風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  路線の思い出 >  路線の思い出 1~50 >  路線の思い出  第47回  越美北線・勝原駅、越前下山駅

路線の思い出  第47回  越美北線・勝原駅、越前下山駅

路線の思い出  第47回  越美北線・勝原駅、越前下山駅  〔福井県〕
 

越前下山駅よりキハ23を狙う
この駅で人生のボタンの掛け違えの
第一歩を踏み出したのであった
 
 
《路線データ》
   営業区間と営業キロ    輸送密度 / 営業係数(’15)      運行本数
 福井~九頭竜湖 55.1km      494  /   772       福井~九頭竜湖   4往復
                                福井~越前大野   5往復
                                越前大野~九頭竜湖 1往復

越前下山駅(えちぜんしもやまえき)は、福井県大野市下山にあるJR西日本・越美北線の駅である。
九頭竜湖方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する停留所規格の駅で、開業当初から簡単なホームと待合所のみを備えている。 福井地域鉄道部管理の無人駅となっており、自動券売機等の設備もない。 ホームは周辺の道路よりも高い位置にあるため、入る際には坂を上る事になる。
2017年の1日平均乗車人員は2人との事。

近年、付近に九頭竜温泉のクアハウス『平成の湯』がオープンし、列車到着時刻にあわせて無料バスが当駅に温泉利用客を迎えに来る。



今回取り上げる越美北線は、ワテの『撮り鉄』におけるターニングポイントとなった路線として大きな思い出がある路線だ。 まずは越前下山駅。 ワテの旅の『アブノーマル』は、ここから始まった・・と言ってもいいだろうと思う。
 
それは、自らの貯金10万円を叩いてキャノンAE-1+Pとレンズ2本を手にした事から始まる。
それまでは親父所有の PENTAX ME Super を使っていた。 ちなみに『親父所有のカメラ』であるが、これは『青天の霹靂』とも言えるモノで、中学に入る少し前に何を血迷うたのか、親父は写真を一切撮らんくせに PENTAX ME Super をオートワインダー付で買ってきたのだった。
 
これが何故に『青天の霹靂』かというと、「息子の為に父親が買ってくれたもの」と読み手は捉えるだろうが、ウチのオヤジに限ってはそんな事は一切しない人間なのである。 なぜなら、競馬で万馬券が当たって80万が入っても、自らの十数万のブーツは買えども、家には一切いれないオッサンだったからである。
 


分断された越美南北線が
今回の物語!?の顛末となった
 
しかし、当時のペンタックスはレンズラインナップでキャノンに遅れを取っていて、80~200mm F4.5の中望遠レンズが9万円もしたのである。 中学生がこれに手を出せる訳はなく、小遣いで買えるシグマの叩き売り《ズームカッパー》を使っていた。
 
そこに、以前から『シャッタースピード優先』や『プログラム』で先端を行く憧れのキャノンが、小僧の届く範囲ギリギリの微妙な価格(もちろん、安売りカメラ屋限定)で、70~210mm F4を売り出したのだ。 浅はかな小僧は見事にそれに釣られ、キャノンAE-1+Pとこのレンズと35mmの広角レンズをいわゆる『大人買い』したのであった。
 
・・で、そのカメラの『処女航海の地』が、越美南北線の撮り鉄という訳である。 だが、当時はまだ中学生で何の下調べもせずに来たものだから、途端越美南線を撮り終えて北線へ移動する時に行き詰ってしまう。
 

越美北線・九頭竜湖駅発行の硬券と
競馬ファンの夢を乗せた国鉄バス乗車券
 :
※バスは臨時運行だったが
この切符は縁起がいいので
常時売られていた・・らしい
 
それは、鉄道雑誌の路線追跡特集ルポで「越美南北線の間に国鉄バスが運行している」と知り、時刻表で調べる事もなくやってきたのだった。 美濃白鳥の駅からの国鉄バスは、乗客がほぼ皆無の為に前年度で廃止となっていたのである。 要するに、この浅はかなる自爆小僧が、今も『オチャメ』を連発するタワケ(筆者)の前身なのである。
 

道の駅が併設される前の九頭竜湖駅
とっても殺風景
 
で・・、途端に行き詰ったがラッキーな事に、この小僧と同じくバスの運行を見込んで当てがハズれた鉄のおじさんがいたのである。 おじさんが「タクシーに乗る」というのでちゃっかり便乗し、九頭竜湖までタダで送ってもらい、なおかつちょっと早い夕食もゴチになるなど、鉄面皮さもこの頃から兼ね備わっていたのである。 でも、さすがに宿泊までは・・という事で、おじさんとは越前大野で食事をゴチになった後に別れる。
 
だが、この後の事は、浅はかな小僧故に何も考えてはいなかった。 当然、成り行きで駅寝デビューとなるのである。 今日、おじさんと九頭竜湖から越前大野の間を列車に乗車したが、その車窓から越前下山駅が駅のすぐそばに橋梁があって周囲も雪があり良かったので、ここを明日の撮影地と決めていて『初めてのアコム・・じゃなかった、初めての駅寝駅』もこの駅と安易に決めたのだった。
 

普通ならこの町で安い宿でも探そうとするのだろうが
タワケの前身は『駅寝』を発想する
 
しかし、待っていたのは、浅はかな判断からくる過酷な『駅寝デビュー』であった。
まず、小僧は浅はかな故、シュラフなどのグッズを一切持ってきていなかった。 そして、その環境は待合室の扉は鉄板の引き戸であったが、錆びていて閉まりきらず10cm位の隙間が開き、折からのみぞれ雪が待合室内に吹き込む状況であった。 唯一の救いは、待合室内の椅子は木製の長椅子で、座布団が置かれてあったのである。
 
小僧は浅はかなれど、こういう状況に陥った場合にはゴキブリ並の力を示すのである。
座布団をきっちり布団代わりに被り、見事一夜を耐え忍んだのである。 こうして前述の如く、『アブノーマルな人生へのボタンの掛け違え』の序曲が奏で始めたのであった。 まぁ、撮影に関しては「中坊という事で・・」である。
 

コレ、AE-1+Pのデビュー作
あの頃の方が上手いジャン!
 

残雪残る奥越の『風景鉄道』情景
 

九頭竜川を渡る列車を適当に 

次に勝原であるが、これは撮り鉄から離れてしまう『撮り鉄末期』の時に訪れたのである。
北海道の廃止ローカル線が淘汰されて『撮り鉄』の目標を失いかけた時に、この路線を訪れたのである。
だが、『撮り鉄』のヤル気が殺がれた時に訪れたものだから、何というか気迫というか、粘りを全く感じる事ができない撮影行であった。 それは、勝原駅でテントを張って寝ていたが、始発に合わせて撮影するつもりだったが、寝過ごしたのである。

・・で、当時4往復しか運行のなかった朝の1往復を撮り逃したのである。 そして、次の便の10時までダラダラと時を無駄にし、10時台は近くの鉄橋で済まして、その折り返しに乗って帰路についてしまったのである。


今思えば
もうちょっと工夫して撮ればよかったなぁ
 
これ以降、この地には付近にそびえる荒島岳の登山の時や近くの名瀑・仏御前ノ滝の撮影には訪れたが、撮り鉄には訪れていない。 キハ58の運行でブームになった時も冷めた気持ちが心に漂っていて、ついつい撮りそびれてしまった。
 
その内に魅力のないレールバス型の気動車に置き換えられ、増々気持ちが遠のいてしまうのだが、細々とはいえ『撮り鉄』を再開したからには、それを防止すべく「近直に撮り鉄しに行かねばならんなぁ」と思っている次第である。
 
    ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『越美北線』を御覧下さい。
 
 
 
 
関連記事
スポンサーサイト



No title * by プリウス おじちゃん
こんばんは
5~6年前だったか、道の駅九頭竜で車中泊しました。
コンビニもスーパーもなくて、晩飯は100mほど離れたプチホテルのレストランでとんかつ定食と生ビール2~3杯飲んでご機嫌になって、駅周辺を散策して道の駅へ戻りました。

九頭竜湖駅の前でタバコをふかしていたら、どこかで見たおじさんが駅を施錠していました。「こんばんは」と声をかけてみたものの、誰なんやろか。

「そや、さっきのプチホテルのおじさんや~」

酒もほどほどにせなあきませんなぁ。

No title * by 風来茄子
災害からも復旧し越前大野駅を建て替えとりあえず存続の意思はあるようですね。えちぜん鉄道移管の話もあったようですが電車線と両方では苦しいでしょうね。今後北陸新幹線が伸びた時にどういう扱いになるのかは分かりませんが。それにしても中坊デビューしてたとは(笑)

No title * by 風来梨
プリウスおじちゃんさん、こんばんは。

こういう不思議なめぐり会いはよくありますね。
私も旅先の北海道の路線であった人と、九州であった事があります。

その時も、はて?どこかで見たような・・ あぁ・・、あの路線であった兄さんだ・・というように。

最近では、山のブロ友さんに四国の山で会いました。
旅って、いろんな事があるから楽しいですよね。

No title * by 風来梨
>えちぜん鉄道移管の話

殿下、お晩で恐悦至極にございます。
これは初めて知りました。 殿下は地獄耳ですなぁ。
もし、これがなったら、小湊鉄道から車両を譲り受けて、本線の旧阪神電車の車両とお揃いにするのも一興かと・・。

過酷な中坊デビューが、我が人生のボタンの掛け違えの序曲でして・・、ハイ。

コメント






管理者にだけ表示を許可

No title

こんばんは
5~6年前だったか、道の駅九頭竜で車中泊しました。
コンビニもスーパーもなくて、晩飯は100mほど離れたプチホテルのレストランでとんかつ定食と生ビール2~3杯飲んでご機嫌になって、駅周辺を散策して道の駅へ戻りました。

九頭竜湖駅の前でタバコをふかしていたら、どこかで見たおじさんが駅を施錠していました。「こんばんは」と声をかけてみたものの、誰なんやろか。

「そや、さっきのプチホテルのおじさんや~」

酒もほどほどにせなあきませんなぁ。
2014-03-01 * プリウス おじちゃん [ 編集 ]

No title

災害からも復旧し越前大野駅を建て替えとりあえず存続の意思はあるようですね。えちぜん鉄道移管の話もあったようですが電車線と両方では苦しいでしょうね。今後北陸新幹線が伸びた時にどういう扱いになるのかは分かりませんが。それにしても中坊デビューしてたとは(笑)
2014-03-02 * 風来茄子 [ 編集 ]

No title

プリウスおじちゃんさん、こんばんは。

こういう不思議なめぐり会いはよくありますね。
私も旅先の北海道の路線であった人と、九州であった事があります。

その時も、はて?どこかで見たような・・ あぁ・・、あの路線であった兄さんだ・・というように。

最近では、山のブロ友さんに四国の山で会いました。
旅って、いろんな事があるから楽しいですよね。
2014-03-02 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

>えちぜん鉄道移管の話

殿下、お晩で恐悦至極にございます。
これは初めて知りました。 殿下は地獄耳ですなぁ。
もし、これがなったら、小湊鉄道から車両を譲り受けて、本線の旧阪神電車の車両とお揃いにするのも一興かと・・。

過酷な中坊デビューが、我が人生のボタンの掛け違えの序曲でして・・、ハイ。
2014-03-02 * 風来梨 [ 編集 ]