風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰百選の山々 第99回  利尻山

名峰百選の山々 第99回  『1 利尻山』   北海道
独立峰(利尻礼文サロベツ国立公園) 1719m  コース難度 ★★  体力度 ★★★
 

海上に浮かぶ白峰・利尻山
 
   利尻・礼文・サロベツ りしり・れぶん・サロベツ (利尻礼文サロベツ国立公園)
花の浮島、花の頂、花の大湿原・・。 花の国立公園・利尻礼文サロベツは見どころがいっぱいだ。 
礼文島では、トド島探検や、エーデルワイス・レブンアツモリソウなどの珍種の咲く西海岸8時間コース、巨岩全体がお花畑となる『桃岩』など。 

サロベツでは、エゾカンゾウの咲き乱れるサロベツ大平原や、利尻富士を眺める丘などがお薦めだ。 
利尻島では、利尻山を映すオタドマリ沼。 そして、最大の見どころは、やはり利尻山 1719メートル だろう。
 
山からの眺望は元より、山頂付近に咲く花・花・花・・。 エゾノハクサンイチゲ・チシマフウロ・リシリリンドウ・ミソガワソウ・イワギキョウなど、色々な色彩の花が咲き乱れているのである。
 

 

利尻山・鴛泊登山ルート 行程図 
 
    行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
利尻島・鴛泊(0:50)→三合目・甘露泉(3:00)→長官山避難小屋
(1:40)→利尻山(1:10)→長官山避難小屋(2:00)→三合目・甘露泉(0:45)→利尻島・鴛泊
 

チシマフウロ

利尻島に渡ったなら、是非とも“花の峰”・利尻山に登ってみよう。 この山は標高はさほど高くないが、海抜ゼロメートル地点から登るので、登りきって頂上一帯に咲き乱れる花々を見たときの気分も格別だ。 
 
しかし、往復10時間近くかかるので、出発は早朝とせねばなるまい。 いくら登山の為といっても、海岸沿いの宿からそう早くは出発し辛いであろう。 従って、ここは三合目の《甘露泉》にあるキャンプ場をベースに登るのがベターであろう。
 

利尻山山頂付近に咲く花
花の名は不詳

他の方法として、前日に《長官山避難小屋》まで登り、翌日に御来光を見て下山という2日がかりの方法もあるが。 それでは、登ってみよう。 海際の集落から、三合目の《甘露泉》までは舗装道路が続く。 
舗装道路の急坂を登りつめていくと、《甘露泉》のキャンプ場に着く。 この奥に、《甘露泉》の清水が流れている。 
 
この泉は、日本の『銘水百選』に指定された清水として有名だ。 この清水を味わったなら、水筒にもたっぷりと補給していこう。 ここから先は水場がないので、充分に持っていく事を心掛けた方がいいだろう。
 
《甘露泉》からは山道となり、始めの内は旧道や《姫沼》への散策道が入り混じって少々判り辛いが、やがて樹林帯の中の一本道となり樹海のトンネルの中を黙々と登っていく。 この登りは展望も利かず、なおかつ風も吹かない暑くて辛い登りだ。 これが延々3時間続くのだから、登山慣れしていない人は、長官山辺りでヘバッて断念という事も有り得るのだ。
 

ウコンウツギ

やがて樹林帯を抜け、ハイマツ交じりの岩場を登るようになる。 それに伴って、展望も開けてくる。 
ここまでくると、長官山まではあとひと息だ。 花もミソガワソウやチシマギキョウがチラホラと見え出し、山慣れをしていて息の上がってない人には快適な登り道となる。 この岩場を2つ程乗り越えると、避難小屋の建つ長官山 1218メートル の丘の上に立つ。 ここから見上げる利尻山は、山頂からえぐったような土砂崩れの大きな筋を落としている。 

ここからは、このルンゼ状の土砂崩れの中をロープ伝いに登っていく。 登りは滑りやすい急傾斜なのだが、周りの斜面に広がる草地には、お花畑が七色に咲き競っている。 これらを見ながらの楽しい登りである。 ヨツバシオガマ・リシリリンドウ・エゾノハクサンイチゲ・チングルマ・コバイケイソウなどが七色に大地を飾る中、ルンゼを上までつめていくと、岩礫が積み重なった小狭い丘に立つ。
 

山頂直下に広がるお花畑
 
ここは『沓形コース』の分岐点である。 下の宿泊地に拘束されないのなら、下山はこのコースを下るのもいいだろう。 また違った角度から望む利尻山も、捨て難いものがある。 但し、五合目の《見返台公園》から、延々7kmの車道歩きを強いられるのが難点であるが。
 
この分岐から、なおも続く岩ガレ場をロープ伝いに登っていくと右手に大岩が見えて、この大岩を下方に見下ろすまでに登りつめると、頂上丘の上に出る。 後は、トラバース気味に緩やかな坂を200m移動すると、小さな祠のある利尻山 1719メートル の頂上である。
 

利尻山山頂にて
わ・若い・・

頂上からの眺めは言うまでもなく雄大で、北の海に浮かぶ『礼文島』は元より、足元から切れ落ちる岩稜や断崖が壮絶な光景を魅せている。 また、すぐそばにある《ローソク岩》もずんぐりとした容姿が印象的だ。 もちろん、周りは一面のお花畑で、特にエゾノハクサンイチゲの群落の中にひっそりと咲いているリシリリンドウの濃い群青色が目を引く。
 

             エゾノハクサンイチゲ          リシリリンドウ

“花の浮島”にそびえる“花の峰”を充分楽しんだなら、下山に取りかかろう。 
下りは往路を戻るが、砂ガレで滑りやすいので、くれぐれも花に見とれて転倒などせぬよう注意したい。
 
下山をし終えて《鴛泊》に着く頃にはきっと夕暮れとなっていて、山の景色と海原に落ちる夕日との2つの素晴らしい情景を味わう事ができるだろう。 この2つの絶景を望めたなら、もう言う事なしである。
 

山から下りて
海岸で美しい夕日を見る
贅沢な山旅のフィナーレを演出しよう

   ※ 詳しくはメインサイトより『利尻・礼文・サロベツ<3>』を御覧下さい。
 
 

 


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