風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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私の訪ねた路線  第121回  米坂線

『私の訪ねた路線』  第121回  米坂線  〔山形県・新潟県〕
 

出羽・越後の故郷は名にしおう豪雪地帯だ
 
《路線データ》
      営業区間と営業キロ               輸送密度 / 営業係数(’15)
      米沢~坂町 90.7km                     388  /  258
運行本数(’10)
    米沢~坂町 5往復【内1往復 新潟~新発田 快速〔べにばな〕(米坂線内は各駅停車)】
    米沢~小国 1往復  米沢~羽前椿 3往復  小国~坂町 1往復 
    米沢~岩泉 下り1本・上り2本《土曜・休日1往復増》


  《路線史》
北越及び奥羽線への連絡線として建設された路線。 建設は1926~31年に米沢・坂町の両側から建設され、延伸の末に1936年の国境付近の開通により全通した。

列車の運用に関しては奥羽本線が山形新幹線に路線を供出するべく広軌化した為に、狭軌規格の新潟車輌センター所属の旧国鉄型車輌が使用されている。 だが、全てがJRの新潟色と呼ばれる塗装に変更されている為、同じく旧国鉄型車輌が使用された花輪線(2007年3月のダイヤ改正により新型車輌に置き換え)よりは注目度が低かったようである。

路線は豪雪地帯で、冬季は2~3mの積雪はザラとなっている。 冬期の豪雪をゆく旧国鉄型車輌の勇姿を撮りに訪れる鉄道ファンは多いという。

沿線は飯豊連峰と朝日連峰という東北の雄峰に囲まれた山間を行く事から、かつては優等列車の名称に【あさひ】を使用していたが、上越新幹線で同名の呼称を使用する事になって、山形特産の染物花の【べにばな】に置き換えられた。 その急行【べにばな】も今や快速に格下げられ、運行本数も1往復に減らされて、線内は全駅停車の普通列車ような運行形態となっている。
 

 

荒川渓谷を渡る
 
  《乗車記》
上杉氏の城下町・米沢が始発駅となるが、在来線を転用する形の山形新幹線が開通してからは奥羽本線の軌間幅が標準軌に変わり、ゲージ幅が従来通り狭軌の米坂線は完全に奥羽本線からは隔離された形となっている。 従って、米坂線の発着ホームは、1番線ホームの福島側を2段に切欠いた4・5番線を使用している。
 
米沢駅を出た列車は、米沢の市街地を半周する。 その半円の下点に当たる所が南米沢だ。
以前は有人駅で立派な駅舎があったが、今は洒落たコンパクトな造りの駅舎に建替えられている。
ここは米沢の市街地で付近に学校が多く、通学生の自転車が駅前に溢れ返っている。
 
米坂を出た列車は、半円状に米沢の市街地を周る。 半円を周り終えて市街地の西端まで進むと、西米沢に着く。 こちらも立派な駅舎があるが無人駅。 かつてあった交換設備も撤去されて、駅務室は老人クラブの集会所となっているようだ。 西米沢を出ると線路は北上し、成島という待合室がホーム上に乗るだけの棒線駅を経て中郡に着く。 こちらも木造駅舎は撤去されて、簡易待合室が設置された簡素な造りの駅舎に建替えられている。
 
次の羽前小松は、観賞用ダリヤの特産地・川西町の中心駅。 交換可能駅となっている。
羽前小松を出ると、犬川という簡易駅舎の建つ棒線駅を経て、旧国鉄長井線の第三セクター・山形鉄道との合流駅・今泉に着く。 駅の構造は島式ホーム2面4線で、駅母屋とは跨線橋でつながれている。
母屋側の島式ホーム2線を山形鉄道、駅舎から離れたもう一つの島式ホームを米坂線が使用している。
 
今泉を出ると2kmほど山形鉄道と並走し、白川を渡った所で南北に分岐する。 分岐して程なく萩生に着く。 洒落たツーバイフォーの待合室が建つ棒線駅だ。 次の羽前椿は飯豊町の中心駅で、当駅折返しの便が数本ある。 駅舎は、飯豊町の観光協会との合築駅となっている。
 
羽前椿で折返し列車が設定されているという事は、この駅を出ると運行本数が減少するという事である。 これより山形・新潟の県境の人口稀薄地帯に入っていく為だ。 羽前椿を出ると、交換設備を撤去されて待合室機能のみの駅となった手ノ子・羽前沼沢を経て伊佐領に着く。
 
この駅の手前辺りから、日本海に注ぐ荒川の源流が寄り添って、車窓は渓谷美が広がる。 この伊佐領も交換設備は撤去され、待合室機能だけの駅舎に建替えられている。 伊佐領を出ると、畑の中に待合室付のホームの棒線駅・羽前松岡を経て、県境を控えた町・小国に着く。 雪国の厳しい風雪に耐えるべく、威厳のある駅舎を有している。 ここから、飯豊山の石転ビ沢雪渓ルートへの登山口・梅花皮山荘へのバスが出ている。
 

壮大なスケールの石転ビ沢大雪渓
小国からのバス便は結構不便だ
 
小国と次の駅の越後金丸との間に玉川口という駅があったが、『利用者皆無』として平成7年に営業廃止となっている。 この駅は元交換設備があったらしく、駅舎撤去後もポイント撤去跡の部分が湾曲している。 また、駅の往時は先程述べた飯豊山登山口の梅花皮山荘への最寄り駅(名所案内にも記載されていた)であったが、廃止間際は停車列車は僅か2本と、使用に耐えない状況であった。
 

玉川口手前のガード下から飯豊連峰への夢が始まる
本文とは全く関係ないけど
 
旧玉川口を過ぎると山形・新潟の県境を越えて新潟県に入る。 県境を越えると、程なく越後金丸に着く。 駅は交換設備のある立派なコンクリート駅舎であるが、集落は手前500m離れた所にあり、駅前は国道が面するだけの無人地帯だ。 国道に寄り添って、そろそろに大河の様相を帯びてきた荒川が悠然と流れている。
 
次の越後片貝は、国道脇の小集落の駅。 駅は公民館を併設していて、使用状況は公民館がメインとなっているようだ。 次の越後下関は、関川村の中心駅。 駅前にスーパー・コンビニがあり、行政区の中心駅らしくなっている。 また、徒歩数分でクアハウス付の『道の駅』があり、温泉も楽しめる。
また、荒川温泉郷もバスで数分の位置にある。
 
次の越後大島は、木造駅舎から近年駅舎が建替えられたようだ。 正方体のデザイン駅舎が建っている。 越後大島と終着坂町の間に花立という駅があったが、玉川口と同じく平成7年に『利用者皆無』として営業廃止されている。 今は、かつて駅があった事を示す記念プレートが掲げられているのみである。
 
列車は日本海の方向へ西進し、程なく羽越本線と合流して終点・坂町に着く。 坂町駅は路線の延びる方向に従って、母屋寄りの1番線に入線する。 線内普通列車の快速【べにばな】は、この駅より快速運転となる。

   ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『米坂線』を御覧下さい。
 
 
 
 
 
 
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No title * by tom
こんばんは
米坂線には小生も訪れていますが、手ノ子だか、伊佐領だかで撮影しています。いずれ発掘します。

それよりも飯豊連峰。いいですね。訪れたことはありませんが、東北方面ではもっともそそられるエリアです。石転び沢雪渓!。ここを登ってみたいですね。首都圏からだと3~4日は必要ですよね。独身時代に行っておくんだったと後悔ですな。

No title * by 風来梨
tomさん、こんばんは。

私も伊佐領から羽前沼沢方向へ2km程戻った所で撮りました。
その内の1回は吹雪状態で、吹雪の中デバって撮影していたみたいで、今思えば「いい根性してるなぁ・・自分」って感じます。(笑)

それと飯豊連峰。 とっても魅力的な山ですよね。 但し、かなりシンドイ山ですが・・。

No title * by kei
米坂線...懐かしい響き...私の故郷にあるローカル線です。心に沁みる写真に感謝のポチ☆ 石転ビ沢の万年雪も懐かしいです。♪

No title * by 風来梨
keiさん、こんばんは。

雪国の情景・・。 厳しい中にも無垢な白の美しさを魅せてくれますね。 それと、石転ビ沢行かれましたか。 4kmに渡る白竜の帯・・。 爽快な登山ルートですね。 ちょっと危ないルートですが。

No title * by オータ
去年春の帰省途中、米沢駅へ牛肉弁当を買いに行き、専用ホームにいた米坂線DCを撮影しました。(アップ済み) こ綺麗な車両になり、お写真のような国鉄時代のイメージはありませんね。

飯豊連峰の風景画が美しいです。さすが、風来梨サマ!

No title * by 風来梨
オータさん、こんばんは。

米坂線に入った新しい気動車ですが、何かローカル電化線で走っている電車のようですごく違和感ありますね。 アレは敢えて撮りたいなぁとは思えないですね。

飯豊連峰は、素晴らしい風景が広がる所ですね。 でも最近は、ヘタレになってしまって、かなりキツくなってきました。

コメント






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No title

こんばんは
米坂線には小生も訪れていますが、手ノ子だか、伊佐領だかで撮影しています。いずれ発掘します。

それよりも飯豊連峰。いいですね。訪れたことはありませんが、東北方面ではもっともそそられるエリアです。石転び沢雪渓!。ここを登ってみたいですね。首都圏からだと3~4日は必要ですよね。独身時代に行っておくんだったと後悔ですな。
2013-01-29 * tom [ 編集 ]

No title

tomさん、こんばんは。

私も伊佐領から羽前沼沢方向へ2km程戻った所で撮りました。
その内の1回は吹雪状態で、吹雪の中デバって撮影していたみたいで、今思えば「いい根性してるなぁ・・自分」って感じます。(笑)

それと飯豊連峰。 とっても魅力的な山ですよね。 但し、かなりシンドイ山ですが・・。
2013-01-29 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

米坂線...懐かしい響き...私の故郷にあるローカル線です。心に沁みる写真に感謝のポチ☆ 石転ビ沢の万年雪も懐かしいです。♪
2013-02-01 * kei [ 編集 ]

No title

keiさん、こんばんは。

雪国の情景・・。 厳しい中にも無垢な白の美しさを魅せてくれますね。 それと、石転ビ沢行かれましたか。 4kmに渡る白竜の帯・・。 爽快な登山ルートですね。 ちょっと危ないルートですが。
2013-02-01 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

去年春の帰省途中、米沢駅へ牛肉弁当を買いに行き、専用ホームにいた米坂線DCを撮影しました。(アップ済み) こ綺麗な車両になり、お写真のような国鉄時代のイメージはありませんね。

飯豊連峰の風景画が美しいです。さすが、風来梨サマ!
2013-02-03 * オータ [ 編集 ]

No title

オータさん、こんばんは。

米坂線に入った新しい気動車ですが、何かローカル電化線で走っている電車のようですごく違和感ありますね。 アレは敢えて撮りたいなぁとは思えないですね。

飯豊連峰は、素晴らしい風景が広がる所ですね。 でも最近は、ヘタレになってしまって、かなりキツくなってきました。
2013-02-03 * 風来梨 [ 編集 ]