風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第31回  神岡鉄道・漆山駅

『路線の思い出』    第31回  神岡鉄道・漆山駅  〔岐阜県〕
 

紅葉に染まる山肌と
カーブを伝う列車を狙う
 
《路線データ》
    営業区間と営業キロ       廃止年月日        廃止転換処置   
  猪谷~奥飛騨温泉口 19.9km.    ’06・12・1      濃飛乗合自動車バス
                                富山地方鉄道バス  
移管先廃止時運行本数
             猪谷~神岡(奥飛騨温泉口)6往復
             神岡(奥飛騨温泉口~神岡口(神岡鉱山前)3往復

漆山駅(うるしやまえき)は、かつて岐阜県飛騨市神岡町西漆山にあった神岡鉄道・神岡線の駅である。 神岡鉄道の路線廃止に伴い、2006年12月1日に廃駅となった。 単式ホーム1面1線で無人駅となっており、ホーム上には小さな待合所と寿老人の木像を奉った祠が設置されていた。 開業当初は、駅名標のうち照明に取り付けられていた縦型のものは、国鉄時代の「にしうるしやま」の「にし」を取ったものになっていた。

駅は高原川沿いにあり、当駅と対岸を走る国道41号線とは鉄橋で結ばれている。 駅の周りには西漆山の集落が開けており、正眼寺、白山神社がある。 駅の対岸にある集落としては東漆山と牧があるが、西漆山ほど規模は大きくない。

駅の北東1キロメートルほどの土(ど)という場所で、高原川に跡津川が合流している。
当駅と茂住駅の間の神岡線はほとんどが茂住トンネルの中であった。



 旧国鉄神岡線の神岡鉄道は、結構訪問している。 それは終点の奥飛騨温泉口(旧神岡駅)が、北アルプスの登山基点・新穂高温泉から富山に出る登山バスの経由地であったからである。 このバスに乗れば乗換なしに直接富山へ抜けれるが、『○鉄兼山ノボラー』のワテとしましては、“よろこんで”この神岡鉄道に乗り換えていたのである。
 
この神岡鉄道であるが、知る人ぞ知る(知る奴は恐らく『鉄』)旧国鉄時代も北海道の廃止転換路線なみの輸送実績しかなかった“偉大なるローカル線”である。 それもそのはず、神岡の街中である神岡(現在の奥飛騨温泉口)から飛騨船津(現在の飛騨神岡)以外に周囲に民家らしきものは稀薄で、全ての区間に鉱毒で有名な神通川と国道41号線がぴったり寄り添っているのである。 これでは、恐らく転換バスを走らせたとしても採算は合わないだろうと思う。

なぜに《第三セクター》として鉄道を残したのか、疑問すら出てくる路線である。 
まぁ、三井神岡鉱山跡で濃硫酸の貨物輸送があったからだ・・というが、《第三セクター・神岡鉄道》の『親会社』である三井神岡鉱業自身が、「鉄道貨物輸送はコスト高で割が合わない」と“泣き”を入れたのである。 こんな経営判断の甘い会社が“親会社”なのだから仕方なしと言えない事もないが。
 
神岡鉄道に経営移管された後に撮影に訪れたのは2回で、最初は夏のある日だった。 前日に細入の『道の駅』で仮眠して、朝の6時に漆山~神岡鉱山前にスタンバイ。 位置的には、割石トンネルの少し漆山寄りの所である。 『足場』は、車やツーリングバイクが猛スピードでケタ走る国道41号線の《東漆山スノーシェード》近辺である。
 

目の前のセイタカアワダチソウ!?を入れてみましたが
イマイチですねぇ
 
そして、スノーシェード内こそ“歩道”があるが、その間は路辺が僅か50cmの“とっても危険”な撮影地である。 もし、酔っ払い運転の車にでも突っ込まれたら一巻の終わり・・って所である。
それに、頻繁に通る大型トラックも歩行者(ワテらデス)がいるっちゅうのに、「ラリってるんちゃうか?」という程に荒っぽい運転をしやがる。 スノーシェード内で大型トラック同士で捲り合いをしてやがるよ。
 

何かイマイチだよな  
トンネルからライトを照らして出てくるシーンを狙ったのだが
 
さて、話を撮影に戻すとしよう。 始発から約3時間、2往復4列車を狙ったのだが、“火縄銃”である手巻き式のF-1では4列車で8枚撮るのが精一杯。 直参指導に参られた師匠殿下は秒間3.5コマの連射砲で1列車16コマの無駄撃ち・・もとい、果敢に狙撃されていたようであるが。 まぁ、こういうレベルなのですわ。 この時の結果は、御覧のように“惨たらしい”の一言であった。
 

手巻きで連写しても
“使える”のはこの1枚のみ
 
前回の失敗は、何と言っても“偵察不足”に尽きる。 国道41号より見える所を適当に撮っただけだったので、変化に乏しい情景しか撮れなかったのである。 この失敗を踏まえて、今度は“色々なシーンを撮ってみるのもいいのでは?”と想定を変えて挑んでみた。
 
まずは、最近全くしていない『駅撮り』である。 そうなのだ、都会の人だかりの駅ならともかく、田舎の駅はその全てが“絵になる”という事を忘れていた。 とりあえず1枚目は、《西漆山》の駅ホームよりアンダー気味に狙ってみたのだが。
 

同じ所を1/8秒で撮ると
 
駅のホーム端に三脚を立てて望遠で覗いてみると、元々薄暗いロケーションの駅ではあるのだが、適正露出は開放(F4)で、1/8秒しか稼げない。 さすがに1/8秒では、走ってくる列車が流れてしまう。
仕方がないので、2段アンダー承知で流れない限界の1/30まで引き上げる。
 
後は、列車の灯だけが頼りである。 「列車の灯で1段くらいはごまかせるかな」と計算したのであるが。
結果は、このようになりました。 個人的には、雰囲気が出ていいかな~なんて思っているが。
 

勝負写真は流れるのを防ぐ為、
2段アンダー承知の1/30で
雰囲気的にはアリかな

代わりに奥飛騨の秋模様おば

2枚目は上から俯瞰してみようと思い、《西漆山》(神岡鉄道では漆山)の駅の裏手に延びる道路を奥まで突いてみる。 道路は崖にへばりつくように点在している《漆山》の集落で途切れ、その先は犬走り程度の小径となっていた。 “俯瞰できる位置はないものか”と、この小径もそのまま奥へ探索してみる。
 
でも、次の列車までは、駅のホーム端から撮った1番列車より僅か45分程しかない。 取り敢えず10~15分ほどこの小径の奥を散策したが、開けた所がなさそうだったので引き返す。 即刻駅前まで戻って、駅付近の《茂住》側の土手によじ登って狙ってみる。
 
でも、このショットは大失敗。 何と、“うれしはづかし”(巻き上げをせずにシャッターを押す事)をやっちまったのである。 従って、2番列車に限っては、列車が写ったショットはない。
 
3番列車までは1時間15分ほどあるので、国道を伝って対岸からのスポットを探してみる。 
橋を渡って国道41号線に出ると、色々な風景が見えてきた。 対岸の崖にへばりつくように点在する《漆山》の集落と、列車の取り合わせもいいかもしれない。 川岸をへばりつくように伝う神岡鉄道の路線も、幾つか狙えそうな場所がありそうだ。 線路に沿って歩いてみると、車の上からは見えない風景と情報が次々と目に入ってくる。
 

歩けば更にいいスポットはあるものですね

3番列車は、《漆山》から約25分ほど先に進んだ所にある俯瞰場所を撮影地に選んだ。 
手前に無粋な銀の柵があり、これをごまかすのに苦労したが、取り敢えず上の写真のようなものが撮れた。 残念な事といえば、まだ日が浅くて列車に光が差し込まなかった事であろうか。 そして、勝負の4番列車である。 

3番列車のスポットに向かう途中で、発電施設と思しき施設とそれに続いて川床方向へ下っていく小径を目にしていたのである。 “これは行ってみる価値があるな”と、この小径を探索してみる。 
時間的な余裕は45分位だ。 この発電施設までは所要約7~8分で、あと40分近くある。 最悪、“4番列車逃し”も視野に入れながら、この小径を下まで下ってみる。 この小径を5~6分ほど下ると、神岡鉄道の線路前に差しあたった。

“これはいける!”と、線路を渡って奥のブッシュ帯に分け入る。 すると、カーブを描いた鉄橋があった。
だが、その前には猛烈な雑木林が立ち阻み、到底狙えるような所はなかった。 雑木林を掻き分けてみたのだが、どうも開けた所はなさそうだ。 目の前に餌がぶら下がっている状態(絶好のスポットが雑木林の背後にある)のジレンマに陥るが、雑木林から戻って周囲を見渡すと、川の畔に下る踏跡が見えた。
もう、ほとんど崖崩れのような踏跡ではあったが。

もちろん、これを下ってみる。 すると、あったよ、絶好の撮影スポットが。 周囲は豪華絢爛に彩られた秋風景、そして川の水面にその絢爛絵巻を映し、線路は弧を描いた鉄橋で川を横切っている。
“もう、ここ以外に撮影地はないだろう”と断言したい気持ちであった。 それでは、そこでの写真をごろうじろ。
 

これが今回の一番星かな
 
鉄道の撮影だけでなく、周囲を見渡せば函状を成した川面に映る風景や秋を彩る絢爛たる錦絵巻など、列車を待っている間も退屈はない。 むしろ、“風景の撮影に夢中になりすぎて、列車を逃してしまうかも”という心配さえある位だ。
 

偏光フィルターを使ったのは失敗だったな
少しくすんでしまった
 
予定を変更して、5番列車も同じ所で狙ってみた。 撮影をした後での感想だが、光線状態としては午後となると光がくすんでしまって沈んでしまうかもしれない。 狙い時は、3番列車から4番列車であろうと思う。 でも、もう廃止されてしまったので、これらは全て“夢物語”なのであるが。 最後は、周囲を彩る秋風景で締めようと思う。
 

秋を満喫しながらの撮影日和であった
 

こういう遊び心のある写真も撮れるね
 

流れが澱むと錦絵巻も澱んで

   ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『神岡線』を御覧下さい。
     なお、この時の『撮影旅行記』は『滝と鉄道の旅』と『紅葉と鉄道の旅』をどうぞ。
 
 
 
 
 
 

 
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No title * by ナポレオン
こんにちは。ヾ(=^▽^=)ノ

神岡鉄道は私も路線廃止末期に結構ハマって、現地へ通いましたヨ。
特に鉄道輸送費の要だったDL重連牽引貨物列車(濃硫酸輸送)が狙い目でした。
管理人さんの写真の数々を見ていると、当時の情景が思い起こされるとともに、私ももっと撮影すれば良かったのに…と残念さが募ります~。

No title * by 風来梨
ナポレオンさん、こんにちは。

そうそう、私が撮れなかったのは、その濃硫酸貨物です。
今もそうですが、いつ何時に運行されるか調べる方法が判らなくて、貨物に関してはいつも「偶然来た時」ですから。

あの紅葉のカーブを長編製の濃硫酸タンク車を牽くDD13は撮りたかったなぁ。

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こんにちは。ヾ(=^▽^=)ノ

神岡鉄道は私も路線廃止末期に結構ハマって、現地へ通いましたヨ。
特に鉄道輸送費の要だったDL重連牽引貨物列車(濃硫酸輸送)が狙い目でした。
管理人さんの写真の数々を見ていると、当時の情景が思い起こされるとともに、私ももっと撮影すれば良かったのに…と残念さが募ります~。
2013-10-21 * ナポレオン [ 編集 ]

No title

ナポレオンさん、こんにちは。

そうそう、私が撮れなかったのは、その濃硫酸貨物です。
今もそうですが、いつ何時に運行されるか調べる方法が判らなくて、貨物に関してはいつも「偶然来た時」ですから。

あの紅葉のカーブを長編製の濃硫酸タンク車を牽くDD13は撮りたかったなぁ。
2013-10-21 * 風来梨 [ 編集 ]