2013-04-20 (Sat)✎
『路線の思い出』 第4回 予土線・深田駅 〔愛媛県〕
長閑な田園風景の中をゆく
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数 (’83)
北宇和島~若井 76.3km 704 / 692
運行本数
窪川~宇和島 下り7本・上り6本 江川崎~宇和島 下り1本・上り2本
近永~宇和島 下り4本・上り5本 江川崎~窪川 上り1本
深田駅(ふかたえき)は、愛媛県北宇和郡鬼北町内深田にあるJR四国・予土線の駅である。
単式ホーム1面1線を有する駅で、国鉄時代には木造駅舎があったが撤去されている。
現在は駅舎はなく、出目駅や大内駅などと同様のデザインの待合室が設置されている。
駅前には駅舎を撤去した跡が残っていて、無人駅となっている。 2015年の1日平均乗降人員は18人との事。
この路線に乗ったのは、もう30年以上も前の“初めての本格的!?な鉄道旅行”を敢行した中学生の時だ。 その当時は周遊券が健在な頃で、大阪から四国のワイド周遊券は、確か10日間有効で特急は乗れないが急行は乗り放題で、値段は中坊の小僧でも手が出る8000円だったのである。
物価の事もあるだろうが、今と比べれば破格の切符だったのですね、周遊券は。
中坊の小僧は小遣いを叩いて買ったこの切符を握り締め、ある野望で頭を膨張させていた。
それは、10日間で四国全線完全乗車である。 この旅を突き詰めれば長くなるので、今回は予土線に限っての思い出を語る事にするが、この初めての旅行は図らずとも、偉大な足跡!?を残していたのである。 そ・れ・は・・、広島の仁方港と愛媛の堀江港を結ぶ仁掘航路を使って四国に入っていたのである。
その仁堀航路の遺品!?は、残念ながら出費を惜しむ中坊の小僧ならではの思考により、乗船券を周遊券で代用してしまったのである。 もし、持っていたら、コレクターにとってはヨダレモノの遺品!?となっていただろうけど。
話は脱線したが、当時の四国は予讃本線に急行【うわじま1号】と、土讃本線に快速・中村行の2本の夜行列車があって、この列車は“周遊券万歳”の列車だったのである。 つまり、金の無い小僧にとっては、宿代わり+移動手段となっていたのである。 まぁ、これをフルに使って中坊の小僧が『乗り潰し+オマケの鉄道撮影』の旅行をすると、当然10日間風呂に入らないで列車寝の汚らしい旅となるのは必定だが。
まぁ、小僧に風呂の事まで知恵は回らないし。
さて、その何日目だったか忘れたが、高松から急行【うわじま1号】に乗って、当時盲腸ローカル線だった内子線に立ち寄ってから訪れたのが、今回の予土線である。 取り敢えず路線完乗が主目的(だが、チャレンジ20000kmのように駅アリバイ写真は撮ってない)で、ついでに列車の撮影も・・という、撮影に関しては軽いノリであった。
宇和島駅で待ち受けていた予土線の列車は
当時の旧型気動車の中でも
ひと際ボロいキハ55であった
だからであろうか・・、撮り鉄なら予土線というと四万十川に沿った区間を想定するだろうが、中坊ゆえに何も考えていなかったし、路線に対しての予備知識もなかった。 ただ、『時間的に撮影が叶いそうな所』として選んだのが、今回の深田駅である。 周囲は長閑な田園風景で、中坊が適当に撮るにはいい所だったようだ。
深田駅に入るキハ58
当時のキハ58は
バリバリの新型車であった
:
そ・れ・と・・後ろの屋敷のような
旧家にも目が行くね
そこで撮った中の寄り抜き写真を掲載するが、こういう写真を撮らせると昔の中坊の頃の方が上手かった!?ってな感じである。 柔らかな早春の日差しを受け、中坊なりに楽しいひとときを過ごしたようである。
夕日を浴びてキハ22がゆく
:
この手の写真は確実に
あの頃の方が上手かった
だからか・・、四万十川に寄り添う肝心の景勝区間はかなり記憶が薄いが、この区間はおぼろげに覚えている。 やはり、実際に駅に降りて歩き回った記憶は、より鮮明となるものである。
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No title * by 風来梨
風旅記さん、こんばんは。
実は私も、この区間は記事で書いた中学生の時に訪れたのみですね。
当時は高松~宇和島に夜行急行が運行されていましたので、夜行でたどり着いた事もあって、下車した深田付近以外は、ほとんど寝ていたと思います。
でも、田舎の原風景が広がってましたね。 時が30年以上経った今、田んぼが夕暮れの斜陽に輝いたあの原風景はどうなっているのでしょうか? そんな机上の空想も旅の楽しみですね。
実は私も、この区間は記事で書いた中学生の時に訪れたのみですね。
当時は高松~宇和島に夜行急行が運行されていましたので、夜行でたどり着いた事もあって、下車した深田付近以外は、ほとんど寝ていたと思います。
でも、田舎の原風景が広がってましたね。 時が30年以上経った今、田んぼが夕暮れの斜陽に輝いたあの原風景はどうなっているのでしょうか? そんな机上の空想も旅の楽しみですね。
予土線にはもう何年も訪ねていませんが、学生の頃から暫くは、毎年のように列車に揺られていました。
予土線を訪ねると、四万十川を望み列車が高速で走る、窪川から江川崎までの区間ばかりに注目して(確かに四万十の雄大な風景は実に魅力的です)、江川崎から宇和島までの区間は気づけば寝てしまっていたり、そもそも行かなかったりしていました。
今になって、その、今までよく見てこなかった区間が気になっています。これといった特徴はないかもしれませんが、ローカル線の極みのような風景も、ちゃんと見ておきたいと思い始めています。
遠方でなかなか行けませんが、今日はこちらでお写真を拝見して、楽しませて頂きました。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/