風来梨のブログ

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第38回  北八ヶ岳 その1

『日本百景』 冬  第38回  北八ヶ岳 その1  〔長野県〕
 

陽光にギラギラと輝く樹氷群
 

北八ヶ岳主稜線縦走コース 行程図
 
   行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR茅野駅よりバス(1:00)→ピラタス山麓駅よりロープウェイ(0:10)→山頂駅
     (1:20)→北横岳ヒュッテ(0:25)→北横岳(1:00)→坪庭(0:20)→縞枯山荘
《2日目》 縞枯山荘(0:05)→雨池峠(1:00)→縞枯山(0:45)→茶臼山(1:20)→麦草峠
     (1:20)→丸山(0:20)→高見石
《3日目》 高見石(2:00)→中山峠(0:10)→黒百合平(1:30)→天狗岳
      ※ 西天狗までは往復1時間10分(1:30)→黒百合平
《4日目》 黒百合平(1:50)→渋ノ湯よりバス(0:50)→JR茅野駅

  《1日目》 坪庭から北横岳へ
さて、今回はロープウェイを利用して、雪山としては初心者向けの北八ヶ岳山域を〔厳冬期〕に歩いてみよう。 アプローチに際して、交通機関を乗り継ぐ事やロープウェイの始発時間が9:00と遅い事などで、思ったような行動が取り辛い。 従って、不本意ながら、山行の出発時間は10時と遅くなってしまった。 それでは、これより北八ヶ岳の盟主・北横岳に登ってみよう。

ロープウェイの始発は9時。 いくら頑張っても、スタートは10時前だ。  夏山とは違って、冬山は出発地点での準備に要する時間がかなりかかるのである。 ロープウェイのほとんどの利用者がスキー行楽客だ。 やるせない思い(山を壊して成り立つ娯楽をなぜ楽しめるのか・・と思うのだが)を抱きながら、相反目する格好のスキーヤ達を見送って登山の準備をする。 

ロープウェイの駅を出ると、哀しいかな・・スキー場のゲレンデと化している。 ロープウェイが上がってくる方向の斜面は、見事にハゲ山になっている。 こんな景色は見たくない・・そんな思いを胸に、とにかく登山道らしき所まで急ぐ。 《坪庭》と呼ばれるハイマツと岩の庭園まで登ると、ようやく魅力のある山の景色を取り戻すこ事できる。 ガイドはここから始めよう。 
 

自然の創造力が生み出した
天然の庭園・坪庭

夏ならばハイマツと露岩が山水画のような情景を創造する《坪庭》も、冬は雪に大半が埋もれて荒涼たる眺めを魅せる。 この中につけられたトレースを伝って行くのだが、何分《坪庭》は広く、前人が間違った踏跡に入り込んでしまうと完全に道をロストしてしまうので注意が必要だ。 
ここでは、あまり仕切りロープはアテにしない方がいい。 

なぜなら、登山道の仕切りロープは夏道で設定してあるので、冬道の論理は通用しないのである。 
ここで気をつける事は、明快なトレースのみを伝っていく事である。 また、“リングワンダリング”に陥らない為にも、北横岳は左手にある・・という事を頭の片隅に置いておこう。 

さて、《坪庭》の終わりで、この溶岩台地を区切る谷に一度下って北横岳の山体に取り付く。 
この上下があれば、道は正しいという事である。 これに取り付くと、《坪庭》の全景を眺めながら山腹を斜めを切るように登っていく。 やがて樹林帯に突入し、ジグザクを切ってつめていくと程なく北横岳と三ッ岳の稜線上に飛び出す。 ここから左に5分もたどれは、《北横岳ヒュッテ》だ。 
 

北八ヶ岳の難所・三ッ岳越
※ 雨池峠から北横岳へ縦走する際に通るルート
今回は三ッ岳は通らない

ヒュッテの脇を下る道を行くと、《七ッ池》の池塘群がある。 夏ならば瞑想的な雰囲気を求めて散策するのもいいが、今は冬で凍結しているので見送る事にしよう。 ヒュッテから北横岳の頂上までは標高差100mの直登で、25分もあれば頂上に登り着く。 ヒュッテに荷物はデポして、身軽な身なりで北横岳を目指そう。
 
北横岳 2480メートル の頂上からは、樹氷原越しに望む南八ヶ岳の山なみや南アルプス、美ヶ原や霧ヶ峰の高原、浅間山や白銀をまとった北アルプスの山なみが大パノラマで迫ってくる。
但し、山頂広場は眺めはいいが吹きっさらしで、飛び交う雹でかなりの“痛み”が伴うので念の為。
 

北横岳山頂より望む
南八ヶ岳主稜線
 

北横岳山頂より望む浅間山
 
冬山の頂上を堪能したなら、ヒュッテまで戻ってデポした荷物を回収して往路を下ろう。 
途中、三ッ岳との分岐があってこちらを行ってみたい所だか、三ッ岳の稜線上を連なる溶岩台地は岩間に雪が覆い被さる“落とし穴”地帯となるので、積雪期は通らない方がいいだろう。 

往路を伝って下山し終えると嫌な気分にはなるが、一度スキー場のゲレンデまで出てテレマークスキーのトレースを伝って《縞枯山荘》を目指す。 夏ならば、広い《坪庭》の溶岩台地を斜めに切る短絡道があるのだが、冬は変にトレースから踏み出て進むと“リングワンダリング”に陥るので止むを得ず・・である。
 
山を壊す娯楽の跡をたどるのは承服し難いが、ここは明日の素晴らしき眺めで埋め合わせをしたい・・と思う。 明日の素晴らしき情景を夢見つつ、一夜を結ぼう。
 
    続く《2日目》の行程は、次回の『第39回 北八ヶ岳 その2』を御覧下さい。
 
    ※ 詳細はメインサイトより、『北八ヶ岳』を御覧下さい。
 
 
 

 


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