2013-03-10 (Sun)✎
名峰百選の山々 第85回 『84 白山・御前峰』 石川県・岐阜県
また、山頂からの眺望も、コバルトブルーの水面をたたえる火口湖・《翠ヶ池》を前景に、関西の山から日本アルプスの山なみが見渡せる絶景である。
《甚ノ助ヒュッテ》からは、左の山腹に切られた急な石段を登っていく。 これを登りきると、『エコーラインコース』や《南竜ヶ馬場》への分岐に出る。 この分岐を右に進路を取り、森林限界上の山腹をトラバース気味に伝っていく。 この辺りは展望の利く草原となっていて、そろそろ現れるお花畑を愛でながらの楽しい道となる。 進んでいくと、別山の登山道筋や《南竜ヶ馬場》のロッジ、そして色とりどりのテントが見えてくるだろう。
早い時期だと、この辺りは豊富な雪が乗る大雪原となり、ルートを見失う危険も生じる所である。
雪が解けると大草原のお花畑となり、庭園状の静かな雰囲気にマッチした眺めを魅せてくれる。
庭園の中をほぼ真っすぐに伝っていくと、左斜めから寄り添ってくる『砂防新道』と合流する。
合流してなおも《弥陀ヶ原》の大平原を突っ切ると、《五葉坂》と呼ばれる最後の登りを経て、宿舎の建つ白山・《室堂平》へとたどり着く。
宿泊手続の後、ひと休みして体力に余裕が出てきたなら白山最高峰の御前峰に登ってこよう。
なお、御前峰までのルート解説については、明日の御来光を望む時に述べたいと思う。 ちなみに、テント幕営ならば《南竜ヶ馬場》に大規模なキャンプ指定地で野営する事になるが、御前峰の山頂までが遠くなって、山頂での御来光を眺めるのは難しくなるだろう。
白山山系(白山国立公園) 2702m コース難度 ★ 体力度 ★★
白山をめぐるパーカーの群れ
《メインサイトより抜粋》
富士山・立山と共に『日本三大霊山』の一つに数えられる白山は、越前・加賀地方にまたがる両白山地の主峰である。 “白山”という名はこの山群の総称で、最高峰の御前峰 2702メートル 、次いで大汝峰 2684メートル ・剣ヶ峰 2677メートル と、3つの峰から構成されている。
・・日本海から吹きつける季節風をまともに受けるこの山域は冬季に大量の降雪があり、この雪が“万年雪”となって年中この山を白く輝かせる。 それが、この山“白山”の名前の由来である。
・・日本海から吹きつける季節風をまともに受けるこの山域は冬季に大量の降雪があり、この雪が“万年雪”となって年中この山を白く輝かせる。 それが、この山“白山”の名前の由来である。
そして、この“万年雪”がこの山に豊富な水を恵み、高山植物の源となる。 ハクサンイチゲ・ハクサンチドリ・ハクサンコザクラ・・。 花をあまり知らない人でさえ聞き覚えのある花の名も、この白山から出たものが多い。
また、山頂からの眺望も、コバルトブルーの水面をたたえる火口湖・《翠ヶ池》を前景に、関西の山から日本アルプスの山なみが見渡せる絶景である。
白山周遊登山ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 金沢市街より車(1:40)→別当出合(2:20)→甚ノ助ヒュッテ(0:20)→南竜道分岐
(0:30)→エコーライン分岐(1:20)→白山・室堂
《2日目》 白山・室堂(0:45)→白山・御前峰(0:40)→白山・剣ヶ峰(0:50)→白山・大汝峰
《2日目》 白山・室堂(0:45)→白山・御前峰(0:40)→白山・剣ヶ峰(0:50)→白山・大汝峰
(0:25)→千蛇ヶ池(0:30)→白山・室堂(1:10)→甚ノ助ヒュッテ
(1:40)→別当出合より車(1:40)→金沢市街
《1日目》 エコーラインを使って白山・室堂へ
白山でも特に花の多い・・といわれている『エコーラインコース』を使って、名峰・白山の全ての峰をめぐってみよう。 行程表では《金沢市街》よりの“通し”としているが、できれば前夜に《別当出合》までアプローチをして、早朝登山を心掛けたいものである。 さて、登山基点となる《別当出合》には休憩舎・トイレ・駐車場があり、シーズンには登山指導所や売店も出て、設備上は申し分ない。 ここで支度を済ませて、さあ出発だ。
トイレ前の道を奥に進むと、『観光新道』との分岐に出る。 今回の目的は花の豊富な『エコーラインコース』をめぐることにあるので、『観光新道』は見送る事にしよう。 分岐を過ぎて少し階段を下ると、《別当谷》に架かる吊橋を渡る。
白山でも特に花の多い・・といわれている『エコーラインコース』を使って、名峰・白山の全ての峰をめぐってみよう。 行程表では《金沢市街》よりの“通し”としているが、できれば前夜に《別当出合》までアプローチをして、早朝登山を心掛けたいものである。 さて、登山基点となる《別当出合》には休憩舎・トイレ・駐車場があり、シーズンには登山指導所や売店も出て、設備上は申し分ない。 ここで支度を済ませて、さあ出発だ。
トイレ前の道を奥に進むと、『観光新道』との分岐に出る。 今回の目的は花の豊富な『エコーラインコース』をめぐることにあるので、『観光新道』は見送る事にしよう。 分岐を過ぎて少し階段を下ると、《別当谷》に架かる吊橋を渡る。
渡り終えると樹林帯に入っての登りが始まる。 この地点はまだ奥手に作業林道が平行しているので、道も広く標識も整備されて歩き良い。 やがて、右上に『不動滝』と堰堤が見えれば、程なく林道と合流する。
車も通れる作業林道を少し歩くと、《中飯場》に出る。 ここには架設トイレがあり、最後の憩いの場!?となるので利用していった方が無難だ。 登山道はトイレの脇から、山の土手に入り込んでいる。
ここからは深い樹林帯の中の急登となり、時折ジグザグを交えながら高度を稼いでいく。 登りつめると周りの樹木がダケカンバ類に変わりだし、やがて崖の突き出たような《別当覗》の展望所に出る。
車も通れる作業林道を少し歩くと、《中飯場》に出る。 ここには架設トイレがあり、最後の憩いの場!?となるので利用していった方が無難だ。 登山道はトイレの脇から、山の土手に入り込んでいる。
ここからは深い樹林帯の中の急登となり、時折ジグザグを交えながら高度を稼いでいく。 登りつめると周りの樹木がダケカンバ類に変わりだし、やがて崖の突き出たような《別当覗》の展望所に出る。
高山植物の“影”の女王
クロユリ
ここから望む《別当谷》の大崩壊は実にすざましい。 また、その背後に『観光新道』の尾根道が仰げて、こちらの『砂防新道』共々遙か右上の《黒ボコ岩》を目指して連なっている。 この展望所より進路を90°右に変えて、トドマツ交じりの樹林帯を登っていく。 『室堂まで3km』の道標を見る辺りから足元にクマザサが現れて、これを掻き分けながら階段状となっているサザレ石帯を登れば、丸い礎石の残る《高飯場跡》の広場に出る。 見上げると、《甚ノ助ヒュッテ》の屋根部分が見えている事だろう。
少し登れば、程なく《甚ノ助ヒュッテ》に着く。 この小屋は無人小屋だが、高床式の“使用に十分耐え得る”造りの小屋である。 各地の無人小屋が荒廃し、あるいは倒壊している光景をよく目にする昨今では、とても嬉しく思える事である。 ちょうどここは、今日の行程の中間地点だ。 ここで少し休憩をしてから出発しよう。
少し登れば、程なく《甚ノ助ヒュッテ》に着く。 この小屋は無人小屋だが、高床式の“使用に十分耐え得る”造りの小屋である。 各地の無人小屋が荒廃し、あるいは倒壊している光景をよく目にする昨今では、とても嬉しく思える事である。 ちょうどここは、今日の行程の中間地点だ。 ここで少し休憩をしてから出発しよう。
白山の“オアシス”
南竜ヶ馬場
《甚ノ助ヒュッテ》からは、左の山腹に切られた急な石段を登っていく。 これを登りきると、『エコーラインコース』や《南竜ヶ馬場》への分岐に出る。 この分岐を右に進路を取り、森林限界上の山腹をトラバース気味に伝っていく。 この辺りは展望の利く草原となっていて、そろそろ現れるお花畑を愛でながらの楽しい道となる。 進んでいくと、別山の登山道筋や《南竜ヶ馬場》のロッジ、そして色とりどりのテントが見えてくるだろう。
これらの景色が一望できる展望台を越えると、程なく《エコーライン分岐》に差しかかる。
この分岐を真っすぐに進み《万才谷》の雪渓を越えれば、《南竜ヶ馬場》や別山、そして槍や穂高・乗鞍・御岳山が一列に望める『展望コース』への道だ。 もし、あと1日、日程に余裕があればこのコースにも立ち寄りたい所である。
エコーラインから望む
最高峰・御前峰
さて、この分岐を左へ取り、《万才谷雪渓》を右下に眺めながら草原と砂礫の丘の上を緩やかに登っていく。 この辺りは、本邦最大といわれている白山でも随一のお花畑が広がっている。
ハクサンイチゲ・ハクサンチドリ・ハクサンフウロ・クロユリ・クルマユリ・イワギキョウ・ハクサンコザクラ・ニッコウキスゲ・・など、色とりどりの花が草原を染め上げている。
ハクサンイチゲ・ハクサンチドリ・ハクサンフウロ・クロユリ・クルマユリ・イワギキョウ・ハクサンコザクラ・ニッコウキスゲ・・など、色とりどりの花が草原を染め上げている。
花の峰・白山に咲き競う
キヌガサソウ ハクサンコザクラ
ミヤマキンバイ イワカガミ
ハクサンフウロ クロユリ
また、展望も素晴らしい。 見上げる白山・御前峰も、“花の峰”らしい丸く優しい山容を魅せてくれる事だろう。 正面に雪渓を挟んでの別山と、それに連なる稜線の《大屏風岩》が緑濃く印象的な眺めである。 色とりどりの花を愛でながら緩やかに尾根筋を伝っていくと、《万才谷雪渓》の上部が途切れる辺りから最後のジグザグ急登となる。 これを乗りきると、《弥陀ヶ原》の下端に登り着く。
また、展望も素晴らしい。 見上げる白山・御前峰も、“花の峰”らしい丸く優しい山容を魅せてくれる事だろう。 正面に雪渓を挟んでの別山と、それに連なる稜線の《大屏風岩》が緑濃く印象的な眺めである。 色とりどりの花を愛でながら緩やかに尾根筋を伝っていくと、《万才谷雪渓》の上部が途切れる辺りから最後のジグザグ急登となる。 これを乗りきると、《弥陀ヶ原》の下端に登り着く。
五葉坂
室堂への最後の試練だ
早い時期だと、この辺りは豊富な雪が乗る大雪原となり、ルートを見失う危険も生じる所である。
雪が解けると大草原のお花畑となり、庭園状の静かな雰囲気にマッチした眺めを魅せてくれる。
庭園の中をほぼ真っすぐに伝っていくと、左斜めから寄り添ってくる『砂防新道』と合流する。
合流してなおも《弥陀ヶ原》の大平原を突っ切ると、《五葉坂》と呼ばれる最後の登りを経て、宿舎の建つ白山・《室堂平》へとたどり着く。
室堂から御前峰を見上げる
宿泊手続の後、ひと休みして体力に余裕が出てきたなら白山最高峰の御前峰に登ってこよう。
なお、御前峰までのルート解説については、明日の御来光を望む時に述べたいと思う。 ちなみに、テント幕営ならば《南竜ヶ馬場》に大規模なキャンプ指定地で野営する事になるが、御前峰の山頂までが遠くなって、山頂での御来光を眺めるのは難しくなるだろう。
白山・剣ヶ峰と霞む北アの山なみ
続く《2日目》は、次回の『名峰百選 第86回 白山・大汝峰、剣ヶ峰』を御覧下さい。
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