2013-08-31 (Sat)✎
『路線の思い出』 第25回 銚子電気鉄道 犬吠駅,外川駅 〔千葉県〕
レタス畑と無人駅
始めは撮るつもりもなかったこの路線
《路線データ》
営業区間と営業キロ 運行本数
銚子~外川 6.4km 銚子~外川 35往復、仲ノ町~外川 1往復
外川駅(とかわえき)は、千葉県銚子市外川町二丁目にある、銚子電気鉄道銚子電気鉄道線の駅で、同線の終着駅である。 単式ホーム1面1線と機回し線(留置線)1線を有する地上駅。清涼飲料・アイスクリームの自販機とトイレ棟、駅前に銚子電気鉄道直営の有料駐車場がそれぞれ設置されている。
2017年度の1日平均乗車人員は152人との事である。
駅舎は修復を繰り返しながらも開業時からの木造平屋建てで、待合室には木製のベンチが並び、夜は白熱電球が点灯するなどレトロの趣の高い駅である。 また、外川集落の案内などが掲示され、ベンチには地元住民手作りの座布団が置かれている。
駅員配置駅(早朝、夜間は無人)で、硬券入場券・乗車券・各種鉄道グッズの展示および発売をしている。 ホームはかさ上げがなされていないため、乗客が乗降しやすいように終端寄りのドア位置に木製の踏み台が置かれている。
ホーム銚子寄りにはかつて男女共用で水洗式の仮設トイレが設置されていたが、多目的トイレを併設した男女別のものに建て替えられている。
かつて走っていたトロッコ客車「澪つくし号」は、この駅の機回し線で電車の付け替え作業を行なっていた。「澪つくし号」の運行廃止後、機回し線は本来の用途としての使用がなくなり、廃車体の解体前の留置場所として使用されている。 以前は夜間滞泊が設定されていたが、2013年11月21日の改正で廃止された。
構内の留置線でデハ801形が腐食が進行した状態で放置されていたが、千葉市内の企業の協力で修復が行われ、2017年12月23日から内部の無料公開されている。 この修復は、銚子商業高等学校による「銚商夢市場プロジェクト」の一環である。
犬吠駅(いぬぼうえき)は、千葉県銚子市犬吠埼にある銚子電気鉄道銚子電気鉄道線の駅である。
関東の駅百選に選定されている。 単式ホーム1面1線の駅で、駅員配置駅(早朝、夜間は無人)となっている。 ホーム上と駅舎内に自動販売機・コインロッカー・水洗トイレがある。 駅前には、8台分の駐車場が設置されている。 2017年度の1日平均乗車人員は134人との事である。
大晦日から元日にかけて犬吠埼での初日の出参拝客輸送のために運行される終夜運転は、銚子駅から当駅までの運転となっており、この輸送に対応する為に銚子電気鉄道線の他の駅に比べて長めのホームとなっている。
周辺の犬吠埼などの観光拠点として利用されていることもあって、駅舎および駅前広場は銚子電気鉄道線の中で最も大きく広く造られており、各種イベントの会場としても利用されている。 駅舎内では銚子電気鉄道の各種鉄道グッズ・記念切符・硬券入場券・乗車券の他、地元名産品や駅弁などの土産物や、名物の「銚電のぬれ煎餅」が実演製造・販売され、観光客や鉄道ファンの人気を集めている。
駅舎2階には鉄道写真家中井精也の美術館『銚電写真館・中井精也ギャラリー』がある。
1999年から2004年まで後藤純男美術館だった後に倉庫にしていたが、2014年7月にオープンした。
白を基調とし、絵タイルの貼られたポルトガルの宮殿風建築の駅はその美しさが評価され、1997年に関東の駅百選の第一回選定26駅の一つに選ばれた。 なお、老朽化によるリフォーム工事を2013年頃に実施した為、この絵タイルは駅名標を除き撤去されている。
今回は、「経営者による会社資金の横領で経営が傾く」やら、車両や軌道の保守費用捻出の為の『ぬれ煎餅』やらと、何かとお騒がせな私鉄路線・銚子電気鉄道を取り上げる事にしよう。
何でも、あまりにも保線状況が悪い為に御上より『補修改善命令』を受けたり、保有のドイツ製機関車が資金不足の為に運行検査を受けられず、見学料を取っての展示品となるなど話題が尽きないが、お騒がせな事が起こる度に某巨大ネット掲示板から集まった『サポーター』達が支援活動を買って出ているなど、『愛されている鉄道』でもあるようだ。
ぬれ煎餅の代金で修理できた車輌と
できなかった車輌の揃い踏み
外川駅にて
でも、ワテはこんなサポート活動やらには全く興味がないので、この手の事で知り得る事は全てネットの情報である。 ワテが興味あるのは、やはり『鉄道の旅』なのである。 それも普通の『鉄道の旅』と違って、上に『貧乏』って冠言葉が付くのだが。 従って、『鉄道の旅』として景勝地をめぐった事を絡めて話を記していこうと思う。
ワテは基本的に非電化路線しか興味はないので、当初はこの路線に乗るつもりはなかったのである。
現に、この場所を訪れた時の往路はバスを利用したのである。 でも、ここでバスの停留所の降り間違えで帰りに乗り込む停留所の位置が分からなくなってしまった事と、訪れた景勝地に想像以上魅せられた事から、急遽乗車するハメとなってしまった。 それでは、訪れた景勝地『屏風ヶ浦』の情景をごろうじろ。
屏風ヶ浦の朝景
夜明け前の海岸を望む
『屏風ヶ浦』の朝景を堪能した後、銚子の港町・戸川の波止場をブラブラ歩きゆく。 この辺りは、TVドラマの舞台にもなった“波戸場の原風景”を残す街なみを魅せてくれる。 派手に大漁旗を掲げた漁船の出港姿や海の幸の香り、石畳みの旧家、ドサ周りの劇団のポスターなど、その手の写真を狙うには絶好の場所だろう。 ワテはそういう被写体の表現が苦手なので、いいのは撮れなかったが。
ブラブラ歩くと、やがて銚子電気鉄道の終点・戸川駅に着く。 駅舎を見て、結構ハマったよ。
古き良き駅のたたずまいを魅せる駅舎だ。 キリ妻型の門構えの木造駅と最新式のコカコーラの自販機の対比も“美味しい”被写体だ。 「ここは奥行きを魅せるべきだよな」と、超広角を取り出して愉しむ。
それに、ボロ電が単行で伝う姿やそのサウンドで、『鉄』が虜になってもやぶさかではないだろう。
古き良き港町の駅のたたずまい
外川駅にて
この旅で訪れる次の目的地の《犬吠崎》まで、この戸川駅から距離にして1.5kmほど。 それに最寄り駅の《犬吠駅》は次の駅で、その距離は1km足らず。 この距離では電車を利用するまでもないし、運賃も勿体無い(何せ、浜辺でテント張って野宿するような貧乏旅ですので)と、《犬吠崎》まで歩くつもりで乗る予定はなかったが、戸川駅で魅せられて『○鉄』とはいえ『鉄』の血が騒ぎ出したよ。
戸川駅のたたずまいに魅せられてから、「せっかくこの地へ旅に来たのだから、乗っておくべきだよな」と180°方針転換していた。 話は前に帰るが、バス停の降り間違いがなければ直接バスで《犬吠崎》まで行っていたので、今回の降り間違いは『良い間違い』だったね。
さて、次の犬吠駅は、予想に反して洋風の古城のような豪勢な建物で、『関東の駅百選』に選定されるなど優雅な造りであるが、ワテには今イチこの華やかさがピンとこず、駅舎は撮らなかったよ。
何か、破産寸前(失礼)の鉄道には合わなく思えたのである。
白亜の造形美を示す
犬吠崎灯台
犬吠駅では、今やこの路線の補修費補填の為の重要事業となっている『ぬれ煎餅』の製作実演と販売が行われていた。 この駅から『日本一日の出の早い場所』として知られている《犬吠崎》まで、徒歩で10分足らずだ。
《犬吠崎》に立つ灯台は、全国でも数少ない“見学のできる灯台”で、美しい白亜の造形美も伴ってトップクラスの人気を誇る岬灯台である。 それでは、この灯台の上に立って太平洋の大海原を一望しよう。
灯火下の展望所までは、99段の螺旋階段を昇っていく。 この階段を昇りつめて狭い昇降口より外に出れば、果てしなく広がる大海原が視界に入ってきた。 真下には、岩礁に押し寄せる波濤が迫力をもって迫り、遠くを見通せば港の町・銚子の街なみが広がっていた。 それではその情景で、この路線の思い出を締めようと思う。
犬吠崎灯台発 “絶景かな”
灯台の上から
岩礁に砕け散る波濤を望む
海洋レーダーの先に何があるのか
ただ果てしなく広い海原を望む
海と共に生きる銚子の町を望む
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No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。
あと2峰ですね。 残る黒部五郎と水晶岳なら、4泊5日で行けますね。 達成したらお知らせ下さいね。
あと2峰ですね。 残る黒部五郎と水晶岳なら、4泊5日で行けますね。 達成したらお知らせ下さいね。
いい写真が撮れなかったので助かります。
場違いなコメントをお許しください。