2013-08-28 (Wed)✎
名峰百選の山々 第102回 『77 塩見岳 act 2』 長野県・静岡県
塩見山系(南アルプス国立公園) 3052m コース難度 ★★ 体力度 ★★★
ガスが沸き立ち
迫力満点の塩見岳
南アルプス南部 みなみアルプスなんぶ (南アルプス国立公園) 〔再掲〕
南アルプスは白峰三山を越えると、頂を踏むのに二日がかりとなる。 それだけに、深山の趣をあふれんばかりに感じ取る事ができるのである。 まず、『漆黒の鉄兜』の異名を持つ塩見岳 3052メートル。
南アルプスは白峰三山を越えると、頂を踏むのに二日がかりとなる。 それだけに、深山の趣をあふれんばかりに感じ取る事ができるのである。 まず、『漆黒の鉄兜』の異名を持つ塩見岳 3052メートル。
この山は南アルプスのほぼ中央にあり、どこから登っても二日以上かかるのだが、頂上に立つと南・中央・北と全てのアルプス、そして日本の全ての3000m級の山を見渡せるのである。
行程記録 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR・伊那大島駅よりバス(1:50)→鳥倉登山口(2:50)→三伏峠
《2日目》 三伏峠(1:20)→本谷山(1:50)→塩見小屋(1:30)→塩見岳
《2日目》 三伏峠(1:20)→本谷山(1:50)→塩見小屋(1:30)→塩見岳
(0:35)→蝙蝠岳分岐
《3日目》 蝙蝠岳分岐より蝙蝠岳往復、所要・片道2時間(0:45)→塩見岳(1:05)→塩見小屋
《4日目》 塩見小屋(1:30)→本谷山(1:20)→三伏峠(2:00)→鳥倉登山口よりバス
《3日目》 蝙蝠岳分岐より蝙蝠岳往復、所要・片道2時間(0:45)→塩見岳(1:05)→塩見小屋
《4日目》 塩見小屋(1:30)→本谷山(1:20)→三伏峠(2:00)→鳥倉登山口よりバス
(1:50)→JR・伊那大島駅
※ 前回『名峰百選 第101回 塩見岳 act 1』からの続きです。
登り着いた塩見小屋では朝に計画を立てた通り、担ぎ上げた水には手を着けずにジュースを購入する。
でも、便利になったもんだよ、山小屋は。 『10年ひと昔』というが、10年ちょっと前は「売るのはビール1本のみ」、「寝袋さえももってこんような奴は山にくるな」、「米を持ってきたら飯を炊いてやる」というのが通る世界だったんだけどね。
ジュース片手に、小屋番の兄さんと談笑する。 話題のネタは、《雪投沢》の水場の事である。
でも、便利になったもんだよ、山小屋は。 『10年ひと昔』というが、10年ちょっと前は「売るのはビール1本のみ」、「寝袋さえももってこんような奴は山にくるな」、「米を持ってきたら飯を炊いてやる」というのが通る世界だったんだけどね。
ジュース片手に、小屋番の兄さんと談笑する。 話題のネタは、《雪投沢》の水場の事である。
ぶっちゃけの「《雪投沢》に水はある?」という質問に、小屋番の兄さんは「あるけど、小屋関係者ならば『ない』と答えますよ」と言う。 なぜなら、小屋管理元の《東海フォレスト》より、《雪投沢》を始めとする稜線の水場での幕営禁止が通達されているからだそうである。
小屋番の兄さんいわく、「《雪投沢》のゴミや糞の処理は《東海フォレスト》が自費でやっていたんですよ。 でも、《東海フォレスト》自身が辛抱たまらなくなってしまったんですね」というのが理由だそうだ。
小屋番の兄さんいわく、「《雪投沢》のゴミや糞の処理は《東海フォレスト》が自費でやっていたんですよ。 でも、《東海フォレスト》自身が辛抱たまらなくなってしまったんですね」というのが理由だそうだ。
雪投沢方向から見た塩見岳
バットレスが迫力満点だ
《雪投沢》のテント禁止の原因が幕営登山者だ・・というのは、自分で自分の首を絞める事である。
そして、このような事を引き起こすから、人間失格者たる『犬連れ登山』の輩に「人間はどうなんだ」との醜聞たる屁理屈を与える口実となってしまうのだ。 登山者自身も大いに襟を正さねばならないだろう。
もちろん、ワテ自身も含めて。
まぁ、この言葉は「~もやってるではないか! なぜ自分だけダメなんだ!」と言っているに過ぎず、他の例に当てはめると如何に人間としてクズなのかが解るだろう。
まぁ、この言葉は「~もやってるではないか! なぜ自分だけダメなんだ!」と言っているに過ぎず、他の例に当てはめると如何に人間としてクズなのかが解るだろう。
「秋葉原で7人殺した奴もいる それに比べたら、野生動物を殺す位は“屁”でもないだろう」やら、「余計なちょっかいを出した奴が噛まれるだけだし、噛まれたらそいつが悪い」、「規制する奴らが“生態系に影響がある”との虚偽を口にするだけでその証拠はなく、あったとしてもオレの犬が野生動物を殺した訳ではない」、「人だって糞するだろうが、人は良くてなぜ犬はダメなんだ」などと言ってるのと同じだって事である。
しかし、登山道へのペットの連れ歩きは不特定多数のすれ違う相手に恐怖を抱かせる恐れが多々あり、実際にケガを負わせた実例もある。 最悪の事例となる『死亡事故』はまだ発生していないが、このまま放置するといつ起こっても不思議ではないのである。
見上げると天狗岩は
まだあんなに遠く
「吠え掛かる犬に驚いて足を滑らせて滑落」って事も十分ありえるのだ。 現に「犬に驚きハシゴから落ちた」とか、「犬が上から落ちてきた」という、一歩間違えば大惨事という『ニアミス』が発生しているのである。 また、自然生態系の破壊は後々に人類に災禍を及ぼす事であるし、現に野生動物のコロニーが犬からの病原菌の蔓延で死滅している報告もされている。 証拠や根拠がないのではない。
人間のクズ共が自らの私欲を満たしたいが為だけに、不利な証拠・根拠を難癖をつけて認めようとしないだけなのだ。 そして、そんな救い様のないクズな性質を問いただすと、『逆ギレ』を起こすのである。
真に飲酒運転で3人を殺し、裁判で「被害者も居眠り運転をしていた」などと言い逃れをするあの福岡の容疑者と同じである。
「人間はどうなんだ」という自らの『人間』を否定する言葉の他にも、「ウチの犬は吠えたり噛んだりしません、そういう事を言うのは犬嫌いの妄想です」、「犬が嫌いなら近づかなければいいだろ」、「我々を非難する者は犬が嫌いなだけ こんな可愛い犬を嫌うあんた達は人間じゃない!」、「犬が自然破壊したという証拠をみせろ!」、「法律で決まってないだろ」、「(『犬がライチョウのヒナを噛み殺した』などの犬連れ登山が引き起こした悪害を示しても)それは、我々を締め出そうとするオマエらの作り事だ」、「犬を制限する前に人間を制限しろ!」などとほざいているのである。
人間のクズ共のHPなどにはこんな反論が掲載されているが、常人ならば恥ずかしくて1つたりとも載せられない言葉だろう。 真に、『人間を辞めた出来損ない』の文言である。 試しに、これらのHPを一度見てみるといいだろう。 恐らく、ごく普通の知識・感情を持つ人間ならば、嫌悪感でヘドが出る思いがして即効退散する事だろう。 この事に関しては、このクズ共の行為を『天罰を受けるべき生物全てへの反逆』と捉えているので、ついついエキサイトしてしまうなぁ。
話は脱線してしまったが、小屋番の兄さんはこう続けた。 「今は黙認ですよ。 但し、もう《東海フォレスト》がゴミや糞の処理をする事はないので、利用者の心がけがないとすぐに荒れてしまいますよ。
「人間はどうなんだ」という自らの『人間』を否定する言葉の他にも、「ウチの犬は吠えたり噛んだりしません、そういう事を言うのは犬嫌いの妄想です」、「犬が嫌いなら近づかなければいいだろ」、「我々を非難する者は犬が嫌いなだけ こんな可愛い犬を嫌うあんた達は人間じゃない!」、「犬が自然破壊したという証拠をみせろ!」、「法律で決まってないだろ」、「(『犬がライチョウのヒナを噛み殺した』などの犬連れ登山が引き起こした悪害を示しても)それは、我々を締め出そうとするオマエらの作り事だ」、「犬を制限する前に人間を制限しろ!」などとほざいているのである。
人間のクズ共のHPなどにはこんな反論が掲載されているが、常人ならば恥ずかしくて1つたりとも載せられない言葉だろう。 真に、『人間を辞めた出来損ない』の文言である。 試しに、これらのHPを一度見てみるといいだろう。 恐らく、ごく普通の知識・感情を持つ人間ならば、嫌悪感でヘドが出る思いがして即効退散する事だろう。 この事に関しては、このクズ共の行為を『天罰を受けるべき生物全てへの反逆』と捉えているので、ついついエキサイトしてしまうなぁ。
話は脱線してしまったが、小屋番の兄さんはこう続けた。 「今は黙認ですよ。 但し、もう《東海フォレスト》がゴミや糞の処理をする事はないので、利用者の心がけがないとすぐに荒れてしまいますよ。
だから、“極力糞はしない事”と、止むを得ず“した”ならば、キチンと埋めておく・・という『お約束』を徹底して欲しいですね。 私たちも、小屋泊まりよりも幕営山行の方が面白いと思うんですけどね」と気さくに語りかけてくれた。
休憩での談笑ではあったが、とても重要な話である。 「自然にローインパクトであるべく・・を心掛けている」と自負してはいるが、それでも今までの自らを省みる必要があるだろう。 今日は、これから幕営をする予定である。 この事への対応がモロに当てはまる行為をしようとしているのだ。
休憩での談笑ではあったが、とても重要な話である。 「自然にローインパクトであるべく・・を心掛けている」と自負してはいるが、それでも今までの自らを省みる必要があるだろう。 今日は、これから幕営をする予定である。 この事への対応がモロに当てはまる行為をしようとしているのだ。
水の事だけではない。 この『自然に対してのローインパクト』も重々考慮せねばならないな。
真に『漆黒の鉄兜』との呼称が
相応しい塩見岳
さて、塩見岳の最後の登りにアタックしよう。 「そういえば、この塩見岳へは12~13年前の“最盛期”に登ったきりだなぁ」などと思いながら登っていく。 当然、あの時のようには行くはずもない。
最後の岩場への入口となる《天狗岩》までのつづら折りの登りで「こんなに長かったっけ」との疑問を拭い去れなかったり、最後の岩場で座りやすい岩を見つけては腰を下ろしたり、「標高差150mがこんなに長い訳ねえだろ」と悪態を着いたり・・と、またもや『酔っ払いオヤジ』モードに突入してしまった。
でも最近は、山の急登では“クダ”を巻かねば登れんなぁ。 コマッたものである。 『酔っ払いオヤジ』モードが最高潮に達した時、塩見岳の頂上標柱が現れる。 まぁ、これで現れんかったら延々“クダ”を巻き続けなきゃならんし、最悪「“クダ”巻きに疲れてフテ寝しちゃった」って事もありえるしィ~(真剣にフテ寝しかねないのが、筆者の大物(アホ)たる所以)。
塩見岳の最高点・東峰より
三角点のある西峰を望む
:
頂上写真らしくていいかな
頂上写真らしくていいかな
頂上到着は10:50。 周囲は何とか見渡せるものの、午後に決まって湧き上がるガスがたなびいて来て情景的には“今イチ”であった。 また、かつてと違って“クダ”を巻いた直後なので、気分も爽快とまではいかなかった。
とりあえず頂上で30分ほど休憩し、ペットボトルに持参した粉ジュースを入れて半分飲むなどして疲れが取れたなら、先に進む事にする。 水と幕営用具一式を担いで来たにしては身体は疲れてはいなかったが、大元の“気力”が萎えはじめていたのである。
この状況を詳しく述べると、体と心が「もう歩きたくないよ、早くお昼寝しようよ」と言い出したのである。 思想に相反してわがまま放題のコマッた身体である。 でも、このわがままを聞く宿主も宿主なのであるが、筆者自体が“ダメっ子”なので仕方がないだろう。
明日踏破予定の
蝙蝠岳へのルートを望む
・・で、その欲求に基づいた結論が、「水持っている事だし、何も《雪投沢》まで行かなくてもいいか」という事に落ち着いたのである。 塩見岳から30分ほど下って、《蝙蝠岳分岐》に着く。
見渡すと道標脇と分岐から少し進んだ窪地の底に、それぞれ1張りほどのスペースがあった。
ここは、稜線の風の影響を考慮して、三方を潅木と土手に囲まれた窪地の底にする。 早速テントを立てて、身体の欲するまま昼寝。 16時前まで熟睡する。 「こんなに寝て夜寝れるのか?」と自身でも思ったが、根が“物臭さ”なので夜もよく寝れた。
ここは、稜線の風の影響を考慮して、三方を潅木と土手に囲まれた窪地の底にする。 早速テントを立てて、身体の欲するまま昼寝。 16時前まで熟睡する。 「こんなに寝て夜寝れるのか?」と自身でも思ったが、根が“物臭さ”なので夜もよく寝れた。
だが、さすがに標高2900m超の稜線上、三方を遮る事のできた窪地でも風は強い。 夜通しテントがバタついていた。 もう一つのスペースならヤバかったかも。 ちなみに、上には大きめのテントが設営されていた。
続く《3日目》の行程は、『名峰次選 第97回 蝙蝠岳 act 1』にて
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