2013-06-02 (Sun)✎
日本の滝を訪ねて 第98回 早明浦の滝 〔高知県〕
四国の水瓶《早明浦 さめうら ダム》より更に吉野川を遡ると、『四国三郎』と呼称される我が国指折りの大河・吉野川を形作るべく多くの沢が、急峻な山を駆け下っているのを目にする事ができるだろう。 その沢の水が山の水を集め急峻な崖を駆け下る際に、長大な瀑布を形成するのである。
この《銚子滝》と《小金滝》もその一つで、『百名滝』に勝るとも劣らないスケールを魅せる大瀑布が山中にひっそりと勇壮な白布を掛けているのである。 “注目を浴びない大瀑布”というギャップが、何とも言えず“痛快”に感じるのである。 それでは、この小さな驚きを秘めた滝たちに逢いにいく事にしよう。
『酷道』と名高い国道439号線の沿線の中で、おそらく最も街らしい《本山町》を通り抜けると、《早明浦ダム》のダム湖の湖岸をめぐる県道17号線が分岐している。 この道をダム湖となった吉野川に沿って30km近く遡ると、両側が急峻な山に覆われた深い谷筋に分け入っていく。 吉野川もダム湖の淀みから、少しづつ瀬が早くなってゆく。
それに伴って行政区も町から村となり、道路も道幅3mの狭隘路線となっていく。
だが、ここまで流域の奥地まで分け入ると、あちらこちらで急峻な沢を駆け下る大瀑布を目にする事ができるのである。 その中でも、特に目を奪われるのが《銚子滝》と《小金滝》であろう。
夕暮れ迫る時間に追われて
ハッキリと滝を拝めなかった悔いが残る
銚子滝 ちょうしたき 落差 60m 高知県・大川村
まずは《銚子滝》であるが、県道17号線で《大川村》の中心街を通り過ぎて7~8km程ゆくと、『銚子滝・三ッ森山・平家平⇒』との看板が現れた分岐に差しかかる。 後にも先にも《銚子滝》の案内のあるのはこの場所だけなので、見逃さないようにしたい。
看板の指示通りに山あいへ入っていくと、始めはポツリポツリとある山間集落を目にするが、やがては完全な無人山野の中に道路だけが舗装された不気味な中を行く事となる。
すると、突然沢を渡るのだが、その沢をよく見やると巨大な2段瀑布が掛っているのが確認できる。
だが周囲には、滝名を示す標柱も駐車スペースもない。 あるのは、道路補修工事の作業中を示すコーンやハードルのみである。 滝を前にした付近の情景から、にわかにこれが《銚子滝》だとは信じ難かったのであるが(この滝より5km先まで、確認の為に車を走らせた)。 時間が夕暮れに迫っていた事もあり、あまりいい画像は得れなかったが、2段の流れが美しい秀麗な滝であった。
駐車スペース前から望むと
しっとりとした雰囲気を
かもし出す小滝であった
小金滝 こがねたき 落差 110m 高知県・大川村
そして、もう一つの滝である《小金滝》であるが、これは県道17号線のすぐ側にあり、こちらの方は滝名を記した案内板と駐車スペースに加えてトイレまであって、村もこの滝を観光資源として扱っているようである。 だが、この滝見スペースからは、《小金滝》の下部分の10m程の落差しか拝めない。 滝の全てを拝むなら、県道17号線に出て最寄の細い橋で《吉野川》を渡り、川の対岸から見上げるといいだろう。
県道前の駐車スペースから望む
小金滝の下部からは
これ程の大瀑布は想像できまい
落差110m・・、もしかすると直瀑系の滝では四国随一の落差を誇るのではないか・・と思われる《小金滝》の上部分を望む事ができる。 なお、下の滝前の駐車場には、《小金滝》の名の由来を示す解説が記されてあった。
それは、冬の朝に凍りついたこの滝に朝日が差し込むと、黄金色に輝く事からそのように呼ばれるようになったらしい。 この案内板を目にして、「何とも壮大な情景を秘めた滝なのだな」と感じ入ったのである。
『早明浦の滝』を御覧ください。
- 関連記事
スポンサーサイト
No title * by 風来梨
リカさん、こんにちは。
お返事が遅れましてスミマセン。 土日以外の返信が難しい環境にいますので御容赦下さい。
確かに、雨が降ると『一夜滝』が生まれそうな急峻な地形ですね。
それと、アメガエリの滝は道に迷って行き方が解らず撤退してしまいました。 ですので、また次回に訪ねてみようかと。
高知県では、やはり秋の御来光ノ滝が断トツですね。
このブログの『滝を訪ねて・西日本編』の第39回で取り上げていますので、宜しければ・・。
URL
http://blogs.yahoo.co.jp/furai58/7220404.html
お返事が遅れましてスミマセン。 土日以外の返信が難しい環境にいますので御容赦下さい。
確かに、雨が降ると『一夜滝』が生まれそうな急峻な地形ですね。
それと、アメガエリの滝は道に迷って行き方が解らず撤退してしまいました。 ですので、また次回に訪ねてみようかと。
高知県では、やはり秋の御来光ノ滝が断トツですね。
このブログの『滝を訪ねて・西日本編』の第39回で取り上げていますので、宜しければ・・。
URL
http://blogs.yahoo.co.jp/furai58/7220404.html
この辺りではアメガエリの滝が一番好きです。楽しみにしています。