風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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日本の滝を訪ねて 第93回  南伊勢の不動滝

日本の滝を訪ねて  第93回  南伊勢の不動滝  〔三重県〕
 
  南伊勢の不動滝  南伊勢町周辺に潜む不動滝を訪ねて・・
   アプローチ     伊勢道・伊勢ICより、三重県道12号線を南へ約25kmで南伊勢町へ
 

岩間に美しい白布が掛かる

  東宮不動滝 とうぐうふどうたき  落差15m  三重県・南伊勢町
三重県・南伊勢町を通る国道260号線を旧南島町エリア(’05・10に南勢町と南島町が合併して南伊勢町となった)まで進む。 途中で『河村瑞賢の里・(東宮)不動滝↓』と示されたスロープがあり、国道と分かれてこれを下る。
 

人知れず落水の音を刻み

道中、里を流れる小川に桜並木が立つ雰囲気のいい情景が広がっている。 しかし、滝で頭がいっぱいだったので、残念ながらこの春ののどかな風景は撮らずじまいとなってしまった。 小川沿いにつけられた細い道を伝うと、鳥居前で道が途切れていた。 ちなみに、鳥居前まで車で突っ込むと転回に苦労するので、200m下方の転回可能なスペースに車を止めた方がいいだろう。

鳥居をくぐると、石畳の遊歩道が滝まで続く。 『不動滝』と名のつく滝は神社神道の色合いが濃く、遊歩道も御神体である滝までの参道として綺麗に掃き清められていた。
 

横から撮ると味ある滝だ
 
滝は奥まった岩盤の真ん中より水量豊富な落水を示していた。 滝上にも遊歩道が切られており、滝の落ち口から下を眺めることもできた。 そして、滝横の岩陰にひっそりとたたずむ祠に滝神道の祈りを感じた。 無常感を漂わす落水の音だけが山峡に響き渡っていた。
 

岩陰にひっそりと祀られる祠に
滝信仰の思いを
山峡に染み入るように響き渡る滝音に
無常感を感じた
 

 

優雅な落水模様に時を忘れ

  河内不動滝 かわちふどうたき  落差 25m  三重県・南伊勢町
南伊勢の桜ロード・国道260号線を『河村瑞賢の里』よりさらに西に進むと、《河内》という集落に出る。 ここで右折して、そこを流れる小川(河内川というらしい)に沿って進んでいく。 南伊勢町にある不動滝への道程は、まだ新しい案内板が示してくれているので迷う心配はない。 うららかな桜並木ののどかな里を伝うとやがて道は未舗装道となり、滝の気配が近づく事を予感させる。

滝上部の斜瀑が
より美しい白布を魅せる

未舗装道を2km程進むと森の中に入り、『滝まで500m』と記された案内板の周囲だけ簡易舗装されている所に車を止める。 
ここからは徒歩だが、道はコンクリート舗装がされており、また傾斜もなく500mの距離の割には5~6分で滝前に着く。 滝前から流れる沢に架けられたコンクリートの棒橋を渡って右岸(上流から左右を示すので、この場合左側)から滝そばにアプローチをする。

滝つぼまで近づいて辺りを見渡すと、薄暗い山峡に一筋だけ強い日差しが差し込んでいた。 
そして滝の上部は岩を刳り貫いたような半開の岩洞状となり、美しい斜瀑となってその岩洞を滑り落ちていた。 下に鎮座する仏座岩といい、薄暗い山峡の中に差し込む一筋の強い光といい、滝上部の美しい滑め斜瀑といい、眺めていてとても不可思議な滝であった。
 

仏が鎮座するような岩に
美しい滝模様を描き
 
滝前のコンクリート棒橋から山道が切られており、滝の落ち口まで登ってみたが、足場が少し不安定だったので上の斜瀑の撮影はできなかった。 でも、上の明るい雰囲気(周囲が日の光を浴びて明るくなっている)はこの滝の雰囲気を殺ぐような気がしたので、撮らずにいて正解だと思った。
 

薄暗い山峡に一筋差し込む強い光が
神秘的な雰囲気をかもし出す
 

 

淵の平な岩に座り
水辺の遊びを
心ゆくまで堪能した
 
  朝日不動滝 あさひふどうたき  落差 35m  三重県・南伊勢町
南伊勢町を横断する国道260号を更に西へ進むと、《村山》という集落に『朝日滝不動尊』と記された案内板があり、そこを右折。 道は山麓の田園集落を見ながら、山奥に向かって延びている。
 
途中、“田畑を耕すトラクターと桜の木”など、時間をかけて訪ねてみたならいい写真が撮れそうな雰囲気の里風景の中をゆく。 時間に追われている訳でもないのに、滝に気がはやってしまってこういう所に目が向けれないのである。 つくづくもったいない事だと思う。

この滝が目に入って
一目散に駆け寄った

やがて、田畑や民家は途切れて山峡を縫う峠道となる。 道は舗装はされているものの、至る所に周囲の崖からの落石が転がる“嫌な道”となる。 特に滝不動の鳥居前のカーブでは、車を降りて石を手で除けなければならない位だった。
 
鳥居前で車を止め砂利の敷かれた坂を200m程歩くと、真新しい赤い祠とその奥に大きな斜瀑に美しいライトグリーンの滝つぼが見えてきた。 この美しい滝姿を目にして、嬉しくなって滝そばへ駆け寄る。
清らかな水に透明感のあるライトグリーンの淵。 暖かい日差しが差し込む淵の畔にて、水辺の日向ぼっこでもしながら、時が経つのを忘れてたたずむ至高の贅沢。 この滝風景は、極上のひとときを私に与えてくれた。
 

美しい水が創造する
清らかなひととき
 

落水のおりなす絹糸絵巻
 

 

やがて寄り添う運命が如く
二つの滝が一つに合わさって
 
  古和浦不動滝 こわうらふどうたき  落差 35m  三重県・南伊勢町
朝日不動滝から戻って、国道260号線を更に西へ向かうと《古和浦トンネル》というトンネルがある。 
このトンネルを過ぎるとすぐに『不動滝』の案内板がある。 案内板の指示に従って右折。
アプローチ道は今までの不動滝と違って、人里から離れていくように奥へ奥へと入っていく感じだ。
 
やがて、道は林道然となり、土床のダートを経てコンクリートで塗り固めたような駐車スペースのある車道の終点に着く。 ここからは歩きだ。

『不動滝』の案内板の指示に従って山道を歩いていく。 案内板に記されていたのは『滝まで650m』との事だが、ちょっとした起伏があり巨木の根が地を這う山道然とした道で、スニーカーだと徒歩で20分近くかかる。 やがて、滝のおりなす白い筋と滝の手前に木板の橋が見えてくる。 
滝信仰の御神体であるかを示すが如く、周囲の木々にしめ縄で結界が張られてあった。
 

寄せると更につがいの絆を感じる
真に不動ざる夫婦の滝
 
雄雌二つの白布が離れた所からゆっくりと、時と共につがいになるが如く寄り添っていく。 
今までに多くの滝を見てきたが、こんな形の滝は極々稀である。 不動滝として祀られているようだが、夫婦滝の雰囲気を大いに漂わす名瀑である。 また、滝の左岸(右側)の中腹に祠とあずま屋があり、周囲は綺麗に掃き清められて、今もこの滝が里の民に慕われている事が伺える。
 

滝の岩盤と二条の白布が
水墨画を描き
 

 

落葉で飾られた不動ノ滝
 
  棚橋不動滝 たなはしふどうたき  落差 15m  三重県・南伊勢町
南伊勢町の西端に近い《棚橋竈》(たなはしがま)という所にも不動滝がある。
『棚橋不動滝 1.2km』の案内板の指示通り右折すると、車1台がやっと通れるような舗装道が右手に切ってあり恐る恐る侵入していく。
 
事によると、今回訪ねた不動滝の中で最もアプローチが困難な滝かと思われる。 なぜなら、この道を200mも進むと車1台がやっと・・どころか、少しでもハンドルを動かすと横手の石垣と崖のどちらかに擦れる程の狭い通路となるからだ。
 

人の手の趣を感じぬ
不思議な『不動ノ滝』だ

もはや引き返す事もできず、石ころに乗り上げようがなんだろうが、とにかくハンドルを真っすぐに保つ。 約200m程のこの極狭の通路を越えるとさすがに精神的に参って、どうにか転回の利く路辺に車を“デポって”歩いていく事にした。 この判断は正解というか、車でこの滝にアプローチしようとするのが間違いで、案内板前で車を止めて歩いてくれば良かったのである。 僅か3~400mで、額に脂汗をたらすハメとなったのだから。 

道は簡易舗装されているもののますます狭くなり、やがては砂防ダムの築堤の上を通るなど、あれ以上車で進むと本当に戻れなくなったかも知れない。 簡易舗装道は『不動滝まで260m』の看板で途切れ、ここから山道然となって土手に切られた踏跡を登っていく。 土手の途中に細い支滝(たぶん、渇水期には涸れるであろう)を見て、程なく落差15m程のしだれ滝が現れる。
 

乱れ散る落ち葉と
白布によどむ
淵のおりなすハーモニー
 
滝の横に不動明王を祀る祠はあるが、今までの不動滝と違い手入れは行き届いていないようで、祠もかなりすす汚れていた。 今回訪れた『不動滝』の中で最も人里に近いはずなのに、最も俗世間から離れているように感じる滝であった。 落水と共に乱れ散る落葉が、この滝を元あった自然の姿へ回帰させているような気がした。
 

“人知れず”の不動滝も
深い味わいがある

    ※ 詳細はメインサイトの『撮影旅行記』より、『近畿の滝めぐり』を御覧下さい。
 
 
 


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No title * by あるく
こんにちは。
関連記事から来ました。
素晴らしい滝の表情ですね。ポチ

No title * by 風来梨
あるく日本書紀研究記さん、こんにちは。
お返事が遅れましてスミマセン。

南伊勢は海の情景を思い描きがちですが、結構滝の多い所です。
この他にも『不動滝』と名づけられた滝が、掲載された滝の倍ほどあるとの事です。

お勧めの季節は、春の桜や新緑の頃ですね。

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こんにちは。
関連記事から来ました。
素晴らしい滝の表情ですね。ポチ
2013-04-04 * あるく [ 編集 ]

No title

あるく日本書紀研究記さん、こんにちは。
お返事が遅れましてスミマセン。

南伊勢は海の情景を思い描きがちですが、結構滝の多い所です。
この他にも『不動滝』と名づけられた滝が、掲載された滝の倍ほどあるとの事です。

お勧めの季節は、春の桜や新緑の頃ですね。
2013-04-06 * 風来梨 [ 編集 ]