2013-02-17 (Sun)✎
『日本百景』 冬 第51回 オホーツク・流氷 その1 根室 〔北海道〕
北の風物詩・流氷風
納沙布岬にて
オホーツク・流氷 オホーツク・りゅうひょう
オホーツク海沿岸における“冬の風物詩”・流氷は、毎年様々な景観を魅せてくれる。
流氷が接岸する1月下旬、沖に白い氷原が現れ、海に白い帯ができる。 この光景を目にした時、接岸を待ちわびる心をくすぐられてワクワクする事だろう。
流氷が接岸する1月下旬、沖に白い氷原が現れ、海に白い帯ができる。 この光景を目にした時、接岸を待ちわびる心をくすぐられてワクワクする事だろう。
そして、流氷がやってきて波間に点在する接岸初期は、海の碧蒼色と白い氷塊のコントラストの美しさを魅せてくれる。 やがて、接岸した流氷がびっしりと敷きつめられたならば、海にできる『地平線』を見てみよう。 この時、最高のシチュエーションは、早朝の日の出時であろう。
・・極寒の中、冷気による蜃気楼で歪む朝日と大氷原。 これを見る事ができたなら、もう言う事なしである。
納沙布岬 位置図
行程表
納沙布岬 → 根室市街よりおよそ25km・JR根室駅よりバスで40分
北方領土返還を願うモニュメントと
背後の海を埋め尽くす流氷
《納沙布岬》
納沙布岬は、根室の市街地より25kmほど離れた“東の果て”である。 根室駅より、バスが日に8便ほど運行している。 海面にうっすらと見える島々を遠望すると、ともすればロシアの巡視艇が視野に入る事もあるだろう。 そのような我が郷土でありながら踏み入れる事の叶わぬ“異国の地”である・・という重苦しい情景と相俟って、きっと旅人の心に何かを訴えかけてくると思う。
北方の島々まで
流氷伝いに渡っていけそうな
その納沙布岬を訪れるなら、やはり冬の流氷時だろう。 この名実とも“最果て”の地のイメージに合う流氷の状況は、海一面に敷きつめられた流氷であろう。 敷きつめられた大氷原は、北方領土までも歩いて行けそうな念願に似た錯覚を呼び起こす。
漂う流氷とカモメが
岬の寂しさを演出する
また、点在する流氷も、荒天で海が荒れているならば、“最果て”の厳しさをひしひしと感じる情景となり良し・・である。 カモメが寂しげに舞い、点在する流氷は、この重苦しい雰囲気を更に色付けしてくれるのである。
どうにもならない現実が示すもどかしい情景に心が響いたなら、北方領土記念館で郷土返還の思いをしたためる一筆を記してこの地を発とう。
根室標津付近 位置図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
根室標津付近 → JR標茶駅よりバス (2:10)→旧国鉄根室標津駅前より海岸まで徒歩約15分
『国後島を間近に望む駅』
旧国鉄標津線・根室標津駅のスタンプ
《根室標津付近》
出発点となる旧国鉄標津線・根室標津駅はコンクリート造りの立派な駅で、構内はターンテーブル跡と多数のレールを剥がされた広い構内から、当初は期待の大きな駅だった事が伺える。
駅から少し歩くと、国境の海岸線が見えてくる。
ディスカバー・ジャパンの駅スタンプは
『流氷と国後』とドンピシャであった
《根室標津付近》の海岸は、何と言っても極寒の中での流氷と、“光の戯れ”がおりなす眺めであろう。
流氷の状態は、ぎっしりと敷きつまった流氷原の時がベストだ。 そして一番冷え込んだ日の朝、空が白みかけた頃、流氷が敷きつめる海岸に立ってみよう。 極寒に耐えて見る朝日は、寒さを振りほどいてなお余りある素晴らしい光景を魅せてくれる。
流氷の状態は、ぎっしりと敷きつまった流氷原の時がベストだ。 そして一番冷え込んだ日の朝、空が白みかけた頃、流氷が敷きつめる海岸に立ってみよう。 極寒に耐えて見る朝日は、寒さを振りほどいてなお余りある素晴らしい光景を魅せてくれる。
朝の寒気と流氷からの
水蒸気がおりなす蜃気楼
『四角い太陽』
周りの空気が流氷より冷たくなることで起こる蜃気楼によって、朝日が歪められて四角に輝く“御来光”となるのだ。 この冷気と光がおりなす“ショー”が見れれば、もう言うことなし・・である。
また、空がピンク色に染まった中でぼんやりと浮かぶ国後島と朝日に輝く大氷原の情景も、言葉に尽くせぬほど素晴らしいものである。
流氷原に浮かぶ国後島
今にも歩いていけそうな“近くて遠き”島
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No title * by ぶるうす人生劇場
おじゃまします ほんとに 今すぐにでも 訪れてみたいと思いました
No title * by 風来梨
こんばんは。
見て頂いて有難うございます。
オホーツクでのみ見る事のできる流氷。 時期的にも2月から3月中頃まで・・と、なかなか見に行く事が難しい情景ですが、私も同じく「今すぐにでも訪れてみたい」情景です。
コメント有難うございます。
見て頂いて有難うございます。
オホーツクでのみ見る事のできる流氷。 時期的にも2月から3月中頃まで・・と、なかなか見に行く事が難しい情景ですが、私も同じく「今すぐにでも訪れてみたい」情景です。
コメント有難うございます。
No title * by yamanbou
この時期の北海道も
いいでしょうね。
寒そ~。
いいでしょうね。
寒そ~。
No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。
冬の北海道は雪の白が山野を彩る明るい雰囲気と、ノサップ岬のように北方領土を目の前にした重苦しい雰囲気など、色々な情景を魅せてくれます。
でも、山は夏ですね。 日高・大雪・暑寒別・・と、山は花に彩られます。 また、夏も北の山に行きたいですね。
冬の北海道は雪の白が山野を彩る明るい雰囲気と、ノサップ岬のように北方領土を目の前にした重苦しい雰囲気など、色々な情景を魅せてくれます。
でも、山は夏ですね。 日高・大雪・暑寒別・・と、山は花に彩られます。 また、夏も北の山に行きたいですね。
No title * by オータ
そういえば、根室のローカルグルメ「エスカロップ」が 全道のキオスクで販売されることになったそうです。
私は恥ずかしながら、標津線踏破のために 441レを厚床で降りてしまったので、いまだに汽車で根室へ行ったことがございません。
私は恥ずかしながら、標津線踏破のために 441レを厚床で降りてしまったので、いまだに汽車で根室へ行ったことがございません。
No title * by 風来梨
オータさん、こんにちは。
実を言うと私も根室駅は疎遠でして、昭和58年に初めて北海道に渡った時以来、根室は春国岱の素晴らしき情景に目覚める(笑)まで四半世紀の間、鉄道駅はご無沙汰してました。
でも、ここ数年は春国岱に目覚めたので通っています。
実を言うと私も根室駅は疎遠でして、昭和58年に初めて北海道に渡った時以来、根室は春国岱の素晴らしき情景に目覚める(笑)まで四半世紀の間、鉄道駅はご無沙汰してました。
でも、ここ数年は春国岱に目覚めたので通っています。