2013-01-13 (Sun)✎
名峰百選の山々 第84回 『95 阿蘇山』 熊本県
本来なら朝5時半まで歩道も閉鎖扱いなのだが、ロープが仕切られているだけなので、かいくぐって歩道に出る。 歩道といっても、車道に沿ってつけられているだけだ。 約1km程これを歩いて、《砂千里》の入口に立つ。 ここから、《砂千里》の火山灰土を縦断していく。
ここは、ひたすら真っすぐ突き抜けるといいのだが何分目標が乏しく、ともすれば“リングワンダリング”に陥る危険性をはらんだ所だ。 約1km砂地を歩いていくと砂浜が途切れ、火山性の岩が積み重なった阿蘇山塊への取付に出る。 ここから、このゴーロ(岩石)帯をほぼ直登で登っていく。 登っていくごとに、《砂千里》の全貌が視界に広がっていく。
更に登ると、《阿蘇登山道路》が縫うように連なる『阿蘇』の高原や、《阿蘇カルデラ》に囲まれた街並みなどが望まれる。 《阿蘇カルデラ》壁と街並みが見え出すと、中岳の稜線は近い。 《砂千里》から標高差にして150m位であろうか、ナメてかかるとなかなかキツい登りを40分程耐えると、稜線上の端に這い出る。
ここには案内板があり、『頂上まで380m』とある。 ここから小さなコブを2つ3つ上下すると、阿蘇・中岳 1506メートル だ。 阿蘇・中岳からは、最高峰の高岳が右に迫っているのが目に入るだろう。
《月見小屋》は、その名称の通り“月が見れる廃屋”であった。 そして、そのたたずまいは、中世ヨーロッパの監獄のようでもある。 水場もないし、まず泊まりでは使えないだろう。 まぁ、交通機関が発達してアプローチもすごぶる便利になった今、この山域では避難小屋など必要はないのだろうが。
中岳から往路を戻るのだが、その前に《阿蘇山火口東展望台》に寄ってみよう。
中岳から150mを急下降で下りていくといい。 所要は約30分だ。
なお、途中でやや痩せた火口壁を伝う所があるので注意しよう。
《火口東展望台》からは《第一火口》と《第二火口》が望まれるが、噴煙もなく今イチ迫力不足だ。
昨日に見学した《火口西展望台》からは噴煙を上げる《第四火口》を眺めることができたので、東西どちらかと比べるならば《西展望台》の方がお薦めであろう。
《東展望台》から《西展望台》を望むと、そろそろ観光客の車によって渋滞が起き始めている頃だろう。
後は往路を戻るのみだ。 《火口東展望台》より中岳へは、急登の“アルバイト”を強いられるがほんの一時だ。
阿蘇山系(阿蘇くじゅう国立公園) 1592m コース難度 ★ 体力度 ★
やまなみハイウェイより望む
阿蘇のスカイライン
《メインサイトより抜粋》
東西18km・南北25km、面積1155k㎡。 世界一大きなカルデラ・『阿蘇』。 当然の事ながら、四季を問わず見どころいっぱいである。 まず、ドライブの観点からのお薦めは、阿蘇カルデラの手前まで延びる《やまなみハイウェイ》からの山々の眺望である。 城山や大観望などからの山々の展望は、雄大で素晴らしい。 もちろん、阿蘇五岳は手に取るように見える。
そして、登山。 根子岳 1433メートル ・高岳 1592メートル ・中岳 1506メートル ・杵島岳 1326メートル ・烏帽子岳 1337メートルからなる阿蘇五岳への“花の登山”だろう。 ミヤマキリシマ・ユウスゲ・クサフジなど、色とりどりの花が草原状の山々を染める中を歩くトレッキングタイプの楽しい登山である。 他にも、草千里からの雄大な眺め、冬の樹氷林など魅力を挙げたらキリがない。
そして、登山。 根子岳 1433メートル ・高岳 1592メートル ・中岳 1506メートル ・杵島岳 1326メートル ・烏帽子岳 1337メートルからなる阿蘇五岳への“花の登山”だろう。 ミヤマキリシマ・ユウスゲ・クサフジなど、色とりどりの花が草原状の山々を染める中を歩くトレッキングタイプの楽しい登山である。 他にも、草千里からの雄大な眺め、冬の樹氷林など魅力を挙げたらキリがない。
阿蘇山周遊ルート行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
熊本市街より車(1:00)→阿蘇山西駐車場(0:30)→砂千里(1:10)→阿蘇・中岳
熊本市街より車(1:00)→阿蘇山西駐車場(0:30)→砂千里(1:10)→阿蘇・中岳
(0:20)→阿蘇・高岳(0:45)→阿蘇山展望所(0:40)→阿蘇・中岳
(1:00)→阿蘇山西駐車場より車(0:20)→草千里(1:40)→熊本市街
我が国でも国民的な観光地・『阿蘇』。 ここをシーズン中にめぐるなら、それなりの覚悟が必要だ。
それは、決して計画通りに事が運ばない・・という事である。 山行自体は半日もあれば周遊できる簡単な行程であれども、アプローチに数時間かかるという事だ。
それは、《阿蘇登山道路》の渋滞と、それに輪をかけたようなロープウェイなどの時間待ち。
我が国でも国民的な観光地・『阿蘇』。 ここをシーズン中にめぐるなら、それなりの覚悟が必要だ。
それは、決して計画通りに事が運ばない・・という事である。 山行自体は半日もあれば周遊できる簡単な行程であれども、アプローチに数時間かかるという事だ。
それは、《阿蘇登山道路》の渋滞と、それに輪をかけたようなロープウェイなどの時間待ち。
登ったら登ったで、雲霞の如く押し寄せる人波で風景写真を台無しにされる事だろう。 それでも、頑張っていい写真をゲットしよう。 素材となる風景は“ヒカ一”なのだから。 それでは、阿蘇山めぐりをしてみよう。
・・できる限り観光客に蹂躙されたくない。 そんな思いが頭を過ったなら、ベストの方策がただ一つある。 前日にロープウェイの下駅(これより上はPM6:00で閉鎖される)までアプローチしておいて、その日は火口見学や《草千里》などに当てよう。
そして翌朝早く、日の出前に出発して、人出の比較的緩い午前中に山をめぐる行程プランである。
これなら人出の波に邪魔される事なく、『阿蘇』を存分に味わう事ができるだろう。 それでは出発しよう。
朝日と雲海で
神秘的に輝く根子岳
本来なら朝5時半まで歩道も閉鎖扱いなのだが、ロープが仕切られているだけなので、かいくぐって歩道に出る。 歩道といっても、車道に沿ってつけられているだけだ。 約1km程これを歩いて、《砂千里》の入口に立つ。 ここから、《砂千里》の火山灰土を縦断していく。
ここは、ひたすら真っすぐ突き抜けるといいのだが何分目標が乏しく、ともすれば“リングワンダリング”に陥る危険性をはらんだ所だ。 約1km砂地を歩いていくと砂浜が途切れ、火山性の岩が積み重なった阿蘇山塊への取付に出る。 ここから、このゴーロ(岩石)帯をほぼ直登で登っていく。 登っていくごとに、《砂千里》の全貌が視界に広がっていく。
阿蘇カルデラより
“下界”を望む
更に登ると、《阿蘇登山道路》が縫うように連なる『阿蘇』の高原や、《阿蘇カルデラ》に囲まれた街並みなどが望まれる。 《阿蘇カルデラ》壁と街並みが見え出すと、中岳の稜線は近い。 《砂千里》から標高差にして150m位であろうか、ナメてかかるとなかなかキツい登りを40分程耐えると、稜線上の端に這い出る。
ここには案内板があり、『頂上まで380m』とある。 ここから小さなコブを2つ3つ上下すると、阿蘇・中岳 1506メートル だ。 阿蘇・中岳からは、最高峰の高岳が右に迫っているのが目に入るだろう。
この高岳の“高い”事。 標高差は90m足らずなのだが、それを凌駕する圧倒的な眺めである。
阿蘇・中岳からガレた外輪山壁を伝うこと20分、登ってみると“標高差”通り簡単に高岳 1592メートル 頂上に着く。
高岳への登りで見る
阿蘇火口群
頂上展望は、一番高いこの場所が山群の中央にあるので、360°の大展望が広がっている。
根子岳・杵島岳などの“阿蘇五岳”や、大小11あるという噴火口の半数は見渡す事ができる。
頂上展望を楽しんだなら、ある所に立ち寄ってから高岳を後にしよう。
それは、《月見小屋(阿蘇山避難小屋)》である。 動機はいうまでもなく、“怖いもの見たさ”である。
岩の積み重なったドリーネ(摺鉢状の窪地)の壁を斜めに突き下ると、“月のクレーター”のようなドリーネの中、高岳がぽっかりとたたずんでいる名景が望まれる。 カメラにこの情景を撮り込んだ後、ドリーネの端に建つ《月見小屋》へ行ってみる。
根子岳・杵島岳などの“阿蘇五岳”や、大小11あるという噴火口の半数は見渡す事ができる。
頂上展望を楽しんだなら、ある所に立ち寄ってから高岳を後にしよう。
それは、《月見小屋(阿蘇山避難小屋)》である。 動機はいうまでもなく、“怖いもの見たさ”である。
岩の積み重なったドリーネ(摺鉢状の窪地)の壁を斜めに突き下ると、“月のクレーター”のようなドリーネの中、高岳がぽっかりとたたずんでいる名景が望まれる。 カメラにこの情景を撮り込んだ後、ドリーネの端に建つ《月見小屋》へ行ってみる。
“月のクレーター”の中に静かにたたずむ阿蘇・高岳
月見小屋より
《月見小屋》は、その名称の通り“月が見れる廃屋”であった。 そして、そのたたずまいは、中世ヨーロッパの監獄のようでもある。 水場もないし、まず泊まりでは使えないだろう。 まぁ、交通機関が発達してアプローチもすごぶる便利になった今、この山域では避難小屋など必要はないのだろうが。
小屋の見学!?の後、高岳の裾を巻いて中岳へ戻る。
中岳から往路を戻るのだが、その前に《阿蘇山火口東展望台》に寄ってみよう。
中岳から150mを急下降で下りていくといい。 所要は約30分だ。
なお、途中でやや痩せた火口壁を伝う所があるので注意しよう。
エメラルドの火口湖から
噴煙を噴き上げる
阿蘇・第一噴火口
《火口東展望台》からは《第一火口》と《第二火口》が望まれるが、噴煙もなく今イチ迫力不足だ。
昨日に見学した《火口西展望台》からは噴煙を上げる《第四火口》を眺めることができたので、東西どちらかと比べるならば《西展望台》の方がお薦めであろう。
《東展望台》から《西展望台》を望むと、そろそろ観光客の車によって渋滞が起き始めている頃だろう。
後は往路を戻るのみだ。 《火口東展望台》より中岳へは、急登の“アルバイト”を強いられるがほんの一時だ。
観光道路で2~3時間の渋滞に巻き込まれる事を思えば、何の事もないだろう。 往路をゆっくり戻っても、午前10時頃には下山できるだろう。 帰りの観光道路で6km・7kmと続く上り線の渋滞を見ながら、スイスイと帰路に着く事ができるだろう。
PS・・
この季節に登った山のネタが尽きちゃいました。 季節外れの山を紹介するのも何だと思いますので、春先まで『名峰百選の山々』も中断しようかと。
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No title * by 風来梨
しょ~すけさん、こんばんは。
見て頂いて有難うございます。
月見小屋はテントがあれば何とか・・っていう悪い環境ですが、ここから見る月夜はなかなかのものだろうなぁ・・と想像してしまいます。 その計画も想定したりしましたが、今は苦笑いの対象となっています。
でも高岳山頂でテントは、かなり馬力がありますね。
見て頂いて有難うございます。
月見小屋はテントがあれば何とか・・っていう悪い環境ですが、ここから見る月夜はなかなかのものだろうなぁ・・と想像してしまいます。 その計画も想定したりしましたが、今は苦笑いの対象となっています。
でも高岳山頂でテントは、かなり馬力がありますね。
数年前、僕も阿蘇にのぼりました。
着き見小屋にも寄りましたが、たしかに泊るのはなかなか、でした。で、結局高岳山頂にテントで泊りました。