風来梨のブログ

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名峰百選の山々 第91回  五竜岳,鹿島槍ヶ岳 その1

名峰百選の山々 第91回  『50 五竜岳,51 鹿島槍ヶ岳 その1』  長野県・富山県
後立山山系(中部山岳国立公園) 五竜岳 2814m , 鹿島槍ヶ岳 2890m
コース難度 ★★★  体力度 ★★★
 

後立山の盟主揃い踏み
鹿島槍ヶ岳と五竜岳
 
  後立山連峰 うしろたてやまれんぽう (中部山岳国立公園)
秀峰・白馬岳を盟主とした後立山連峰は個性的で優れた山容を持つ名峰が多く、人気・魅力とも北アルプスではトップクラスである。
 
大雪渓と広大なお花畑を擁する盟主・白馬岳 2932メートル 、高山のいで湯とお花畑が自慢の白馬鑓ヶ岳 2903メートル 、山々の姿を映す八方沼と広大なお花畑をかかえる唐松岳 2699メートル 、武田氏の御陵菱を雪形に持つ五竜岳 2814メートル 、2つのピークが吊尾根で結ばれていて他の山から眺めてもひときわ目立つ後立山連峰のもう一つの盟主・鹿島槍ヶ岳 2890メートル など、今すぐにでも飛んでいきたい名峰がそろっている。
 

 

後立山連峰・南部縦走ルート 行程図
 
   行程表              駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR信濃大町駅よりバス(0:40)→扇沢(0:10)→扇沢出合
     (3:20)→種池山荘(0:50)→爺ヶ岳・南峰(1:00)→冷池山荘
《2日目》 冷池山荘(2:00)→鹿島槍ヶ岳・南峰(0:35)→鹿島槍ヶ岳・北峰
     (1:50)→八峰キレット(0:50)→口ノ沢ノコル(3:00)→五竜岳(0:50)→五竜山荘
《3日目》 五竜山荘(1:20)→大遠見山(1:30)→小遠見山(1:00)→地蔵ノ頭よりリフト 
     (0:05)→アルプス平駅よりテレキャビン(0:10)→山麓駅(0:25)→JR神城駅
   ※ 鹿島槍ヶ岳の積雪期を歩いた記録はコチラをどうぞ。
 

鹿島槍ヶ岳・八峰キレット・五竜岳・・
今回歩くルートを一望する
 
 《1日目》 扇沢から種池・冷池へ
シーズン中は、JR信濃大町駅5時到着の急行【アルプス】号(この列車も季節運行となってしまった)に接続して、《扇沢》行のバスが運行される。 これを利用して、朝早く登山を開始する事ができる。 
扇沢駅からは車道を少し戻り、トラス橋を渡り終えたたもとにある《扇沢出合》から『柏原新道』に入っていく。
 
この『柏原新道』は、《種池山荘》の経営者・柏原正泰氏が切り開いたことから、その功績を称えて名づけられた道だ。 以前の沢通しの道に比べると格段に楽に、そして安全に“名峰”・鹿島槍ヶ岳に立つ事ができる。 それでは、このルートを使って稜線上へ、そして“名峰”・鹿島槍ヶ岳の“二ッ耳”を極めてみよう。
 
登山口に入って尾根の末端を覆う樹林帯をジグザグに登っていくと、やがて中腹のトラバースに移る。 
これより左手が開けて、蓮華岳・針ノ木岳から岩小屋沢岳にかけての立て屏風のような主稜線や、『日本三大雪渓』の1つ・《針ノ木雪渓》が白竜の如く主稜線に突き上げているのが見渡せる。 また下を俯瞰すると《扇沢》のトロリーバス駅が点景となっていて、かなり標高を稼いでいるのが実感できるだろう。

大きなターンを数回こなすと南稜の支稜線の上に出て、シラビソやダケカンバが目立つ石畳みの道に出る。 ここは、登山道開設工事の時の石畳みの名残で、そのまま《石畳》と呼ばれている。 
ここを通り過ぎると森林限界が近づいたのか、頭上を中心に展望が広がって明るい雰囲気となってくる。
 

柏原新道より
針ノ木岳を望む
 
残雪眩しい主稜線を仰ぎながら歩いていくと、道は南稜を離れて西方へ大きく周り込んでいく。 
この南稜からの乗り換えの途中で、《扇沢》の右俣源頭を渡る。 普段は涸れ沢のトラバースだが、早い時期などは雪渓を渡る事になる。
 
やがて、迫り出した支尾根のヒダを巻き気味に登っていくと道は右に折れて草付きの斜面となり、頭上には《種池山荘》が現れる。 後は《種池山荘》に向かって、ほぼ一直線に仕切られた砂利盛りの道を登っていけばいい。 照りつける太陽と白い砂利石からの照り返しのせいか、このルートで最もキツいと思われるこの坂を乗りきると、高山植物花咲く《種池平》に飛び出す。 もちろん、《種池山荘》は目の前に建っている。
 
《種池山荘》で休憩の後、東へ進路を取ってピラミタルな山容の爺ヶ岳に向かって登っていく。 
ザラザラの砂礫地を“三歩進んで一歩めり込む”といった感じで登っていくと、頂上にケルンの積まれた爺ヶ岳・南峰の頂上だ。 はっきりした標高は示されていないが、すぐ隣の爺ヶ岳・本峰 2670メートル より高いとの事である。
 

爺ヶ岳の頂上から
残雪の剱・立山を望む

この頂からの眺めは、何といっても残雪眩しい剱岳・《八ッ峰》の眺めだろう。 
また、真下に俯瞰できる《黒部渓谷》の深く切れ込んだV字谷も目を引く事だろう。
 

雄大な“二ッ耳”を魅せる
鹿島槍ヶ岳
 
これから目指す鹿島槍ヶ岳も緑豊かで優雅な稜線の弧を描き、“二ッ耳”の独特の山姿とあいまって素晴らしい情景を魅せてくれる。 今日は、稜線が盛り上がる“付け根”の部分に乗っかかっている《冷池山荘》までの行程だ。 素晴らしい景色を満喫したなら、先に進もう。 

南峰から下って三角点のある本峰、そして北峰と稜線通しに進むルートと、これらの峰を全て巻いていくコースとある。 稜線通しのコースは、下の巻道を行くより15分程時間がかかるだろう。 
下の巻道はほとんど起伏がなく、楽に歩いていける。 但し、樹林帯なのであまりいい展望とはいえないが。 どちらを取るかはお好み次第だ。 

越中側につけられた巻道は、左へ大きくカーブしながらほぼ水平に進む。 歩いていくと、それとなしに北峰を越えて、下りにかかって樹林帯を抜ける。 足元には信濃側が切れ落ちた《冷乗越》が見えて、これを通り過ぎると頭上に《冷池山荘》が見えてくる。 この小屋のキャンプサイトは《冷池》のすぐそばだ。 今日はこの場所で、鹿島槍と剱岳・《八ッ峰》の贅沢な夕景を見ながら1日を終えよう。
 
茜色の空が魅せるもの
とびきり贅沢な眺め
 
夕日に染まる爺ヶ岳
 

徐々に空が茜色に染まりゆく
 

茜色の空と剱・八ッ峰のシルエット
 

茜色の空につつまれて
 

茜色のクライマックスの時
一日の終わりを迎える
 
  《2日目》行程以降は、次回の『名峰百選 第92回 五竜岳・鹿島槍ヶ岳 その2』をご覧下さい。
 
    ※ 詳しくはメインサイトより『後立山連峰<4>』を御覧下さい。
 
 
 
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