風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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日本の滝を訪ねて 第67回  知床・ウトロ海岸の滝 その2

『日本の滝を訪ねて・・』  第67回  知床・ウトロ海岸の滝 その2
 

あの時を語る為に作った地図なので
赤い線は無視してね・・
 
   知床・ウトロ海岸の滝
北海道・知床のウトロ海岸に直接落水する海岸瀑布群  北海道・斜里町
 
 
ウトロ港から出た船は、約2時間半で中間地点を過ぎる。 それは、往路でじっくり知床のネイチャー見物をして、復路はカッ飛びで戻る航路プランだからである。 知床岬までおおよそ4時間半かかるペースである。
 
前回で「テッパンベツ沢の滝あたりが中間地点だろうか・・」と記したが、この付近まで知床林道が通じているからだ。 即ち、このあたりまでマガイなりにも人の手が入っている・・という事なのだ。
従って、広大な知床の陸道の終点という意味で『中間』という言葉を用いたのである。
 
また、このテッパンベツ沢滝の手前の沢が有名なルシャ川で、何が有名かというと、ヒグマウォッチング地帯で知れ渡っている所である。 ネイチャーボートも、ヒグマがいないか・・をさぐりながら進むべく、岸まで50m位まで船を寄せ、エンジンを止めて随行モードに入っている。 ちなみに、親クマとコグマ頭の群れに1回だけ遭遇できた。
 
まぁ、ワテは日高で結構目にしているので、それほど気にも留めなかったが、やはりヒグマ牧場以外でヒグマを目にする・・というのは結構なイベントらしく、船中の視線が岸の1点に集中していた。
 
さて、滝だが、蛸岩という蛸が立ち上がったような奇岩を横目にすると、いよいよこの海岸で最も注目されるカシュニの滝が見えてくる。 落差は35m程と普通だが、完全なストレートの海岸瀑で、直接ストレートの白布をオーバーハングの岩壁から海中に落しているのである。 この情景はかなり神掛かった神秘的な様相だ。
 

カシュニの滝
神秘という言葉をそのままに
 
船は滝飛沫がかかるほどに接近してくれて、これまた歓喜の坩堝となる。
カシュニの滝を過ぎて、カシュニ岩を越えると、ポトヒラベツの滝に出る。
この辺りは完全な崖地形で、滝も会苦待った位置からその一部の姿が見えるだけだ。
 

ポトヒラベツの滝
ここまで上がれば完全な原生林帯だ
 
もう完全に浜は途切れ、深い原生林の崖を通り過ぎると、観音岩という観音様が立った様な姿の1本岩が見えてくる。 更に進むと、滝としては最後のアウンモナイの滝が見えてくる。 この滝の側は番屋となっていて、ボートが岸に固定されているのと、稼動している番屋のようで、布が小屋に干されているなど人の気配が感じられる番屋である。
 

アウンモナイの滝
滝の左手に見えるのが番屋である
 
そして、西洋の地中海地方の白いアパートのように、窓穴の開いた『窓岩』や、獅子の形なのかは定かでないが『獅子岩』、岬直前の監視船の停泊湾である文吉湾を経て、いよいよ知床岬園地沖に出る。
でも、所詮ネイチャーボートなので、知床岬の沖合2~300mをUターンして戻るだけだ。
当初から期待していた岬に周り込む事もなかった。
 
船から望む白黒の灯台を見るにつけ、やはり彼の地を踏んだ事のある私の優越感が心に擡げてくる。
そして、彼の地を踏むまでにオチャメ傷の数々を足の向こう脛に刻んだ事も・・。

だからであろうか・・、今更ながらに海から見た彼の地の灯台は撮る気がしなかった。
どんなにアングルを決めた所で、彼の地を踏みしめて撮ったあの時の写真には足元も及ばないのが目に見えて解ったからである。
 

どんな事をしても海の上からでは
あの時の情景には適わない
 
後は、岸から2~300m離れた沖合を船酔いせぬ程度にカッ飛ばし、約1時間半ほどで乗り込んだウトロの港に着く。 まぁ、このネイチャーボートは、いろんな意味で面白かった。 たぶん彼の地へはもう二度と行けない(体力的に)だろうし、また「二度と・・」までは言わないが、あんまり行きたいとも思わないので、こういう一般人の知床の楽しみ方を享受するのもいいかな・・と思えたからである。
 
でも、あんな怪我をしてまでも前に進もうとしたあの時(結局断念して引き返したが)、そしてリベンジを成し遂げた瞬間の感動は、今のダメダメなワテに落ちようと絶対に忘れない。 

  ※ 詳しくは、メインサイトの『日本の滝を訪ねて・・』より
    『知床・ウトロ海岸の滝』をどうぞ。
 
 
 
 
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