2013-01-29 (Tue)✎
『日本の滝を訪ねて・・』 第85回 マチガ沢大滝 〔群馬県〕
マチガ沢大滝
道を間違えて廃道に入り込んだ産物
現在はゼブラロープで進入を防止している
マチガ沢大滝 まちがさわおおたき 落差30m位の源流沢の滝 群馬県みなかみ町
アプローチ 谷川岳・巌剛新道ルートの途中に滝見台アリ
展望台まで、登山口から約1:30の登り
直接滝までのルートは現在廃道
このマチガ沢大滝は、一般的な滝でない事は確かである。 ワテが訪れたのは、まだこの滝の滝見台が設置されていなかった頃だ。 当時は、間違って進入を防ぐ張られているゼブラロープもなかった。
それ故に間違えて、滝沢の下まで入り込んでしまった。 この事で滝は見れたものの、ガレ場の悪ルートを戻るハメとなってしまった。
このルートは昔の登攀ルートで、直接谷川岳の《トマの耳》に登っていく“好き者”のルートだ。
入り込むと危険なので進入しないように。 それでは、谷川岳の《トマの耳》への登路と重ねて記載しよう。
土合駅から『谷川岳ロープウェイ』の乗場を経て舗装道を約3km歩くと、『巌剛新道』の登山口である《マチガ沢出合》に着く。 谷川岳本峰まで、ほぼ垂直に突き立っている急峻な岩壁を魅せる《マチガ沢》の全容を眺めたなら、石を積み上げた道標のある『巌剛新道』の登山口へ入っていこう。
白雪をまとうマチガ沢岩稜
登山口に入ってしばらくは、ツガの樹木に囲まれた登り良い道が続く。 やがて《マチガ沢》が近づいてきて、《マチガ沢》を遡行する登攀コースを分けて、左側にそびえる《西黒尾根》の樹林帯の中へ入っていく。
分岐では、足元の岩にペンキで『ガンゴー↑』と指示してあるが、これを見落として沢の対岸にある『マチガ沢登攀コース』のペンキ印につられて、《マチガ沢》に入ってしまう事があるので注意が必要だ。
分岐では、足元の岩にペンキで『ガンゴー↑』と指示してあるが、これを見落として沢の対岸にある『マチガ沢登攀コース』のペンキ印につられて、《マチガ沢》に入ってしまう事があるので注意が必要だ。
道迷いを避けるため、“『巌剛新道』は、いっさい沢を渡らない”と憶えておくといいだろう(今は、ロープで進入を阻止しているようである)。
この分岐を過ぎると、樹林帯の中につけられた幅の広い登山道を急登していく。 約1時間位の急登に汗を搾られると、ようやく樹木に切れ間が出てきて、《マチカ沢》の垂直の岩峰と天を衝くような尖峰、そして大きな雪渓より湧き出た水を落とす《マチガ沢大滝》を望む事ができる。 展望の利くこの辺りが、谷川岳とのちょうど中間地点くらいである。
この分岐を過ぎると、樹林帯の中につけられた幅の広い登山道を急登していく。 約1時間位の急登に汗を搾られると、ようやく樹木に切れ間が出てきて、《マチカ沢》の垂直の岩峰と天を衝くような尖峰、そして大きな雪渓より湧き出た水を落とす《マチガ沢大滝》を望む事ができる。 展望の利くこの辺りが、谷川岳とのちょうど中間地点くらいである。
谷川岳主稜線とマチ沢大滝を望む
滝見台より
ここからつづら折りの登りを3~4度繰り返すと、シラビソなどの背の高い樹木からダケカンバなどの潅木に変わってくる。 登るごとに《マチガ沢》の展望が良くなってきて、更に峻嶮に、更に壮大なスケールで天を衝く東尾根の峰々が臨場感大きく迫ってくる。 また背後には、東尾根の尖峰とは対照的に、緑豊かな白毛門が端正な三角錐の容姿を魅せている。
展望が良くなってから更に急登でつめていくと、これまでの幅広い土道から、稜線直前の岩稜登りへと変わる。 ここからは、簡単ではあるが鎖場が2~3ヶ所続き緊張させられる。 この岩稜を鎖片手によじ登っていくと、《西黒尾根》の稜線に飛び出す。 ここは《ガレ沢のコル》といい、《西黒尾根》通しの道との合流地点だ。
稜線上に出ると
谷川本峰の大岩壁が眼前に立ちはばかる
:
美しくも“そそる”情景だ
ここからの展望は、いままで下から見上げていた《マチガ沢》の大きな雪渓が遙か下に見下ろせて、かなり登ってきたことを実感できるだろう。 また、《マチガ沢》の尖峰群が、岩壁を連ねて谷川岳の主稜線につながり迫力満点だ。 一方、西側を見渡すと、緑濃き山なみとロープウェイの施設が見える。
西側の尾根は総じて緩やかで、東側の《マチガ沢》の大岩稜とのギャップがすざましい。
稜線上からは、岩ガレが積み重なってラクダのコブのような峰を次々と越えていく。 この辺りは浮石が多く、足元に注意したい。 この岩ガレの峰を直登気味に登っていくと、《氷河の跡》と呼ばれる一枚岩のV字溝が現れる。
これを越えて、西側から寄り添ってきた尾根直下の台地よりトラバース気味に斜めに登りつめていくと、《肩ノ広場》と呼ばれる広い稜線上に出る。 ここまで来ると、谷川岳の『耳二ツ』の片側・トマの耳へはあと一息だ。 ものの5分で頂上に登り着くだろう。
トマの耳より望む
谷川岳・オキの耳と谷川岳主稜
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