風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第29回  小坂精錬・小坂鉄道 小坂駅

『路線の思い出』    第29回  小坂精錬・小坂鉄道 小坂駅  〔秋田県〕
 

待っていると駅員が切符を切りにくるような
小坂駅跡にて
 
《路線データ》
      営業区間と営業キロ      旅客営業廃止日      旅客営業廃止時運行本数
     大館~小坂 22.3km               ’94/10/ 1                   5往復〔休校日は4往復〕
 
                  廃止年月日                     廃止時運行本数                       転換処置
         ’09/ 4/ 1              2往復〔濃硫酸輸送貨物列車〕            放置状態
 
小坂駅(こさかえき)は、かつて秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古川30にあった小坂製錬・小坂線の貨物駅である。 小坂鉄道の拠点となっていた駅で、駅構内には機関区・コンテナホーム1面1線・濃硫酸貯蔵タンクおよび濃硫酸荷役線があった。

主力の輸送貨物である濃硫酸は小坂製錬所から貯蔵タンクまでパイプライン輸送され、タンク車に積み込まれた後、秋田臨海鉄道・秋田北港駅に隣接して海上出荷設備がある秋田製錬・飯島製錬所に輸送された。 また、酒田港駅から、苛性ソーダが輸送される事もあった。

1994年まで旅客営業を行っていた為、廃止時点まで単式ホーム1面1線と駅舎が残っていた。
かつては駅から小坂製錬所までの構外側線があり、鉱石や硫酸などが輸送されていたが、1983年に廃止された。

廃止後は、駅施設を利用した『小坂鉄道レールパーク』がオープンしている。 このテーマパークは小坂精練・小坂鉄道の廃止後、駅周辺の土地を地元の小坂町に賃貸し、車両や駅舎・施設等を無償譲渡する形で2014年6月1日に鉄道保存展示施設『小坂鉄道レールパーク』としてオープンした。

ディーゼル機関車については、構内で体験運転が可能となっている。 同年11月21日に文部科学省の文化審議会は、登録有形文化財の登録対象として『小坂駅本屋とプラットホーム』及び『小坂機関車庫』を答申し、官報告示後に正式に有形文化財として登録される事となった。



この路線に関しては、『路線の思い出』というよりは『駅跡訪問記』とした方がいいかもしれない。
というのは、鉄を追っかけていた時の『私鉄はパス』という愚かな思考で、この路線のように美味しい所を尽く無視してきたからである。
 
そして、機関車の三重連などの鉄道撮影としての魅力が耳元に漂ってきた近年は、秋田というその遠さに二の足を踏み、そのまま放置していると案の定、運行休止から廃止へと手の届かぬ所に逝ってしまっていた。 やっとの事でやってこれたのは、廃止になった年の秋だった。
 

そのまま放置して朽ちていくのを待つのか
廃止後半年で何ら手付かずに放置
 
それは十和田の滝を訪ねに来たついでに立ち寄った時の事なのだが、その廃止され放棄された姿があまりにも哀愁が漂っていたので、ついつい撮影に熱中してしまった。 予定ではチョコっと撮ってさっと去って、この先の十和田ラインにある七滝をめぐるつもりだったのだが、小坂駅で長居し過ぎて七滝は日没アウトになっちまったよ。 まぁ、この旅企画のメインである松見ノ滝も紅葉が今イチだったので、もう一度訪問した際に七滝の秋情景は撮る事ができたが。
 

2度目の訪問時に秋模様が撮れました
七滝
 
でも考えると、このように滝は2度も連チャンで訪ねたのに、なぜに小坂精錬は往時に訪ねる踏ん切りがつかなかったのだろう・・と心底思う。 モチベーションってのは、いつどのようにスイッチが入るか本人でさえも見当が着かないから厄介なのである。 そして、『スイッチ』が入らなかった事柄は、大概その『逃した魚の大きさ』に打ちひしがれるのだ。 南部縦貫、鹿児島交通、そしてこの小坂精錬も然りである。 
 
まぁ、『路線の思い出』ならぬ『駅跡訪問』のヨタ話はこれで切り上げて、その哀愁漂う姿で締めるとしよう。
 

いつまでも穏やかな時のまま
廃止線の無常感に苛まれ
 

キロポストの白さが哀愁を誘う
 

広い構内に立派な駅、長いプラットホーム
かつてはこのホームを目一杯使って
荷の仕分けをしていたのだろうか
 
  ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『小坂製錬・小坂鉄道』を御覧下さい。
    また、メインサイトの『撮影旅行記』に『小坂駅訪問記』を記していますので、
    宜しければどうぞ。
 
 
 
 
 
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No title * by tom
こんばんは
まだ駅舎もホームも残っているんですね。

No title * by 風来梨
こんばんは。

町が鉄道公園として、駅舎を丸ごと保存するそうです。
もしかしたら、動態保存なんかもあるかも・・です。

No title * by 田舎のオッサン
地元に居ながら乗らなかったことが今でも悔やまれます。
秋田市から大館市に引っ越してきたものですから、事の重大さに気が付かないまま廃線を迎えてしまいました。
現在は大館市の各種イベントで、レールバイクを走らせているようです。

No title * by 風来梨
こんにちは。

廃線関係は、このような「乗る気(撮る気)になれば乗れた(撮れた)のに・・」というような事が多々ありますね。
こうなれば、必ず一生(少しオーバーかな?)の後悔が着いてまわりますね。

私も多くの路線で、自らの「後回し癖」や「ズボラウイルス熱(笑)」の為に後悔の念に駆られています。

乗る(撮る)事が叶った路線でさえも、いつも「何でもっと撮らなかったのだろう」って思いますから。 少し贅沢な事ですが・・。

コメント






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No title

こんばんは
まだ駅舎もホームも残っているんですね。
2013-10-05 * tom [ 編集 ]

No title

こんばんは。

町が鉄道公園として、駅舎を丸ごと保存するそうです。
もしかしたら、動態保存なんかもあるかも・・です。
2013-10-06 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

地元に居ながら乗らなかったことが今でも悔やまれます。
秋田市から大館市に引っ越してきたものですから、事の重大さに気が付かないまま廃線を迎えてしまいました。
現在は大館市の各種イベントで、レールバイクを走らせているようです。
2013-10-06 * 田舎のオッサン [ 編集 ]

No title

こんにちは。

廃線関係は、このような「乗る気(撮る気)になれば乗れた(撮れた)のに・・」というような事が多々ありますね。
こうなれば、必ず一生(少しオーバーかな?)の後悔が着いてまわりますね。

私も多くの路線で、自らの「後回し癖」や「ズボラウイルス熱(笑)」の為に後悔の念に駆られています。

乗る(撮る)事が叶った路線でさえも、いつも「何でもっと撮らなかったのだろう」って思いますから。 少し贅沢な事ですが・・。
2013-10-07 * 風来梨 [ 編集 ]