2011-02-16 (Wed)✎
名峰百選の山々 第13回 『78 悪沢岳』 静岡県 荒川山系(南アルプス国立公園) 3141m
コース難度 ★★ 体力度 ★★★
悪沢岳の山頂部
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 静岡市街より車(2:30)→畑薙第一ダム(4:40)→椹島
《2日目》 椹島(3:20)→蕨段(2:00)→千枚小屋、千枚岳へは往復1時間20分
《3日目》 千枚小屋(0:45)→千枚岳(1:30)→悪沢岳(1:30)→荒川中岳(0:25)→荒川前岳
(1:10)→荒川小屋
《4日目》 荒川小屋(0:40)→大聖寺平(1:45)→赤石岳(2:00)→百間平
さて、この荒川・丸山を越えると稜線はガレた岩場となって、そのまま悪沢岳の頂上まで続いている。
鎖場ではないが浮石はやたら多く、先程の鎖場よりよっぽど歩き辛い。 このガレ地帯を左へ周り込むように登っていき、突き刺さるように立つ大きな岩の門を“へつる”ようにくぐると、岩のオブジェが立ち並ぶ悪沢岳 3141メートル。 “憧れ”の峰の頂上だ。
《1日目》 静岡市街より車(2:30)→畑薙第一ダム(4:40)→椹島
《2日目》 椹島(3:20)→蕨段(2:00)→千枚小屋、千枚岳へは往復1時間20分
《3日目》 千枚小屋(0:45)→千枚岳(1:30)→悪沢岳(1:30)→荒川中岳(0:25)→荒川前岳
(1:10)→荒川小屋
《4日目》 荒川小屋(0:40)→大聖寺平(1:45)→赤石岳(2:00)→百間平
(0:50)→百間洞露営地
《5日目》 百間洞露営地(1:30)→大沢岳(2:00)→兎岳(2:30)→聖岳、奥聖岳へは片道20分
(1:50)→聖平
《6日目》 聖平(2:20)→上河内岳(1:30)→茶臼小屋(1:45)→柿窪沢小屋
《5日目》 百間洞露営地(1:30)→大沢岳(2:00)→兎岳(2:30)→聖岳、奥聖岳へは片道20分
(1:50)→聖平
《6日目》 聖平(2:20)→上河内岳(1:30)→茶臼小屋(1:45)→柿窪沢小屋
(1:00)→ウソッコ沢小屋(1:30)→畑薙大吊橋(0:50)→畑薙第一ダムより車
(2:30)→静岡市街
※ 《1日目》及び《2日目》は、『名峰次選 第13回 千枚岳』を御覧下さい。
『富岳百景』
かぎろいの空に浮かぶ富士
《3日目》 荒川三山をめぐって荒川小屋へ
この日は、美しい御来光を望める最高の天気であった。 やはり、美しい風景を魅ながらゆく山旅はこの上なく楽しい。 さて、空がかぎろい色に染まる中、早発しよう。 今日の行程は、《荒川小屋》までの5時間半と特段に時間に追われる訳でもないが、山に登ってきたからには、朝日が山を輝かす素晴らしい情景を目にしたいものだ。 これが早出の理由である。
さて千枚岳へは、小屋の脇から延びる登路を登っていこう。 登り始めからいきなりハイマツ帯のジグザグ急登だが、かぎろい色に染まる空の中で美しいシルエットを魅せる富士山の姿には言葉抜きに感動させられる。 ここから望む富士の姿が、私の一番の“お気に入り”である。 しばらく立ち止まって、“お気に入り”の風景を心ゆくまで味わおう。
さて千枚岳へは、小屋の脇から延びる登路を登っていこう。 登り始めからいきなりハイマツ帯のジグザグ急登だが、かぎろい色に染まる空の中で美しいシルエットを魅せる富士山の姿には言葉抜きに感動させられる。 ここから望む富士の姿が、私の一番の“お気に入り”である。 しばらく立ち止まって、“お気に入り”の風景を心ゆくまで味わおう。
朝の光を浴びると
野の花は宝石となり輝き始める
朝日の放つ輝きは、山の景色だけではなく周囲に散らばる花々にも“感動”を与えてくれる。
光を浴びて黄金色に輝く花、朝露の宝石を輝かす花、風にそよぐチングルマの黄金の実。 五色の花々が日の光を浴びて輝き、七色に十色に変わる様にも言葉に尽くせぬ“感動”がある。 素晴らしき景色の中、あまりにも短い45分はあっという間に過ぎ去って、千枚岳 2880メートル の頂上へ登り着く。
南アルプスの魅力は
深く連なる山なみにある
千枚岳からの眺めは言うまでもなく雄大で、朝の爽快な空の下、北は塩見岳へ連なる山なみ、東のまだうっすらとピンクの残る空と富士山、西はこれより登る悪沢岳、そして南は巨大な山塊で文字通り“山”を魅せてくれる赤石岳・・と名峰が目白押しだ。 この贅沢なパノラマを満喫したなら、いよいよ“憧れ”の峰・悪沢岳にアタックしよう。
朝日にほのかに染まる
南アの盟主・赤石岳
千枚岳を越えると、ガレた細い稜線の南側を“へつる”ように越えていく。 ここは、この行程唯一の鎖場で、岩目に沿って鎖と鋲が打ち込んである。 しかし、鎖を使わずとも難なく通過できるので心配はない。
この鎖場を越えると広い草原状の尾根歩きとなり、高山植物も豊富になってくる。 辺りの斜面は白や黄色の“花のじゅうたん”で染め上げられ、また山の名物“ドン鳥”こと雷鳥も、その行動で楽しませてくれる。 まるまると太った体で、うろちょろしている雷鳥達。 岩につまづいたり、ハイマツの根に引っ掛かったり・・と、真に鈍臭い。
「山を見つめて何を想う」と
問いかけると叙情的だが
実は「何も考えてなかったりして」
という感じである
その他、ヒナのことなど“どこ吹く風”の如く、人が近づこうが“ボーッ”と赤石岳を見つめている姿には、野生であることを忘れているのか・・と心配に思える程である。 まぁ、赤石岳を見つめる雷鳥は、カメラアングルとしては絵になるが。
さて、この草原状の尾根を登りつめていくと、今日最後の3000m峰・荒川丸山 3032メートル の頂上に出る。 この山は悪沢(本当にこの名の沢は存在する)源頭に位置する山で、地理学上でいう『悪沢ノ頭』・・、つまりこの山こそ正式な『悪沢岳』であるのだ。 だが、“学術”のみでは語れないものがある。
さて、この草原状の尾根を登りつめていくと、今日最後の3000m峰・荒川丸山 3032メートル の頂上に出る。 この山は悪沢(本当にこの名の沢は存在する)源頭に位置する山で、地理学上でいう『悪沢ノ頭』・・、つまりこの山こそ正式な『悪沢岳』であるのだ。 だが、“学術”のみでは語れないものがある。
それは“夢”であり、“憧れ”であり、“ロマン”であろう。 従って、私も荒川・東岳(悪沢岳の正式名称)のことを『悪沢岳』と呼びたい・・と思う。 “憧れ”の念を抱く山が『東岳』のみでは、あまりにも平凡過ぎるから。
学術上は手前の丸山が悪沢の源頭と
いう事で『悪沢岳』となるが
山へ寄せる岳人の思いは
それを越えた所にあるのだ
さて、この荒川・丸山を越えると稜線はガレた岩場となって、そのまま悪沢岳の頂上まで続いている。
鎖場ではないが浮石はやたら多く、先程の鎖場よりよっぽど歩き辛い。 このガレ地帯を左へ周り込むように登っていき、突き刺さるように立つ大きな岩の門を“へつる”ようにくぐると、岩のオブジェが立ち並ぶ悪沢岳 3141メートル。 “憧れ”の峰の頂上だ。
若かりし頃のワテ
この時は体力があったなぁ
と思い返して涙する
頂上は狭く、幅は5m程しかない。 その中央にある岩塊に、『東岳』や『悪沢岳』と書かれたプラカードや、山岳部の持ち込んだリボンが無数に置かれている。 先程にも述べた通り、ワテは“悪沢岳”派なので、『悪沢岳』と書かれたプラカードを持って“アリバイ写真”を撮ろう。
少し雲がかかっている方が
見栄えがいいね
悪沢岳頂上より赤石岳
さて、悪沢岳からの眺めであるが、何といっても深い谷筋を刻んで盟主たる姿を示す赤石岳が印象的である。 また花の風景は、この悪沢岳よりが最高潮となる。
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No title * by 風来梨
オータ様、こんばんは。
昭和43年というと、まだ大井川東俣林道(畑薙ダムから二軒小屋に至る林道・今は半分舗装されバスが通っている)が道路造成中でした。
そして、メインルートは転付峠越のエグイルートだったようです。
私は行った事ないですが、何でも峠越えは命がけだったそうで・・。
そして、私が最初に行った平成の始め位は、前の千枚岳の項目でも記した通りロッジ宿泊者以外はバスに乗れなくて、この林道を15km歩かされたものでした。
でも、今は歩く人など皆無、転付峠越えも好き者が行く位で、椹島ロッジは一大登山基地になってますね。 バスも3000円払えば乗せてくれます。 二度目以降の私は、もちろんバス乗車で、初日からテントもしんどいので無人小屋泊まりでした。
転付峠越えは、悲しいかな・・もう遠く昔の出来事となってしまいました。
昭和43年というと、まだ大井川東俣林道(畑薙ダムから二軒小屋に至る林道・今は半分舗装されバスが通っている)が道路造成中でした。
そして、メインルートは転付峠越のエグイルートだったようです。
私は行った事ないですが、何でも峠越えは命がけだったそうで・・。
そして、私が最初に行った平成の始め位は、前の千枚岳の項目でも記した通りロッジ宿泊者以外はバスに乗れなくて、この林道を15km歩かされたものでした。
でも、今は歩く人など皆無、転付峠越えも好き者が行く位で、椹島ロッジは一大登山基地になってますね。 バスも3000円払えば乗せてくれます。 二度目以降の私は、もちろんバス乗車で、初日からテントもしんどいので無人小屋泊まりでした。
転付峠越えは、悲しいかな・・もう遠く昔の出来事となってしまいました。
昭和43年のガイドブックを持っているのですが、この頃のルートはたいへんだったようですね。一日目は転付峠越えで二軒小屋泊、二日目は未明出発で千枚から一気に荒川三山を踏破して、荒川小屋まで一日で至るとてもハードな日程になっていました。