2013-08-24 (Sat)✎
『日本百景』 晩夏 第85回 鋸岳 act 1 〔長野県・山梨県〕
できれば、こんな情景を見たかった
六合石室より魅せられた鋸岳夕景
この前の『路線の思い出 第22回』で記した通り、テント・ピッケルの登山用具一式を担いでのオチャメな○鉄旅もどきとなった因縁の山。 そしてその年の秋には、秋のつもりが冬の様相を呈して断念と相成った上に、小吹雪の頂上ビバーク敢行というオチャメ山行となっちまった遥かな山。
その遥かな山に、台風の接近を把握しないなど“かかり気味”にリベンジにやってきたなら、やっぱり“オチャメ”な目にあってしまった。 普通なら批判必至のオチャメの数々と、オチャメを克服して見事!?リベンジを果たしたドタバタ山行記でっす。 長くなりそうなので、今回のact 1は、台風接近の中での山中沈殿という“オチャメ編”おば・・。 なお『お約束』として、決して筆者のマネはしないようにしましょう。
行程記録 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 伊那市街(バス0:50)→戸台よりバス(バス1:00)→北沢峠
《2日目》 北沢峠(1:30)→赤河原分岐(0:40)→角兵衛沢出合(2:30)→大岩下ノ岩小屋
《3日目》 大岩下ノ岩小屋にて沈殿・・
《4日目》 大岩下ノ岩小屋(2:30)→鋸岳・第一高点(2:30)→大岩下ノ岩小屋
《1日目》 伊那市街(バス0:50)→戸台よりバス(バス1:00)→北沢峠
《2日目》 北沢峠(1:30)→赤河原分岐(0:40)→角兵衛沢出合(2:30)→大岩下ノ岩小屋
《3日目》 大岩下ノ岩小屋にて沈殿・・
《4日目》 大岩下ノ岩小屋(2:30)→鋸岳・第一高点(2:30)→大岩下ノ岩小屋
(1:35)→角兵衛沢出合(2:30)→戸台川ゲート〔ヒッチハイク成功〕→戸台
(バス0:50)→伊那市街
※ 前回『第84回 大岩下ノ岩小屋』からの続きです。
《3日目》 伝説の山小屋で沈殿
さて、台風4号であるが、昨日の夜6時の天気概況では、未だ下関の北150kmの日本海海上を彷徨ってるとの事。 これよりは、当時の筆者の心の会話である。 「ちょっと待て」、「済州 チェジュ 島からチョーセンに行くんじゃなかったのかよ」、「気象庁め・・、70%を外しやがったよ」、「日本海を縦断して、佐渡島でシンカーをかけて上陸する『絨毯爆撃コース』を取っとるがね」。
さて、台風4号であるが、昨日の夜6時の天気概況では、未だ下関の北150kmの日本海海上を彷徨ってるとの事。 これよりは、当時の筆者の心の会話である。 「ちょっと待て」、「済州 チェジュ 島からチョーセンに行くんじゃなかったのかよ」、「気象庁め・・、70%を外しやがったよ」、「日本海を縦断して、佐渡島でシンカーをかけて上陸する『絨毯爆撃コース』を取っとるがね」。
台風に向かって
雨雲がドンドン引っ張られて
となると、かなり旗色が悪くなる。 「何が?」って、台風接近時に山の懐にいるっていう事が・・である。 「あぁ、またオチャメをかましてしまったぜ」と顔に縦線を作ってみせるが、状況としては『ちょっとヤバめ』なのである。 台風直撃なら稜線上は間違いなく暴風雨だし、下るにしても雨なら沢が増水してヤバめ・・だし、庇が深いとは言え半分露出した岩小屋で暴風雨に遭うのはちょっとヤだし・・と、笑える位にヤな事が頭に浮かんでくる。
でも、うろたえても仕方がないので、明日朝4時半時点の天気によって『降りる』か、『行く』か、『留まる』かを決めようという事で寝た。 まぁ、この状況で昼寝2時間を加えて10時間寝れるのだから、ワテって偉大なのかもしれないね。 で、運命の翌朝4時の目覚ましが鳴った。
山の上はきっと暴風雨だろうね
霧雨が降っている。 取り敢えずシュラフをたたんで、どっちでもつける状態を作り出す。
30分ほど経って、空の判別が適う位には明るくなってきた。 そこで、この岩小屋を形成する巨大な岩盤の上を見上げると、山の上部はドス黒い雲で覆われて、上の木々がユサユサと揺れてるような気がした。 たぶん、ドス黒い雲の中は暴風雨となって、木々が激しく凪っているのだろう。 これを目にして、「まぁ、無理ですね」という答えが出た。
取り敢えず『今日のピークハントはナシ』という結論となったので、残るは『明日に賭ける』か、『引き上げる』かとなった。 引き上げるにしても、『ピークハント断念』という後向きの結果を背負って夜明け直後の薄暗い雨の中を降りるのはチト侘しいので、様子見と称してテントの中で二度寝する。
沈殿で退屈なので
『伝説の岩小屋に咲く花の宴』でも・・
タカネビランジ?
起きると9時半だった。 空を見ると、山の上部を覆うドス黒い雲はそのままで、霧雨から雨に変わっている。 でも、台風の雨というような強い降りではなく、通常の雨であった。 で、ラジオをつけると、高校野球がやってるでないか。 何でも、甲子園は雨の為に1時間試合開始を順延したらしい。
と言う事は、AM9時の時点で、雨雲は兵庫県より東の位置にある事が示されたのである。
オオシシウド
ラジオの高校野球中継で1時間毎に道路情報と台風情報を流していたが、朝9時の時点で能登半島・輪島の北を毎時40km/hで“航行中”だそうである。 これを耳にして、「コリはいい方に転ぶと、明日は台風一過の寿の空となりますねぇ」とテントの中でホクソ笑む。 コレで決まった、今日一日テントの中で『沈殿』です。 『沈殿』で台風をやり過ごそう。
ウスバキスミレ
高校野球を聞きながら毎時の台風情報を仕入れる。 台風情報では、「台風の南東部とその下に延びる停滞前線に発達した雨雲が発生して、これに被る地域は200mmを越える豪雨に見舞われるので土砂災害への警戒を・・」と説く。 それを耳にして、「ここで土砂災害になったら、100%当選して『額縁の人』だねぇ」と、ゴロゴロしながら他人事の様に呟く。
ウメバチソウ?
幸い台風は佐渡島より北側を通り、シンカーをかけずにスライダー程度の曲がりで秋田まで日本海海上を進み、その下に延びる前線も、新潟・長野県境から上信越に延びていたみたいだ。 また、近畿に雨をもたらした雨雲も太平洋上に出たようで、ワテの沈殿する鋸岳周辺は、雨雲を引っ張ってきた低圧部に四方を囲まれてポケット(高圧部)を形成したみたいだ。 何と、15時半過ぎには薄っすらと日が差した位だったし。
ツリガネシャジン
何でも、東海の静岡で150mm、新潟で250mm、群馬県で180mm、東北・北海道で250mmの大雨が降ったそうである。 でも、ワテのいる鋸岳周辺は総雨量は10mm未満で、午後からは時折薄日の差す曇り状態。 そして、昨日にTシャツを乾かしていたので、臭いけど濡れてないので不快さはない。
フッフッフッ、なかなか悪運が強いですなぁ、ワテ。 でも、雨に降られて山で沈殿なんて、『ノストラダムスのあの時』以来だねぇ。 あの時は、沢で三日三晩(真剣に三日三晩でした、ハイ)雨に降られてカンズメに遭ったが、あの時の状況で何をしたか・・を思い出したよ。 やはり、ヤバい状態に追い込まれた時は『能天気』が一番! こういう時は、慌てふためいてもロクな事がないのである。
フッフッフッ、なかなか悪運が強いですなぁ、ワテ。 でも、雨に降られて山で沈殿なんて、『ノストラダムスのあの時』以来だねぇ。 あの時は、沢で三日三晩(真剣に三日三晩でした、ハイ)雨に降られてカンズメに遭ったが、あの時の状況で何をしたか・・を思い出したよ。 やはり、ヤバい状態に追い込まれた時は『能天気』が一番! こういう時は、慌てふためいてもロクな事がないのである。
キンコウカ?
こうして、薄日が差した時に岩清水で水浴びをした・・など、時々は外に出て屈伸運動をしたが、ほぼ24時間をテントの中で過ごす。 高校野球も4試合完全中継を聞く。
高校野球中継の合間に流れた気象情報では、注目の台風は夕方の5時に秋田に上陸し、東北・北海道の土砂災害を起こす・・という事である。 前線も台風に引っ張られて、大雨のラインを北関東以北へ引き上げている。 予定通り、明日は台風一過の『寿の空』となりそうだ。 願わくば、余りにピーカン照りになって暑くなり過ぎないようになってくれれば・・と。
明日の朝の天気を
ちょっとお先にかい摘み
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