2014-08-02 (Sat)✎
『日本百景』 夏 第125回 カムイミンタラ その2 〔北海道〕
『カムイミンタラ(神遊びの庭)で遊ばれて・・』
2日目後半 行程図
行程記録 ※ 今回実際にかかった時間ですけど・・、何か?
《1日目》 JR上川駅よりバス(0:30)→層雲峡バス停よりロープウェイとリフト
(0:25)→黒岳7合目(1:10)→黒岳(0:15)→黒岳石室
《2日目》 黒岳石室(2:00)→北海岳(1:05)→白雲岳避難小屋(3:30)→忠別岳
《2日目》 黒岳石室(2:00)→北海岳(1:05)→白雲岳避難小屋(3:30)→忠別岳
(1:10)→忠別岳避難小屋 ※ 白雲岳は分岐より往復1時間
《3日目》 忠別岳避難小屋(1:05)→五色岳より五色ヶ原散策・所要1時間(1:00)→化雲岳
《3日目》 忠別岳避難小屋(1:05)→五色岳より五色ヶ原散策・所要1時間(1:00)→化雲岳
(1:00)→ヒサゴ沼
《4日目》 ヒサゴ沼(1:20)→トムラウシ・日本庭園(2:20)→トムラウシ山
《4日目》 ヒサゴ沼(1:20)→トムラウシ・日本庭園(2:20)→トムラウシ山
(2:50)→ヒサゴ沼分岐(0:50)→ヒサゴ沼
《5日目》 ヒサゴ沼(1:10)→化雲岳(1:30)→小化雲岳(4:00)→天人峡よりタクシー
(0:50)→JR旭川駅
※ 『第124回 カムイミンタラ その1』からの続き
丘の上に“ドイツのお菓子箱”のような
白雲岳避難小屋が建っている
白雲岳避難小屋が建っている
さて、白雲岳の分岐からは、ガレて岩がゴロゴロした歩き辛い急坂を降りていく。
このガレた坂を中程まで降りた所にお菓子箱のような白雲岳避難小屋が建っている。
その前に、白雲岳の雪解け水がお花畑の中にコンコンと湧き出ている。
そう・・、この白雲岳の雪解け水は、そこら辺の名水顔負けの清冷水である。 これでカルピス作ったら、真剣美味いでぇ・・。 そして、この素晴らしき水の存在は、「白雲岳小屋でバタンキュー」の誘惑の根源でもあるのだ。 ここから眺める高根ヶ原とトムラウシの素晴らしき情景と相俟って、「ここで朝の景色でも撮るか」と気持ちが揺れ動くと、『自堕落』の坂を転げ落ちていく事になるのである。
暑さにダレた言い訳を
「こういうのが撮りたい」に置き換えると
『自堕落』の坂を転げ落ちていきます
そこで、この「これでカルピス作ったら、真剣美味いでぇ~」の冷水をアテに、暑さでヘタり気味になったのを解消すべく新たなる試みである餡ドーナツを食する。 「ヘタり気味の時の甘いものは体力回復に寄与される」と考えての試みだ。
10の内9の行為はアホだが、1つはまともな事を考えているのよ、この筆者も。 これはアタリで、かなり気力が回復した。 僅か3つの餡ドーナツで、昼飯(というより行動食)の代わりと栄養補給が適ったのだから。 これで漸く、「白雲岳小屋でバタンキュー」の誘惑を振り切る事ができた。
10の内9の行為はアホだが、1つはまともな事を考えているのよ、この筆者も。 これはアタリで、かなり気力が回復した。 僅か3つの餡ドーナツで、昼飯(というより行動食)の代わりと栄養補給が適ったのだから。 これで漸く、「白雲岳小屋でバタンキュー」の誘惑を振り切る事ができた。
さて、白雲岳避難小屋からは小屋の立つ丘からハイマツ帯を下り、高根ヶ原の大平原の上に立つ。
右手には旭岳、左手には大雪高原沼と石狩連峰という贅沢な眺めが続く。 黄色い花やピンク色の花が旭岳を借景に点々と咲き競う。 やがて、10年前の前回も今も『熊出没の為・通行禁止』との立て看板が立つ、三笠新道(高原温泉)分岐に着く。
右手には旭岳、左手には大雪高原沼と石狩連峰という贅沢な眺めが続く。 黄色い花やピンク色の花が旭岳を借景に点々と咲き競う。 やがて、10年前の前回も今も『熊出没の為・通行禁止』との立て看板が立つ、三笠新道(高原温泉)分岐に着く。
大雪高原沼を望む
ここへの下降路は15年来
「クマ出没」で通行禁止のようだ
ここへの下降路は15年来
「クマ出没」で通行禁止のようだ
振り返ると
白雲岳がデンと居座る
ここまで約1時間だ。 ここは左右とも展望が利いて、しかも背後も白雲岳がデンと居座り壮観だ。
そして、これより平ヶ岳というどこが頂上か解らぬ山平原に、チングルマ・ハクサンイチゲ・エゾコザクラ・ヨツバシオガマ・リシリシンドウなどの花々が色とりどりに大地を飾っている。
そして、これより平ヶ岳というどこが頂上か解らぬ山平原に、チングルマ・ハクサンイチゲ・エゾコザクラ・ヨツバシオガマ・リシリシンドウなどの花々が色とりどりに大地を飾っている。
大雪の主峰・旭岳とコマクサ
朝露を浴びて
ハクサンイチゲ
ホソバウルップソウ リシリリンドウ
展望の良い緩やかな平原が、忠別岳の頂が見え始める頃には緩やかな傾斜で上っていく。
途中に地図にない沢を見て、ここらでひと息着く。 白雲岳避難小屋より約2時間荷を降ろさずに来たから、ちょっと肩が食い込んで痛い。 この沢を渡ると、忠別岳へと取り付いていく。
忠別沼と奥大雪の山々
取り付くと、道は広い砂礫地帯となり、コマクサやイワヒゲなどの花が点在する。
でも、昼前という事で、上がった水蒸気が雲を形成してやや曇りがちになってくる。
まぁ、行動する上では、ピーカン照りに焼かれるよりはこの方がベターなのだが。
まぁ、行動する上では、ピーカン照りに焼かれるよりはこの方がベターなのだが。
時折射す日照りの照り返しがキツイ砂礫地帯でヘタってダラダラと登っていくと、「こんなに遠かったっけ?」と言う感じで忠別沼が見えてくる。 ここまで来ると、「もうやってくる人はいないのか」と言う位に閑散とする。 そういえば、高原沼分岐以来人の姿は見かけないな。 「日高ならさも有りなん」だが、人の多い大雪では珍しい。
でもそれは、白雲避難小屋~ヒサゴ沼が通常の1スパンで、忠別岳避難小屋を利用する人はかなり少ないからだそうだ。 だからこの忠別岳は、縦走者なら午前中に通過するのが普通なのである。
従って、昼前は閑散としているのだ。
忠別沼を過ぎると、やや急な登りで忠別岳の稜線に出て、そのまま突っ込むと切れ立つ崖の手前に忠別岳の標柱が見えてくる。 到着は12:40だった。 もう日差しは午後のそれで、暑くシャドーのみで写真を撮ってもクスむだけなのだが、取り敢えず頂上裏のハクサンイチゲとトムラウシの王冠の姿を撮る。
忠別沼を過ぎると、やや急な登りで忠別岳の稜線に出て、そのまま突っ込むと切れ立つ崖の手前に忠別岳の標柱が見えてくる。 到着は12:40だった。 もう日差しは午後のそれで、暑くシャドーのみで写真を撮ってもクスむだけなのだが、取り敢えず頂上裏のハクサンイチゲとトムラウシの王冠の姿を撮る。
忠別岳のお花畑越しに望む
トムラウシ
振り返ると石狩連峰が・・
さて、どうなる事か・・と思えた9時間の行程も、残す所あと1時間だ。 ダラダラといっても、1時間20分位だろう。 そして、今日の宿である忠別岳避難小屋が森の中に見え隠れしている。
「もう少しだ」と逸れば逸る程になかなか着かん。 急なガレ場にもたつき、遠めからみて小屋の入口と思った所が見当違いのハズレだったりして、ストレスが溜まる。 こうなると、「いつか着くさ」と思考を切り替える事ができると、小屋の分岐に着くものである。
小屋から忠別岳を望むと
非対称の山容が一目で解る
漸く分岐について、「忠別岳避難小屋と名乗る割には、五色岳の方が近く有りませんかねぇ」とゴタクを並べながら下っていくと、水源の雪渓を跨いで忠別岳の避難小屋に着く。 建付けは良く、トイレもまぁ使える。 水場も雪渓流水で、冷たくていい水だ。 そして、先程も述べたが如く、行程を立てる上では使い辛い位置にある小屋で利用者はすごぶる少ない。 今日は比較的混んでいる・・との事だか、利用者は僅か6名だ。
こんな状況なら敢えてトイレより離れたテント場でテントを張る必要もなく、避難小屋利用としよう。
日暮れ前にはエゾシカの親子が戯れたり、忠別岳が暮日にシャドーに輝いたり・・と、利用者の少ない小屋ならではゴージャスな眺めを魅せてくれる。 今日は、この小屋で明日の山旅の夢を結ぼう。
日暮れ前にはエゾシカの親子が戯れたり、忠別岳が暮日にシャドーに輝いたり・・と、利用者の少ない小屋ならではゴージャスな眺めを魅せてくれる。 今日は、この小屋で明日の山旅の夢を結ぼう。
忠別岳避難小屋前で
魅せられた夕景
今夜はこの小屋で
明日の山旅の夢を結ぼう
『カムイミンタラ(神遊びの庭)で遊ばれて・・』
3・4日目 行程図
《3日目》 五色ヶ原・化雲平・・ 花の山旅
大雪ではあまり評判の芳しくない小屋・忠別岳避難小屋なれど、利用者が少なくグッスリと寝れた。
この小屋を根城に忠別岳の日の出を狙っているカメラマンの方が夜の1時頃に出発したらしいが、完全に寝とって気付かなんだ。
・・で、起きたのは4時。 朝飯を食って出発の準備をする。 小屋の利用者の大半は小屋が空いていると銀マットを広げて荷物を目一杯“敷地”に配するが、私は住環境よりも重さを嫌って銀マットまで端折る“根性なし”なのだ。 だから、小屋の板の上に何も敷かずにシュラフでもヘッチャラなのである。
つまり、テントの中でもシュラフマット一つという劣悪環境で鍛えているので、小屋の中では荷をバラす必要がないのだ。 暑い時の小屋などは、シュラフも出さんでゴロ寝する時もある位だ。
という訳で、テントを撤収する時間が省けて、5時前には出発準備完了。
この小屋を根城に忠別岳の日の出を狙っているカメラマンの方が夜の1時頃に出発したらしいが、完全に寝とって気付かなんだ。
・・で、起きたのは4時。 朝飯を食って出発の準備をする。 小屋の利用者の大半は小屋が空いていると銀マットを広げて荷物を目一杯“敷地”に配するが、私は住環境よりも重さを嫌って銀マットまで端折る“根性なし”なのだ。 だから、小屋の板の上に何も敷かずにシュラフでもヘッチャラなのである。
つまり、テントの中でもシュラフマット一つという劣悪環境で鍛えているので、小屋の中では荷をバラす必要がないのだ。 暑い時の小屋などは、シュラフも出さんでゴロ寝する時もある位だ。
という訳で、テントを撤収する時間が省けて、5時前には出発準備完了。
北海道は緯度が高いので、夜明けはすごぶる早い。 夏至などでは2時半には薄っすらと明るくなる位である。 7月の始めに日高の北戸蔦別岳でテントを張った時、朝の3時半で完全に陽が上がっていたのを見た事があるので本当である。
朝日を浴びて染まる
エゾコザクラ
出発した5時半前は、もう夜明けとはいえない位に“朝”となっていた。 難しい表現だが、普通に都会で朝と言う7時過ぎ位の光の加減だ。 でも、エゾコザクラが綺麗に輝いていたので撮影に熱中する。
今日は、ヒサゴ沼までの真剣に歩けば3時間チョイの行程だ。 ダラダラと筆者歩きの本領を発揮しても5時間もあれば着くだろう。 昨日が9時間とハードだったので、安息日を設けないと“楽しい山行”ではなくなってしまうからね。
忠別岳避難小屋から稜線に戻って、五色岳へと緩やかに登っていく。 対峙する忠別岳に比べてまろやかで緑濃き山だ。 そして身体も、昨日のハード行程で少し山慣れしたのか、結構順調に進んでくれる。
小屋から五色岳までちょうど1時間と、コースタイム15分アンダーであった。 かつての片鱗が戻ってきた? でも、長くは続かないので御心配なく。
五色岳の頂より望む
東大雪の山々
振り返れば
表大雪の山なみが
五色岳の頂上は快晴で、また今日は『安息日』という事で、真剣に歩けば3時間で着くお気楽行程を組んでいる。 そして重い荷物も、食料の半分を消費して幾分軽くなってきている。 余裕があるからと先へ急ぐと9時前に到着しかねないので、徹底的にダラダラと行く事にしよう。
まずは、五色岳の頂上に荷物をデポって、五色ヶ原の散策だ。 でも、昨日に忠別岳避難小屋に待機しながら大雪を撮っているカメラマンの方が、今の五色ヶ原はチョロチョロとしか咲いてないよ・・と教えてくれたので、期待度はかなり低い。 まぁ、取り敢えずハイマツを掻き分けて、五色ヶ原へ下りてみよう。
五色ヶ原へは、五色岳の頂上からものの5分ほど下ればいい。 ハイマツも最初の10m位で、それを過ぎると木道が敷かれた視界の広がる草原が広がる。 そして、その奥には石狩岳と沼ノ原の大沼が見えてくるだろう。 ・・で、結果は聞いた通り、ほとんどが草の緑で、チングルマがチョボチョボと咲いているだけだった。
前に見た『コレ』
前に見たコレのように、ハクサンイチゲ満開の姿は夢物語であった。 でも、トムラウシは雲一つなく見えていたのだけどねぇ。 なかなか目論見通りに上手くはいかないもんだ。 でも、奥の方でミヤマキンバイの黄色がそれなりに咲き競っている所を見つけて、トムラウシを背後に持ってきてシャッターを切る。
今年はミヤマキンバイの
黄色が主であった
他にも、チングルマの群生している所を見つけて、花をアップに絞り込んで撮ったり、その逆をしたり・・と、楽しい1時間を過ごせた。 また、帰り間際に、“小さい秋見~っけた”と口ずさむような、真っ赤なカエデの葉が落ちていて、これをカメラに収めて更に満足。 やっぱり、来て良かった、五色ヶ原の大草原。 また、いつの日か、エゾノハクサンイチゲが満開の時に訪れたいと願う。
五色ヶ原の情景
沼ノ原と石狩連峰を望む
チングルマは
やや萎れ気味だった
小さい秋 見~っけた
五色ヶ原に満足して、五色岳に戻る。 五色岳に戻ると、忠別岳避難小屋の後発隊の方々が頂上に登ってきていた。 どうやら、御一人を除いて、五色ヶ原はパスのようだ。 頂上で荷造りをして先に進もう。
時間は今7時半過ぎだ。 これよりは、化雲平に向けて平坦な道が続く。 登りは、2.5キロ歩いて100m未満の標高差だ。
五色岳に立つ道標が示す
トムラウシの方向へ
最初はハイマツのトンネルを掻き分けて進むが、すぐに左右が開けて、トムラウシの王冠が見えてくる。 そして、チングルマを中心に、ヨツバシオガマ、ホソバウルップソウ、キンバイソウ、エゾコザクラ、ハクサンイチゲと路傍の花が徐々に増えてくる。 クライマックスは、化雲岳分岐手前にある雪田を渡った所の辺りからだ。
今年は化雲平が
お花畑のMAXのようである
今年の今の時期は、標高1900m前後が花満開となっているようだ。 そして、花種はチングルマが主で、エゾノハクサンイチゲは勢力が今一つのようである。 でも、トムラウシをバックにコレほどのお花畑はそうはない。
今年は心なしか
エゾノハクサンイチゲの
勢いがないようだ
・・で、この化雲平でも、荷物を下ろしては『花とトムラウシ』の撮影に熱中する。 何だかんだて、1時間近くは撮り込んでいたのではないだろうか? でも、昼までにヒサゴ沼に着けばOKなのだから、これでいいのである。
化雲平とトムラウシと言えば
ホソバウルップソウの群落が有名だ
ホソバウルップソウの群落が有名だ
さて、シャキシャキ歩いても、ダラけ放題にダラけて歩いても、チョットでも進んでいればやがては目的地に着くのである。 で、後者を地で行く筆者も、9時半には化雲岳のデベソ岩の袂に着く。
今日の行程は、ヒサゴ沼まで残り1時間程度だ。 空も程よく曇ってきて歩き良くなったし、撮影を切り上げてヒサゴ沼のテント場に向かう。
シナノキンバイを前景に飾ってみた
ヒサゴ沼のテント場は水捌けの悪い泥炭土で、お世辞にもいいテント場とは言えないので、早めに着いてより良いテントサイトを確保しておいた方がいいだろう。 化雲岳のデベソから縦走路とヒサゴ沼との十字路まで10分あまり、ここのお花畑もクライマックスだ。 チングルマのコロニーが幾重にも盛り上がっている。 あと2週間もすると、このチングルマが全て実になるのか・・と思うと、その情景はそそられるものがある。
チングルマが大地に
白い模様を描き
これでスカイブルーの空だったら
最高だったのだが
ヒサゴ沼へは、縦走路の十字路から南に続く木道沿いに進んでいく。 十字路が途切れると、ヒサゴ沼への水源となる大きな雪田に出る。 この傾斜は、最大傾斜の所でも気を許せば尻餅を着く程度で、安心といえば安心だ。 まぁ、安心を確かめる為にキッチリと『トライ』(転倒)する私。
やがて、大雪田が途切れて木段の階段が見えてきて、再び小雪田を越えて雪田の融雪水が沼に流れ込むルンゼを伝っていくと、ヒサゴ沼の畔の木道に出る。 今のヒサゴ沼の水は、この水が飲料水のようだ。
やがて、大雪田が途切れて木段の階段が見えてきて、再び小雪田を越えて雪田の融雪水が沼に流れ込むルンゼを伝っていくと、ヒサゴ沼の畔の木道に出る。 今のヒサゴ沼の水は、この水が飲料水のようだ。
前は違う所から出ていたが、今回は今まで歩いてきたルンゼに流れ込んだ水を使わねばならない。 イメージ的に少し『引く』飲料水である。 今回に限っては、水も混み具合もテント場も忠別岳避難小屋の方が良さそうだ。 特に、水は段違いの差がある。
チングルマの花落ちた実
さて、テント場に着いたのは10時20分過ぎ。 もう、今日は“店じまい”としよう。 テント場は、何となくシケッていて微妙な感じだ。 一回でも雨が降ったら、たぶん泥田状となるだろうね。
それに、シケッた土壌の水蒸気がモァ~と湧き上がって、何となく蒸し暑い。 なので小屋の前で、こんなに天気がいいのに沈殿している御仁と談笑する。
すると、午後を過ぎると、かなりやってくるね。 都合、40人くらいの宿泊者と15張位のテントがやってきた。 でも、沼ノ原からの格段に楽にたどり着けるメインルートが豪雨災害で封鎖されている(しかも、原因はまたもや民主党による予算カットで、予算が追いつかない為に本年度は放置プレイらしい)ので、いつもの半分位の利用率だそうだ。
まぁ、以前は昼前に着いて小屋でゴロゴロしてたら、次々に小屋利用“確定”者が入り込んできて、『大の字にゴロ寝』から『気をつけ!』となり、ついには『三角座り』となって、最後は食料で買収されて雨の中外に追い出されてテントを張るハメになった事もあったね。
ヒサゴ沼越しに石狩連峰を望む
まぁ、今日は幸い夕立もなく、明日も午前中は天気が持ちそうである。 明日は、いよいよトムラウシ山をめぐる山旅である。 距離は4キロほど・・とあるが、ダラダラ行けば3時間以上かかる強烈なアップダウンルートである。 明日で、最盛期と比べた筆者の身体能力の退化具合が、数字として現れるようになる。
以降はカムイミンタラ その3 に続く。
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