2011-01-15 (Sat)✎
名峰次選の山々 第11回 『113 戸蔦別岳』 北海道
日高山系(日高山脈襟裳国定公園) 1959m コース難度 ★★★★ 体力度 ★★★★
端正な三角推を魅せる戸蔦別岳
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 平取町・振内より車(1:10)→林道・振内ゲート(1:20)→北電・額平川取水ダム
《1日目》 平取町・振内より車(1:10)→林道・振内ゲート(1:20)→北電・額平川取水ダム
(2:40)→幌尻山荘
《2日目》 幌尻山荘(1:30)→命の水(2:30)→幌尻岳(1:30)→七ッ沼カール底
《3日目》 七ッ沼カール底(1:20)→戸蔦別岳(3:00)→幌尻山荘
《2日目》 幌尻山荘(1:30)→命の水(2:30)→幌尻岳(1:30)→七ッ沼カール底
《3日目》 七ッ沼カール底(1:20)→戸蔦別岳(3:00)→幌尻山荘
(3:50)→林道・振内ゲートより車(1:10)→平取町・振内
※ 《1日目》及び《2日目》の行程は、『名峰百選 第10回 日高・幌尻岳』を御覧下さい。
美しい三角錐を示す戸蔦別岳
《3日目》 戸蔦別岳を踏んで下山
“楽園”の朝は叙情的だ。 カール壁がオレンジ色に染まり、山が沼に影を落とす。
たが、ゆっくりはしてられない。 今日は、イッキに下山せねばならないのだ。
“楽園”の朝は叙情的だ。 カール壁がオレンジ色に染まり、山が沼に影を落とす。
たが、ゆっくりはしてられない。 今日は、イッキに下山せねばならないのだ。
歩行時間も8時間を超えるのだ。
朝日で輝く宝石となる花々
・・朝日がおりなすカール壁の素晴らしき景観を堪能したなら、早めに出発しよう。 アオノツガザクラが満開のお花畑を横切って、戸蔦別岳側の踏跡をよじ登っていく。 戸蔦別岳側の踏跡は幌尻岳側よりましなものの、これとてかなりの急傾斜である。 また、落石も多いので気をつけよう。 約30分の急登でカール壁の上に出て、カール壁上を通る道と合流する。
・・朝日がおりなすカール壁の素晴らしき景観を堪能したなら、早めに出発しよう。 アオノツガザクラが満開のお花畑を横切って、戸蔦別岳側の踏跡をよじ登っていく。 戸蔦別岳側の踏跡は幌尻岳側よりましなものの、これとてかなりの急傾斜である。 また、落石も多いので気をつけよう。 約30分の急登でカール壁の上に出て、カール壁上を通る道と合流する。
ハクサンイチゲの群落の先に
カールが広がる
この道を使えば、約10時間で一周して幌尻山荘へ戻れる。 だが、カール壁はハイマツ帯で、猛烈なブッシュ漕ぎとなることを覚悟しておこう。 カール壁の上から《七ッ沼カール》を見下ろすと、沼が小さく見えて、かなり登ってきた事が実感できる。 カール壁のお花畑を愛でながら、戸蔦別岳に登っていこう。
約300mの急登に疲れを感じたなら、後ろ振り返ってみよう。 背後にそびえ立つ幌尻岳の勇姿と蒼く輝く《七ッ沼カール》の風景が、疲れを振り払ってくれる事だろう。
カール壁に群落をなす
エゾノハクサンイチゲ
カール底より約1時間半で、“花の峰”戸蔦別岳 1959メートル に着く。 戸蔦別岳の頂上は赤いリボンのくくられた竿が差してあるだけの侘しいものであるが、展望は雄大そのものである。
中部日高の盟主・カムイエクウチカウシ山 1979メートル を中心に、国境稜線の山なみを一望できる。 国境稜線を望む
振り返ると、《七ッ沼カール》・《北カール》を抱いた幌尻岳がそびえ立っている。
また、二つのカールを隔てるカール壁も、恐竜の背びれの如くギザギザに尖り立っている。
恐らく、この時間に日高の主脈に立っているのは私だけであろう。
恐らく、この時間に日高の主脈に立っているのは私だけであろう。
戸蔦別岳の頂上より望む
七ッ沼カール

ワテだけの“楽園”。 その高揚感は、口では言い表せない。 この感覚がある限り、ワテはずっと山を続けていける・・と思う。 さて、山の思い出を胸に下山しよう。 戸蔦別岳からは、赤土混じりのガレ場を北戸蔦別岳に向ってトラバース気味に下っていく。 途中、塩基性赤土に咲く珍種の花のお花畑もあり、周りの展望も日高の山なみや《北カール》と幌尻岳など素晴らしいものばかりで、立ち去るのが惜しくなる

カムエク・1839峰
憧れの峰が正面に
しばらく、赤土混じりの岩ガレを歩くと、『幌尻山荘・降り口』の立て札があり、ここから砂礫地の山肌を急降下していく。 これよりは、高低差900mを約2kmで下りきる猛烈な下り坂だ。
しかも、途中にハイマツ帯のブッシュ漕ぎや切り立った崖を巻いたりするなど、一筋縄ではいかない。
くれぐれも勢いに任せて駆け出したりせぬように。
足が笑い出してガクガクになる苦痛をこらえて、ひたすらに下っていく。 遙か下にあった沢からの瀬音が、徐々に大きくなってくることだけが心の拠り所だ。 やがて、ハイマツ帯からダケカンバ林に突入し、下っているのが実感できる。
足が笑い出してガクガクになる苦痛をこらえて、ひたすらに下っていく。 遙か下にあった沢からの瀬音が、徐々に大きくなってくることだけが心の拠り所だ。 やがて、ハイマツ帯からダケカンバ林に突入し、下っているのが実感できる。
しかし、相変わらずの急坂は変わらない。 そして、まだ《六ノ沢》は遠い。 つま先の痛さをこらえつつ、延々と下り続けるしかないのだ。 そして、その痛みにあきらめがついた頃、ようやく樹林帯を抜けて笹林に出る。 この笹林の果てに、《六ノ沢》が瀬音を響かせている。
戸蔦別岳を振り返りながら
沢を下って行こう
《六ノ沢》に着いたなら、辛い下りで腫れ上がった足を冷やしながら日高の山の思い出に浸っている事だろうと思う。 後は、数回の徒渉を経て幌尻山荘の建つ《五ノ沢出合》へ。 幌尻山荘からは、往路を忠実に戻ろう。 《五ノ沢》からの渡渉は、往路で通った事もあり気分的には楽だか、油断は禁物。
落ち着いていこう。
戸蔦別岳と七ッ沼カール
そして日高の山々・・
また来るぞ
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No title * by 風来梨
タンタン様、こんばんは。
季節外れのネタですが、楽しんで頂けて嬉しいです。
いくら撮っても、山の魅力のほんの少ししか表現できない・・
そんな雄大な自然が、山の魅力ですね。
コメントありがとうございます。
季節外れのネタですが、楽しんで頂けて嬉しいです。
いくら撮っても、山の魅力のほんの少ししか表現できない・・
そんな雄大な自然が、山の魅力ですね。
コメントありがとうございます。
No title * by ちょっとHなちょい悪オヤジ
田舎を離れて40年経ちますが、久振りで見る日高山脈は懐かしくもあり又、嬉しいものです。
山登りはしませんが、小さい頃よく見ていました。
有難うございます。
山登りはしませんが、小さい頃よく見ていました。
有難うございます。
No title * by 風来梨
ちょい悪オヤジさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
日高が故郷の山とは、羨ましい限りです。
この日高はあまりにも嶮しすぎて、初級の幌尻でも、沢を漕ぎゆかねばならない所です。 でも、それが魅力的なんですね。
他にも日高の山を載せていきますので、宜しければまた覗いて見てください。
コメントありがとうございます。
日高が故郷の山とは、羨ましい限りです。
この日高はあまりにも嶮しすぎて、初級の幌尻でも、沢を漕ぎゆかねばならない所です。 でも、それが魅力的なんですね。
他にも日高の山を載せていきますので、宜しければまた覗いて見てください。
感嘆です
山登りが苦手なので 山登りの気分味あわせて頂きました