風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  名峰百選・はじめに >  名峰百選・甲信越 >  名峰百選の山々 第81回  瑞牆山

名峰百選の山々 第81回  瑞牆山

名峰百選の山々 第81回  『41 瑞牆山』  長野県・山梨県
秩父山系(秩父多摩国立公園) 2230m コース難度 ★★★  体力度 ★★
 

枝と瑞牆山のおりなす影絵姿
 
  《メインサイトより抜粋》
日本の山地で南北・中央アルプス次いで高い山地が、この秩父山域である。 最高峰・北奥千丈岳 2601メートル を先頭に、金峰山 2599メートル ・国師ヶ岳 2592メートル ・甲武信ヶ岳 2475メートル など2500m級の山が数座連なる。 

この秩父連山は、長大な褶曲山脈で火山は1つもなく、山肌は深い森に覆われている。 
このように植物の生育条件はいいのだが、厳しい条件でこそ育つ高山植物があまり見られないのが残念である。 

しかし、この山域を源とする大河川が多くあり、その源流地帯は深く切れ込んだ見事な渓谷美を魅せて、これが原生林の深い緑と共にこの山の大きな魅力となっている。
 

 

秩父連山縦走コース 行程図
 
     行程表             駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR韮崎駅よりバス(1:05)→増富温泉より乗合タクシー(0:20)→瑞牆山荘
《2日目》 瑞牆山荘(0:50)→富士見平(1:50)→瑞牆山(1:40)→富士見平
     (1:00)→大日小屋
《3日目》 大日小屋(2:30)→金峰山(2:20)→大弛峠
《4日目》 大弛峠(0:40)→北奥千丈岳(0:15)→国師ヶ岳(2:00)→東梓
     (3:30)→甲武信ヶ岳(0:20)→西沢遊歩道分岐(0:25)→千曲川水源地標 
     (2:20)→モウキ平(1:00)→梓山バス停よりバス(0:35)→JR信濃川上駅
 
  《1日目》 韮崎駅より瑞牆山荘へ
ひとくちにいって、『秩父連山』は想像以上に長い。 この長大な連山の魅力ある全ての山々を踏んでの縦走だと、やはり4~5日はかかるだろう。 そこで、今回はできるだけ最短日数で、秩父連山の【名峰百選】の全ての峰を登る魅力的なプランを組んでみた。 しかし、行程最終日が10時間超のハード行程になってしまったのは残念であるが。

最終日の行程がキツいと感じるならば、甲武信小屋に宿泊することで2日行程とする事も可能である。
日程に余裕があるのなら、ぜひ1日多く取って頂きたい。 なお、《瑞牆山荘》へは車道が通じているので、《1日目》の行程の歩行時間は“ゼロ”である。
 
  《2日目》 瑞牆山を往復して大日小屋へ
山の天気は“朝が良い”のがセオリーである。 なぜなら、霧や雲を形成する水蒸気は、気温の上昇と共に湧きあがってくるからだ。 従って、昼過ぎになると、崩れないまでもガスに巻かれて何も見えない・・というケースが多くなる。 これを避ける為にも、《瑞牆山荘》は夜明けと同時に出発しよう。
 
《瑞牆山荘》から瑞牆山分岐点の《富士見平》までは、特に変化のないハイキングコースを約50分歩くだけである。 ガイドするほどのものでもないので、コースガイドはこの瑞牆山の分岐点より始めよう。 
荷物を小屋前にデポして、小屋の建つ《富士見平》の左脇より森林帯の中につけられた道を登っていく。
 

樹間より望む瑞牆山
 
奥秩父の山々はどの山域でも森林が深く、この瑞牆山も同様に樹木が深く薄暗い。 薄暗い陰気な道ながらも、樹木の隙間から時折覗き見る瑞牆山の白亜の岩峰群に、山に登る闘志をかきたてられる事だろう。
道は一旦、《ヤナギ坂》という峠状の高台を越えて、《天鳥川》に向かって急下降で下っていく。 

瑞牆山への登りは
大岩に掛かるハシゴより始まる

川まで下ると、樹林帯より出て視界が開けてくる。 
瑞牆山の誇る白亜の岩峰を仰ぎ見ながら《天鳥川》を渡り、瑞牆山の岩の間へ入り込むように進んでいく。 瑞牆山への取付の第一歩は、大きな岩の縁を階段で登る事からだ。

この階段を登ると、滑りやすい枯れ沢に岩が転るような道を岩や根を踏みながら急登していく。
ここからは浮石が多く、また岩が濡れていたり、大岩がゴロゴロと転がっていたりして、ルート取りにかなり手こずる事だろう。

岩を踏みしめ、木の根にしがみつきながら登っていくと、途中にロープやハシゴを数回絡ませた後にザラザラの砂場に差しかかる。 この辺りが、ちょうど中間点である。みこの辺りから、更に大岩が重なりあって道が判りにくくなる。 枝や岩につけてあるリボンやペンキのサインを見落とさずに登っていこう。 

このやや不明瞭な岩稜帯を登っていくうちに、空に向かってそそり立つ大きな一枚岩峰の基部に出る。
この大きな岩峰が瑞牆山を代表する岩峰・鋸峰である。 見上げると、天を突くかのように“そそり”立っている。 これを目にする限り“頂上はまだまだか”と感じてしまうが、鋸峰が見えてから約30分ほどで瑞牆山の肩に登り着く。 後は、瑞牆山の構成している岩峰を簡単な鎖やハシゴで乗り越えると、周囲がパッと開けて羅針盤のある瑞牆山 2230メートル 頂上に出る。
 

大パノラマが広がる瑞牆山山頂
 
瑞牆山の頂上からは八ヶ岳連峰を始め、南アルプスの甲斐駒ケ岳、美しき“見る山”富士山、深い森林と『五丈岩』がシンボルの奥秩父の盟主・金峰山など、素晴らしい景色が360°で広がる。 それと不思議な事に、標高2230mでしかない瑞牆山が八ヶ岳連峰などと同じ位の高度感を持っている。 それは、瑞牆山という岩峰の頂点に立っていて、その真下が目も眩むような“奈落の底”だからであろうか。
 
瑞牆山頂上 “とっておき”の四景

雲海に浮かぶ富士山
 

南アルプスの雄大な山なみ
 

奥秩父の盟主・金峰山
 

奥秩父の盟主・金峰山

奥秩父の主稜線から外れたからであろう、こんなに素晴らしい山岳風景を魅せる瑞牆山からはなかなかに去り難いが、先の行程もあるのでそろそろ下りに掛かろう。 瑞牆山からの下りは、急で滑りやすい岩場が延々と続くので気をつけていこう。
 
日の出と共に出発したなら、下山時に上りの者とすれ違う事だろう。 従って、落石には注意したい。 
下りも道悪な岩場を主となすので、思ったより時間がかかる事だろう。 まだまだ、行程は長いのである。 決して、惰力に任せて駆け下ったりせぬように。
 

この日の瑞牆山頂上は
抜けるような青空であった

さて、《富士見平》に戻ったなら、荷物を回収して《大日小屋》に向かって登っていこう。 
《富士見平》から《大日小屋》までは標高差にして約300m、1時間の道程だ。 樹林帯の中のキツくもなく、さりとて緩くもない傾斜を登っていくと、底に《大日小屋》が建っている開けた斜面に出る。 
 
まだまだ余力があるかもしれないが、今日はここで宿泊しよう。 なぜなら、次の宿泊地点・《金峰山小屋》前は水もなく、テントを張る事もできないからである。 《大日小屋》の目の前には冷たい沢が流れ、幕営地としては絶好のロケーションである。 明日は、奥秩父の盟主・金峰山に登ってみよう。
 

瑞牆山頂上にて

    続く《3日目》の行程は、次回『名峰百選 第82回 金峰山』 を御覧ください。
 
     ※ 詳しくはメインサイトより『秩父連山』を御覧下さい。
 
 
 

 
 

関連記事
スポンサーサイト



No title * by 銀色シーズン
空が青いですね。
とても気持ちいいです!!

No title * by yamanbou
こんばんは。
樹間の瑞牆山が最高です。
ナイス!!

No title * by 風来梨
銀色のシーズンさん、こんばんは。

ほんと、最高の天気でした。
最後の10時間行程の日は雨でしたが。

No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。

樹間から見ると、ヨーロッパの古城のような雰囲気がありますね。
ほんとに美しい白亜の岩峰ですね。

・・秋のネタはたくさんあるのですが、いつの間にか12月になってしまって・・。 真夏の季節外れが続きますが、ご容赦の程を。

No title * by メラニ-
風来梨さん、こんばんは。
私の好きな蒼、余りの美しさに言葉が出てきません。

有難う御座いました。

No title * by 風来梨
メラニーさん、こんばんは。
いつも見て頂いて有難うございます。

この日はスカイブルーという言葉が、この空の為の言葉だ・・と思う位に澄んだ蒼空でした。 山は晴れるといろんな素晴らしい情景を魅せてくれます。

コメント






管理者にだけ表示を許可

No title

空が青いですね。
とても気持ちいいです!!
2012-12-08 * 銀色シーズン [ 編集 ]

No title

こんばんは。
樹間の瑞牆山が最高です。
ナイス!!
2012-12-09 * yamanbou [ 編集 ]

No title

銀色のシーズンさん、こんばんは。

ほんと、最高の天気でした。
最後の10時間行程の日は雨でしたが。
2012-12-09 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

yamanbouさん、こんばんは。

樹間から見ると、ヨーロッパの古城のような雰囲気がありますね。
ほんとに美しい白亜の岩峰ですね。

・・秋のネタはたくさんあるのですが、いつの間にか12月になってしまって・・。 真夏の季節外れが続きますが、ご容赦の程を。
2012-12-09 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

風来梨さん、こんばんは。
私の好きな蒼、余りの美しさに言葉が出てきません。

有難う御座いました。
2012-12-10 * メラニ- [ 編集 ]

No title

メラニーさん、こんばんは。
いつも見て頂いて有難うございます。

この日はスカイブルーという言葉が、この空の為の言葉だ・・と思う位に澄んだ蒼空でした。 山は晴れるといろんな素晴らしい情景を魅せてくれます。
2012-12-10 * 風来梨 [ 編集 ]