風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰百選の山々 第96回  岩手山

名峰百選の山々 第96回  『15 岩手山』  岩手県 独立峰(十和田八幡平国立公園) 2039m
コース難度 ★(直登ルートは★★★) 体力度 ★(直登ルートは★★)
 

夕空に端正なシルエットを魅せる岩手山
 
  岩手山 いわてさん (十和田八幡平国立公園)
その美しい山容から、『南部富士』と呼ばれている岩手山 2038メートル の見どころは、『焼走溶岩流』とその付近に立つ樹氷林であろう。 季節は秋がいい。 山頂には新雪をまとった白い姿を、中腹はダケカンバ・ナナカマドなどの木々が紅や黄色に染めて、山裾は黒い溶岩流と、山が3色のストライブを魅せてくれる。 
 
このコントラストが大変美しいのである。 また、夏の花も魅力的だ。 頂上付近のコマクサの大群落は、山の斜面をピンク色に染めて壮観だ。
 

 

岩手山・焼走ルート 行程図
 
   行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報
JR大更駅よりタクシー利用(0:30)→焼走キャンプ場(1:15)→噴火口
(1:20)→平笠不動避難小屋(1:00)→岩手山(0:35)→平笠不動避難小屋
(2:10)→焼走キャンプ場よりタクシー利用(0:30)→JR大更駅

岩手山には数多くの登山道が開かれているが、ここは表題でお薦めした『焼走コース』を使って登頂してみよう。 このコースは、登山口までバス路線がなく、アプローチはやや不便だ。 
手っ取り早く山頂へ行くならば、表山道の『柳沢コース』を使うといい。
 
だが、岩手山の魅力を味わいながら登るには、この『焼走コース』はうってつけのコースだ。
早発は、山行の成功の条件だ。 朝早く出発する為にも、前日に登山口まで入っておこう。
なお、《焼走登山口》は設備の整ったキャンプ場となっているので、利用するといいだろう。
 

登山道の前半を飾る
イワブクロ

さて、駐車場の奥にある登山口から登っていく。 始めは、傾斜が全くない遊歩道のような道を行く。 
周りは、溶岩流の黒いゴツゴツした堆積土砂に、長年の年月を経て再生したであろう樹木林が上や横から植生して並木道を形成している。 やがて、この平坦な道は尽きて、ルンゼ状にほじくれた粘土質の坂道となっていく。 

この坂道の傾斜がキツくなると、樹林帯を抜けて周りが明るくなる。 道も、溶岩流のザラザラの堆積土砂の上を直に登るようになる。 このザラザラの登りにくい急坂をしばらく耐えると、展望のすごぶる良い《噴火口》に着く。
 

焼走溶岩流の噴火口からの展望
 
ここは溶岩流の頂点で、ここから下に向かって溶岩流が扇状に広がっている。 《八幡平》の高原が広がる好展望を望みながらの絶好の休憩場である。 ひと休みしたなら、登り始めよう。
 
ここからは、山腹を斜めに切るように登っていく。 そして夏ならば、山肌をピンクに染めるコマクサの大群落が目を虜にする事だろう。 このコマクサの咲き乱れる大斜面は、約1kmに渡って続く。 
このコマクサの大群落が途切れる頃、道は二股に分かれる。 ここは、下方の道が正規のルートである。
 

岩手山といえば“コマクサ”

上方の斜面に直接取りついた踏跡は直登ルートで、今は廃道となっている。 しかし、引き続きコマクサの群落を眺め続けながら、イッキに頂上へ登れなくもないのである。 なお、この時はこの直登コースを進んでしまったので、例外的ではあるが、この廃道を登った体験を綴ろうと思う。 だが、安全登山の為にも、正規のルートを踏み外さぬように登って頂きたい。
 

コマクサが大地の至る所に

直登コースは、コマクサの咲き乱れる斜面についてある踏跡を、トラバースを交えながら登っていく。 
道はザラザラの砂ザレ場で、足がめり込んで登りにくい。 これを登っていくと、やがて上方にゴツゴツした岩が見えだして、踏跡は風化して途切れがちとなる。 また、傾斜は更に増して、休憩するのも岩につかまりながらの“立ち休憩”を強いられる。 横に山肌を染めるコマクサの大群落があるのが、この辛い急登での唯一の慰みとなる。
 

山の斜面を埋め尽くす
コマクサの群落

ゴツゴツした岩が転がる砂礫地を文字通り“直登”で登っていくのだが、傾斜があまりにもキツくて、ジグザグを切ってでないと登りきれない事もしばしばである。 この急傾斜を上まで登りつめると、ひょっこりと山頂に登り着く。 あまりにも突然に飛び出るように着くので、ちょっとドギマギする。
また、正規のルートとは全く逆方向から這い上がるように飛び出るので、他の登山者からも驚かれる存在となる事であろう。
 

岩手山山頂
雨と露で荒涼としている

頂上からは、独立峰独特の素晴らしい眺めが待ち受けている事であろうが、あいにくこの日は荒天で視界は皆無であった。 下りは、さすがにあのルートは避けて、正規のルートを下っていこう。 
正規のルートは完全に整備されたいい登山道で、廃道ルートを行くより1時間は早く登頂する事ができるであろう。 だが、山中の樹林帯を切り開いた道なので、花や展望は今ひとつである。 

傾斜の程よいザレ場を下っていくと、《平笠不動》の避難小屋の立つ《平笠平》に出る。 
この立派な避難小屋は、日帰りの登山者が大方を占めるこの山ではもったいない気もする。 
でも、『焼走コース』から表山道の『柳沢口』への縦走や、《八幡平》への『裏岩手縦走路』を行くには十分利用価値が有りそうだ。
 
岩手山に咲く花々

               ハクサンチドリ         イワギキョウ

《平笠不動避難小屋》からは樹林帯に突入し、黙々と下っていく事となる。 やがて、《ツルハシ》と呼ばれる崩壊地の上を通過し、あの廃道コースとの分岐に着く。 ここからは、コマクサを見ながら往路を忠実に下っていこう。 
下山の後は、山麓のいで湯で疲れを癒そう。

    ※ 詳しくはメインサイトより『岩手山』を御覧下さい。
 
 


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