風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  滝を訪ねて・西日本 >  日本の滝を訪ねて  第76回  竜頭・八重滝

日本の滝を訪ねて  第76回  竜頭・八重滝

日本の滝を訪ねて・・  第76回  竜頭・八重滝 〔島根県〕
 

美しい白絹を描く竜頭ヶ滝
 
   竜頭ヶ滝 りゅうずがたき 落差 40m 島根県・雲南市(旧 掛合町)
  
  アプローチ 国道54号線の『道の駅・掛合の里』より島根県道39号線を経て約8km
        駐車場より徒歩で約10分(約 500m)
 
『日本の滝100選』にも選出されているこの滝は、滝の裏側からも落水模様を望める『裏見の滝』としても知られている。 またその美しい滝の白絹模様は、今までにワテが訪れた滝の中でもトップクラスであると思う。 それでは、この滝へのアプローチなどを御紹介しよう。

JR木次線に沿って伝う国道314号の約30kmほど西側を南北に縦断する国道54号線が、今回の『滝ロード』である。 そして、2桁ナンバーの国道という事で、この地域の最重要幹線でもある。 
従って、道の駅やコンビニなども、沿線上にチラホラと点在する。

滝へは、『道の駅・掛合の里』の少し北側から西に延びる県道39号に入っていくといい。
この県道の交差点には『竜頭ヶ滝』への案内板が掲げてあるので、それを見落としさえしなければ容易に滝まで行けるだろう。 最後は1車線となるが滝前駐車場までの全区間が舗装されてあり、アプローチは何ら心配ない。 ただ、国道54号の分岐から7~8kmはありそうなので、車は必需となろう。
 
滝への案内指標の指示通りに《滝谷川》山あいの小集落までつめると、『P(パーキング)』の看板が出てくる。 ここが駐車場のようだ。 10台くらい駐車できるスペースだが枠表示などはなく、訪れた者も私だけのようであった。 駐車場には、竜頭ヶ滝と名付けられた由来を記した看板がある(源平時代での源頼朝公の名馬『池月』からの事らしい)。

落葉が敷き詰められた河床と雌滝

『パーキング』より最北端の民家を抜けると車の進入が不可能な滝参道になる。 
滝参道の入口には滝茶屋が建っている。 中が荒れてない所を見ると、シーズン中は営業しているようである。
 
ここから滝参道を350mほど行くと、トイレとあずま屋の建つ滝入口に着く。
入口には『雄滝 80m→』『雌滝 40m↑』と指示してあり、取り敢えず『雌滝 40m↑』の方から訪ねる事にしよう。

その日は夜半ずっと雨が降り続いていた事もあって、沢岸の岩を彫って段差をつけた階段はズル滑りする。 だが、ほんのちょっとなので慎重に行きたい。 
沢岸の石段で軽く沢をつめると、《雌滝》が姿を現す。 河床には落葉が散りばめられていて、その奥に落差15m位の段爆があるが、容姿としては今イチの感がある。

《雌滝》を撮り終えたなら、メインの《雄滝》に行く事にしよう。 《雄滝》へは先程の分岐に戻り、指示通りに橋で沢を渡って対岸に取り付く。 そして、150段位の木の階段を昇っていくといい。 なお、沢にある木の階段で、なおかつ雨上がりという事もあるのでスリップには注意したい。

木の階段を昇りつめ、視界にこの滝が広がった時、その優雅さに呆然となった。 
何と優雅な滝なのだろう。 言葉で何と語ろうとも、この秀麗を表現する事は適うまい。
従って稚拙ではあるが、ワテがフイルムとカメラを通して見た映像を元に表現しようと思う。
 

階段を昇りつめた先に広がる情景は
落水の白い絹糸が織りなす情景だった
 

夢中になって
絹糸の調べをカメラに収めた
 
正直言うと、《雌滝》が“期待ハズレ”だった事で期待を持たずに階段を昇りつめていたのだが。 《竜頭ヶ滝》の落差は40m。 その滝は“豪壮”のイメージではなく、繊細で優雅な“雅”の調べであった。 そして、この滝で忘れてはいけないのが、滝下の洞窟から望む滝の“裏見”の妙であろう。 その滝下の洞窟から望む情景は、まさに庭園風景。
しばし、高貴な夢に心を預けよう。
 

竜頭ヶ滝は滝の下部に
洞窟のある“裏見の滝”だ
 

裏見の洞窟より望む庭園風景
 

斜めから望む
落水風景が最も美しい
 
どんなに撮っても撮り足りない思いがした。 でも、立ち去る時は必ずやって来る。
そのジレンマからくる焦燥感を少しでも振り払うべく、必死にカメラを滝に向ける。
少しでも、「もっと、いろいろなアングルで撮ればよかった」との悔いを小さくする為に。
 

白絹が岩肌を
雪ほのかに染め上げて
 

淵にたたずむ落ちた枝木を
雪のように輝かす
 
いつまでもこの時を味わっていたいが、立ち去る時がやってきた。 「またいつか・・、ふらりと立ち寄る事ができたならいいな」との思いを胸に、この美瀑を後にしよう。
なお、下りの木段は更に滑りやすいので注意したい。 素晴らしい滝風景に出会えて、心が高揚している事だと思うから。
 

 

渓谷美を魅せる滝・八塩滝

    八重滝  やえたき  落差 40m他  島根県・雲南市(旧 掛合町)

  アプローチ 『道の駅・掛合の里』より国道54号線を南下約12km進むと
        案内板があり指示通りに左折 500mで駐車場有
        駐車場より渓谷遊歩道(延長1.3km)有 徒歩で片道約40分
 
『日本の滝百選』では、先程に記した《竜頭ヶ滝》と共に指定されている。
だが、共通点は“同じ行政区内にある”というだけで、滝の姿や水系などに何ら共通項はないのである。 あくまでも無責任な外野の意見であるが、「これはどうか?」と思うのだが。
まぁ、二つ合わせて、《竜頭八重滝 りゅうずやえたき》と“語呂”の響きは良いのだけどね。 それでは、もう一つの『日本の滝百選』のこの滝を探勝してみよう。
 

撮り様によっては
渓谷の秋を表現できるかも

この《八重滝》は《三万屋川》支流の八重滝渓谷に掛かる瀑布群の総称で、《竜頭ヶ滝》よりは車で20分ばかり離れている。 《竜頭ヶ滝》が奥深い山里に位置するのに対して、《八重滝》はこの地方のメイン国道である国道54号線の近くにある。 だが、八重滝渓谷の位置は峠越え区間であるので、《竜頭ヶ滝》の近くで見られたような集落等は見当たらないが。

旧掛合町の中心である『道の駅』を過ぎて10分ほど車を走らせると、『八重滝→』と掲げられた道路案内指標が現れる。 これに従い左折すると、《猿飛滝》という堤防で仕切ったような河床滝が現れる。 これも《八重滝》の一つなのだが、あまり情景的には“そそらない”ので通過する事にした。 この滝より500mほど先に進むと、50台は駐車が可能な駐車場に出る。
 

八重滝渓谷の入口にあった案内板
この横にあった「渓谷探勝をされる方へ」には
渓谷探勝の“マナー”として
「ペットの連れ込みはやめましょう」と記されてあった
 
駐車場からは渓谷沿いに遊歩道が整備されていて、初心者でも安心して渓谷探勝できる。
「だから」といって、街の生活そのままに振舞っていい訳ではない。 ペット連れなどもっての他である。 糞尿などでの自然環境に対しての悪影響は元より、ただでさえ狭く滑りやすい遊歩道である。

狭い遊歩道上での犬とのすれ違いは、他の渓谷探勝者にとっては滑落・転倒の危険があるのである。 こんな所で転倒すると、沢に転げ落ちる事もあり得るのである。 
即ち、他の渓谷探勝者全てに危害を加えかねない“許されざる”行為なのだ。  

過去にも野生動植物への被害などの悪害報告が数多くなされ、自然環境は元より他の探勝者に多大な迷惑をかけ、最悪は他人を怪我や事故に巻き込みかねない自然環境へのペットの連れ込みは絶対に許してはならないものだと強く思う。 それでは、元に戻ろう。
 

           八重滝の渓谷は              最後の滝以外で
               やや変化に乏しい           唯一“まとも”な《滝尻滝》

渓谷道の総延長は、約1.3km位である。 その間に、7つの滝(駐車場より前にあった《猿飛滝》を併せて“八重滝”である)があるのだが、最後の《八塩滝・八汐滝》の分岐爆以外は《猿飛滝》同様の河床・渓流滝で、滝としての迫力に関しては今イチである。 唯一、《滝尻滝》のみ“まとも”といった所だろうか。
 

八重滝”といっても
途中はこのような渓流瀑ばかり
《紅葉滝》にて
 
渓谷遊歩道は通行の上では全く問題はないのだが、至って単調である。 但し、沢に架かる橋の床は全て木製なので、落葉や湿り気があるとズル滑りする。 橋上で滑って転倒した私が言うので本当である。
 

              岩瀬には枯葉が             《姫滝》の手前は
                舞い落ちていた             小さな釜となっている

『八汐滝まで○○m』と記された遊歩道の案内道標も、100m毎に設置されている。
また、途中の《紅葉滝》前にはあずま屋の休憩所もあり、至せり尽くせりだ。 渓流瀑の《姥滝》の上を橋で渡るとその上部の《姫滝》はちょっとした釜を形成していて、その奥にいよいよ唯一の滝風景というか、本格的な瀑布である《八塩滝》の白布が岩肌に放物線を描いている。
 

“八重滝”渓谷の壮観
秋色の《八汐滝》と《八塩滝》

いよいよ美瀑が姿を現して心もはやる事だと思うが、手前にある瀬滝の《姫滝》を越える所は裸岩の岩伝いの箇所もあり、この辺りだけは足元に慎重を期したい。 そして遊歩道は、《八塩滝・八汐滝》の分岐爆の淵の前で途切れている。 滝の淵からは角度があり、滝正面を捉えるなら濡れた河床の岩肌を少し伝う必要がある。 それでは、《八塩滝・八汐滝》の織りなす滝風景でこの項目を締める事にしよう。

 ※ 詳しくは、メインサイトの『日本の滝を訪ねて』より竜頭ヶ滝八重滝』をどうぞ。
   なお『撮影旅行記』に、『3つの滝と3往復の秋』がありますので、宜しければどうぞ。
 
 
 

関連記事
スポンサーサイト



No title * by 銀色シーズン
滝がキレイですね。
今度、私も滝のスローシャッターに挑戦してみます。(^_^)v

No title * by 風来梨
こんばんは。

見て頂いて有難うございます。
滝のスローシャッターは難しいですね。 水量が多すぎると反ってダメになりますし。 風が強いと、周りの木々もブレちゃいます。
けれど、ハマれば最高です。

あと、逆に高速シャッターで飛沫を止めるって手もありますが、私は低感度フイルム使用ですので、そういう条件にはなかなかならなくて・・。

コメント






管理者にだけ表示を許可

No title

滝がキレイですね。
今度、私も滝のスローシャッターに挑戦してみます。(^_^)v
2012-11-15 * 銀色シーズン [ 編集 ]

No title

こんばんは。

見て頂いて有難うございます。
滝のスローシャッターは難しいですね。 水量が多すぎると反ってダメになりますし。 風が強いと、周りの木々もブレちゃいます。
けれど、ハマれば最高です。

あと、逆に高速シャッターで飛沫を止めるって手もありますが、私は低感度フイルム使用ですので、そういう条件にはなかなかならなくて・・。
2012-11-15 * 風来梨 [ 編集 ]