2013-06-23 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第72回 夕張岳 〔北海道〕
“花の峰”との称号と相容れぬ
奇怪な山容を魅せる夕張岳
芦別岳より
夕張岳 ゆうばりたけ (富良野芦別道立自然公園)
夕張山地は、富良野盆地の西にそびえ立つ非火山性の構造山塊である。 この山地で景観に優れているのは、最高峰の芦別岳 1727メートル 夕張岳 1668メートル の両主峰であろう。
夕張山地は、富良野盆地の西にそびえ立つ非火山性の構造山塊である。 この山地で景観に優れているのは、最高峰の芦別岳 1727メートル 夕張岳 1668メートル の両主峰であろう。
今回取り上げる夕張岳の魅力は、何といっても花だろう。 ユウバリコザクラ・ユウバリソウなど、『ユウバリ』名称のつくこの山の固有種が多いのも特徴の一つだ。 夕張岳の標高1500mから山頂までの登山道は、まさに“花の高原”をめぐる散歩道である。
夕張岳・前岳ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
夕張市街より車(1:00)→夕張ヒュッテ(1:00)→冷水の沢(0:45)→望岳台(0:30)→前岳湿原
(0:55)→夕張岳(1:00)→望岳台(1:30)→夕張ヒュッテより車(1:00)→夕張市街
夕張市街より30km・車で約1時間で夕張ヒュッテに着く。 シュウパロ湖を渡ってから、かなり悪路の林道となる。 この道は、至る所がえぐられて泥水の水溜りとなっているので、マイカーで行くと、まず愛車は“泥坊主”化するだろう。 くれぐれも『愛車党』の方は、愛車で行かぬように。 山行は早立ちが基本なので、前日に夕張ヒュッテに入っておくのがいいだろう。
夕張市街より車(1:00)→夕張ヒュッテ(1:00)→冷水の沢(0:45)→望岳台(0:30)→前岳湿原
(0:55)→夕張岳(1:00)→望岳台(1:30)→夕張ヒュッテより車(1:00)→夕張市街
夕張市街より30km・車で約1時間で夕張ヒュッテに着く。 シュウパロ湖を渡ってから、かなり悪路の林道となる。 この道は、至る所がえぐられて泥水の水溜りとなっているので、マイカーで行くと、まず愛車は“泥坊主”化するだろう。 くれぐれも『愛車党』の方は、愛車で行かぬように。 山行は早立ちが基本なので、前日に夕張ヒュッテに入っておくのがいいだろう。
翌朝は早く出発しよう。 夕張ヒュッテから200m程戻ると、『夕張岳まで6.7km』と示された看板の掛かる《冷水の沢登山口》だ。 登山口からは、整備された緩やかな砂利道が続く。 登山口から望岳台までは樹林帯の中を行くので、眺めは全くといってない。
単調な砂利道が途切れて、粘土質の道の急登に変わると、水場・《冷水の沢》に着く。
この水は夕張岳の湧き水で、その名の通り冷たくて美味い最高の水場である。 ここで十分補給して、再び登り始めよう。 《冷水の沢》から10分も行くと《前岳の沢》という水場があるが、この沢はあまり冷たくなく、どうやら別の沢のようだ。 この2つの水場を過ぎると傾斜だけがキツくなり、見通しの利かない樹林帯の中をただ黙々と登っていく。
ここは展望も良く、『望岳台』と呼ばれている。 『望岳台』からは、芦別岳がちょうどいい距離に離れていて山容が良く判る。 また、シュウパロ湖や夕張市街もいい眺めだ。
ここからは道は一変して、傾斜の緩やかな笹地となり、太陽がギンギンに照りつける。
これよりは、暑さで体力を消耗する“持久戦”である。 だが、これはいっときの辛抱だ。
これを乗り切ると、お花畑の広がる《前岳湿原》にたどり着く。
夕張岳に咲く五色の花々
白・・イワイチョウ
山吹色・・キンポウゲ
淡紫・・チシマフウロ
ここは湿性のお花畑で、ワタスゲやシナノキンバイが群落を成して咲いており、今までの暑さを払拭してくれる。 だが湿原なので、足元はグチャグチャの泥炭層で歩き辛いが。 《前岳湿原》からは、湿原のお花畑あり、草地のお花畑あり、砂礫地のお花畑ありと、“花の高原”散歩道となる。
ピンク・・ミヤマアズマギク 黄・・ミヤマキンバイ
紫・・ミヤマオダマキ 乳白色・・ウメバチソウ
草原のお花畑ではチシマフウロやハクサンイチゲが咲き乱れ、砂礫地ではキジムシロやイワギキョウなど低い背丈の花が満開だ。 そしてクライマックスは、《吹通し》と呼ばれる蛇紋岩の砂礫地のお花畑だ。
今までに述べた花はもとより、ミヤマオダマキ・ミヤマリンドウなどの紫系の花々、そして時期が合えば、ユウバリコザクラ・ユウバリソウといった夕張岳固有種の珍しい花々も見つける事ができるだろう。
お花畑より望む夕張岳は
特異な山容を示している
夕張岳山頂にて
《吹通し》からは、判りにくい“木切れ”の道標で《金山コース》を分けて15分程登ると、祠の建つ窪地を経て夕張岳 1668メートル の山頂に立つ。 山頂からの眺めは、夕張岳が大きな山岳地帯の中心に位置するので、日高や十勝の山なみが一度に見渡せて雄大だ。 頂上で大パノラマを満喫したなら、花を見ながら往路を戻ろう。
花を愛でながら下っていこう
ミヤマオダマキ
ミヤマアズマギク
傍らに咲くキンバイソウを絵にしてみた
途中、『望岳台』の下で直接夕張ヒュッテに下れる《馬ノ背》コースが分岐しており、この道を通って下るのもいいだろう。 但し、《馬ノ背》コースは水場がないので留意して欲しい。
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No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。
お返事が遅れてスミマセン。
花は頂上平原に余す所なく咲いている花の峰です。
また、ユウバリソウというウルップソウ亜種の固有名種もあります。 残念ながら撮れなかったですが・・。
また、登山コースとしては初心者向けで、ヒュッテから3時間程で登れます。 でも、ヒュッテまでの道が整備されているかは不明です。
私の訪れた時は、雨上がりのグチャグチャの悪路(もちろん、ダート)でしたから・・。 花の百名山で有名になったから、もう整備はされているかも・・です。
お返事が遅れてスミマセン。
花は頂上平原に余す所なく咲いている花の峰です。
また、ユウバリソウというウルップソウ亜種の固有名種もあります。 残念ながら撮れなかったですが・・。
また、登山コースとしては初心者向けで、ヒュッテから3時間程で登れます。 でも、ヒュッテまでの道が整備されているかは不明です。
私の訪れた時は、雨上がりのグチャグチャの悪路(もちろん、ダート)でしたから・・。 花の百名山で有名になったから、もう整備はされているかも・・です。
花もあればなおさら・・・
八ヶ岳みたいですね。