風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰百選の山々 第65回  薬師岳 その1 スゴ乗越まで

名峰百選の山々 第65回  『54 薬師岳 その1 スゴ乗越まで』  富山県 
立山山系(中部山岳国立公園) 2926m コース難度 ★★  体力度 ★★★
 

帯雲のドレスをまとった薬師岳
 
  《メインサイトより抜粋》
薬師岳 2926メートル は、うって変わって登山者の領域である。 この山の魅力は、何といっても山岳的雰囲気に満ちあふれていることである。 薬師岳へ向かうまでに出会う様々な絶景、端正な姿が美しい薬師岳の広大な稜線を歩く高揚感、氷河時代の遺跡・金作谷の大カール。 中でも朝日を浴びて金色に輝く金作谷カールの情景には、感動以上のものがある。 また、山のもう一つの魅力・『高山植物』も豊富で、多くのお花畑の群落を成している。

・・薬師岳からひと足延ばせば、“花の大地”《雲ノ平》にも行く事ができる。 但し、山は決して、安易な考えでの登山を受け付けない。 薬師岳はアプローチに2~3日を要する長く大きな山で、時には『愛知大遭難』のように優しい姿の山が“牙”をむく時もあるのだ。
 

薬師岳周遊ルート 行程図
 
   行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》  JR富山駅より鉄道利用(1:05)→立山駅よりケーブルとバス(1:00)→室堂
     (1:20)→一ノ越(0:35)→富山大学立山研究所(3:00)→ザラ峠
     (0:50)→五色ヶ原キャンプ場
《2日目》 五色ヶ原キャンプ場(2:20)→越中沢岳(1:40)→スゴノ頭
     (1:20)→スゴ乗越小屋
《3日目》 スゴ乗越小屋(3:00)→北薬師岳(1:10)→薬師岳(1:00)→薬師岳山荘
     (1:30)→薬師峠キャンプ場
《4日目》 薬師峠キャンプ場(0:20)→太郎平山荘(3:00)→折立よりバス 
     (1:10)→有峰口駅より鉄道利用(0:50)→JR富山駅
 
  《1日目》 室堂から五色ヶ原へ
室堂から立山との分岐点・《一ノ越乗越》までは室堂のトレッキングルートで、語るほどのものでもないので割愛しよう。 探訪ガイドは、《一ノ越乗越》の分岐から始める事にしよう。 《一ノ越乗越》のテラスでひと息着いたなら、分岐を左に進路を取って山荘の脇を抜けて緩やかなガラ場の坂を登っていく。
 
ゆったりとした大らかな山稜には、夏の花期にはクロユリやハクサンイチゲなどの花が咲いている事だろう。 少し汗ばんできた頃には、龍王岳の頂上広場にある『富山大学立山研究所』のプレハブが見えてくるだろう。
 

今頃頂上は雷だろうか
積乱雲立ち込める薬師岳

ここから緩く左に折れて龍王岳の斜面を下り、小さな緩衝地帯を経て岩ガレをトラバース気味にいくと、鬼岳の肩に着く。 ここからが本番だ。 この肩の急下降から《ザラ峠》までは土砂が流失気味に崩れている悪場があり、また傾斜も“立山の行楽コース”から脱却して本格的な“登山道”となるのである。 
鬼岳の肩からの急下降は取付が特に急で、しかも黒土の脆い地層が続き踏ん張りが効かない。 

これを標高差150m位下ると小さな雪渓のある草付きを斜めにトラバースして、鬼岳から派生している支稜の頭に出る。 ここから右下に周り込んで鬼岳の本峰を巻き気味に渡ると、草付きにお花畑が広がる獅子岳のコルに出る。 コルに敷設されてある木道を渡り、獅子岳の斜面に取り付く。
 

              イワイチョウ            ミヤマリンドウ

ここから獅子岳までは、お花畑が点在する草付きをジグザグを切って登っていくが、草の背丈が高く、夏の最盛期で無風状態の時などは陽炎が立つ程に暑い。 これを登りきると、獅子岳の支峰の頭に出る。
ここから吊尾根状の痩せ尾根を渡っていくと、獅子岳 2714メートルの頂上だ。
 
頂上からは、《五色ヶ原》の大平原がライトグリーンを輝かせて、その背後に残雪の筋をまとう薬師岳の優雅な姿を望めるであろう。 この素晴らしい景色を眺めて、疲れを全て振り払ってしまおう。 
なぜなら、ここから延々とザラザラの砂利道を下って行かねばならないのだ。 

この下りの“オーダー”は、高低差300m。 膝がガクガクする程の急傾斜と歩きにくいザラザラの砂ガレは、精神的に疲れてくる。 途中に小さなハシゴを下るが、この辺りが中間地点であろう。
獅子岳の頂上から見えた《五色ヶ原》の大草原がいつの間にか山の後ろに隠れて深い谷の中に入っていくと、ようやく急傾斜が終わり“底”部の《ザラ峠》に下り着く。 ここから、立山カルデラの赤い断崖を見ながら緩やかに登り返していくと、《五色ヶ原》の左端に登り着く。
 

五色ヶ原と赤牛岳

アオノツガザクラが満開だった

ここからは木道が敷かれてあり、この上を伝っていくと《五色ヶ原ヒュッテ》に着く。 
この山荘は《五色ヶ原山荘》の“サブ”扱いで、入山者が少ない時は閉鎖している。 ここから木道を伝っていくと、程なく大草原の中央部にある《五色ヶ原山荘》に着く。 ここでキャンプ設営の手続きをして、お花畑の下にあるキャンプ場へ下りていこう。 キャンプ場は《五色ヶ原》の大草原の下端で、眺めは「素晴らしい」のひとことである。
 

水晶岳と湧き上がる積乱雲


“ムー大陸”のような龍王岳

針ノ木岳 2821メートル・野口五朗岳 2924メートル・水晶岳 2986メートルなどの『裏銀座名峰群』が正面にそびえる。 右には、優雅な姿を魅せる薬師岳 2926メートルが見える。 
そして、左には夕日を浴びて輝く竜王岳が。 また、木道に沿ってのお花畑の散策も楽しい。 このキャンプ場は、北アルプスでも屈指の好適地である。




夜が明けた
龍王岳より昇るサンライズ
 
  《2日目》 五色ヶ原から越中沢岳を経てスゴ乗越へ
山なみがオレンジ色に染まる朝の情景を眺めながら、出発の準備をしよう。 
テント幕営の良い所は、いち早く御来光を拝める事にあろう。 さて、朝日のおりなすショーを堪能したなら、《五色ヶ原山荘》へ向かって木道を登っていこう。 
 
《五色ヶ原山荘》の脇を周って、大草原の西側の稜線沿いを緩やかに登っていく。 少し登った稜線の上から眺める朝の《五色ヶ原》の大草原と赤い屋根の《五色ヶ原山荘》の点景は、ふと立ち止まって見入ってしまう魅力的な情景だ。
 

オヤマノエンドウ

オレンジ色に染まる草原と朝露輝く高山植物の花々などを眺めながら登っていくと、程なく鳶山 2616メートル の頂上だ。 ここからの展望は、やはり《五色ヶ原》の大草原を振り返る事に尽きる。 
左足下に広がる残雪豊かな大草原と、宝石を散りばめたような池塘群を美しく見渡せる事だろう。 
 
私が登り着いた時は残念ながら朝露が霧状となって写真は撮れなかったが、うっすらながら《五色ヶ原》の全貌を見渡す事ができた。 時間に余裕があれば、カメラのファインダーを通して大自然の素晴らしい情景を綴ってみてはどうだろう。 

鳶山の展望を楽しんだなら、背丈程のハイマツ帯を緩やかに下り始め、樹林帯に突入して越中沢の乗越まで下っていく。 ここから緩やかに登り返すと樹林帯を抜け出て、展望が広がる砂礫と草原からなる斜面に出る。
 

薬師岳を背景にゴキゲン!
 
ここから越中沢岳越しに望む薬師岳の美しい事・・、薬師岳はどこから見ても優雅な姿の山であるが、私はこの辺りからの眺めを第一に推したい。 最も優雅な眺めの薬師岳を見ながら砂礫と草原からなる緩やかな斜面を登っていくと、越中沢岳 2591メートル の頂上だ。
 

目立たぬが“ピリリと辛い”
立派な山容の越中沢岳
 
頂上からは、樹林の中に《スゴ乗越》の山荘が望める。 しかも、割りと大きく近そうに見えるのでついつい油断しがちだが、このコースの本番はここから始まるのだ。 まずは、《スゴノ頭》の乗り越えだ。 
急なアップダウンとつかめば崩れる脆いガレ岩帯、そろそろコタえてくる強い日差し。 これらの状況は、先程小屋が見えた事で芽生えた“楽観”を全てもみ消してくれるだろう。 

越中沢岳の頂上から一投足の位置に見えた《スゴノ頭》のピークにたどり着くまで小1時間かかるのだから、この間が如何に悪場かが解かるであろう。 小1時間かけてようやく登り着いた《スゴノ頭》のピークでは、予想外アルバイトを強いられて疲れ果てた面々が思い思いに“ヘバッて”いる事だろう。 

《スゴノ頭》で越中沢岳での甘い観測を反省して、ハイマツ交じりの急傾斜を下っていく。 この下りを標高差300m位下って、2つ程コブを越えると、標高2150mの《スゴ乗越》だ。 ここまでくるとようやく難関は終わり、樹林帯やお花畑の中を登り返して《スゴ乗越》の小屋に着く。
 

右に“遭難尾根”東南稜を
張り出す薬師岳

この小屋前のテラスは狭く、眺めもあまり芳しくない。 小屋裏のキャンプ場も許容10張と小さく、昨日の《五色ヶ原》の“楽園”からすると雲泥の差だが、明日にあの優雅な薬師岳に登れる・・と思うとわくわくしてくる。 明日は、薬師岳の美しい稜線を一歩一歩踏みしめていこう。

   続き《3日目》の行程は、次回の『名峰百選 第66回 薬師岳 その2』を御覧下さい。 
   ※ 詳細はメインサイトより『立山・薬師<2>』を御覧下さい。
 
 
 
 
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