2011-02-01 (Tue)✎
我が国最東端の駅・東根室を出た列車は大きく周り込む様に進路を取り、根室半島の東海岸の方へ向かう。
だが海辺は通らずに、1.5km程内陸を進んでいく。 やがて根室市街の住宅が途切れ、市街地とは別のひと塊りの集落を見ると貨車駅・花咲に着く。 ここから花咲の港や岬へは2kmほど離れている。
花咲の駅を出ると集落は途切れ、原野とは言い辛い荒地のような中を進んでいく。
花咲駅を出て程なく根室市街へと結ぶ主要道道142号線が寄り添ってきて、これと平行しながら西和田に着く。 西和田も貨車駅である。 だが、この西和田駅は、かつて交換設備を持つ有人駅だった・・というから驚きだ。
さて、この西和田で下車しよう。 なぜ下車するかというと、ラムサール条約指定の湖沼である温根沼や風連湖があり、そこに立ち寄る為である。 実際は、温根沼や風連湖の最寄り駅であるといっても4~5km先の根室半島の西側で、この景勝地へは根室市街より車で国道44号線を行くのが普通である。
それに輪をかけて西和田駅は交通の便も何もない無人貨車駅なので、この駅を下車してこれらの景勝地に行く人は皆無だと断言できる。
だが、それを言ってしまえばこの架空鉄道旅行記は行き場を失ってしまうので、あえてこの駅を最寄り駅として立ち寄る事にした。 従って、架空旅行記の特権である『何でもアリ』を行使して、西和田駅からタクシーでも使って・・という解釈をして頂けると有り難い。
野鳥の楽園・春国岱
さて、こうして!?たどり着いた風連湖であるが、ここはオホーツク海の海水と流入河川の淡水とが交じり合った汽水湖で、面積は58平方キロと我が国では14番目に大きな湖だそうである。 その風連湖とオホーツク海を隔てるのは春国岱と呼ばれる砂嘴で、その砂嘴の中に多くの湿地帯を有している。
その砂嘴は夏はハマナスの花で溢れ、淡水と海水が混じる湖水は水鳥の餌となるさまざまな魚が流入し、また湿地帯で外敵より身を護り易い事から、丹頂や大陸からの渡り鳥の営巣地となっている。
即ち、この辺りは野鳥の楽園なのである。 そして、湿原保護の国際条約であるラムサール条約の湿生地保護区域にも指定されている。
それでは、この春国岱を通して風連湖を探勝してみよう。
春国岱の入口である風連湖大橋の手前にネイチャーセンターがあり、春国岱の遊歩道の位置を示したパンフレットを持って歩くといいだろう。 風連湖大橋を渡ってすぐに湖沼か広がり、オオハクチョウやクロガモが悠々と湖水で羽を休めている。
悠々とオオハクチョウのつがいが毛繕いをしていた
また、エゾシカの群れやオジロワシなど野生動物の楽園で、湿地帯の奥はエゾマツの群生地となり、さまざまな野生動物が潜んでいるという。 そして、海水の流入によってエゾマツが立ち枯れした『エゾワラ』も見ごたえがある。
水の流入によって立ち枯れたアカエゾマツ
エゾワラだ
空を自由に羽ばたく彼らを羨ましく思う・・
撮っても撮っても撮り足りない。 感動と興奮のワンダーランド・・、それが野鳥の楽園、春国岱である。
また来よう・・、またこの季節に・・。 そう誓って、この地を後にする。
詳しくはメインサイトの旅行記『地球遺産と鉄道の旅』《2日目》を御覧下さい。
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No title * by 風来梨
オータ様、こんばんは。
見て頂いてありがとうございます。
根室へ旅するなら、是非とも訪れたい所ですね。 この春国岱は。
鳥が一斉に羽ばたくシーンやエゾシカが群れを成して湿地を渡るシーンは大陸的な情景で、これを目にすると今自分は旅してるんだ・・という気持ちをかみしめる事ができます。
来年も行きたいな・・と考えています。
見て頂いてありがとうございます。
根室へ旅するなら、是非とも訪れたい所ですね。 この春国岱は。
鳥が一斉に羽ばたくシーンやエゾシカが群れを成して湿地を渡るシーンは大陸的な情景で、これを目にすると今自分は旅してるんだ・・という気持ちをかみしめる事ができます。
来年も行きたいな・・と考えています。
自然が好きな人なら、何日いても飽きないことでしょう。