風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  名峰次選 一覧 >  名峰次選・北海道 >  名峰次選の山々 第73回  芦別岳

名峰次選の山々 第73回  芦別岳

名峰次選の山々 第73回  『112 芦別岳』  北海道
夕張山系(富良野芦別道立自然公園) 1727m  コース難度 ★★  体力度 ★★
 

“北海の谷川岳”
芦別岳本峰の大岩壁
 
  《メインサイトより抜粋》
夕張山地は、富良野盆地の西にそびえ立つ非火山性の構造山塊である。 この山地で景観に優れているのは、最高峰の芦別岳 1727メートル と 夕張岳 1668メートル の両主峰であろう。 

芦別岳は切り立った岩稜を備え、バリエーションコースが多く、ロッククライミングの名所としても有名だ。 
花も、キレット状となった登山道に沿ってお花畑があり、楽しい登山ができそうだ。
 

芦別岳・新道登山ルート 行程図
 
   行程表           駐車場・トイレ・山小屋情報
JR山部駅より車(0:10)→芦別岳・新道登山口(2:10)→鶯谷(1:20)→雲峰山
(0:40)→芦別岳(3:00)→新道登山口より車(0:10)→JR山部駅
 
JR山部駅から4kmほど山手の方に進むと、芦別岳の登山口がある。 この登山口一帯は『山部自然公園』として整備されていて、キャンプ場も充実しているので、前日にここでキャンプを張っての早朝早発登山を心掛けよう。 ゆとりある山旅を演出する為にも、ぜひ実行して頂きたい。
 
それでは、出発しよう。 キャンプ場から3分程で、《芦別岳・新道コース》の登山口だ。
ここから登山道を覗き込むと、薄暗い樹林の中に急坂が延々と続いているように見えて、第一印象はあまり芳しくない。 

だが、登っていくと、ちょうど登山口からの光が途切れる辺りで急登は途切れ、緩やかに波打つ歩き良い道となる。 但し、樹林帯の中なので、展望は全く利かないのではあるが。 
緩やかな起伏を『上り 7・下り 3』の割合で登っていくと、最初の休憩地点《見晴台》に着く。
 
ここには、『登山口より2.7km』との標識が木に掲げられている。 これを見て、“もう2.7km”とみるか、“まだ”とみるかで、今後のペース配分にかなりの差が出るだろう。 

ここから砂利状の道となって、いくらか傾斜が増してくる。 先程の標識で600mとあった《鶯谷》の休憩地点は、実は900m離れていて少々戸惑うが、道は歩くのに何ら問題はなく快適に進んでいける。
やがて《鶯谷》。 ここは、“谷”との地名であるが、見た感じは峠の中腹のようである。
なお、ここから『旧道コース』にある《ユーフレ小屋》への短絡コース『覚太郎コース』が分岐している。
 

旧道ルートは
芦別岳のキレット越えだ
 
ここからは、いよいよ亜高山帯となってきて、周りの樹木もダケカンバやツガなどの“山の樹木”に様変わりしてくる。 派生している尾根通しの地形そのままに、大きく迂回しながら登っていく。
これを登っていくとやがてハイマツが見え出して、このハイマツを掻き分けて這い上がると、辺りが急に開けた丘の上に飛び出る。
 

目が眩むような本谷の大岩壁
 
半面山 1317メートル の頂上である。 ここからは、芦別岳の北尾根の稜線が見渡せて、中でも2つ寄り添って突き出る『夫婦岩』が印象的だ。 だが、目指す芦別岳本峰は、前衛の雲峰山に隠れて見えない。 それどころか、雲峰山の急斜面にたじろく事だろう。

さて、気合を入れて先に進もう。 半面山からは軽く下って、《熊ノ沼》を抱く湿地帯を横切ってから雲峰山への取付が始まる。 この峰の登りは、肩まで突き上げてからのジグザグの急登だ。
周りは背丈程のクマザサが覆い、そのおかげで風が全くそよがない暑く辛い登りだ。 唯一の救いは、足元に咲く高山植物の花達であろうか。
 
半面山から約45分で、電光石火の急登を乗り越えて雲峰山 1560メートル の頂上に出る。 
この峰の展望は雄大で、眼前に芦別岳の大岩壁や万年雪渓を従える本谷の深い峡谷、『夫婦岩』下の“Xルンゼ”など、芦別岳の“おいしい”眺めが満喫できる。
 

雲峰山の展望台より望む夫婦岩
“Xルンゼ”もはっきりと見渡せる

素晴らしい眺めを望みながらひと息着いたなら、残るは眼前にそびえ立つ芦別岳頂上への最後のひと踏ん張りだ。 雲峰山からは、キレット状に切れたコルまで急下降してから芦別岳へ取り付く。
この《新道コース》はコース全般に渡ってよく整備されて何ら危険のないコースだが、この下りだけは注意が必要だ。 
 
足元が不安定な砂利の急下降で、しかも視界に本谷の“底なし”とも思える谷底が入ってくるので、緊張感もかなり高まる事だろう。 これを越えると、下った分だけそっくり登り返して、お花畑の稜線を伝うようになる。
 

             北の山は早くも“秋”の花が      グンナイフウロ 

この“嵐の前の静けさ”を通り越すと、いよいよ芦別岳の大岩壁の脇に向っての直登が始まる。 
直登といっても一般の登山コースなので、際どい所はジグザグにきってあったりして、見た目よりも登りやすい。 やがて、芦別岳の裏に周り込み、頂上直下の不安定な岩場をトラバースしながら斜上すると、“北海の谷川岳”と呼ばれる芦別岳 1727メートル の頂上だ。
 

芦別岳頂上より望む
十勝の山なみ
 

この日“一番”の
十勝の山の眺め
 
頂上からは、一風変わった独特の峰々が眺められる。 “入道”のように大きく盛り上がった頂を魅せる夕張岳 1668メートル 、灰色の大きな地割れを魅せる崕(きりぎし)山 1072メートル 、1600m峰とは思えぬ程の威風堂々とした山容を魅せるポントナシベツ岳 1683メートル などが、大岩盤を抱き高度感満点の“芦別の穂先”より眺められるのだ。
 

“骨っぽい”山容を魅せる
ポントナシベツ岳
 

夕張岳か!?
奇怪な山容を魅せる山なみ
 
また、この穂先より連なる北尾根の連なりにも目を奪われるだろう。 “北海の谷川岳”の名に相応しい鋭い岩峰を連ね、『夫婦岩』のアクセントが良く利いた素晴らしい眺めだ。 そして、背後を染めるライトグリーンの草原も魅惑的だ。 思う存分に頂上の景色を堪能したなら、下山に取り掛かろう。
 

北尾根に連なる『旧道』を望む
 
なお、今回の行程では往路を下るが、時間があれば、岩峰あり、ライトグリーンの草原あり・・の不可思議な風景を魅せる北尾根を経由して下るのもいいだろう。 北尾根は芦別岳《旧道コース》で結ばれていて、長さ9km・所要は5時間位であろう。 但し、『旧道コース』は、かなり荒れて歩きにくい・・という事を念頭に置いておこう。

   ※ 詳細はメインサイトより『夕張山地<2>』を御覧下さい。
 
 
 
 




関連記事
スポンサーサイト



コメント






管理者にだけ表示を許可