風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  『日本百景』  >  『日本百景』 冬 >  第53回  赤目四十八滝

第53回  赤目四十八滝

『日本百景』 冬  第53回  赤目四十八滝  〔三重県〕
 

静けさ漂う雪の滝景色
 
  赤目四十八滝 あかめしじゅうはったき (室生赤目青山国定公園)
伊賀・大和の境にある赤目四十八滝は、名張川の支流・滝川の上流渓谷に掛かる無数の瀑布群の総称である。 渓谷の最初の《行者滝》から最奥の《岩窟滝》まで、渓谷の長さは約4kmである。
 
この無数の瀑布群の総称である“四十八滝”の中でも、《不動滝》・《千手滝》・《布曳滝》・《荷担滝》・《琵琶滝》は『赤目五瀑』といわれ、景観も特に秀でている。 この渓谷は四季折々の情景を楽しむ事ができるが、一番のお薦めは冬である。 滝が氷瀑となって、クリスタルに輝く美しい景観を魅せてくれる。
 

 

絵葉書にあった表紙地図より
 
     行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報
大阪・上本町駅より鉄道(1:00)→赤目口(1:00)→日本サンショウウオセンター〔渓谷起点〕
渓谷起点の《行者滝》から最奥の《岩窟滝》まで約4km・所要約1時間40分 →落合 
(1:00)→日本サンショウウオセンター(1:00)→赤目口駅より鉄道(1:00)→大阪・上本町駅

さて、今回は数ある『四十八滝』の中でも、ひときわ景観の秀でたる《赤目四十八滝》をご案内しよう。 
三重県内は近鉄線が路線網を充実しているので、この渓谷へのアプローチは至って容易である。 
一応、アプローチの概要のみ挙げておこう。
 

冠雪でコントラストがついた

大阪・上本町駅から赤目口駅まで、快速急行か急行で約1時間である。 駅から《四十八滝》行のバスがでているが、ここはハイキングも兼ねて歩いていこう。 道程は約4km、所要は約1時間位である。 
店屋街とバスセンターを越えると、車道より下がった所に建っている《日本サンショウウオセンター》である。 ここが、《赤目四十八滝》の起点となっている。
 

 水量豊かな行者滝
 
入場料を払って、サンショウウオの水槽が大小100程ある建物内を通り抜けるとテラス状の所に出て、それに続く遊歩道を沢沿いに進んでいく。 まず、最初に出会う滝が《行者滝》である。 落差15m位の大きな淵を持つ滝である。 滝を見下ろしながら緩やかに階段を上り、赤い橋を渡ると《霊蛇滝》である。
 
この辺りから、《屏風岩》や《衣掛岩》などの立岩が両側より迫り立ってきて、いよいよ幽谷の趣を増してくる。 少し下って、あずま屋が建っている広い淵の畔に出る。 このエメラルドグリーンの淵に、美しい白布を落としている滝がある。 これこそ、『赤目五瀑』の一つ・《不動滝》である。

エメラルドグリーンの淵と調和された眺めは、四季折々の情景によってより引き立てられる。
中でも、冬の氷瀑の姿は素晴らしい。 正に“氷のオブジェ”、滝しぶきの宝石である。
 

エメラルドの釜を抱く不動滝
 

寒い冬の夜
不動滝の飛沫は“クリスタル”に変わる
 

滝の滴が氷筍となった

《不動滝》からは階段で滝の上に出て、橋を渡ってヘツり気味となった探勝路を伝っていく。 
探勝路全体では、この辺りが一番急な上り坂であろう。 これを越えると畳敷きのような《八畳岩》や《処女滝》を経て、『赤目五瀑』の《千手滝》と《布曳滝》と続いていく。
 

水量豊富な滝は
“流す”とぴったりはまる
千手滝
 

千手滝 
“氷のオブジェ”
 
端正な白布を掛ける《千手滝》、滝つぼに陽だまりを宝石のように輝かせる一条の白布《布曳滝》。
どちらも、四季を通じて魅力いっぱいの情景を魅せてくれるだろう。
 

エメラルドの釜に
光の宝石が散らばる
布曳滝
 
この2つの名瀑を越えると、ひとまず落ち着いた眺めが続くようになる。 早瀬に落葉が叙情的な《竜ヶ壷》や《縋藤滝》を越えると、深くよどんだ《釜ヶ淵》や広々とした一枚岩の中洲である《百畳岩》などが、少し単調になりかけた気持ちに涼風を吹きかけてくれる。 《百畳岩》の脇には休憩茶屋があり、シーズン中ならば飲物などを売っていて、ひと休みするにはちょうどいい頃合だろう。
 
茶屋でひと休みしたなら、先に進もう。 茶屋から先は、《百畳岩》の広がりが嘘のように幽谷を帯びてくる。 《柿窪滝》・《斜滝》と小さな滝を越えると、いよいよ《赤目四十八滝》でも“大観”といわれる《荷担滝》だ。
 

『赤目五瀑』の一つ
荷担滝
 

冬の荷担滝
 
二条の白糸のような流れを“担う”この滝は、スローシャッターで狙うとひときわ繊細な映像を魅せてくれるだろう。 遊歩道化しているのはこの《荷担滝》までで、ここからは行き交う人もめっきり少ないか細い道となる。
 

その名の如し
雛壇滝


流れの妙が優雅な琵琶滝

スライドした一枚岩の川床を嘗めるように流れる《雛段滝》や《夫婦滝》を過ぎると、『赤目五瀑』の最後に控える《琵琶滝》だ。 しっとりした白布と、なだらかな滝つぼが妙に艶かしい姿を魅せる滝であった。
ここから、《赤目四十八滝》最後の滝・《岩窟滝》までは500mほど離れている。
 

赤目四十八滝のしんがりに控える
岩窟滝

《岩窟滝》を越えると、沢を渡って土手につけられたスロープをジグザグに上がっていく。 
これを上りきると、奥を通る車道と合流する。 この道は《香落渓》に向かう道で、この地点は《落合》という地名との事である。 ここからは往路を戻るも良し、この車道を下っていくも良し・・である。 
時間的には、車道を歩く方が30分ほど短縮できる。
 

暖冬傾向の近年では
なかなか氷瀑にはならない

    ※ 詳細は、メインサイトより『赤目四十八滝』を御覧ください。
 
 
 
 


関連記事
スポンサーサイト



コメント






管理者にだけ表示を許可