中に、あんなに快晴だった空に水蒸気がムァ~と舞い上がってきた。 その勢いは水蒸気からガスとなり、完全に北沼の蒼い水を視界から消していった。 あぁ・・、かつてなら青空の中でプッチンプリンを食ってたのだが、今や退化ゆえにトムラウシの展望にも間に合わなくなってしまったよ。
・・で、着いたのは8:14。 うひゃぁ、空身で3時間半かかったよ。 23㎏担いでた時は2時間半で行けたのに。 今日、枕を涙で濡らすのは必定だなぁ。 まぁ、3時間半もかかった事だし、晴れるのを待って頂上でタムロする。
今回頂上は白夢の世界だったので
頂上からの展望は持ち写真を使い回し
十勝へ続く山並み
十勝まで歩いたよ
かつては・・
黄金ヶ原の大地が
ハクサンイチゲで白く輝いていた
最盛期は黄金ヶ原まで往復してたりして
2009年の大雪のツアー事故以来、トムラウシはトムラウシ温泉からの日帰りが主となっているみたいだ。 登ってくる人たちも、極力空身で頂上滞在10分ほどで折り返していく人が多いみたいだ。
正直言って、「何しに来たんだろ?」って思う行程である。 少なくともトムラウシは、『頂上にデンして帰る山』ではないと思うのだが。
使い回しその2
トムラウシ頂上の夜明け
当時は縦走だったので荷物担いでいたが
それでも日の出に間に合ったよ
北沼の蒼とハクサンイチゲ
この日もかつてを懐かしみ
カッパの枕を涙で濡らす
で、9:15まで1時間タムロするが、ガスは濃くなれども晴れる事はなく、諦めて帰路に着く。
帰りはガスも濃くて写真を撮ってもパッとしないが、カメラをぶら下げながらダラダラと下ろう。
下りといっても、2度の登り返しと最後に沼面スレスレの雪渓のトラバースがある。 最盛期でも下りは遅かった(ともすれば、上りより下りの方が時間がかかっていたりして・・)ワテとしては、4時間を見ているのだが。
帰りはガスも濃くて写真を撮ってもパッとしないが、カメラをぶら下げながらダラダラと下ろう。
下りといっても、2度の登り返しと最後に沼面スレスレの雪渓のトラバースがある。 最盛期でも下りは遅かった(ともすれば、上りより下りの方が時間がかかっていたりして・・)ワテとしては、4時間を見ているのだが。
ツマトリソウ
案の定、ロックガーデンで線香の火のように細々と燃えていた筆者の“ヤル気”は、ガスに含む水蒸気でジュゥ~と掻き消され、白い灰となってしまった。 ダラダラとアッチに腰掛け、コッチで胡坐をかき、無駄に小休止を連発して時間を消費していく。 朝は美しく輝いた花々も、ガスにくすんで今イチに。
こういう状況では歩くしかないのに、『歩くのがイヤだ』と退化著しい上半身が嘆く。 宿主も、そのゴネ捲る上半身の我が侭に従う。 ダメ人間の典型でないか・・コリわ。
ミヤマリンドウ
途中でロックガーデンの道を踏み外して、エグイ岩場帯の通過を余儀なくされたりして余計時間を食って、ヒサゴ沼への下降路分岐に着いたのは12時過ぎ。 3時間かかっとるじゃねえか。
安全策を取るなら、これから化雲岳への標高差250mの登りを経て、化雲平からの緩やかな雪渓を下降すればいい。
でも、今になって天気が持ち直して、化雲岳への250mの登路をはっきりと見上げる事ができる。
かつてならともかく、今なら戦慄の眺め・。 コレを見て、アイゼンもある事だし、雪渓トラバースに決定した。
『拠り所』を得た者は強いというか何と言うか、アイゼンを装着すると、途端にあの急な雪渓下りが何でもなくなる。 アイゼン装着に掛かった時間を取り返して、なお余りある雪渓下降だった。
『拠り所』を得た者は強いというか何と言うか、アイゼンを装着すると、途端にあの急な雪渓下りが何でもなくなる。 アイゼン装着に掛かった時間を取り返して、なお余りある雪渓下降だった。
だが、雪渓を下りきると、ぬかるみの中を不安定なアイゼン付で歩かねばならない。 これが結構ダルく、100m進むのに4~5分かかる。 このぬかるみを過ぎると、朝のあの雪渓だ。
でも、朝に渡るのに30分かかった「シクじって滑り落ちれば沼にドボンでサヨウナラ」のあの雪渓は、多少怖かった程度で難なく渡り行ける。 やはり、アイゼンの爪が雪面に刺さって「ズリッ」っていう事がないから、安心して前に足を出せる。 行きで渡るのに30分かかったこの雪渓も、アイゼン付きならばものの5分で渡り終える。
渡り終えたら、後は木道を伝って我が城(デポッたテント)へ。 到着は13:10。 行きよりも更に時間がかかっての3時間55分。 全盛期と同じく、登りのタイムが下りのタイムを上回った瞬間だ。
でも、これをもって復活・・ではない。 15年ほど前の現役時代は登りが2時間半、しかもテント一式22㎏を担いで・・である。 今は空身で、1時間オーバーだ。 なお、下りは現役時代も、3時間をオーバーしていたっけ・・な。
使い回し その3
湧き水の上に咲くハクサンイチゲ
今回は余裕がないから
こんなの撮れなかったよ
さて、トムラウシの往復で疲れたのでテントに入ってひと眠りしていたら、14時半位から大スコールが降ってくる。 『ボツボツボツ』と、大きな雨粒がテントを叩く。 外を見ると、ただでさえ水ハケの悪いこの展場は、たちまちドロ田状態になっていた。 「水が浮いてるよ」。 雨は4時前に上がったが、周囲はドロ田状態だ。 そして、湿気か浸水かは判らぬが、中もジメ~っと濡れてきた。
「これでは、炊事は無理だね」と、撤退を決意する。
使い回し その4
朝日を浴びて輝くイワツメクサ
:
あぁ・・ 以前はいい写真とってたなぁ
体力だけでなく写真のウデも退化するワテ
幸い、雨予報で今日の内に下山した組が多く、雨なので登ってくるのも少ないし、何より最も楽なルートの沼ノ原からの道が通行止なので、オバチャン達の大量流入は防げているみたいだ。
で、テントを撤収して小屋に入る。 もう、退化とヘタリが顕著な今は、荷物が濡れると対応が厳しくなるのだ。 それに、シュラフが濡れると、夜ヤバイしね。
撤退して逃げ込んだ小屋は、利用者は1階は6人ほどで、十分にスペースを確保できた。 あの、荷物をバケツリレーで放り出された10数年前のあの日は、夢幻だったのか。 まぁ、濡れる心配がないので、グッスリと寝れたよ。 天気予報は思わしくないようだが、明日が暴風雨にならん事を祈るだけである。
撤退して逃げ込んだ小屋は、利用者は1階は6人ほどで、十分にスペースを確保できた。 あの、荷物をバケツリレーで放り出された10数年前のあの日は、夢幻だったのか。 まぁ、濡れる心配がないので、グッスリと寝れたよ。 天気予報は思わしくないようだが、明日が暴風雨にならん事を祈るだけである。
『カムイミンタラ(神遊びの庭)で遊ばれて・・』
5日目 行程図
《5日目》 ♪「この長い、長い、下り坂を・・」 天人峡下山ルート編
さて、4時に目覚めると、濃い霧で小雨が降ったり止んだりの状態。 状況としては、最悪は回避されたようだ。 テントを撤収しての小屋泊なので、準備には時間はかからず、5時前には出発準備完了。
昨日入ってきた方は、「この天気でトムラウシも何だし、一昨年の大雪ツアー遭難事故があるから・・」と、小屋で沈殿するとの事。 まぁ、賢明な判断だろう。
テントを担いでる者や、これから下山一直線という者ならば『GO』だが、避難用具を持たず小屋泊で山上を遊ぶ行程ならば、この天気は自重すべきだろう。 それを履き違えた結果が、あの遭難事故なのだから。 山の稜線上での雨は、暴風を伴うものだからである。 日程に迫られると冷静な判断をできなくなってしまうが、『日程』と言えるのも五体満足で無事下山できての事なのだから。
さて、4時に目覚めると、濃い霧で小雨が降ったり止んだりの状態。 状況としては、最悪は回避されたようだ。 テントを撤収しての小屋泊なので、準備には時間はかからず、5時前には出発準備完了。
昨日入ってきた方は、「この天気でトムラウシも何だし、一昨年の大雪ツアー遭難事故があるから・・」と、小屋で沈殿するとの事。 まぁ、賢明な判断だろう。
テントを担いでる者や、これから下山一直線という者ならば『GO』だが、避難用具を持たず小屋泊で山上を遊ぶ行程ならば、この天気は自重すべきだろう。 それを履き違えた結果が、あの遭難事故なのだから。 山の稜線上での雨は、暴風を伴うものだからである。 日程に迫られると冷静な判断をできなくなってしまうが、『日程』と言えるのも五体満足で無事下山できての事なのだから。
アオノツガザクラ
さて、5時に出発して、化雲平側の緩やかな雪渓を登っていく。 始めは「4時に出て、10時には下って、札幌で少し遊ぼうか」と考えていたが、雪渓に出るまでのぬかるみの木段を登り始めた瞬間に「10時はムリ」と悟った。
まず、第一に、お花畑が目に入ると、ザックを下ろさずにはおれなくなるから・・である。
第二に、ただでさえ下りは遅いのに、更に輪をかけて“底なしのヘタレ”になっている自身を鑑みれば、10時下山は『10時の神話』でしかないのである。
花々を目にすれば
ザックを下ろさずにはいられなくなる
ヨツバシオガマ
となれば、ゆっくり行こう。 幸い、空は小康状態を保っているし。 で、写真を撮りながら歩いていくと、化雲岳のデペソ岩到着が6:08であった。 さて、これから天人峡まで12.5km、コースタイム4:30である。
小化雲岳までの間は
チングルマのお花畑が続く
普通の人なら、急いで下ると10時ちょっと過ぎ位で降りれるだろうが、ワテは筋金入りで下りが遅い。 最盛期の時は、登りが下りより短い事などしょっちゅうだったのである。 そして今回でも、トムラウシの往復では登りの方がタイムが短かったし。
一時は薄日が差し
トムラウシも見えていた
化雲岳から小化雲岳の間はお花畑となっていて、しかも天気は持ち直して薄日が差す位になっていた。 トムラウシが見えていた位だ。 花も、チングルマを中心に、エゾコザクラ・コマクサ・タカネナデシコ・ツガザクラ・キバナシャクナゲ・キジムシロなどが咲き競っていて、ただでさえ遅い足を止める。
雨に濡れる花々の神秘
エゾノハクサンイチゲ
キジムシロ
キバナシャクナゲ
この辺りまでで、ヒサゴ沼からこちら側に下山する人全てに抜かれた模様だ。 これでは絶対に札幌で遊ぶのはムリだし、ともすれば帰りの飛行機にも乗り遅れたりして。 逆算すると、千歳空港17時の飛行機に乗るためには千歳空港駅16:04着の列車、即ち旭川14:00発の特急に乗らねばならない。
タクシーの迎車を50分、乗車を50分とすると、リミットは12:00ちょうど・・って事になる。
大丈夫ッポイが、微妙にひっかかりそうなデンジャラスな時間である。
女王・コマクサ 降臨
雨露の露払いで
崇高な姿を魅せてくれた
それでも、雨露に濡れたコマクサを見るとザックを下ろさずにはいられない。 そうこうしていくと、やがて雨が落ちてきた。 これは『助け舟』か? あまりにもクズグスしているので、尻を叩きに来たようである。
急に旭岳に雨雲が湧き立ち
スコールが振り出した
雨が止むまでノンストップで歩くと、高山植物帯を越えて樹林帯に突入する。 ここまで下りればカメラを取り出す事がなくなるので、歩く以外にやる事がなくなるのである。
やがて、樹林帯から第二公園を通過して、クマザサの湿地帯を通る。 この一帯はぬかるみ地帯で、腰掛けて休憩するような所は皆無で、またザックを下ろすのもNGだ。 そんな事をすれば、ザックが泥坊主化してしまう。 だから、第二公園から第一公園までの長いぬかるみ帯は、しんどいもののひたすら歩かねばならない。 このノンストップの下りで、結構時間を取り戻せたかもしれない。
やがて、樹林帯から第二公園を通過して、クマザサの湿地帯を通る。 この一帯はぬかるみ地帯で、腰掛けて休憩するような所は皆無で、またザックを下ろすのもNGだ。 そんな事をすれば、ザックが泥坊主化してしまう。 だから、第二公園から第一公園までの長いぬかるみ帯は、しんどいもののひたすら歩かねばならない。 このノンストップの下りで、結構時間を取り戻せたかもしれない。
赤い線香花火のような
タカネナデシコ
タカネナデシコ
やがて、第一公園へ。 あらら・・、今公園全体に木道が敷かれているよ。 以前は、ぬかるみ道だったけどねぇ。 そして、ここまで下ると、もう高山的なものはなくなり、花もタンポポなどの『野花』となってくる。 下りは遅いが、木道を歩くのは早い。 ただし、滑って転ぶ可能性も他人の3倍ないし4倍あるっていうのが、筆者の『プロパティ』である。
木道は1キロ近く延びているようで、その間だけ『区間急行』となった。 自分でもかなり早く歩いたと思う。 そして幸いな事に、トライ(ド派手な転倒)はなかった。 この木道を終えると樹林帯に入って、急な下りとなる。
木道は1キロ近く延びているようで、その間だけ『区間急行』となった。 自分でもかなり早く歩いたと思う。 そして幸いな事に、トライ(ド派手な転倒)はなかった。 この木道を終えると樹林帯に入って、急な下りとなる。
雨露を浴びるチングルマ
そして、その最中に目にしたくないものが現れる。 『天人峡まで4.5km』の看板だ。
それでなくても、ぬかるみを2時間以上歩いてヘタっているのだ。 それにトドメをさすような、「まだまだ終わりでないよ」との意味合いを示す“ダメ出し”看板なのである。
ツマトリソウに載る
大粒の雨露が光って
これを見ると、途端にやる気をなくすのだ。 「こんなに歩いたのに、まだ残り2時間近くあるなんて」と、落胆してしまうのである。 そして、ドッと疲れるのだ。 とりあえず、目標を恐らく今日は見えないであろう『滝見台』に定め、樹林帯の中を歩いていく。 夢見るのは、『滝見台』の先にあるつづら折の急坂だ。 そして、下りきった後の温泉だ。
歩けども、歩けども、なかなか着かないし、同じような景色の中で「本当に進んでいるのか?」と訝る状況が続くが、ふと「目の前は旭岳です」との記述札が置いてあるが、霧で真っ白けで何も見えない『滝見台』に着く。 何も見えないので、珍しく休憩せずに通過。 記憶では「すぐにつづら折の急坂」のハズなのだが、500m位樹林帯が続く。
歩けども、歩けども、なかなか着かないし、同じような景色の中で「本当に進んでいるのか?」と訝る状況が続くが、ふと「目の前は旭岳です」との記述札が置いてあるが、霧で真っ白けで何も見えない『滝見台』に着く。 何も見えないので、珍しく休憩せずに通過。 記憶では「すぐにつづら折の急坂」のハズなのだが、500m位樹林帯が続く。
野鳥が佇んでいた
じれったい位にこの500mを歩かされ、ついに待望のつづら折の急坂だ。 そういえば、この下りでハデに『終了際(ロスタイム)の逆転サヨナラトライ』を決めて、腕に『バイオレットハザードの紋章』(デカイ青タン)を刻んだっけ・・かなぁ。 あの時は若かったからいいが、今『終了際(ロスタイム)の逆転サヨナラトライ』を決めると立ち直れなくなるかもしれんので、大胆に急ぎつつも、細心の注意を払ってつづら折りを下っていく。
下りでもたっぷり
6時間かかっちゃいました
で・・、11:34に、登山口を示すトーテムポールを越える。 何とかリミットより30分のアンダーで下り着く事ができた。 でも、6時間かかったよ。 早速ホテルに入り、タクシーを呼ぶ。
しかし、イケズな事に、7/17をもって旭川発の旭岳温泉行のバスが天人峡に立ち寄らん事になったんだって。 お陰で、8500円の出費となったよ。
タクシーを待つ間の40分で風呂に入り、12:40に来たタクシーに乗って旭川へ。 タクシーの運ちゃんいわく、旭川のバスがシーズンに天人峡に寄らなくなった訳は、「シーズン以外は生活路線として運行しているが、シーズン中はマイカーでくるので利用客がない事と、去年の豪雨で橋が流されて迂回するのが面倒だから」との事である。 まぁ、天人峡からあの道をコースタイムで7時間かけて登ってくる人は、皆マイカーで来るわなぁ。
タクシーは、旭川の前で小さな渋滞に遭って少しヒヤッとしたが、13:35に駅に到着。 特急の発車まで25分ある。 でも、特急券を買うべく『みどりの窓口』に入ると、ズラーっと並んでるし。
そして、職員もノンビリと売っているし。 「こりゃあ、間に合わんわ」と、往きと同じく1000円区間のキップを買って、車内精算にする。
先述の通り、旭川発14:00の列車・特急【スーパーカムイ】は千歳空港直行で、16:04に千歳空港に着く。 17:00の飛行機に乗る為の列車だ。 後はやん事もなく、ボンベ缶は「欲しいのか? くれてやるぜ!」とばかりに差し出して北海道を離れる。 「あぁ、もうちょっと列車のキップの条件が良ければ、北海道へは絶対に列車なのにな」と思いつつ、暑苦しいだけの大阪に戻る。 帰りはしんどかったので、【はるか】に乗っちゃったよ。
タクシーは、旭川の前で小さな渋滞に遭って少しヒヤッとしたが、13:35に駅に到着。 特急の発車まで25分ある。 でも、特急券を買うべく『みどりの窓口』に入ると、ズラーっと並んでるし。
そして、職員もノンビリと売っているし。 「こりゃあ、間に合わんわ」と、往きと同じく1000円区間のキップを買って、車内精算にする。
先述の通り、旭川発14:00の列車・特急【スーパーカムイ】は千歳空港直行で、16:04に千歳空港に着く。 17:00の飛行機に乗る為の列車だ。 後はやん事もなく、ボンベ缶は「欲しいのか? くれてやるぜ!」とばかりに差し出して北海道を離れる。 「あぁ、もうちょっと列車のキップの条件が良ければ、北海道へは絶対に列車なのにな」と思いつつ、暑苦しいだけの大阪に戻る。 帰りはしんどかったので、【はるか】に乗っちゃったよ。
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No title * by 風来梨
たけしさん、こんにちは。
先程帰ってきました。 もちろん、ヤバい位にオチャメ満載でした。
数年前のは、偏にツアーゆえの「安全より飛行機の出発時間」で自爆した例です。 急ぐと、山は怖いです。 今回の私のオチャメと苦闘!?(苦闘というより自業自得)も、時間を食いすぎて暗い中を焦ったので転んで脇腹を打って、たぶん○ッ×ンしちゃいました。
その後の下山と、帰路の電車ではかなりキビシ~かったです。
下山中は気合い入ってたのでそれほどでもなかったけど、気合いの抜けた電車の中では駅の階段降りが地獄でしたわ。
なお、コースタイムは最初に自己タイムを記していますが、ヘタレのタイムなので普通の登山者には参考になり得ませんね・・、残念ながら・・。
先程帰ってきました。 もちろん、ヤバい位にオチャメ満載でした。
数年前のは、偏にツアーゆえの「安全より飛行機の出発時間」で自爆した例です。 急ぐと、山は怖いです。 今回の私のオチャメと苦闘!?(苦闘というより自業自得)も、時間を食いすぎて暗い中を焦ったので転んで脇腹を打って、たぶん○ッ×ンしちゃいました。
その後の下山と、帰路の電車ではかなりキビシ~かったです。
下山中は気合い入ってたのでそれほどでもなかったけど、気合いの抜けた電車の中では駅の階段降りが地獄でしたわ。
なお、コースタイムは最初に自己タイムを記していますが、ヘタレのタイムなので普通の登山者には参考になり得ませんね・・、残念ながら・・。
山をやっている人にはメジャ-な山ですけど。
コ-スタイムを別表にしていただければ有り難いです。